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建築設備用ポリエチレン管 技術説明資料 2009年3月 建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

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建築設備用ポリエチレン管

技術説明資料

2009年3月

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

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1

はじめに

近年、住戸内配管(専有部)は樹脂管化が進み、耐食性や施工性が格段に向上しておりますが、ピット

内や立て管などの共用部配管は、防火区画貫通に関する法規制や長年の実績から現状も金属管が多く使用

されております。一方、配水分野での配管材としては、耐震性、耐食性に優れた高性能ポリエチン管の採

用が増加しております。

そこで、この高性能ポリエチレン管を建物給水管用途として開発・実用化を検討するに当たって、『独

立行政法人 都市再生機構』様と『建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会 ※旧 配水用ポリエチレン管

協会』との共同研究として、様々な実験検証を行ってまいり、信頼性や施工性・コスト的にも優れた新しい

給水システムを実現することが出来ました。

敷地内埋設配管からピット内横引き管、給水立て管、メーター部まで、高い信頼性を有しオール樹脂管路

が構築できる「建築設備用ポリエチレン管」をぜひご採用いただきますよう、よろしくお願い申し上げま

す。

目次

はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 1.建物給水管の変遷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

2.建築設備用ポリエチレン管とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3

3.建築設備用ポリエチレン管の用途・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5

4.建築設備用ポリエチレン管の管の特長・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6

5.規格一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7

6.性能規定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

6.1 建築設備用ポリエチレン管 管の性能規定・・・・・・・・・・・・・・・・・8

6.2 建築設備用ポリエチレン管 継手の性能規定・・・・・・・・・・・・・・・・・9

7.性能評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

7.1 建築設備用ポリエチレン管 基本物性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

8.材料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

8.1 ポリエチレンとは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

8.2 ポリエチレンの分類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12

8.3 PE100の開発経緯・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

①水道用ポリエチレン管の改良経過・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

②耐環境応力き裂特性(ESCR)の改良・・・・・・・・・・・・・・・・・15

③耐塩素水性の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16

9.材料規定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17

10.使用範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

10.1 使用圧力・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

10.2 使用温度・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

11.管厚設計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18

12.建築設備用ポリエチレン管の寸法とその許容差・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

12.1 管の寸法とその許容差・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19

12.2 継手の寸法とその許容差・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20

13.性能検討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21

13.1 評価項目と結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21

<性能試験>

13.2 引張試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22

13.3 耐圧試験(破壊水圧試験)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

13.4 浸出試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

13.5 内圧クリープ試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25

13.6 耐候性試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26

13.7 低速き裂進展性試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27

13.8 有機溶剤中での環境応力き裂試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・28

13.9 圧縮剥離試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30

13.10 落錘衝撃耐水試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31

13.11 偏平試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32

13.12 表面硬度の比較・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33

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<実用性能試験>

13.13 脈動試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34

13.14 水撃シミュレーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35

13.15 耐結露性シミュレーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36

13.16 凍結試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38

13.17 凍結シミュレーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39

13.18 熱伸縮たわみ試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40

<耐震性能試験>

13.19 曲げ耐水圧試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41

13.20 偏平耐水圧試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42

13.21 せん断耐水圧試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43

13.22 接合部の引張試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・44

14.摩擦損失水頭について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45

14.1 水理公式・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45

15.支持間隔、支持方法について(参考)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46

16.防火区画貫通について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・52

17.水圧試験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53

17.1 水圧試験の手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53

17.2 水圧試験における合否判定基準の例(参考)・・・・・・・・・・・・・・・・・54

17.3 立て管の水圧試験方法について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55

18.接続工法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・56

18.1 継手及び接合原理接続工法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・57

18.2 接合原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・58

18.3 融着接合の基本手順・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・59

18.4 ソケットの融着接合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60

(1)管の切断・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60

(2)管融着面の切削・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・60

(3)融着面の清掃・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61

(4)クランプ固定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・61

(5)融着・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62

(6)判定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62

(7)冷却・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62

19.他管種との接続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63

19.1 鋼管との接続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63

19.2 塩ビ管との接続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・63

19.3 ポリエチレン管同士の接続(ドレッサー継手を使用する場合)・・・・・・・・64

19.4 弁・栓類との接続・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64

20.補修方法<継手による補修>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・65

21.配管工事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66

21.1 運搬、保管・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66

(1)運搬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66

(2)保管・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66

21.2 給水立管部の配管・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67

21.3 機械室まわり、ピット内配管の施工について・・・・・・・・・・・・・・・・70

21.4 埋設配管について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70

22.残材・廃材の処分の注意について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71

23.リサイクルに関して・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・71

24.建築設備用ポリエチレン管の配管設計上の注意事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・72

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1.建物給水管の変遷

第一世代:~1950年代

1950年代まで、日本における建物内給水の主役を担ってきたのは「亜鉛メッキ鋼管」であった。

当時としては安価で、強度も備えた材料であり、亜鉛メッキによる水に対する防食効果も認められていた。

ところが高度経済成長に伴い増大した給水人口の衛生保持のため、消毒の強化、つまり浄水段階に於け

る塩素投入量が増えた結果、亜鉛溶出による白濁水及び鋼管本体腐食による赤水の事例が増えてきた。

第二世代:1960年代~

耐食管材として1952年に硬質塩化ビニル管が発売され、さらに鋼管の内面にこの硬質塩化ビニルをライ

ニングした「硬質塩化ビニルライニング鋼管」が1957年に発売された。亜鉛メッキ鋼管の施工法と機械的

強度を受け継ぎ、耐食性能を兼備した硬質塩化ビニル配管は、赤水・腐食に悩む給水配管の救世主となり、

1970年代後半にはビル建物の給水管はほぼ、この硬質塩化ビニルライニング鋼管になった。またねじ込み

継手も改良が重ねられて管端防食継手を標準化し、腐食防止への挑戦が続けられた。

第三世代:そして

一方、水道本管(配水管)において採用されてきた高性能ポリエチレン管は、その耐久性、耐食性、耐

震性から豊富な施工実績と高い評価を積み重ねてきた。

そして2003年宮城県北部地震、2004年新潟県中越地震に於いても「被害ゼロ」とその性能を実証した

「高性能ポリエチレン管」を、建物内給水へ用途展開すべく『独立行政法人 都市再生機構』様と『建築

設備用ポリエチレンパイプシステム研究会』との共同研究で検証を行った。

満を持して、「建築設備用ポリエチレン管」 の誕生です。

2.建築設備用ポリエチレン管とは

建築設備用ポリエチレン管は、耐食性・衛生性・可とう性に優れたポリエチレン管材で継手は電気融着

(EF接合)による接続で管と一体化し、従来配管(金属管)では成し得なかった、耐久性、耐震性、省

力化をオール樹脂管路で達成した。

またポリエチレンについても従来のポリエチレン管材とは異なる第三世代ポリエチレン樹脂(PE100:

50年後のHoop Stress 10Mpa以上のグレード:P.17参照)を使用しており飛躍的に向上した耐久性

を実現している。

図-1 継手接合部(融着による管路一体化) 図-2 せん断試験状態(高い耐震性)

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表-1 ポリエチレン管の経緯年表 水道用ポリエチレン管

(給水用)[~50A]

水道配水用ポリエチレン管

[50A~200A]

建築設備用ポリエチレン管

[20A~75A]

1953年

(昭和28年)

日本でポリエチレン管の製造が開

1958年

(昭和33年)

日本水道今日買い規格制定

(JWWA K 101)

1959年

(昭和34年)

日本工業規格制定

(JIS K 6762)

1970年頃

(昭和45年頃) 第一世代HDPEのき裂漏水事故発生

1975年頃

(昭和50年頃) LDPEの水泡はく離事故発生

1982年

(昭和57年)

JIS K 6762改正

→塩素水試験追加により

L-LDPEに移行

1988年

(昭和63年)

団体規格(JPS-04)制定

→L-LDPE・第二世代HDPE二層管の

規定

1989年

(平成元年)

高性能高密度ポリエチレンが海外で

開発

1993年

(平成5年)

JIS K 6762改正

→二層管が追加制定

1995年

(平成7年)

配水用ポリエチレン管協会発足

1996年

(平成8年)

配水用ポリエチレン管協会規格制定

(PWA 001、PWA 002)

1997年

(平成9年)

日本水道協会規格制定

(JWWA K 144、JWWA K 145)

1998年

(平成10年)

JIS K 6762改正

→水道用PE二層管に統一

ポリエチレン管敷設工の歩掛に

呼び径75~200を追加制定

1999年

(平成11年)

国道下浅層埋設の許可

(国土交通省通達)

2000年

(平成12年)

水道施設設計指針に

配水管用途適合管材として記載

2001年

(平成13年)

法定耐用年数の改正

(総務省通達)

→40年に統一

2002年

(平成14年)

配水用ポリエチレン管協会規格制定

(PWA003、PWA004)

2004年

(平成16年)

耐震化率算定対象耐震管材に追加(水

道ビジョン/厚生労働省)

2005年

(平成17年)

配水用ポリエチレン管協会規格制定

(PWA005、PWA006)

2006年

(平成18年)

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

発足、規格移行(PWA001,002,005、

PWA006)

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3.建築設備用ポリエチレン管の用途

建築設備用ポリエチレン管は次のような用途の配管材として使用可能である。

・建物給水立て管

・メーターボックス内給水管

・ピット内横引き管

・機械室まわり配管 など

図-3 用途例

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4.建築設備用ポリエチレン管の管の特長

建築設備用ポリエチレン管の特長を図-4に示す。また表-2に質量の比較を示す。

図-4 建築設備用ポリエチレン管の特長

表-2 質量の比較(kg/m)

管種 呼び径

建築設備用ポリエチレン管 硬質塩化ビニルライニング

鋼管

硬質塩化ビニル管

VP

20 0.26 1.82 0.31

25 0.34 2.61 0.45

30(32) 0.48 3.61 0.54

40 0.62 4.11 0.79

50 0.96 5.66 1.12

75(80) 2.10 9.50 2.20

管体独自の可とう性とEF接合により地震に強い一体管路を構築。

埋設配管では、2003年宮城県北部地震、2004年新潟県中越

地震で被害件数がゼロ。

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表-3 建築設備用ポリエチレン管の継手品揃え

5.規格一覧

表-4 建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会規格

規格番号 規格名称 適用呼び径 備考

PWA001 水道配水用ポリエチレン管 50・75・100・150・200

PWA002 水道配水用ポリエチレン管継手 50・75・100・150・200

埋設水道管用

(外径がJIS寸法品)

PWA005 給水用高密度ポリエチレン管 20・25・30・40・50・75 建物給水管用

PWA006 給水用高密度ポリエチレン管継手 20・25・30・40・50・75 建築設備用ポリエチレン管

20 25 30 40 50 75 25×20 30×25 30×20 40×25 40×20 40×30 50×25 50×20 50×30 50×40 75×50

直管 ● ● ● ● ● ●

枝付片受直管 ● ● ● ● ● ●

チーズ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

エルボ ● ● ● ● ● ●

レジューサ ● ● ● ● ● ●(スピゴット型)

片受けレジューサ ●

ソケット ● ● ● ● ● ●

キャップ ● ● ●

スクリュージョイント

オネジソケット● ● ● ● ●

スクリュージョイント

メネジソケット● ● ●

スクリュージョイント

ユニオンソケット● ● ●

スクリュージョイント

エラスジョイント● ●

フランジ短管(G型)

● ●

EFフランジ短管(G型)

フランジ付EFチーズ(G型)

SPフランジ付チーズ(G型)

