兵庫県神戸市 - METI...兵庫県神戸市

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兵庫県神戸市 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ Keyword コーヒー滓など店舗廃棄物、市内の剪定枝等からバイオコークスを製造し、循環利用する実証実験。 近畿大学の技術的支援、複数の飲食チェーン店、一般廃棄物収集運搬事業者の協力を得て取り組む。 実証実験で確認できた課題の抽出と対応策の検討、地域資源循環の見える化に取り組む。 イベントでの情報発信や防災訓練でのデモ利用により、地域資源循環モデルの見える化を検証。 (登録済) コアとなる取組、技術など間短縮、システムの簡便性など、 優位性に富んだ技術 環境貢献都市を目指す神戸市では、バイオコークス燃料の実用化に 向けて研究開発を行う近畿大学、環境に配慮した店舗づくりや環境負 荷低減への取組みを実践するスターバックス コーヒー ジャパン株 式会社と連携して、店舗廃棄物などからバイオコークスを製造し、再生 可能エネルギーとして循環利用する実証実験を、平成 28 年度より環境 省「低炭素型廃棄物処理支援事業(地域循環圏・エコタウン低炭素化 促進事業)」を活用して行っている。 コーヒー滓や紙コップ等の店舗廃棄物を、神戸市環境共栄事業協同 組合による食品廃棄物等収集運搬システムを活用して収集運搬する とともに、神戸市内の公園などから排出される剪定枝等を加え、多様 な種類のバイオマスからバイオコークスを製造。 平成 29 年度は、日本マクドナルド株式会社、株式会社モスフード サービスの2つの飲食チェーン事業者が新たに参画しており、ゼロエ ミッションを念頭に多様な廃棄物によるバイオコークスの製造、バイ オコークスの用途拡大、バイオコークスを製造する事業者及び利用す る事業者の誘致施策など、店舗廃棄物等による地域資源循環モデルの 構築に向けた各種調査を多面的に行っている。 コアとなる取組、技術に関する活動など 近畿大学では、植物系バイオマスをはじめとする様々な廃棄物を材 料に、石炭コークスの代替燃料となるバイオコークスの実用化のプロ ジェクトを 2007 年より行っている。 また、実用化に向けた取組の一環として、バイオコークスを「次世代再 生可能エネルギー」として技術ブランディングを図るため、国内外の未利 用バイオマス資源を活用し、神戸市をはじめ、全国 11 都市において 地域の商店や中小企業、自治体との産学官連携による地域循環型社会 の構築に取り組んでいる。その他に、アジアを中心とした海外での石 炭・石炭コークスの代替検証、アパレル企業やデザイナー等との連携 による近大バイオコークスのグッズ作成などにも取り組んでいる。 自治体、大学、複数の飲食チェーン店が連携し、 店舗廃棄物等の地域資源循環モデルの構築を目指す。 事業連携する大学がバイオコークスの技術ブランディング の一環として、地域等との連携を積極的に取り組む。 事業化の歩み、今後の展開 神戸総合運動公園やメリケンパークなど、集客施設等における環境関連 のイベントにおいて、近畿大学や参画事業者によるバイオコークスに関す る展示、技術や環境活動等に関するミニセミナーの開催などを産学官連携 で行うことで、地域資源循環モデルの「見える化」の一環として、バイオコー クスに関する情報を発信し、市民の環境意識の醸成を図っている。 