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こども・若者の育ちや自立を支える事業 子ども・若者の居場所づくり 事例集の発行 啓発・発信 子どもや若者の育ちや自立を地域で支える取り組みが必要な社会です。身近な地域で安心して、自 由に集まれる。一人でだって行ける。いろいろな体験ができる。そこに行けば、様々な人に会えて、 いろいろな生き方を知ることができる。子どもや若者は、そんな自分の拠りどころに、人と人とのつな がりを得て、地域に愛着と人への信頼を持ち、将来への夢や希望を見出します。 子ども・若者にどんな育ちの環境が必要なのか、どんな支えが必要なのか、考える・行動すること は、子育て家庭や、子ども・若者に関する様々な分野の専門家のみに委ねることではありません。次 世代を担う子どもたちを社会全体で見守り、支えるために、様々な取り組みに出会い、これを様々な方々 に見て頂き、共に考える機会にしたいと思っています。 第 2 回目の交流会。基調講演は、若新雄純さんにお願いしました。 「答えが一つではない時代に、コミュ二ケーションこそが社会を創る」と おっしゃっています。発見と創造につながる豊かなコミュ二ケーションを、 地域社会のそこここに広げていくことのススメを聴きました。 また、交流会では、ワールドカフェでの参加者同志の対話も、加藤彰彦 先生らゲストをお招きしたシンポジウムも行いました。 「発見の連鎖を生む試行錯誤的対話」…。多くの居場所でそんなコミュ二 ケーションがひろがるならば、子どもや若者だけではなく、大人も生き生 きと生きられる社会がきっと実現すると確信しました。 事例集制作にあたり、すべての事例を紹 介するときに、2 つの指標をつくり、ご覧い ただけるようにしました。 指標① 「活動の自己評価」 多くの居場所で、集まる子どもや若者の 状況から、多様な取り組みをしている場合 が多いため、活動団体の方に、活動の度合 いを示していただくこととしました。 指標② 「活動のプロセス」 子ども・若者の育ちや自立の課題を軽減 したり、解決するために、活動団体がどの ようなプロセスで取り組みを進めているの か、活動団体の歩みを明らかにする指標も つくりました。 子ども・若者居場所づくりガイド 第 2 号「対話編」を発行しました。 第 1 号事例集の取材で、たくさんの居場所を訪れました。その中で、居 心地の良く感じられる居場所には、コミュ二ケーションが豊かなことに気 づきました。子ども同士のコミュ二ケーションはもちろん、子どもと大人も、 担い手である大人同士も様々な対話をしています。 伺ってみると、そこには、自然にできている以外にも、様々な想いがあり、 工夫があり、努力があり、願いがありました。正に、居場所は、ハード(物 理的な場)とソフト(人と人との関係)があってこそと思います。いろいろ な方の実践やアドバイスをご覧ください。 ■仕様:A4 36ページ ■企画・取材・編集: NPO法人 よこはま地域福祉研究センター 社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会 ■デザイン・DTP: NPO法人 よこはま地域福祉研究センター ■協力:社会福祉法人 神奈川県共同募金会 ■発行日:2017年11月20日 ■発行者:社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会 プロジェクトリーダー 佐塚 玲子 20 7 01 04 07 10 02 05 08 11 03 06 09 くすのき広場 相模原市緑区 市営上九沢団地内 ぴっかりカフェ 横浜市青葉区 県立田奈高等学校内 フェアスタート・フェアスタートサポート 横浜市中区 はまっこ・てらす 小田原市酒匂 地域家族 しんちゃんハウス 大和市南林間 MOP HOME 藤沢市高倉 さくら茶屋にししば 朝 塾 横浜市金沢区 さくらノート 川崎市高津区 ほんそん子ども食堂 いただきます 茅ヶ崎市本村 プレイパーク 遊 being ♡あしがら 神奈川県 県西地区 フリースペース えん・川崎市子ども夢パーク 川崎市高津区 子ども 若者の居場所づくり事例集 ガイドブックの発行 子ども・若者の居場所づくりフォーラム ■仕様:B5 30ページ ■企画・取材・編集: NPO法人 よこはま地域福祉研究センター/社会福祉 法人 神奈川県社会福祉協議会 ■デザイン・DTP: NPO法人 よこはま地域福祉研究センター ■協力:社会福祉法人 神奈川県共同募金会 ■発行日:2018年3月 10 11 @ウィリング横浜 2018.1.25 参加者:62 名 活動のプロセス 子ども同士の交流 家族対応 相談 ネットワーク・協働 支援者との交流 就労支援 生活支援 学習支援 1 1 2 3 2 2 2 3 活動の自己評価 12 13