45°ショートベンド ●

90°ショートベンド ●

Sベンド ●

EF片受Sベンド ●

EF片受ベンド ●

11 1/4°ベンド ● ●

22 1/2°ベンド ● ●

45°ベンド ● ●

90°ベンド ● ●

形状

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6.性能規定

6.1 建築設備用ポリエチレン管 管の性能規定

表-5 管(PWA005)の性能規定

性能項目 性能

引張降伏強さ 20.0MPa{204kgf/cm2}以上

引張伸び 350%以上

耐圧性 割れ、破損その他の欠点がないこと。

破壊水圧強さ 4.0MPa{40.8kgf/cm2}以上

熱安定性 酸化誘導時間20分以上

加熱伸縮性 ±3%以内

味 異常でないこと。

臭気 異常でないこと。

浸出性(1) 色度 0.5度以下であること。

濁度 0.2度以下であること。

有機物(全有機炭素(TOC)の量) 0.5mg/l以下であること。

残留塩素の減量 0.7mg/l以下であること。

内圧クリープ性 割れ、破損その他の欠点がないこと。

耐塩素水性 水泡発生がないこと。

耐環境応力き裂性 き裂発生がないこと。

外観 き裂発生がないこと。

耐候性(2) 引張破断伸び 350%以上

熱安定性 酸化誘導時間10分以上

低速き裂進展性 割れ、その他の欠点がないこと。

融着部相溶性(3) 割れ、その他の欠点がないこと。

注(1) 浸出性の試験温度は、常温とする。

注(2) 管の耐候性については、同一の材料の最小厚さの管での試験で代表することができる。

注(3) 融着部相溶性については、代表口径の管の試験で代替することができる。

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6.2 建築設備用ポリエチレン管 継手の性能規定

表-6 継手(PWA006)の性能規定

性能項目 性能

耐圧性 割れ、破損その他の欠点がないこと。

破壊水圧強さ 4.0MPa{40.8kgf/cm2}以上

熱安定性 酸化誘導時間20分以上

味 異常でないこと。

臭気 異常でないこと。

色度 0.5度以下であること。

浸出性(1) 濁度 0.2度以下であること。

有機物(全有機炭素(TOC)の量) 0.5mg/l以下であること。

残留塩素の減量 0.7mg/l以下であること。

内圧クリープ性 割れ、破損その他の欠点がないこと。

耐塩素水性 水泡発生がないこと。

耐環境応力き裂性 き裂発生がないこと。

外観 き裂発生がないこと。 耐候性(2)

熱安定性 酸化誘導時間10分以上

耐はく離性(3) 融着部のぜい性はく離長さ比率が1/3以下

落錘衝撃強度試験 継手破壊のないこと

融着部相溶性(4) 割れ、その他の欠点がないこと。

注(1) 浸出性の試験温度は、常温とする。

注(2) 継手の耐候性については、同一材料の管の試験で代表することができる。

注(3) 耐はく離性は、電熱線などの発熱体を組み込んだ試験にのみ適用する。

注(4) 継手の融着部相溶性については、代表口径の管の試験で代替することができる。

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7.性能評価

7.1 建築設備用ポリエチレン管基本物性

表-7

試験名 試験方法 単位 物性値 備考

比重(密度) JIS K 7112'99 Kg/m3 942~953 ISO 1183'87 物理的

性質

吸水率 JIS K 7209'00 % 0.03以下 ISO 62'99

引張降伏強さ(引張降伏応力) MPa 20以上

破断点伸び(引張破壊呼びひずみ) % 350以上

引張弾性率 MPa 900~1100

ポアソン比

JIS K 7161'94

- 0.46

ISO 527-1'93

曲げ強さ MPa 24~25 ISO 178'93

曲げ弾性率

JIS K 7171'94

MPa 1000~1200 ISO 868'85

硬度(デュロメーター硬さ) JIS K 7215'86 HDD 67~68 ISO 179'96

衝撃強さ(シャルピー衝撃強度) JIS K 7111'96 KJ/m2 16~18 ASTM D696

線膨張係数 JIS K 7197'91 10-5/℃ 11~13

機械的性質

比熱(比熱容量) JIS K 7123'87 kJ/kg・K 1.9~2.3

熱伝導率 ASTM C 177 W.m・K 0.46

融点 JIS K 7121'87 ℃ 128~132

軟化温度(ビカット軟化温度) JIS K 7206'99 ℃ 125~127

脆化温度 JIS K 7216'80 ℃ -70以下

燃焼性 - - 可燃性

体積固有抵抗 ASTM D 257 MΩ・cm 109以上

絶縁破壊強さ(絶縁破壊電圧) ASTM D 149 MV/m 17.3~23.6

熱及び電気的性質

誘電率 ASTM D 150 - 2.30~2.35

注:物性値は試験方法により異なる。

(なお、上表の数値は参考値)

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8.材料

8.1 ポリエチレンとは

ポリエチレン(PE)はプラスチックの一種である。プラスチックは合成樹脂とも呼ばれ、一般に低分子

化合物(モノマー)から人工的に合成された有機高分子物質(有機ポリマー)のことを指す。ポリエチレ

ンは石油から採れるエチレン(CH2=CH2)を重合という反応操作によって次々と結合して高分子化したも

のであり、その構造を図-5に示す。

図-5 ポリエチレン分子の構造

プラスチック(合成樹脂)は熱に対する挙動の違いから、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂に大別される。熱

可塑性樹脂は加熱すると軟化し、力を加えたりすると変形して元には戻らない塑性変形を示す。再び冷却

すると元の硬い状態に戻るが、また加熱すると再び軟化して塑性変形を示す。一方熱硬化性樹脂は、加熱

などにより一度硬化させてしまうと再加熱しても軟化したり溶融したりすることはなく、その形を保持し

たままである。ポリエチレンは熱可塑性樹脂に分類され、繰り返し使用が可能であることから、リサイク

ル性に優れる。

表-8 合成樹脂の分類

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熱可塑性樹脂はさらに結晶性樹脂と非晶性樹脂に分類できる。結晶性樹脂は図-6(a)に示すように、

分子構造の中に長い鎖状の分子が部分的に規則正しく並んだ結晶組織を有する。一方非晶性樹脂は図-6

(b)に示すように、分子の配列が無秩序になっており、結晶化している部分をまったく含まない、あるい

はほとんど含まない非晶状態の構造を有する。結晶性樹脂は結晶性領域と非晶性領域が混在しているので、

この2つの領域の境界面で光に対して異なった屈折率を示すため不透明になるが、非晶性樹脂は屈折率がほ

ぼ均一なので一般に透明になる。ポリエチレンは結晶性樹脂であるため、成型品は不透明である。

図-6 結晶性樹脂の構造(a)と非晶性樹脂の構造(b)

またプラスチック原料を成形加工する際は、一般に安定剤や酸化防止剤などの添加剤が適量配合される。

ポリマーに添加剤が配合されたものを区別してプラスチック材料と表現することもある。水道配水用ポリ

エチレン管には添加剤として耐候性を向上させるための酸化防止剤や顔料等が添加されているが、内分泌

攪乱化学物質(通称:環境ホルモン)等に疑われる物質は一切含まれていない。

ポリエチレン材料は食品分野でも広く使用されており、水質衛生性にも優れた材料である。

8.2 ポリエチレンの分類

ポリエチレンの分類を表-9に示した。ポリエチレンはエチレンガスをオートクレーブ中で加圧しなが

ら重合するが、当初生産されたポリエチレンは高圧法という1000気圧以上の高圧下で重合され、このよう

な高圧下では0.910~0.925程度の密度の低いものになる。その後、重合触媒の研究が進み、重合する際の

圧力が低くて済む方法が開発され、0.940~0.965と高い密度のポリエチレンが生成できるようになった。

そのため、ポリエチレンは一般に密度によって分類され、低密度ポリエチレン(LDPE:Low Density Polye

thylene)、中密度ポリエチレン(MDPE:MediumDensity Polyethylene)、高密度ポリエチレン(HDPE:Hi

gh Density Polyethylene)に大別される。ポリエチレンの密度は分子構造によって決まり、LDPEは主鎖に

多くの長鎖分岐があるのに対し、HDPEは分岐がほとんどなく直鎖状の分子構造を有する。MDPEはこれらの

中間の構造であり、少量の短い分岐を有する。また、低密度ポリエチレンに分類されるが、分岐が比較的

短いために直鎖状の分子配列を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE:Liner Low Density Polyethyle

ne)と呼ばれるものがある。LLDPEは一般のLDPEに比べクリープ特性に優れ、水道用ポリエチレン二層管の

材料としても使われている。

また、高密度ポリエチレンは開発された年代に基づき、第一世代高密度ポリエチレン、第二世代高密度

ポリエチレン、第三世代高密度ポリエチレン(1980年代後半~)と呼ばれるが、特に第三世代高密度ポリ

エチレンは耐環境応力き裂特性(ESCR)等の性能が著しく向上されていることから、高性能ポリエチレン

(HPPE:High Performance Polyethylene)とも呼ばれる。エスロハイパーAWの材料には、この高性能ポ

リエチレン(HPPE)が用いられている。また、密度による分類のほかに、長期静水圧強度(ISO/TR9080)

に基づく分類方法がある。長期静水圧強度を示す値をPEの後ろに記述する。例えば、エスロハイパーAW

に用いられる高性能ポリエチレンはPE100に分類され、ISO 9080 に従い、20℃で50年外挿下方限界(LCL

=Lower Confidence Limit )を求めたときの最小要求強度(MRS=Minimum Required Strength)が10.0MP

a規定に適合したポリエチレンをいう。

また、給湯管などの材料には、架橋剤や電子線を用いてポリエチレン分子同士を架橋させ、耐熱性など

を向上させた架橋ポリエチレンが用いられている。

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表-9 ポリエチレンの分類と特徴

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8.3 PE100の開発経緯

①水道用ポリエチレン管の改良経過

ポリエチレンを管材料として使用する検討は1940年代より始められた。1953年頃から給水管としてLDPE

を用いた1種管が使用され、1955年頃には第一世代HDPEを用いた2種管も使用されるようになった。ところ

が、1970年代に入り、第一世代HDPEを用いた2種管のき裂漏水事故が発生し、さらに1975年頃にはLDPEを用

いた1種管の水泡はく離事故が発生した。

2種管のき裂漏水事故は、使用されるHDPEの「耐環境応力き裂特性(ESCR)」注1)が低いために発生し

た。HDPEのESCRの向上が検討され、1980年頃に第二世代HDPEが開発された。ところが2種管に対する不信感

は払拭されず、第二世代HDPEを用いた2種管は仮配管などで使用される以外はほとんど採用がなかった。

一方、1種管の水泡はく離事故に関しては、その後の研究で、水道水中の塩素がポリエチレン管に耐候性

を付与するために添加されていたカーボンブラックに接触することによりカーボンブラックを触媒とした

反応であることが解明された。対策として、耐塩素水性を向上させるために、ポリエチレン原料をLDPEか

ら直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)に移行するとともに、水道水に接する内面をカーボンブラックの配

合されていないナチュラル層に、外面を従来通りカーボンブラックが配合され耐候性を維持した黒色層に

した二層管が開発された。1998年には、主に給水用途として用いられているポリエチレン管の規格(JIS K

6762)は「水道用ポリエチレン二層管」となり、直鎖状低密度ポリエチレンを使用する1種管はESCRが高

いため、き裂による破損事故の心配がなく、給水管として着実に拡大してきた。

しかし直鎖状低密度ポリエチレンは、剛性・強度が低いために管厚を厚くする必要があり、口径75mm以

上の配水用ポリエチレン管への適用は、経済性、施工性等から困難であった。従って配水用としては、剛

性・強度が大きく、しかもESCRの高い高密度ポリエチレンの開発が待望されてきた。長年の研究の結果、

この課題を満足させる樹脂(PE100)がついに1989年に海外で開発され、1990年代に入って国内でもESCRが

1000時間以上、かつ常温で50年後のクリープ強度が10MPa以上(曲げ弾性率が1000MPa以上)の高密度ポリ

エチレン(高性能ポリエチレン)が開発されるに至った。

ポリエチレン管の改良経過を示すために、曲げ弾性率(剛性)に対するESCRの関係を図-7に示した。

一般に密度が高くなり曲げ弾性率(剛性)が大きくなるとESCRは低くなるが、年代を経るに従い、同じ曲

げ弾性率でもESCRが向上している

図-7 PEの曲げ弾性率(剛性)とESCRの関係

注.(1)一般的にポリエチレン材料に力(応力)が負荷され、一定の変形(ひずみ)が連続的に与えられる

と、き裂が入り最終的に破壊に至る。この現象は「温度」「界面活性剤」等により促進されるが、こ

の現象に対する耐性を「耐環境応力き裂特性(ESCR)」という。

PE100とは

50年後のHoop Stress 10MPa(≒100kgf/cm2)以上のポリエチレン管のこと

Page 16: 技術説明資料 - pwa-hp.com

15

②耐環境応力き裂特性(ESCR)の改良

高性能ポリエチレン(HPPE)は、図-8に示すように分子量分布を適正化したことと、図-9に示すよ

うに結晶構造をつなぐタイ分子を増やしたことにより、建物給水管用ポリエチレン管として必要な耐環境

応力き裂特性(ESCR)やクリープ特性を飛躍的に向上させたものであり、PE100を満足している。

(図-11参照)