また、災害時の備蓄燃料としてのバイオコークスの保存性をPRし、 内での地域防災訓練において、炊き出しの窯の加温にデモ利用することも 進めている。 実証実験で確認した課題解決を進めながら、事業系ごみ排出量の 削減を目指す。 産学官が連携して実証実験を取り組む中では、 店舗での分別収集、効率 的な収集運搬方法、バイオコークス製造時に不可欠な廃棄物の乾燥工程の 工夫、製造コストの削減、バイオコークスの利用先の確保、利用機器の開発 及び製造事業者の誘致など、バイオコークスの品質を確保しつつ安定供給す るための課題を明らかにすることができたという。 神戸市では、一般廃棄物処理基本計画に掲げる「事業系ごみ排出量の総 量の 10%削減(平成25 年→平成 37 年)」を目指している。 神戸市 担当部署:環境局事業系廃棄物対策部 所 在 地: 神戸市中央区加納町 6-5-1 口:1,532,391 名 総 面 積:557.02k ㎡ T EL : 078-322-6672 http://www.city.kobe.lg.jp/information/about/c onstruction/1900/1906/index.html ※対象とした特許出願:182 件(1998~2017 年) ろ過材、燃料電池、薬徐放担体といった産業資 材系や、セメント添加剤、セラミックス添加剤、粘 結剤、可塑剤といった添加剤、メタン発酵用原料、 メタンガス、水素ガス、複合燃料、糖化液などの燃 料系について、多様な用途展開による特許出願が見 られた。 この他に、固形化成形品や樹脂キャップ、染色液、 など、多種多様な用途が見られた。 掲載内容に関する技術の特許マップ (キーワードに関する最近 20 年間の技術動向) キーワード: 自治体向け、大学等研究機関向け コーヒー滓 バイオ コークス (燃料等) コーヒー滓の利活用展開 飲食チェーン店のメニューを用いて、廃棄 物からバイオコークスができるまでのプ ロセスを、イベントで解説展示している 事業における連携体の構成 産業資材系 添加剤系 燃料系 セメント添加剤 セラミックス添加剤 粘結剤 可塑剤 ろ過材 燃料電池 薬徐放担体 その他 メタン発酵用原料 メタンガス 水素ガス 複合燃料 糖化液 固形化成形品 樹脂キャップ 染色液 代表的な特許 【特許第4986038号】独立行政法人産業技術総合研究所・月島機械株式会社 【名称】高加水分解活性セルラーゼおよびヘミセルラーゼの製造方法 【特許第5611001号】株式会社御池鐵工所 【名称】植物バイオマスの固形化装置 明細書からの用途展開 コーヒー滓熱可塑性樹脂用改質剤 硫化染料 バイオチャー ろ過材 吸水性繊維質材料 燃料電池(水素ガス) 陶器用可塑剤 保湿・保型剤 薬徐放性炭化物 活性炭 樹脂キャップ 浮遊性炭化物(水田・湖沼) 下水処理 連携 スターバックスコーヒー ジャパン 株式会社 店舗における分別 店舗におけるバイオコークスの利用 方法の検討 市民への資源循環の見える化 バイオコークスの製造・検証 技術的支援 公募/連携 日本マクドナルド株式会社 株式会社モスフードサービス バイオコークス事業の水平展開 店舗における分別 市民への資源循環の見える化 神戸市環境共栄協同組合 収集運搬 製造協力 連携 連携 植物系バイオマスや廃棄物などから生成さ れたバイオコークス バイオコークスの製造プロセス 1.装置への充填 2.加圧 3.加熱 180℃ 4.冷却 30℃ 地域の防災訓練において、バイオコークス で炊き出しを調理