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Page 1: 20 7yresearch-center.jp/wp-content/uploads/2018/07/annual...発行日:2017年11月20日 発行者:社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会 プロジェクトリーダー

こども・若者の育ちや自立を支える事業

子ども・若者の居場所づくり

事例集の発行

啓発・発信

子どもや若者の育ちや自立を地域で支える取り組みが必要な社会です。身近な地域で安心して、自由に集まれる。一人でだって行ける。いろいろな体験ができる。そこに行けば、様々な人に会えて、いろいろな生き方を知ることができる。子どもや若者は、そんな自分の拠りどころに、人と人とのつながりを得て、地域に愛着と人への信頼を持ち、将来への夢や希望を見出します。

子ども・若者にどんな育ちの環境が必要なのか、どんな支えが必要なのか、考える・行動することは、子育て家庭や、子ども・若者に関する様々な分野の専門家のみに委ねることではありません。次世代を担う子どもたちを社会全体で見守り、支えるために、様々な取り組みに出会い、これを様々な方々に見て頂き、共に考える機会にしたいと思っています。

第 2 回目の交流会。基調講演は、若新雄純さんにお願いしました。「答えが一つではない時代に、コミュ二ケーションこそが社会を創る」とおっしゃっています。発見と創造につながる豊かなコミュ二ケーションを、地域社会のそこここに広げていくことのススメを聴きました。

また、交流会では、ワールドカフェでの参加者同志の対話も、加藤彰彦先生らゲストをお招きしたシンポジウムも行いました。「発見の連鎖を生む試行錯誤的対話」…。多くの居場所でそんなコミュ二ケーションがひろがるならば、子どもや若者だけではなく、大人も生き生きと生きられる社会がきっと実現すると確信しました。

事例集制作にあたり、すべての事例を紹介するときに、2 つの指標をつくり、ご覧いただけるようにしました。指標① 「活動の自己評価」

多くの居場所で、集まる子どもや若者の状況から、多様な取り組みをしている場合が多いため、活動団体の方に、活動の度合いを示していただくこととしました。

指標② 「活動のプロセス」子ども・若者の育ちや自立の課題を軽減

したり、解決するために、活動団体がどのようなプロセスで取り組みを進めているのか、活動団体の歩みを明らかにする指標もつくりました。

子ども・若者居場所づくりガイド 第 2 号「対話編」を発行しました。第 1号事例集の取材で、たくさんの居場所を訪れました。その中で、居

心地の良く感じられる居場所には、コミュ二ケーションが豊かなことに気づきました。子ども同士のコミュ二ケーションはもちろん、子どもと大人も、担い手である大人同士も様々な対話をしています。

伺ってみると、そこには、自然にできている以外にも、様々な想いがあり、工夫があり、努力があり、願いがありました。正に、居場所は、ハード(物理的な場)とソフト(人と人との関係)があってこそと思います。いろいろな方の実践やアドバイスをご覧ください。

■仕様:A4 36ページ■企画・取材・編集:NPO法人 よこはま地域福祉研究センター社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会■デザイン・DTP:NPO法人 よこはま地域福祉研究センター■協力:社会福祉法人 神奈川県共同募金会■発行日:2017年11月20日■発行者:社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会

プロジェクトリーダー佐塚 玲子

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0407

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0609くすのき広場

相模原市緑区 市営上九沢団地内ぴっかりカフェ横浜市青葉区 県立田奈高等学校内

フェアスタート・フェアスタートサポート横浜市中区

はまっこ・てらす小田原市酒匂

地域家族 しんちゃんハウス大和市南林間

MOP HOME藤沢市高倉

さくら茶屋にししば 朝 塾横浜市金沢区

さくらノート川崎市高津区

ほんそん子ども食堂 いただきます茅ヶ崎市本村

プレイパーク 遊 being ♡あしがら神奈川県 県西地区

フリースペース えん・川崎市子ども夢パーク川崎市高津区

子 ど も ・ 若 者 の 居 場 所 づ く り 事 例 集

ガイドブックの発行

子ども・若者の居場所づくりフォーラム

■仕様:B5 30ページ■企画・取材・編集:NPO法人 よこはま地域福祉研究センター/社会福祉法人 神奈川県社会福祉協議会■デザイン・DTP:NPO法人 よこはま地域福祉研究センター■協力:社会福祉法人 神奈川県共同募金会■発行日:2018年3月