図-8 高密度ポリエチレンの分子量分布の改良

図-9 高密度ポリエチレンの結晶構造の改良

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16

③耐塩素水性の評価

建築設備用ポリエチレン管の材料は高密度ポリエチレンのため、給水用の低密度ポリエチレンに比べて

ポリエチレン樹脂の結晶が発達している。また、水をイメージした管材としてブルー系の有機系着色剤、

分散剤、安定剤等の研究により、目標とする耐塩素水性のレベルに達することができた。

図-10に耐塩素水性の試験結果を示す。

塩素濃度1ppm、常温下での水泡発生は約70年後と推定され、実使用上問題ないことが確認できた。

図-10 耐塩素水性能

建築設備用ポリエチレン管

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17

9.材料規定

管の材料は、エチレン重合体を主体とし、ISO TR 9080規定する外挿方法及びISO 12162に規定する分類

表でPE100に分類される高密度ポリエチレンである。成形後の品質は、均一で水に侵されないで、かつ、水

質に悪影響を及ぼすものであってはならない。

材料には、管の製造及び性能を満足するために必要な酸化防止剤、耐候剤、顔料等の添加剤が含まれる。

添加剤の品質は、均一で水に侵されないで、かつ、水質に悪影響を及ぼすものであってはならない。

<PE100の実証>

図-11は建築設備用ポリエチレン管の材料として使われている高性能ポリエチレンに対する内圧クリ

ープ試験の結果であり、世界の有力なPE100認定機関であるスウェーデンのBodycote Polymer社で

認証された。

図-11 内圧クリープ試験結果[ISO TR 9080]

(備考)50年後の○印がHoop Stress 10MPa(≒100kgf/cm2)以上のものをP

E100と呼ぶ

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18

10.使用範囲

10.1 使用圧力

建築設備用ポリエチレン管は、使用圧力0.75MPa{7.6kgf/cm2}以下の水道に使用する。使用圧力とは、通

常の使用状態における水の圧力であって、"最高使用圧力"(静水圧)。

ただし、管の最高許容圧力(設計内圧)は、使用圧力に水撃圧0.25MPa{0.26kgf/cm2}を加えた1.0 MPa

{10.2kgf/cm2}とする。

10.2 使用温度

建築設備用ポリエチレン管は、0℃~40℃の温度範囲で使用する。

但しこの温度範囲内であっても熱源機器を介し人為的に水温上昇を行う使用方法は除く。

11.管厚設計

建築設備用ポリエチレン管の管厚は、設計内圧(最高許容圧力)における50年クリープ強度に対し

て安全率2となるようにNadayの式により設計した。

σ50 P(D-t)

St 2t

ここに、σ50 :50年クリープ強さでPE100の場合、10MPa

St :σ50に対する安全率で2

P :最高許容圧力(静水圧0.75+水撃圧0.25=1.0MPa)

D :管外径(mm)

t :管厚(mm)

この式を変形して、SDR(Standard Dimension Ratio)

D 2σ50 2×10

t P・St 1×2

SDR= = 1+ =1+ =11(以下)

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19

12.建築設備用ポリエチレン管の寸法とその許容差

12.1 管の寸法とその許容差

管の寸法及びその許容差は、表-10による

表-10 管の寸法及びその許容差 単位 mm

外径(D) 厚さ(t) 参考(2)

呼び径 基準寸法

平均外径

の許容差(1)基準寸法 許容差 内径

直管部1m当り

の質量(kg)

20 27.0 ±0.15 3.4 +0.6

0 19.6 0.26

25 34.0 ±0.15 3.4 +0.6

0 26.6 0.34

30 42.0 ±0.15 3.9 +0.6

0 33.6 0.48

40 48.0 ±0.15 4.4 +0.7

0 38.5 0.62

50 60.0 ±0.20 5.5 +0.8

0 48.2 0.96

75 89.0 ±0.30 8.1 +1.1

0 71.7 2.10

呼び径 長さ(L)

(m)

許容差

(%)

20

25

30

40

4

50

75 5

+2

0

注(1) 平均外径の許容差とは、相互に等間隔(45゚)な4方向の外径測定値の平均値又は円周測定値を円周率

3.142で除した値と基準寸法との差をいう。

注(2) 参考に示した内径及び1 m当たりの質量は,管の寸法を中心寸法とし,管に使用する材料の密度を

0.960g/㎝3として計算したものである。

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20

12.2 継手の寸法とその許容差

電熱線入り差込み接合継手の接合部寸法及びその許容差電熱線入り差込み接合継手の接合部の寸法及

びその許容差は表-11のとおりでなければならない。

表-11 電熱線入り差込み接合(接合)受口の寸法及びその許容差

単位 mm

呼び径 d Dの許容差 Dの偏平量

(最大値)

l1 (最小値)

L2 (最小値)

(最小値)

Le (最大値)

20 27.35 ±0.15 0.4 5 15 4.0 46

25 34.40 ±0.20 0.5 5 15 4.5 48

30 42.40 ±0.20 0.6 5 15 5.1 51

40 48.40 ±0.20 0.7 5 15 5.8 54

50 60.50 ±0.20 0.9 5 17 7.1 58

75 89.70 ±0.20 1.3 5 23 10.3 73

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21

13 性能検討

13.1 評価項目と結果

表-12

項目 性能規定値 結果

記載

ページ

引張試験 引張降伏強さ20MPa以上。

引張伸びは350%以上。

引張降伏強さ20MPa以上。

引張伸びは350%以上。 22

耐圧試験

( 破 壊水圧試

験)

2.5MPa2分保持で異常なし

最大破壊水圧は4.0MPa以上

2.5MPa2分保持で異常なし。

最大破壊水圧は4.0MPa以上。 23

浸出性 規定値以下であること 問題なし 24

内圧クリープ試

割れ、破損その他の欠点がないこ

80℃-1.0MPaで1000時

間異常なし 25

耐候性試験

外観:き裂発生がないこと。

引張破断伸び:350%以上

熱安定性:酸化誘導時間10分

以上

実験室光源による曝露試験方法にて

1000時間(実際の曝露下約3年

程度)で引張降伏強さ、引張破断伸

びの低下はほとんどない

26

低速き裂進展性

試験 割れ、その他の欠点がないこと

80℃-0.92MPaで165時

間異常なし 27

有機溶剤中での

環境応力き裂試

JIS K 6760の試験方法に準拠した方

法下で、ガソリン、灯油、トリクロロエチレンの

各試験液で1000時間異常なし

28

圧縮剥離試験

管継手融着品の管内面が接触する

まで圧縮した際の融着部ぜい性剥

離長さ比率1/3以下

管継手融着品の管内面が接触するま

で圧縮した際の融着部ぜい性剥離長

さ比率1/3以下

30

落錘衝撃強度試

管及び継手共割れ、漏れ等異常な

管及び継手共割れ、漏れ等異常なし31

偏平試験 (偏平率-線荷重の結果を示す) 32

基本性能

表面硬度の比較 表面硬度は従来ポリエチレン管より

大きい。 33

脈動試験 20℃-0~3.0MPaで15万

回管継手異常なし 34

水撃シミューシ

ョン

水撃頭として建築設備用ポリエチレ

ン管はVLPの約1/3~1/4 35

耐結露性シミュ

レーション 36

凍結試験 38

凍結シミュレー

ション

(夏季の水温が低い地域や冬季外気

温の低い地域での保温の要否はこち

らでご検討下さい) 39

実用性能

熱伸縮たわみ試

温度変化による管のたわみは最大約

50mmより

内壁等とのクリアランスは50mm程度

の確保必要

40

曲げ耐水圧試験 常温30゜以上の曲げ状態-2.5

MPaで1分間異常なし 41

偏平耐水圧試験 常温50%偏平-2.5MPaで1

分間異常なし 42

せん断試験 30cm強制変位後、水圧2.5M

Paで1分異常なし 43

耐震性能

接合部の引張試

融着管継手を50mm/minで引

張試験を行い継手部の抜け等の融着

部異常なし

44

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22

<性能試験>

13.2 引張試験

(1)目的

管材料の引張降伏強さ(引張降伏応力)と引張破断伸び(引張破壊呼びひずみ)を調べる

(2)方法

JIS K 7161プラスチック引張特性の試験方法に準じる

直管から図-12に示すダンベル状試験片を切り出し、25±2.5mm/minの速さで引張る。

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管 単位(mm)

図-12 ダンベル状試験片

(4)結果

引張試験の結果を表-13に示す。

本材料の引張降伏強さ(引張降伏応力)は平均で20MPa以上、引張破断伸び(引張破壊呼びひず

み)は350%以上あることが認められた。

表-13 引張試験結果

呼び径 引張降伏応力 引張破壊呼びひずみ

50 21.4MPa 850%

75 21.6MPa 840%

注.n=5の平均値を示す。

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23

13.3 耐圧試験(破壊水圧試験)

(1)目的

継手接合部の水密性について確認する。

(2)方法

図-13に示すように接合した直管の管端部に止水治具を装着し、水圧ポンプにて内水圧2.5MPaまで

加圧し、2分間保持した後、割れなどの異常のないことを確認する。その後さらに水圧を加え、供試

体が破壊する時の最大圧力を読み取る。

図-13 耐水圧試験

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管とソケット継手との融着品

(4)結果

内水圧2.5MPa×2分間保持では異常はなかった。また破壊最大水圧は表-14に示す通りで、破壊箇所

は継手と止水治具の間の直管部であり、接合部ではなかった。従って、融着により接合部は一体化し

ており、接合部の水密性は問題ないことが確認できた。

表-14 耐水圧試験、破壊水圧試験結果

品種

管 ソケット 呼び径 耐水圧試験結果 破壊最大水圧

50 異常なし 5.0MPa 建築設備用ポリエチレン管

75 異常なし 5.2MPa

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24

13.4 浸出試験

(1)目的

水道用器具の浸出性水質基準に適合しているかどうかを確認する。

(2)方法

管及び継手の浸出試験は、JIS S 3200-72004水道用器具-浸出性能試験方法準拠。

判定基準値はPWA005、PWA006による。

(3)試料

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管継手

(4)結果

結果を表-15に示す。建築設備用ポリエチレン管及び継手は、浸出性水質基準に適合することが確

認できた。

表-15 浸出試験結果

性能基準 分析結果 判定

臭気 異常のないこと 異常なし 合格

味 異常のないこと 異常なし 合格

色度 5度以下 1度以下 合格

濁度 2度以下 0.5度以下 合格

TOC 5mg/l以下 0.5mg/l以下 合格

臭気 異常のないこと 異常なし 合格

味 異常のないこと 異常なし 合格

色度 5度以下 1度以下 合格

濁度 2度以下 0.5度以下 合格

EF樹脂継手 TOC 5mg/l以下 0.5mg/l以下 合格

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25

13.5 内圧クリープ試験

(1)目的

接合部の長期水密性が十分であるか確認する。

(2)試験方法

JWWA K 144に規定される熱間内圧クリープ試験に準じる。接合した直管の管端部に止水治具を装着

後、熱水中で内圧を加え規定時間浸せきする。

(試験条件)