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兵庫県神戸市

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Keyword

● コーヒー滓など店舗廃棄物、市内の剪定枝等からバイオコークスを製造し、循環利用する実証実験。

● 近畿大学の技術的支援、複数の飲食チェーン店、一般廃棄物収集運搬事業者の協力を得て取り組む。

● 実証実験で確認できた課題の抽出と対応策の検討、地域資源循環の見える化に取り組む。

イベントでの情報発信や防災訓練でのデモ利用により、地域資源循環モデルの見える化を検証。

(登録済)

コアとなる取組、技術など間短縮、システムの簡便性など、

優位性に富んだ技術

環境貢献都市を目指す神戸市では、バイオコークス燃料の実用化に

向けて研究開発を行う近畿大学、環境に配慮した店舗づくりや環境負

荷低減への取組みを実践するスターバックス コーヒー ジャパン株

式会社と連携して、店舗廃棄物などからバイオコークスを製造し、再生

可能エネルギーとして循環利用する実証実験を、平成 28 年度より環境

省「低炭素型廃棄物処理支援事業(地域循環圏・エコタウン低炭素化

促進事業)」を活用して行っている。

コーヒー滓や紙コップ等の店舗廃棄物を、神戸市環境共栄事業協同

組合による食品廃棄物等収集運搬システムを活用して収集運搬する

とともに、神戸市内の公園などから排出される剪定枝等を加え、多様

な種類のバイオマスからバイオコークスを製造。

平成 29 年度は、日本マクドナルド株式会社、株式会社モスフード

サービスの2つの飲食チェーン事業者が新たに参画しており、ゼロエ

ミッションを念頭に多様な廃棄物によるバイオコークスの製造、バイ

オコークスの用途拡大、バイオコークスを製造する事業者及び利用す

る事業者の誘致施策など、店舗廃棄物等による地域資源循環モデルの

構築に向けた各種調査を多面的に行っている。

コアとなる取組、技術に関する活動など

近畿大学では、植物系バイオマスをはじめとする様々な廃棄物を材

料に、石炭コークスの代替燃料となるバイオコークスの実用化のプロ

ジェクトを 2007 年より行っている。

また、実用化に向けた取組の一環として、バイオコークスを「次世代再

生可能エネルギー」として技術ブランディングを図るため、国内外の未利

用バイオマス資源を活用し、神戸市をはじめ、全国 11 都市において

地域の商店や中小企業、自治体との産学官連携による地域循環型社会

の構築に取り組んでいる。その他に、アジアを中心とした海外での石

炭・石炭コークスの代替検証、アパレル企業やデザイナー等との連携

による近大バイオコークスのグッズ作成などにも取り組んでいる。

自治体、大学、複数の飲食チェーン店が連携し、

店舗廃棄物等の地域資源循環モデルの構築を目指す。

事業連携する大学がバイオコークスの技術ブランディング

の一環として、地域等との連携を積極的に取り組む。

事業化の歩み、今後の展開

神戸総合運動公園やメリケンパークなど、集客施設等における環境関連

のイベントにおいて、近畿大学や参画事業者によるバイオコークスに関す

る展示、技術や環境活動等に関するミニセミナーの開催などを産学官連携

で行うことで、地域資源循環モデルの「見える化」の一環として、バイオコー

クスに関する情報を発信し、市民の環境意識の醸成を図っている。

また、災害時の備蓄燃料としてのバイオコークスの保存性をPRし、市

内での地域防災訓練において、炊き出しの窯の加温にデモ利用することも

進めている。

実証実験で確認した課題解決を進めながら、事業系ごみ排出量の

削減を目指す。

産学官が連携して実証実験を取り組む中では、店舗での分別収集、効率

的な収集運搬方法、バイオコークス製造時に不可欠な廃棄物の乾燥工程の

工夫、製造コストの削減、バイオコークスの利用先の確保、利用機器の開発

及び製造事業者の誘致など、バイオコークスの品質を確保しつつ安定供給す

るための課題を明らかにすることができたという。

神戸市では、一般廃棄物処理基本計画に掲げる「事業系ごみ排出量の総

量の 10%削減(平成 25 年→平成 37 年)」を目指している。

神戸市 担当部署:環境局事業系廃棄物対策部 所 在 地: 神戸市中央区加納町 6-5-1 人 口:1,532,391 名 総 面 積:557.02k ㎡ T EL : 078-322-6672 http://www.city.kobe.lg.jp/information/about/construction/1900/1906/index.html

※対象とした特許出願:182件(1998~2017 年)

ろ過材、燃料電池、薬徐放担体といった産業資

材系や、セメント添加剤、セラミックス添加剤、粘

結剤、可塑剤といった添加剤、メタン発酵用原料、

メタンガス、水素ガス、複合燃料、糖化液などの燃

料系について、多様な用途展開による特許出願が見

られた。

この他に、固形化成形品や樹脂キャップ、染色液、

など、多種多様な用途が見られた。

掲載内容に関する技術の特許マップ

(キーワードに関する最近 20 年間の技術動向)

キーワード:

自治体向け、大学等研究機関向け

コーヒー滓

バイオ

コークス

(燃料等)

コーヒー滓の利活用展開

飲食チェーン店のメニューを用いて、廃棄

物からバイオコークスができるまでのプ

ロセスを、イベントで解説展示している

事業における連携体の構成

産業資材系 添加剤系

燃料系

セメント添加剤セラミックス添加剤粘結剤 可塑剤

ろ過材燃料電池薬徐放担体

その他

メタン発酵用原料メタンガス水素ガス複合燃料糖化液

固形化成形品樹脂キャップ染色液

代表的な特許

【特許第4986038号】独立行政法人産業技術総合研究所・月島機械株式会社【名称】高加水分解活性セルラーゼおよびヘミセルラーゼの製造方法

【特許第5611001号】株式会社御池鐵工所【名称】植物バイオマスの固形化装置

明細書からの用途展開

【コーヒー滓】

熱可塑性樹脂用改質剤

硫化染料

バイオチャー

ろ過材

吸水性繊維質材料

燃料電池(水素ガス)

陶器用可塑剤

保湿・保型剤

薬徐放性炭化物

活性炭

樹脂キャップ

浮遊性炭化物(水田・湖沼)

下水処理

連携

スターバックスコーヒー ジャパン株式会社店舗における分別店舗におけるバイオコークスの利用方法の検討市民への資源循環の見える化

バイオコークスの製造・検証

技術的支援

公募/連携

日本マクドナルド株式会社株式会社モスフードサービスバイオコークス事業の水平展開店舗における分別市民への資源循環の見える化

神戸市環境共栄協同組合収集運搬製造協力

連携

連携

植物系バイオマスや廃棄物などから生成さ

れたバイオコークス

バイオコークスの製造プロセス

1.装置への充填 2.加圧

3.加熱 180℃

4.冷却 30℃

地域の防災訓練において、バイオコークス

で炊き出しを調理