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@ウィリング横浜 2018.1.25 参加者:62 名

活動のプロセス

現状把握

効果把握

インプット

アウトプット

アウトカム

インパクト

アクティビティ

地域の現状

具体的な活動

産出物

活動成果

生じた変化

子ども同士の交流

家族対応

相談

ネットワーク・協働

支援者との交流

就労支援

生活支援

学習支援

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活動の自己評価

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こども・若者の育ちや自立を支える事業

子ども・若者の育ちや自立を支える支援のあり方調査調査・研究

障害者、女性、外国人、LGBT(性的マイノリティ)など、多様な人を排除しないインクルーシブな組織づくりは、加速する超高齢・人口減少社会における企業の存続のためにも欠かせません。これからの時代、企業経営は事業性とともに社会性を重視したものに発展・進化する必要があるのです。

なかでも障害者雇用については、障害者差別解消法の制定により、合理的配慮のもとに持続的な労働環境を作り生産性向上につなげることが社会的要請としてあります。しかしこのことについて管理者や人事担当者、現場の社員の方などが、最新の制度政策の知識や実践法を学ぶ機会が少ない現状があります。

上記の背景を踏まえ、県立かながわ労働プラザとの協働によるセミナーを実施。障害者との共生に取り組もうとする、あるいは取り組んでいる人の疑問を解消し、障害者雇用・就労のあり方を考え、各現場で実現可能な方法論を見出すプログラムとしました。

1987 年、合計特殊出生率 1.57 という戦後、最低を記録し、将来の深刻な人口減少を予測した厚労省は、1994 年「今後の子育て支援のための施策の基本的方向について」を策案して出生率回復を目指しました。それから 20 年、様々な子育て支援策が具体化しているものの、以前にも増して、孤立・経済問題・児童虐待・DVなど多くの困難を抱えている家族が増加し、子どもの育ちに影響を及ぼし、子どもの健全な成長や若者として自立することを阻まれることが懸念されています。

今日、こうした実態を背景に、社会政策に基づいた、子ども・若者支援の必要性が注目されており、「子ども食堂」や「学習支援」等の取り組みが、地域に急速に広がりつつあります。一方で、これらの取り組みが、多様化・複雑化する子どもや若者を取り巻く社会の今をどのように認識し、どのような理念と計画によって行われているのかは、見えにくく、継続性や発展性が不安視され

ている実態もあります。よこはま地域福祉研究センターは、神奈川県共同募金

会より助成金を得て、「子ども・若者の育ちや自立を支える支援のあり方調査」を行うこととしました。

県内、多様な子ども・若者を対象とした、支援活動団体 300 団体に調査を行います。

今年度は、子ども・若者についての地域の活動をする現場のキーパーソンから相談援助や子ども・若者の研究者などの調査に取り組むコアメンバー8名、及び、調査スーパーバイザー3名と共に、情報の共有を図りつつ、調査シートを作成しています。

本調査によって導き出す、子ども・若者支援の現状と課題を分析し、次のステップとして調査対象団体をはじめとする子ども・若者支援団体間のネットワークを構築し、子ども・若者支援のあるべき姿を探求します。

実施概要

対 象:障害者雇用・就労などに関わる現場職員、保護者、当事者などテーマに関心のある方

主 催:神奈川県立かながわ労働プラザ後 援:横浜市健康福祉局参加延数:83 名

k穴側県立保健福祉大学 名誉教授 松為 信雄氏

アイエスエフネット代表 渡邉 幸義氏

調査コアメンバーの皆さん

〈プログラム〉第1回 障害者雇用義務化の背景と対応策を知る 日 時:11月6日(月) 18:30~20:30会 場:かながわ労働プラザ講 師:神奈川県立保健福祉大学 名誉教授 松為 信雄氏

第2回 障害者雇用が企業の未来を拓く! 日 時:12月4日(月) 18:30~20:30会 場:かながわ労働プラザ講 師:アイエスエフネット代表 渡邉 幸義氏

障害者と家族の地域生活支援プロジェクト

障害者雇用に関する研修「ハンディのある人を仕事のメインプレイヤーに!」

企業向け

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審査員になろう!

Food presentation共生社会創造のための商品品評会

障害者と家族の地域生活支援プロジェクト

勉強会

画に込めた私たちの目標は、商品と消費者のマッチング、事業所の利益向上による利用者の工賃アップだけではありません。障害者就労による新たな市場を作ることは、障害者のためだけでなく、多様なステークホルダーの生活の質の向上につながり、持続可能な地域社会を創る一助となると考えます。今後、フードプレゼンはイベントにとどまらず、「フードプレゼン・マインド」の日常化に向けてさらに進化していきます。ご期待ください!