試験温度:80℃ 熱水中

試験圧力:1.0MPa

試験時間:1000時間

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管とソケット継手との融着品(全長1m)

(4)結果結果を表-16に示す。結果より、建築設備用ポリエチレン管の接合部の熱間内圧クリープ性能

は規格値を十分満足していることが確認できた。

表-16 熱間内圧クリープ試験結果

品種

管 ソケット 呼び径 試験結果

50 異常なし 建築設備用ポリエチレン管

75 異常なし

n=3の結果を示す。

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13.6 耐候性試験

(1)目的

管の耐候性を調べる。

(2)方法(B法(実験室光源による暴露試験方法))

試験槽に建築設備用ポリエチレン管のダンベル状試験片を入れ、所定時間照射し、取り出した後引

張試験を行い、引張降伏強さ(引張降伏応力)、及び引張破断伸び(引張破壊呼びひずみ)を調べる。

(試験条件)

試験方法 :JIS K 7350-1によって行ない、JIS K7350-4に規定する実験室光源によって暴

露する。

実験室光源 :オープンフレームカーボンアークランプ

ブラックパネル :336K(63℃)

スプレーサイクル:18/120分

照射時間 :0、500、1000、1500、2000時間

引張試験 :JIS K 7161に準じる。引張速度 50mm/min

(3)供試体

JIS2号ダンベル状試験片

(4)結果

結果を表-17及び図-14に示す。照射時間が1000時間でも引張降伏強さ(引張降伏応力)、引

張破断伸び(引張破壊呼びひずみ)の低下はほとんど認められなかった。

実際の屋外の暴露下では促進暴露試験の300時間が約1年に相当すると言われていることから、3年程

度であれば品質を保持しているものと考えられる。

表-17 耐候性試験結果

図-14 耐候性試験結果

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27

13.7 低速き裂進展性試験

(1)目的

建築設備用ポリエチレン管を長期間使用する場合、管の表面傷が管寿命にどのような影響を与えるか

調べるため、低速き裂進展試験を行った。

(2)試験方法

管に図-15に示す形状のノッチをつけて、熱間内圧クリープ試験を行う。

図-15 低速き裂進展試験用サンプル

表-18 低速き裂進展試験用サンプル

(3)試験結果

全呼び径とも、80℃、0.92MPaの試験で165時間以内に破壊するものはなかった。

その結果、管表面に管厚の20%程度の深さのノッチがついている場合でも、ノッチ分を差し引いた実

際の応力で評価すると、原管と同等の熱間内圧クリープ性能を示すことが確認された。

品種 h

管 継手 呼び径

最小 最大

50 4.3 4.5 建築設備用ポリエチレン管

75 6.3 6.6

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13.8 有機溶剤中での環境応力き裂試験

(1)目的

建築設備用ポリエチレン管の有機溶剤による耐環境応力き裂性への影響について調べる。

(2)方法

(試験片の作製)

呼び径100の管からプレス成形により2㎜の平板を作製し、図-16に示す試験片を作製する。

図-16 耐環境応力き裂試験片

(試験方法)

JISK6760の4.7(定ひずみ環境応力き裂試験)に準拠して行う。但し試験液は

1)ガソリン

2)灯油

3)トリクロロエチレン

の3種類について行う。試験温度は50±0.5℃とし、試験管は試薬の揮発を防ぐためキャップ式ねじ込

み式とし、ねじ込み後テフロンテープにて密封する。(図-17)

き裂発生は目視により、240時間、480時間、1000時間後に行う。

図-17 試験装置

(3)結果

試験結果を表-19に示すが、3種類の試験液ではすべて1000時間で異常なかった。つまり、有機溶剤

がポリエチレン管材料を膨潤させたり、劣化させたりすることはなく、ポリエチレン管の有機溶剤に

よる耐環境応力き裂性への影響については問題ないと言える。

表-19 有機溶剤耐環境応力き裂試験結果

240時間 480時間 1000時間

ガソリン 異常なし 異常なし 異常なし

灯油 異常なし 異常なし 異常なし

トリクロロエチレン 異常なし 異常なし 異常なし

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建築設備用ポリエチレン管の主な耐薬品性を表-20に示す。

(この表は、ISO/TR10358に基づいて作成したものである。)

摘要 S:無圧下で使用出来る。NS:使用出来ない。

L:多少浸食される。 -:データ無し。

表-20 建築設備用ポリエチレン管の主な耐薬品性

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30

13.9 圧縮剥離試験

(1)目的

継手接合部の融着界面の強度を調べる。

(2)方法供試体を融着後図-18に示すように切断し、融着接合部の電熱線両端部の距離を測定する。そ

の後、図-19に示すような治具に取り付け、管内面が接触するまで治具を締め付けて10分間保持し、

界面状態を観察する。また、電熱線剥離長さを測定し、融着接合部の電熱線両端部の距離に対する比

率を求める。

図-18 圧縮剥離試験供試体

図-19 圧縮剥離試験

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管とソケット継手との融着品

(4)結果

結果を表-21に示す。各サンプル共、剥離長さは0mmであり、接合部は完全に溶融一体化されている

ことが確認できた。

表-21 圧縮剥離試験結果

規格

管 ソケット 呼び径 剥離長さ

電熱線両端

部長さ 剥離率(1)

建築設備用ポリエチレン管 75 0mm 24mm 0%

注.(1)剥離率=剥離長さ/電熱線両端部長さ×100%

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13.10 落錘衝撃耐水試験

(1)目的

管及び継手部の耐衝撃性を確認する。

(2)方法

供試体に水圧0.75MPaを負荷した状態で、重さ88.2Nの円すい形重錘を1.5mの高さから管及びEF継手部

に自然落下させ、割れ、漏水等のないことを確認する。

図-20

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管とソケット呼び径75との融着品

(4)結果

管及び継手部共に割れ、漏れ等の異常はなかった。

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32

13.11 偏平試験

(1)目的

管及び継手に荷重を加え、偏平率との関係を調べる。

(2)方法

管及び継手を10 mm/minの速さで偏平させ、偏平率と荷重との関係を測定する。

(装置)

ロードセル式万能試験機

(試験条件)

温度23℃

図-21

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管呼び径75(直管部長さ100mm以上)

建築設備用ポリエチレン管継手呼び径75(ソケット単体)

(参考)配水用ポリエチレン管呼び径100、150、200(直管部長さ100mm以上)

(参考)配水用ポリエチレン管継手呼び径100、150(ソケット単体)

(4)結果結果を図-22に示すが、継手の方が管よりも線荷重が高いことがわかった。

(実際は継手に管が融着される為更に剛性が大きくなり接合部は土圧によってもたわみにくい。)

図-22 偏平試験結果

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33

13.12 表面硬度の比較

保管、運搬時の引っかき傷や埋設によって発生する外傷は、管の表面硬度が影響すると考えられる。

ここでは、建築設備用ポリエチレン管、給水用途の水道用ポリエチレン管及びガス用ポリエチレン管の

表面硬度の違いを調べた。その結果を表-22に示す。

表-22 種々のポリエチレン管の表面硬度の違い

建築設備用ポリエチレン管 給水用 ガス用

HPPE/PE100 LLDPE MDPE

硬度(ショアD) 64 53 60

建築設備用ポリエチレン管(HPPE/PE100)の表面硬度は、従来のポリエチレン管の表面硬度より大きく、

保管・運搬時の引っかき傷や埋設によって外傷が発生するおそれはそれらの管より小さい。

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34

<実用性能試験>

13.13 脈動試験

(1)目的

使用時におけるウォーターハンマーや脈動等の圧力変動によって管及び継手接続部がどの程度疲労

するかを確認する。

(2)試験方法

供試継手に長さ500mmの管を接合し、水圧試験用治具を取付けた後、20℃の水槽中に1時間以上状態

調節をした後、脈動試験機によって0~3.0Mpaの水圧を10万回以上繰返し加え、管及び接続部に漏れ、

その他異常のないことを確認する。

(試験条件)

試験温度:20℃

試験圧力:0~3.0Mpa

試験時間:10万回以上

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管とチーズ(50×20)との融着品 全長1m

(4)結果

結果を表-23に示す。結果より建築設備用ポリエチレン管の接合部の熱間内圧クリープ性能は規格

値を十分満足していることが確認できた。

表-23 脈動試験結果

*n=3の結果を示す。

品種

管 継手 呼び径 試験結果

建築設備用ポリエチレン管(継手チーズ) 50(チーズ

分岐20) 15万回;管継手部異常なし

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35

13.14 水撃シミュレーション

管の水撃について、水撃圧の計算で頻繁に適用されるAllieviの式より管内平均流速を1m/sとして計算

した結果を表-24、図-23に示す。

H=VP・VW/g=0.102VP・VW

VP= (K・g/ρ)/{1+(K/E)・(d/t)} = 1425/ 1+(2.03/E)・(d/t)}

H :弁の急速閉鎖による最大水撃頭(m)

VP :圧力波の伝播速度(m/s)

VW :管内平均流速(m/s)

K :水の体積弾性率 15℃で2.03GPa

ρ :水の体積重量 15℃で9797N/m3

E :管材の弾性率

管材種別 管材の弾性率

建築設備用ポリエチレン管 1.05GPa

水配管用亜鉛めっき鋼管(SGPW:VLPの耐圧層) 211.00GPa

一般配管用ステンレス鋼鋼管(SUS) 193.06GPa

d :管の内径(mm)

t :管の全体厚さ(mm)

g :重力加速度 9.8m/s2

表-24 各種管材の水撃圧

圧力波の伝播速度VP(m/s) 流速1m/s時の最大水撃頭H(m) 呼び径

<()はSGPW

の呼び>

建築設備用ポ

リエチレン管

水配管用亜鉛

めっき鋼管※

一般配管用ステ

ンレス鋼鋼管

建築設備用ポ

リエチレン管

水配管用亜鉛

めっき鋼管※

一般配管用ステ

ンレス鋼鋼管

20 425 1375 1304 43 140 133

25 369 1369 1272 38 140 130

30(32) 351 1360 1273 36 139 130

40 349 1350 1239 36 138 126

50 348 1338 1217 35 136 124

75(80) 345 1309 1175 35 134 120

※:水配管用亜鉛めっき鋼管(SGPW)はVLPの耐圧層

図-23 各種管の水撃圧(呼び径50)

(結果)建築設備用ポリエチレン管の水撃頭は鋼管系の1/3から1/4の水準であることが確認できた。

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

200

220

240

260

280

300

0 0.5 1 1.5 2管内平均流速 VW (m/s)

呼び径50の最大水撃頭 H (m)

水配管用亜鉛めっき鋼管 一般配管用ステンレス鋼鋼管 エスロハイパーAW 建築設備用ポリエチレン管

Page 37: 技術説明資料 - pwa-hp.com

36

13.15 耐結露性シミュレーション

配管(呼び径20、25、30、40、50)について、同条件での結露性を、計算により検討する。

(1)計算条件

管路環境 :露出、保温なし

管熱伝導率 :

水温 :20,22,24,26℃

(2)計算結果

計算結果のグラフを図-25,26,27,28、29、30に示す。

判定基準:管表面温度が露天温度以下になる点を結露すると判定する。

図-24.グラフの見方

管材種別 熱伝導率

建築設備用ポリエチレン管 0.46(W/(m・K))

エスロハイパーAW (呼び径50)結露計算結果

404550556065707580859095100

24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36

雰囲気温度(℃)

相対湿度(%)

水温22℃

グラフ線図未満の

領域:結露しません

グラフ線図以上の

領域:結露します

建築設備用ポリエチレン管 (呼び径50)

Page 38: 技術説明資料 - pwa-hp.com

37

・結露計算結果グラフ

図-25 呼び径20 図-26 呼び径25

図-27 呼び径30 図-28 呼び径40

図-29 呼び径50 図-30 呼び径75

エスロハイパーAW (呼び径20)結露計算結果

404550556065707580859095100

24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36

雰囲気温度(℃)

相対湿度(%)

水温26℃

水温24℃

水温22℃

水温20℃

エスロハイパーAW (呼び径25)結露計算結果

404550556065707580859095100

24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36

雰囲気温度(℃)

相対湿度(%)

水温26℃

水温24℃

水温22℃

水温20℃

エスロハイパーAW (呼び径30)結露計算結果

404550556065707580859095100

24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36

雰囲気温度(℃)

相対湿度(%)

水温26℃

水温24℃

水温22℃

水温20℃

エスロハイパーAW (呼び径40)結露計算結果

404550556065707580859095100

24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36

雰囲気温度(℃)

相対湿度(%)

水温26℃

水温24℃

水温22℃

水温20℃

エスロハイパーAW (呼び径50)結露計算結果

404550556065707580859095100

24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36

雰囲気温度(℃)

相対湿度(%)

水温26℃

水温24℃

水温22℃

水温20℃

エスロハイパーAW (呼び径75)結露計算結果

404550556065707580859095100

24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36

雰囲気温度(℃)

相対湿度(%)

水温26℃

水温24℃

水温22℃

水温20℃

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管 建築設備用ポリエチレン管

Page 39: 技術説明資料 - pwa-hp.com

38

13.16 凍結試験

(1)目的

立て管部分を保温無し仕様とした場合の管路の凍結の有無及び凍結に至る時間を測定する。

(2)実験方法

低温恒温室にて室温を5℃から約-6℃または-12℃まで下げたときの管内水温を測定する。

図-31 実験配管モデル

(3)実験条件

配管長さ :1m

室温 :初期室温5℃から-6℃(-12℃)まで

温度の測定 :管内の中央部測定

温度の記録 :サーモダックEF

(4)実験結果

完全凍結に至る時間を表-25及び表-26に示す

①外気温度-6℃の場合

表-25 外気温度-6℃の完全凍結時間(hr)

管種 完全凍結時間(hr)

建築設備用ポリエチレン管呼び径50 22.8

建築設備用ポリエチレン管呼び径20 7.6

金属強化ポリエチレン管呼び径20 8.0

②外気温度-12℃の場合

表-26 外気温度-12℃の完全凍結時間(h r)

管種 完全凍結時間(hr)

建築設備用ポリエチレン管呼び径50 12.4

建築設備用ポリエチレン管呼び径20 5.3

金属強化ポリエチレン管呼び径20 5.0

(5)まとめ

外気温-6℃の場合、建築設備用ポリエチレン管呼び径50は完全凍結に至る時間が約23時間であ

るが、建築設備用ポリエチレン管呼び径20及び金属強化ポリエチレン管呼び径20は管内保有水量

が小さいため8時間程度となった。これより枝管部分については地域によって保温材の検討が必要な

場合があると考えられる。

データロガー

管内熱電対

1,000(mm)

500(mm)

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39

13.17 凍結シミュレーション

外気温が-5℃または-10℃状態が続いた場合に、無保温の建築設備用ポリエチレン管の凍結時間

について計算により検討する。

(1)計算条件

管材 :建築設備用ポリエチレン管 熱伝導率 :0.46W/m・K

保温の有無:無 表面熱伝達係数:8.14W/m・K

管路環境 :露出(PS内) (7.0kcal/m2・hr・℃)

雰囲気温度:-5℃および-10℃※ 初期水温 :5℃

サイズ :20、25、30、40、50、75

※なお、本シミュレーションは夕方~深夜・早朝と、徐々に温度が降下していく実際の挙動とは異な

り、雰囲気温度一定の条件で検討。

(2)計算結果

①雰囲気温度-5℃の場合

図-32

②雰囲気温度-10℃の場合

図-33

 雰囲気温度-5℃、初期水温5℃の凍結時間計算

0

8

16

24

32

40

48

20 25 30 40 50 75

呼び径

凍結時間(h)

0℃に達する時間(hr)

0℃の水が凍結する時間(hr)

9.03

39.83

25.47

17.15

13.17

19.90

 雰囲気温度-10℃、初期水温5℃の凍結時間計算

0

8

16

24

32

40

48

20 25 30 40 50 75

呼び径

凍結時間(h)

0℃に達する時間(hr)

0℃の水が凍結する時間(hr)

4.56

20.12

12.868.666.65

10.05

Page 41: 技術説明資料 - pwa-hp.com

40

13.18 熱伸縮たわみ試験

(1)目的

立て管施工温度、季節変動による温度差で発生する熱伸縮による配管のたわみを確認し、隣接管、PS

内壁面等とのクリアランスを確定する。

(2)実験方法

-5.5℃で施工した図-34の配管について施工温度との温度差が約35℃(-5.5℃から3

1℃)における配管の最大たわみ量を測定する。

なお、試験設備の都合上管路を立てた状態での実験が不可能な為、実験は管路を横に倒した状態で

行った。

(3)供試管

建築設備用ポリエチレン管 呼び径25,30,50

(4)実験装置

実験装置の概略図を図-34、図-35に示す(尚、測定点はたわみ最大箇所)。

図-34 -5.5℃施工時 図-35 31℃配管

(5)実験結果

主管のたわみ測定結果を表-27に示す。

表-27 測定結果

呼び径 25 30 50

測定場所 A B C

最大たわみ量(31℃) 51.0mm 47.1mm 30.6mm

(6)まとめ

温度変化による管のたわみは小口径ほど大きく、最大たわみ量51.0mmであった。

以上の結果から隣接管、PS内壁面等とのクリアランスは50mm程度確保する必要があると考えられ

る。

防振

Uバンド

呼び径25 呼び径30 呼び径50

3,000

1,000

1,500

300

100

たわみ

測定部

仮想スラブ

防振床バンド

A B C

振れ止め

スラブ支持

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41

<耐震性能試験>

13.19 曲げ耐水圧試験

(1)目的

接合部の曲げ耐水圧性能について調べる。

(2)方法

図-36に示すように管と管の角度が30°以上になるように試験片のEF接合部を治具で押さえ、一

端を水圧ポンプに接続して2.5MPaの内水圧を負荷し、1分間放置し、接合部の漏れ等、異常の有無を調

べる。試験時の温度は常温とする。

図-36 曲げ耐水圧試験

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管とEFソケットとの融着品

(4)結果

接合部に過度の曲げ力が作用しても水密性は異常のないことが確認できた。

表-28 曲げ耐水圧試験結果

品種

管 継手 呼び径 30 ゚曲げ×2.5MPa×1 分

50 異常なし 建築設備用ポリエチレン管(ソケット)

75 異常なし

Page 43: 技術説明資料 - pwa-hp.com

42

13.20 偏平耐水圧試験

(1)目的

接合部近傍の管偏平時の水密性について調べる。

(2)方法

図-37に示すように供試体の接合部近傍を管外径の50%偏平後、一端を水圧ポンプに接続して

2.5MPaの内水圧を負荷した上で1分間放置し、融着部からの漏れ等、異常の有無を調べる。

図-37 偏平耐水圧試験

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管とソケットとの融着品

(4)結果

接合部近傍に過度の偏平が発生しても、EF接合部は十分な水密性を有していることが確認できた。

表-29 偏平水圧試験結果

品種

管 継手 呼び径 50%偏平×2.5MPa×1 分

50 異常なし 建築設備用ポリエチレン管(ソケット)

75 異常なし

Page 44: 技術説明資料 - pwa-hp.com

43

13.21 せん断耐水圧試験

(1)目的

地盤変動時等に対する管体の追従性について調べる。

(2)方法

図-38に示すように建築設備用ポリエチレン管に継手を接続した片側を固定し内水圧を負荷した上

で、反対側を強制的に30cm引き上げる。その後、管及び接合部の状況を観察し、異常の有無を調べる。

図-38 せん断水圧試験

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管呼び径50とソケットとの融着品

(4)結果

30cm強制変位後、水圧2.5MPaを1分間負荷しても接合部からの漏れ、管の白化等異常は認められなか

った。試験結果より、過度の地盤変位が鉛直方向に作用しても、地盤変位に追従し、接合部の水密

性も維持することが確認できた。

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44

13.22 接合部の引張試験

(1)目的

接合部の強度が十分であるか確認する。

(2)方法

図-39に示すように融着した管をセットし、50mm/minの速さで引張る。

図-39 接合部の引張試験

(3)供試体

建築設備用ポリエチレン管ソケットとの融着品

(4)結果

結果を表-30に示す。破断箇所は接合部でなく管本体であることから、融着部は母体と同等以上

の強度があるといえる。従って地盤変動が発生し、管路に引張り力が働いた時には管が追従し、融着

部の破損は発生しないことが確認できた。

表-30 接合部の引張試験結果

品種

管 継手 呼び径 融着部異常 異常箇所

50 抜け、破断など異常なし 伸びによる管本体の白化建築設備用ポリエチレン管(ソケット)

75 抜け、破断など異常なし 伸びによる管本体の白化

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45

14.摩擦損失水頭について

14.1 水理公式

配水用ポリエチレン管の流量計算は、ヘーゼン・ウィリアムズの式を使用する。

V=0.84935・C・R0.63・I0.54 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(7.1)

これを変形すれば次のようになる。

V=0.35464・C・d0.63・I0.54 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(7.2)

Q=0.27853・C・d2.63・I0.54 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(7.3)

d=1.6258・C-0.38・Q0.38・I-0.205 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(7.4)

I=h/ l=10.666C-1.85・d-4.87・Q1.85 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式(7.5)

ここに、V:平均流速(m/sec)

C:流速係数(=140)

d:管内径(m)

I:動水勾配

Q:流量(m3/sec)

l:管の延長(m) h:摩擦損失水頭(m)

R:径深=(流水の断面積)/(管路断面における接液部の周長さ) (m)

建築設備用ポリエチレン管はポリエチレンのため、滑らかでスケールなどの付着が少ない管材である。

直線部の流量線図を図-40に示す。

図-40 建築設備用ポリエチレン管;ヘーゼン・ウィリアムス公式による流量線図

ハイパーAWの流量線図(ヘーゼンウィリアムズ公式:C=140)

1

10

100

1000

1 10 100 1000動水勾配(mmH2O/m)

流量(L/min)

20

25

30

5075

0.2m/s 0.4m/s

0.6m/s 0.8m/s 1.0m/s

1.5m/s 2.0m/s2.5m/s

3.0m/s

40

建築設備用ポリエチレン管

Page 47: 技術説明資料 - pwa-hp.com

46

15.支持間隔、支持方法について(参考)

(1)縦配管について

縦配管について、表-31、図-41に示す通り、各階スラブ床上バンド固定及び中間振れ止め支持

する。

表-31 縦配管の支持間隔 呼び径 20 呼び径 25 呼び径 30 呼び径 40 呼び径 50 呼び径 75

立て配管 最大支持間隔 各階スラブ上床バンド固定及び中間振れ止め支持(別途脚部固定支持必要)

スラブ上床バンド固定

中間振れ止め支持

脚部支持方法

図-41 立て配管支持間隔

(2)横走り配管について

横走り配管については適切な間隔にて支持をおこなうこと。

参考として公共住宅建築工事共通仕様書のポリエチレン管支持間隔基準を表-32に示す。

表-32 横引き配管の支持間隔

呼び径 20 呼び径 25 呼び径 30 呼び径 40 呼び径 50 呼び径 75

最大支持間隔 1.0m 以下 横走り

配管 弁・機器類等

の支持 ・弁や機器の荷重がかからないように弁や機器類またはその近くを支持。

1.0m

図-42

建築設備用ポリエチレン管の外径は鋼管(サイズに

よっては硬質塩化ビニル管(VP))と同等である

ため、支持部材は下表を参考にご用意下さい。

参考)建築設備用ポリエチレン管と鋼管、硬質塩化

ビニル管との外径比較(mm)

呼び径 建築設備用ポリ

エチレン管

鋼管 硬質塩化ビニル管

20 27.0 27.2 26.0

25 34.0 34.0 32.0

30(32) 42.0 42.7 38.0

40 48.0 48.6 48.0

50 60.0 60.5 60.0

75(80) 89.0 89.1 89.0

Page 48: 技術説明資料 - pwa-hp.com

47

最下階納まり図 (単位:mm)

 建築設備用ポリエチレン管  建築設備用ポリエチレン管

図-43

フィブロック(FIBAW)防火区画貫通用テープ

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管建築設備用ポリエチレン管20

建築設備用ポリエチレン管50

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

建築設備用ポリエチレン管最下階横枝納まり図

作成日時 縮尺

Page 49: 技術説明資料 - pwa-hp.com

48

ゲートバルブ納まり図 (単位:mm)

ハイパーAW20 ハイパーAW50

中間支持

90°エルボ20 EFチーズ 50×20

立管50

ハイパーAW50

スクリュージョイントオスネジソケット50

ゲートバルブ50 バルブ支持被覆付Uボルト

300

(1000)

最下階における止水弁の納まり

作成日時 05.12.15 縮尺

積水化学工業株式会社

ハイパーAW・立管50

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

建築設備用ポリエチレン管50

建築設備用ポリエチレン管20

図-44

建築設備用ポリエチレン管最下階における止水弁の納まり図

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

作成日時 縮尺

Page 50: 技術説明資料 - pwa-hp.com

49

パイプシャフト内納まり図(枝管がエスロハイパーAWの場合) (単位:mm)

中間支持

ハイパーAW50

90°エルボ20

ハイパーAW20

EFスクリュージョイントユニオンソケット20

メーターユニット

床バンド50(ゴム無)+足付き

フィブロック(FIBAW)

ハイパーAW・PS納まり図

作成日時 05.08.18 縮尺

積水化学工業株式会社

(1500)

(1000)

EFチーズ 50×20

(500)

A

B

図-45

B部分詳細

A部分詳細

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管・PS収まり図

防火区画貫通用テープ

(枝管が建築設備用ポリエチレン管の場合)

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

建築設備用ポリエチレン管PS納まり図(枝管:建築設備用ポリエチレン管)

作成日時 縮尺

Page 51: 技術説明資料 - pwa-hp.com

50

パイプシャフト内納まり図(枝管が金属強化ポリエチレン管の場合) (単位:mm)

図-46

エスロンメタッチメスねじエルボ20

フィブロック<FIBAW>メーターユニット

エスロンメタッチオスねじアダプター20

スーパーエスロメタックス20

AW媒介継手

ハイパーAW50

中間支持

(1000)

(1500)

(500)

EFチーズ 50×20

ハイパーAW・PS納まり図

作成日時 05.08.18 縮尺

積水化学工業株式会社

(枝管スーパーエスロメタックス)

床バンド50(ゴム無)+足付き

A

B

B部分詳細

A部分詳細

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

金属強化ポリエチレン管用オスねじアダプター20

金属強化ポリエチレン管用  メスねじエルボ20

金属強化ポリエチレン管20

防火区画貫通用テープ

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

建築設備用ポリエチレン管PS納まり図(枝管:金属強化ポリエチレン管)

作成日時 縮尺

Page 52: 技術説明資料 - pwa-hp.com

51

最上階納まり図 (単位:mm)

EFチーズ 25×20

ハイパーAW20

ハイパーAW25

中間支持

スクリュージョイント オスネジソケット25

砲金製レジューサ 25×20

砲金製ニップル20

ゲートバルブ20

急速吸排気弁20

90°エルボ20

吐水口空間 間接排水

排水管

最上階における止水弁の納まり

作成日時 05.09.05 縮尺 1/10

積水化学工業株式会社

ハイパーAW・立管25

(1000)

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

図-47

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会

建築設備用ポリエチレン管最上階における止水弁の納まり図

作成日時 縮尺

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52

16.防火区画貫通について

1) 建築設備用ポリエチレン管を防火区画貫通する場合は、防火区画貫通用テープを使用する等適切

な処置を施す。

表-33 防火区画貫通用テープ適応表

床貫通 壁貫通

ALCパネル100mm厚以上 ALCパネル100mm厚以上 貫通

構造 コンクリート100mm厚以上※ コンクリート100mm厚以上

消防評定 消防評定 国交省

大臣認定 共住区画 令8区画

国交省

大臣認定 共住区画 令8区画

径 認定

番号 PS060FL

-0195 KK19-104

PS060WL

-0194 KK19-105

20

75

テープ

※床貫通の国交省認定書ではコンクリート厚は70mm以上とされている

※中空床、中空壁には評定・認定の貫通構造から除かれているため使用できない。

貫通配管種 使用最大呼び径 貫通開口寸法(ボイド径) 国交省大臣認定 消防評定

建築設備用ポリエチレン管 75 133(φ133mm)以下 PS060FL-0195 KK19-104

貫通配管種 使用最大呼び径 貫通開口寸法(ボイド径) 国交省大臣認定 消防評定

建築設備用ポリエチレン管 75 133(φ133mm)以下 PS060WL-0194 KK19-105

円形開口部

エスロハイパーAW

フィブロック

塩ビ管用(壁用)

フィブロック

オーバーラップ

管をスライド

フィブロック

埋め戻し

フィブロック床面よりはみ出し

(10mm以下)

図-48

図-49

建築設備用ポリエチレン管

建築設備用ポリエチレン管

防火区画貫通用テープ防火区画貫通用テープ防火区画貫通用テープ 防火区画貫通用テープ

防火区画貫通用テープ

防火区画貫通用テープ

防火区画貫通用テープ

防火区画貫通用テープ

モルタルで

埋め戻し

モルタルで

埋め戻し

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53

17.水圧試験

17.1 水圧試験の手順

配管および継手接合後、正しく施工されていることを確認するため水圧試験を行う。試験方法としては、

管内に通水して所定の水圧を負荷し、一定時間保持してこの間の圧力変化を測定する管路水圧試験が一般

的である。通水試験は以下のような手順で実施する。

(1)準備

試験実施区間を仕切弁、止水栓、フランジふたなどで仕切るとともに、給水栓、空気弁などで十分に

排気できる構造とする。また、水圧計および試験用ポンプを準備する。

(2)通水(注水)

通水は原則として管路の低い方から行い、給水栓まなどを開いて、管内の空気を除去しながら行

う。満水になったら、試験実施区間の両端の仕切弁または止水栓を閉じる。

【注意事項】

①急激に通水すると管路内の空気圧で思わぬ事故を招くこともあるので、通水の際は仕切弁また

は止水栓は徐々に開けて、排気状態を確認しながら通水量を調整すること。

②通水時、管路からの空気の排出につとめること(初期低下が小さく、安定化が早くなる)。給

水栓や消火栓などは全部開いて空気を排除し、空気の出なくなった栓から閉めてゆくこと。

(3)加圧および圧力変化の調査

水圧計を給水栓などに取りつける。常用圧力以上の水圧で試験するときは、給水栓などに試験用

ポンプを取り付けて加圧する。試験圧力まで加圧した後、所定時間保持させ、この間の管路の異

常の有無および圧力変化を調査する。

【注意事項】

①水圧試験は最後の接合終了後、下記に示すように一定時間以上経過した後に行うこと。

試験圧力が1.0MPa未満の場合:30分以上経過した後に行う

試験圧力が1.0MPa以上の場合:1時間以上経過した後に行う

②水圧試験は、管路内の残留空気を排除するために、通水後、十分時間が経過してから行うこ

と。

③建築設備用ポリエチレン管は、漏水がない場合でもプラスチック材料特有の初期膨張による水圧

値の初期低下が見られるので、注意が必要である。また、水圧値の低下挙動は管種や管路の

形態、管路内の空気量などで変わる。

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54

17.2 水圧試験における合否判定基準の例(参考)

建築設備用ポリエチレン管の水圧試験検査については、以下のとおりとする。水圧試験については、融着

接合の冷却終了後、1時間以上経過した後行なう。

不合格の場合は、継手部分の漏水の有無を目視確認する。異常がなければ系統別に調査し、漏れ系統は、

取り替えることとし、再び水圧試験を行う。

図-50 合否判定基準の例

Page 56: 技術説明資料 - pwa-hp.com

55

17.3 立て管の水圧試験方法について

<水圧試験方法の例>

・建築設備用ポリエチレン管を止水栓(各戸メーター,最上階空気弁)まで配管する。

・エア抜きは最上階の止水栓から行う。

・水を注入後、水圧ポンプで所定の圧力まで昇圧する。

・合否判定基準に基づき、判定する。

図-51 図-52

メータの止水栓

空気弁の止水栓

最下階立て管系統の止水栓

水圧ポンプ

空気弁の止水栓

最下階立て管系統の止水栓

メータの止水栓

水圧ポンプ

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56

18.接続工法

概念図

図-53 配管概念図

図-55 機械室まわり配管

図-54 メーター部 図-56 ピット内配管

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57

18.1 継手及び接合原理接続工法

建築設備用ポリエチレン管の接合には、ガス用ポリエチレン管、配水用ポリエチレン管などで既に実績が

あり耐震に対しての信頼性の高いEF(エレクトロフュージョン)接合を用いる。

この接合に用いる継手および接合方法について以下に示す。

(1)継手の種類

継手とは、電熱線が継手内部にあらかじめ埋め込まれている継手である。

この継手は融着により管と継手が一体化構造をとり、高い接合信頼性を持っている。

表-34 継手の種類

継手の種類 電熱線の形状

電熱線入り

差込接合

継手

(ソケット)

継手内部に電熱線が

コイル状に巻きつけ

られている。

本管を接合するとき

に主として用いる。

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58

18.2 接合原理

建築設備用ポリエチレン管の接合メカニズムは次の通りである。電熱線に電気を通すことによって電熱線

が発熱し、継手と管の界面の樹脂を溶かす。さらに、溶けた樹脂は体積が増加するので、界面に圧力が生

じ、管と継手が接合される。この接合の詳細を図-57、図-58に示す。

A区間通電開始時

EF 継手ターミナル部にEF継手用のコントローラーのコネク

ターを差し込む。コントローラーのスタートボタンを押す

と通電が開始され、電熱線と共に継手内面の温度が上昇を

始める。

B区間通電中1

温度が上昇すると、継手側の樹脂が溶けて熱膨張しパイプ

外面に接触する。こうして管にも温度が伝わり、管表面を

溶かし始める。それにより、管と継手の隙間がなくなり、

界面圧力が発生する。

C区間通電中2

温度や圧力はさらに上昇し、通電終了時には完全に両者は

溶け合って、一体化している。また、界面圧力によってイ

ンジケーターが隆起し始める。

D区間通電終了後

通電が終了すると樹脂溶融部分が冷却固化する。これによ

って管と継手の融着が完了する。この時、インジケーター

は継手表面よりも上へ隆起していることが正常融着の目安

となる。

図-57 継手接合

図-58 継手接合のプロセス

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59

18.3 融着接合の基本手順

(1)基本事項

融着接合では、管と継手とが熱融着により完全に一体化する。ただし、一体化させるためには適切な

基本作業をする必要があり、これを怠ると継手部を電熱加熱させても管と継手とが融着せず、漏水す

る可能性がある。以下に基本のフローシートを示す。

図-59

(2)工具類

ポリエチレン管の配管作業に必要な工具類は表-35の通りである。

表-35 工具類(参考)

図-60 EFコントローラー

Page 61: 技術説明資料 - pwa-hp.com

60

18.4 ソケットの融着接合

(1)管の切断

①管の必要長さを確保する。

管を切断する場合は、必要長さの寸法出しを正確に行う。管に傷、汚れ等がないか点検し、管

に付着している土や汚れをペーパータオル(JKワイパー、またはキムワイプ)で清掃する。有

害な傷がある場合はその箇所を切断し除去する。

②管軸に直角に切断標線を記入する。切断箇所に帯テープ、組紐などをあて、管軸に直角にマジックイ

ンキなどで切断標線を記入する。

③切断をていねいに行う。標線にそってパイプカッターまたは丸のこなどで、切断面のくいちがいがな

いように注意して正確に切断する。なお、切断面のくいちがいが生じた場合は、再度切断を実施する

か、グラインダー等でバリやくいちがいを平らに仕上げる。なお、斜め切れは5㎜以内とする。

(2)管融着面の切削

①管外表面の汚れを除去する。管差し口部の外表面に付着した土や汚れをペーパータオルで拭き落す。

②管に挿入標線を記入する。管差し口からスクレープに必要な長さを測り、マジックインキなどで標線

を記入する。

③管表面に切削範囲を記入する。標線から管端までをマジックインキなどで一周にかけ「なみ線」を描

き、表面切削の際に削れたかどうかの「目安」とする。

④管表面を切削する。管差し口部を専用の回転式スクレーパーもしくは専用のハンドスクレーパーで、

標線の手前まで管外表面をひと皮剥く程度削る。マジックインキで描いた「なみ線」が全範囲消えて

いれば切削されたと考えてよい。この時、削り過ぎには十分注意する。

図-61 融着面の表面切削

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(3)融着面の清掃

①管に有害なキズがないことを確認する。管に有害なキズがないことを確認する。キズがある場合は管

を切断除去し、再度融着面を切削する。

②継手受口内面および管差し口切削融着面の清掃を行う。継手受口内面および管差し口切削融着面を、

溶剤※3を浸み込ませたペーパータオル(JKワイパー、またはキムワイプ)で清掃する(融着面の油脂

等が完全に拭き取られていることを確認する)。

③清掃後は融着面に手を触れない。清掃後は融着面に手を触れない。触れた場合は再度清掃する。

※1 ペーパータオルは必ずJKワイパー、またはキムワイプを用いること。例えばティッシュペーパー

などは「けば」がでるので使用してはならない。ウエスなどは新品のものでも微量の油がついて

いたり、布地の種類によっては溶剤で溶けるものもあるので(微量に溶け出すため目や手では分

からない)絶対に使用してはならない。

※2 継手等は融着面に泥等が付着しないように、融着直前に梱包から取り出す。

※3 清掃に使用する溶剤は原則としてアセトンとする。ただし代替品としてエタノールを使用する場

合は、次の注意事項を守って下さい。①純度95%以上のエタノール(無水エタノールも含む)を

使用すること。②エタノールはアセトンに比べて、乾燥しにくい(特に冬場のような低温時)の

で、融着の際は下表を参考に、エタノールが十分乾燥してから実施すること。

表-36 気温毎の平均乾燥時間(参考時間)

-10℃ -5℃ 23℃ 40℃

120秒 105秒 60秒 5秒

(アセトンの場合、各温度ともに5秒以下で乾燥します)

(4)クランプ固定

①標線の記入を行う。管の融着面の切削や溶剤清掃で標線長さを示すラインが消えている場合は、標線

を記入する。管差し口から必要長さを測り、管軸に直角にマジックインキなどで標線を記入する。

②管を挿入する。融着面の切削、溶剤清掃済みの管差し口をEF受口に挿入する。この時、必ず標線まで

挿入する。

③クランプを装着する。管の接続部が斜めにならないようにクランプを装着する。この時十分クランプ

を締めること。十分締めていないと、融着する際、管と継手とがずれてしまい、融着不良を起こす場

合がある。

図-62 クランプ装着

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(5)融着

融着作業は水場で行ってはならない。雨天時の屋外では原則として融着作業を行ってはならない。なお、

異なる品種のポリエチレン材料を融着する時は製造者に融着適合性を確認すること。

②コントローラーの電源を入れ、融着前点検を行う。融着前点検については製造者の示す点検表による。

③コネクターと管受口部のターミナルピンを接続する。

④継手のバーコードを読む。

⑤コントローラーのスタートボタンを押す。

⑥融着終了後、出力ケーブルのコネクターを取り外す。インジケーターが出ていることを確認する。な

お、インジケーターが出ていない場合は継手部を切り取ってやり直す。 (※大きな電圧降下には注意すること。)

(6)判定

インジケーターが出ていることを確認する。なお、インジケーターが出ていない場合は継手部を切り取

ってやり直す。

図-63 インジケーターの確認

(7)冷却

製造者より示された標準冷却時間までクランプを装着したまま放置冷却し、その間管を動かしたり無

理な力をかけてはならない。融着終了時刻に所定の冷却時間を加えた時刻を、継手表面に油性マジック

で記入しておくとよい。なお、冷却は自然放置冷却で行い、決して水をかけたりして冷却してはならな

い。冷却終了後クランプを外す。なお、クランプを外す時も必要以上に管を動かしたり無理な力をかけ

てはならない。

【注意事項】

ただし、管路内への通水は、内水圧が1.0MPa未満となる場合は、最後のEF接続終了後、30分以上経過し

た後に行い、また内水圧が1.0MPa以上になる場合は、最後のEF接続終了後1時間以上経過した後に行うこ

と。

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19.他管種との接続

19.1 鋼管との接続

19.2 塩ビ管との接続

図-65

図-64

図-66

図-67

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64

19.3 ポリエチレン管同士の接続(ドレッサー継手を使用する場合)

19.4 弁・栓類との接続

スクリュージョイントを用いてねじ接続を行う。

接続手順としては融着前にスクリュージョイントとゲートバルブを先にねじ接合し、融着接合を行う。

この際、クランプ取り付け代として30mm以上必要であるため、例えばスクリュージョイントに接

してレジューサ等を接続する場合でも30mm以上、継手同士は離す必要がある。

なお、弁、栓類は重量物であるから、接続部の上下、または継手部において固定されていること。

図-68

図-69 弁との接続例

 建築設備用ポリエチレン管

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20.補修方法<継手による補修>

仕切弁を閉め断水した後、破損部を切り取った上で、新しい短管と各種継手を用いて恒久的に補修する。

(1)破損部の切断

①管体の破損破損部終点から両端とも管外径以上の長さのところで、管を直角に切り取る。

図-70 補修方法

②継手部の破損継手から管外径以上の長さのところで、管を直角に切り取る。

図-71 補修方法

(2)破損部の補修

①破損部の長さより少し長めの短管とソケット継手2個を用意する。

②短管を破損部に挿入する寸法に切断する。

③管に付着した土や汚れはウエス等で十分清掃する。

④接合部両管端を軽く面取りし、管端からEFソケット長さLの1/2のところに標線を付ける。

⑤ソケット継手内面中央部に設けてある突起(ストッパー)を管押込により取り除いた上で、それぞ

れの管にソケット継手を通す。

⑥一方のソケット継手を融着するときは、片方のソケット継手も接合部に合わせ、短管がずれないよ

うにする。

⑦一方のソケット継手の自然冷却終了後、残りのソケット継手も同様に融着する。

⑧所要の放置時間が経過した後に通水する。

図-72 補修方法

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21.配管工事

21.1 運搬・保管

(1)運搬

ポリエチレン管は比較的傷つきやすく、有害な大きさの傷の付いた管は、十分な性能を発揮できない

場合がある。このため、積み降ろしに際しては管を放り投げたり、小運搬の時に管を滑らせたり引き

ずらないように注意して取り扱う必要がある。また、荷台に管を積み込む場合はロープなどで適切に

固定し、荷台のかどに直接当たらないように必ずクッション材で保護する。なお、受口付直管等は、

受口に荷重が集中しないように受口と差し口を交互に(千鳥積み)積む。

【注意事項】

①製品の取扱いポリエチレン管は軽量とみなされているが、大口径または結束単位の製品は重量物と

なるので傷害防止のため荷扱いに注意する。また、管の表面は滑りやすいので、管の上に乗ってはな

らない。

②トラックへの出し入れトラックへの積み込み、積み降ろしに際しては、管の傷つき及び傷害防止の

ため、放り投げたり、引きずったりしてはならない。ユニック車を使用するときは傷害防止のため吊

りバランスに注意する。

③運搬時の管の保護管の傷つき、変形防止のために、トラックの荷台との接触部、ロープ固定部など

にはクッション材を入れる。

(2)保管

保管場所は原則として屋内とし、やむをえず屋外に保管するときは簡単な屋根を設けるか、または不

透明のシートを掛け直射日光を避けるとともに、熱気がこもらないように風通しのよい状態に保つ。

また、平坦な場所を選び、約10cm角のまくら木を約1mの間隔で置き、不陸が生じないように管を静置

する。積み高さは1.5m以下が望ましい。また、受口付直管等は、この時受口部の上に管が載らないよ

うに積む。長期にわたって保管する場合はできるだけ温度の低い、直射日光が当たらない場所に保管

し、管端部に雨がかからないようにカバー等を掛ける。管の温度が40℃以上となるような場所(例え

ばストーブ、たき火場、焼却場の付近など)では保管してはならない。

表-37 積上げ段数

呼び径 段数

50・75 7以下

図-73 直接保管方法(千鳥積み)

【注意事項】

①管の保管管は、反り、変形等の防止および安全確保のため屋内に千鳥積み等の横置きとし、端部に

は荷崩れ防止のため端止め材をかけなければならない。

②管の屋外保管やむを得ず屋外に保管する場合は、管の反り、変形、光による劣化を防止するため簡

単な屋根を設けるか、熱気のこもらない方法でシートを掛けて直射日光を避けなければならない。

③継手の保管継手も管と同様に屋内保管とし、やむを得ず屋外に保管する場合は、管と同様とする。

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67

21.2 給水立て管部の配管

工程No

1 ・建築設備用ポリエチレン管を ・管端のキャップは必ず取り

開梱する。 付けること。

・階高に合わせ、管をパイプカッター ・斜め切れは5mm以内である

等で切断する。 こと。

・切り粉やバリは取り除くこと。

・高速砥石タイプ等の熱を生じる

切断機は使用しないこと。

2 1)巻き付け位置の決定

管端から上階のスラブ下端まで

の寸法を測定し、防火区画貫通

用テープの巻き付け位置を決定

する。

2)巻き付け

枝付片受け直管に防火区画

貫通用テープを巻きつける。

※この時スラブ下端から防火区画

貫通用テープが10mm以内はみ

出す位置に巻き付けを行う。

3 管を切断し、土や汚れを清掃した

後、継手挿入代を管の円周方向

に記入する。

4 マジックでマーキングした後、 挿入標線から5mm程度余分

スクレーパーで切削する。 に切削する。

(融着後、切削実施を確認する

ため)

※スクレープ後に挿入標線を再

度記入すること。

5 切削後、継手内面と管外面をアセ 軍手は使用しないこと。

トン等を浸み込ませたペーパー 継手は両受口を1枚で清掃でOK。

タオルを使用して融着面を清掃

する。

6 枝付片受直管を上階のスリーブ ・枝管用管端キャップは取り外

に挿入しながら、管と仮接合する。 さないこと。

その後、クランプを使って接合

し、管と継手を固定する。

施工内容 注意点

事前準備

枝管用専用

キャップ

防火区画貫通用テープの巻きつけ

挿入標線の記入

管・継手の清掃

枝付片受直管の挿入・固定

呼び径 挿入代

20 40(mm)25 42(mm)30 46(mm)40 46(mm)

50 52(mm)75 65(mm)

挿入標線終了位置

融着面の切削

作業階

作業階の上階

寸法測定

作業階

作業階の上階

スラブ下端よりはみ出し

防火区画

貫通用テープ

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7 コントローラーの電源を入れ、

表示内容を確認した後、コネク

ターと継手のターミナルピンを

接続する。

8 バーコードリーダーで継手に貼付 大きな電圧降下には注意する。

されているバーコードを読み取り

コントローラーの通電を開始する。

融着終了後、コネクターを取り外

す。

9 融着終了後、冷却時間を加えた

時刻をバーコードプレートの裏面

にマジック等で記入する。

冷却時間終了後、クランプを取り

外す。

10 ・インジケーターにより融着部 インジケーターが隆起していない

の検査を行う。インジケーター 場合は融着異常の可能性がある

が左右とも継手表面より隆起して ので切断し、やり替える。

いることを確認する。

11 ・開口下部に当て板をし、モルタル 詳細は国土交通省大臣認定

で埋め戻しをする。 PS060FL-0194,0195 及び

消防評定 KK19-104,105

を確認し、必ずモルタルで埋め

戻すこと。

12 1)スラブ固定 ・床バンド(ゴム無)でスリー

床バンド(ゴム無)でスラブ ブの中心に管が設置されるよう

固定を行う。 アンカーボルト、コンクリートビス

等で固定を行う。

2)振れ止め支持 ・配管の長さ方向の中央に振れ

アングルとUバンド等を組み合 止めを設置する。

わせ、振れ止め支持を行う。

コンクリートビス

or アンカーボルト

すき間が無くなる

まで締めこむこと

Uバンド等

融着準備

融着

●標準温度(23℃)における通電時間

冷却

●冷却時間

立て管の支持固定

コンクリート増打

SL

“立て管の支持固定”の工程は各フロアごとに実施すること。支持固定をしない場合は配管のたわみが大きくなるので注意すること。

継手種類(例) エルボ 枝付片受直管呼び径 20 50

通電時間(秒) 75 110

呼び径 冷却時間

20~50 5分

75 10分

隆起

検査

区画貫通部の埋め戻し

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69

工程No

13-1 1)メーターユニットと枝管との ・枝管の管端のキャップは取り外

距離を測り、管を切断する。 し、融着を行うこと。

2)エルボと管を組み合わせ、

メーター側まで仮組みする。

3)立て管と同様の手順で融着

作業を行う。

13-2 1)メーターユニットと枝管との

距離を測り、管を切断する。

2)配管経路に従い、管を曲げる。

3)チーズの分岐部に媒介

継手を接続する。

4)立て管分岐側、メーター側に

それぞれ管を接合する。

14 1)振れ止め支持 ・配管の長さ方向の中央に振れ

アングルとUバンド等を組み合 止めを設置する。

わせ、振れ止め支持を行う。

15

16

最下階の支持固定は右図のとおりエルボ部をUボルト等

で支持し、ピット内および天井内の横引き配管は1,000mm

(※75φ以下の場合)間隔で支持を行う。

施工内容 注意点

全ねじボルト

チャンネル

Uボルト等給水立て管

最下階エルボ

枝管の配管施工(建築設備用ポリエチレン管の場合)

枝管の配管施工(金属強化ポリエチレン管の場合)

枝管の支持固定

施工完了 建築設備用ポリエチレン管の場合 金属強化ポリエチレン管の場合

最下階支持および支持間隔

呼び径 Uボルト(推奨品) 備考

エルボ25 Uボルト40用(適合管外径48.6mm)

エルボ30 Uボルト50用(適合管外径60.5mm)

エルボ40 CL用Uボルト50用(適合管外径64.1mm)エルボ50 CL用Uボルト65用(適合管外径79.9mm)

SGP管用

外面被覆鋼管用

Page 71: 技術説明資料 - pwa-hp.com

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21.3 機械室まわり、ピット内配管の施工について

先に述べたEF接合、支持間隔に従って配管を行う。

(ねじ接続部についてはスクリュージョイントを使用する。)

ピット内横走り管については適切な支持間隔で固定すること。

参考として公共住宅建築工事共通仕様書の基準を表-38に示す

表-38 横引き配管の支持間隔

呼び径 20 呼び径 25 呼び径 30 呼び径 40 呼び径 50 呼び径 75

最大支持間隔 1.0m 以下 横走り

配管 弁・機器類等

の支持 ・弁や機器の荷重がかからないように弁や機器類またはその近くを支持。

1.0m

図-74

注.建築設備用ポリエチレン管の呼び50、75は定尺5m(呼び20、25、30、40は

4m)なので搬入時は必要開口部をご用意下さい。

21.4 埋設配管について

配水用ポリエチレン管の技術資料を参考に適切な施工を行うこと。

Page 72: 技術説明資料 - pwa-hp.com

71

22.残材・廃材の処分の注意について

(1)現場焼却の禁止

建築設備用ポリエチレン管管・継手は、現場焼却しないこと。

(2)法令に従った処理

配水用ポリエチレン管・継手の残材や使用後の廃材の処分は法令、及び地方自治体の条例に従って行

う。

23.リサイクルに関して

建築設備用ポリエチレン管の原材料であるポリエチレン樹脂は熱可塑性樹脂であり、再度熱を加えるこ

とにより、他のポリエチレン製品などに成形加工することでマテリアルリサイクルが可能です。また、汚

れや劣化のひどい場合は、高炉原料化、油化、ガス化などにより、エネルギー資源としてサーマルリサイ

クルや発電利用が可能です。

メーカーの工場内ではすでに、生産端材などを、建築設備用ポリエチレン管へ再利用するマテリアルリ

サイクルを行っています。工事端材などは、プラスチック再生処理企業で、リサイクルが可能です。

今後においては、布設替えに伴う廃材などを含めて、回収の仕組み、再生利用の仕組みなどを構築すべく

現在検討を進めています。

Page 73: 技術説明資料 - pwa-hp.com

72

24.建築設備用ポリエチレン管の配管設計上の注意事項

(1)設計上の注意

●給水配管に使用し、エアー配管や薬液配管には使用しないでください。

●温度及び最高圧力を守って使用してください。

許容温度内であっても給湯器・温水器等の熱源器を介した温水配管には使用出来ません。

●立て管、ピット内における建築設備用ポリエチレン管配管は基本的に保温は必要ありません。ただし

寒冷地、天井配管等、使用条件により保温の検討が必要な場合がありますので別途ご相談ください。

●屋外の露出配管では、外部衝撃・紫外線劣化防止のため、保温材などで防護してください。

●使用に際して管路としてのウォーターハンマー、脈動状況を考慮してご使用ください。

(2)保管上の注意

●炎天下や極寒の場所に放置しないで、屋内に保管してください。

●保管場所に溶剤・ペンキなどを置かないでください。

●保管場所では火を使用しないでください。火の粉や熱によって管や継手が劣化するおそれがあります。

(3)運搬上の注意

●ダンボール箱の投げ出しは絶対に行なわないでください。

●管・継手を運搬するときは、必ず持ち上げて運搬して下さい。引きずり、投げ出し等は絶対にしない

で下さい。

管の傷つき、破損防止、ケガ防止のためにていねいに扱ってください。

●クレーン付トラックなどを使用するときは、ケガ防止のために吊りバランスに注意してください。

●建築設備用ポリエチレン管は結束単位によっては重くなります。ケガ防止のために、取り扱いには注

意して下さい。

●作業中はけが防止のため必ずすべりにくいゴム引き手袋を着用してください。

●管の傷つき、変形防止のためにトラックの荷台との接触部、ロープの固定部などにはクッション材を

あてて下さい。

●運送中のロープのゆるみやはずれによる管の落下等に十分注意してください。

(4)管施工上の注意

●管切断は管軸に垂直に切断してください。切断時の段切れや5mm以上の斜め切れ、らせん切れは融着不

良の原因となりますので直角に切断してください。

●高速砥石タイプの熱を生じる切断機は管切削面変形の原因となりますので使用しないでください。

●建築設備用ポリエチレン管は隣接管や壁などから50mm以上離隔距離を確保してください。

●屋外露出配管では、管に直接日光が当たらないように外面覆膜を施して下さい。また、外部衝撃や凍

結防止のために保温材などで防護して下さい。

●管・継手に直接ねじを切らないで下さい。

●施工現場での管の熱加工による配管作業は、良好な品質の確保が困難になるので、決して行わないで

下さい。

●防火区画を貫通する場合は熱膨張性耐火シートの巻き付け等、適切な処置を施してください。

(5)継手施工上の注意

●一度融着すると管が外れない構造になっていますので、継手の再使用はできません。失敗しないよう

慎重に施工してください。

●継手の挿口は切断して長さを調節することはできません。

●挿入不足の場合、融着不良となりますので必ず奥まで入っていることを確認して下さい。

●接続時には管の表面をスクレーパーで融着面全てを切削して下さい。切削なしや切削むらは融着不良

の原因となります。

●融着面にほこりや砂、水、油がついていると漏水の危険があります。接続前に管・継手の融着面をア

セトン等を浸み込ませたペーパータオルを使用して融着面を清掃して下さい。

●アセトン清掃時は手袋を脱ぎ、素手で作業して下さい。また必ずペーパータオルを使うものとしてテ

ィッシュペーパーやウエスは使用しないで下さい。

●スクリュージョイントを使用する際は、樹脂部をつかまずに必ず、六角部ををつかんで接合してくだ

さい。

(6)接合の注意点

●正しい施工と安全のため、管の切断、融着の作業に用いる工具は専用工具または性能が確認されたも

のを選択し、取り扱い説明書の規定を理解して使用して下さい。

●清掃後の接合部に水がかかると通電時の温度上昇の妨げや水蒸気の発生により融着不良となります。

また、融着装置が濡れた状態で作業を行うと感電や装置の故障の原因となりますので、接合部や機器が

水に濡れない状態にして接合して下さい。

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●建築設備用ポリエチレン管の融着時は、停電が発生しないようご注意ください。融着不良の

原因となります。融着時にブレーカーが落ちた場合は、コントローラの表示に従ってその箇

所を切断しやり直して下さい。

●管、継手の養生キャップは接合の直前まで取り外さないでください。

●EFコントローラーを炎天下に放置すると誤作動することがありますので直射日光を避けて下さい。

●通電完了後も冷却時間が終了するまではクランプを取り外さないでください。

●インジケーターが隆起していない場合は融着異常の可能性がありますので切断し、やりかえて下さい。

(7)水圧試験上の注意

●水圧試験は最後の融着接続が終了してから1時間以上経過した後に行ってください。

●水圧試験を行う際には、エア抜きを行ってください(エア抜きが不完全な場合、継手が抜けた時、身

体に当たる危険があります)。

●建築設備用ポリエチレン管は可とう性ですので、水圧を負荷すると真円に戻ろうとする力が働き、時

間の経過とともに若干の水圧低下をきたす恐れがありますのでご注意ください。

(8)その他の注意点

●管には適当な保護を行うこととし、殺虫剤、防腐剤(クレオソートなど)防蟻剤、ウレタン系シーリ

ング剤などを管及び継手に直接吹き付けたり、塗ったりしないでください。

●配管付近で塗装作業を行う際には、配管に塗料が付着しないように留意して下さい。また、建築設備

用ポリエチレン管を塗装しないで下さい。万一建築設備用ポリエチレン管に塗料が付着した場合は、

速やかにアセトン等でふき取って下さい。

●配管付近で塗膜防水作業を行う際には、配管に付着がないよう養生を実施して下さい。万一建築設備

用ポリエチレン管に塗膜防水材が付着した場合は、速やかにアセトン等でふき取って下さい。

●施工の詳細については別紙、カタログ、施工マニュアルを参照ください。

●本紙記載事項以外にご使用の際は、建築設備用ポリエチレンパイプシステム研究会までお問い合わせ

ください

【ブレーカー作動(停電)の例】

定格電流20Aのブレーカーに、合計25Aの電動工具をつないで同時使用した場合

分電盤

現場共用電源

コードリール

融着コントローラ(10A)

高速カッター(15A)

同時使用

20A 20A