 2017年にスタートしたイベント、通称「フードプレゼン」第2回を開催しました。フードプレゼンでは障害福祉事業所で作られているおすすめの逸品について、現場の職員がプレゼンしPRします。そして会場の参加者の皆さん全員が審査員となり、試食のうえ採点し「買うか、買わないか」の判断までしていただきます。おかげさまで今回、事業所の皆さんからエントリーのご希望を多数いただき、プレゼン内容、商品の質ともにレベルの高い品評会となりました。この企

プロジェクトリーダー

吉川 典子

ゲスト審査員(株)フクフクプラス 代表取締役 磯村 歩氏おから料理研究家 高橋 典子氏

対 象:このテーマ・食に関心のある方後 援:横浜市健康福祉局/特定非営利活動法人エキープ/

ボタニカルカフェおからさん参加延数:61名

実施概要

日 時:2018年1月19日(金) 18:30~21:00会 場:3丁目カフェ

エントリー事業所&商品はたらき本舗(横浜市泉区)生ブッセ ボンヌ/かつら工房(横浜市栄区)カレーパン/森の庭(横浜市磯子区)抹茶黒豆甘納豆ケーキ/mai!えるしい(逗子市)ミックスクッキー/えだ福祉ホーム(横浜市青葉区)チョコガリバー

当日の流れ

②審査員が試食、採点

③ゲスト審査員からコメント

④採点シート回収、集計

⑤商品販売タイム

⑥採点結果発表

①商品について

 プレゼンテーション

ゲスト審査員

会場となった

3丁目カフェの

皆さん

ぷらさんぬカレーパン

抹茶黒豆甘納豆ケーキ

ガリッとガリバー

ゲスト審査員

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福岡 寿氏 小田 芳幸氏

事前事後アンケートによる効果測定等を報告書にまとめました

〈プログラム〉

第1回 疑問解消!発達障害の基本的理解 日 時:6月11日(日)13:30~16:30会 場:神之木地区センター講 師:長野県地域支援力向上SV/日本相談支援専門員協会顧問

 福岡 寿氏

第2回 発達障害の方の支援方法 日 時:9月10日(土) 9:30~12:30会 場:神之木地区センター講 師:横浜市総合リハビリテーションセンター

自立支援部部長 小田 芳幸氏

第3回 チームアプローチを拓く!日 時:2月17日(土)9:30~12:30会 場:神之木地区センター講 師:よこはま地域福祉研究センター

 センター長 佐塚 玲子

実施概要

対 象:法人内全職員・管理者(60 名)

社会福祉法人横浜愛育会様(以下、愛育会)から、個別にオファーを受け、年間全 3 回の研修企画運営と事前事後の調査報告までコーディネートさせていただきました。愛育会では、障害者の社会的自立を「福祉的援助」と「仕事」を中心として実現することに力を入れています。非常勤職員の多くが福祉以外のキャリアを持つ地域の女性ということで、法人から発達障害についての基礎的なプログラムを依頼されました。しかし、愛育会のような中小規模の社会福祉法人では、本人への支援と組織の機能強化を、相互に連動させながら総合的にレベルアップを目指す必要があります。そこで、管理者の皆さんと話し合いを重ね、職員個々の知識獲得と法人の組織力強化のふたつの側面から実施するプログラムとしました。

プレイヤー

チームマネージャー

法人マネージャー

法人のミッション達成のための

組織デザインと実装など

現場チームビルディングと

サービスの質の管理など

利用者との共働をチームで達成

するための職務遂行

障害者と家族の地域生活支援プロジェクト

障害者就労に関する研修「専門知識・組織力強化プログラム」

障害者と家族の地域生活支援プロジェクト

大学共同研究事業「ものづくりの物語」コンサルティング

相模女子大学人間社会学部からのオファーにより、共同研究に参加させていただきました。5 名の学生メンバーと 3 名の市民レポーターでプロジェクトチームを作り、障害者就労支援事業所の現場レポートをまとめ発信することにより、ソーシャルインクルージョンをはかるというものです。

ここでのこだわりは、大学生目線で「かわいい!」「美味しそう!」「ワクワクする!」と感じる、事業所で作られた「もの」を入り口に、作り手である障害者との出会い、福祉に関する理解を促すということ。1 年間の集大成として、3 月には報告書「ものづくりの物語」を発行し、報告会を実施しました。

障害児・者とその家族の光る個性をキャンディに見立て、「Candy Lei」と名付けたこの事業は相談・交流を目的に、ウェブや電話で広く窓口を設けて新たな活動を試みた一年でした。保護者の方の興味のあることをテーマに、4 回の交流会を開催しました。

当事者からのご相談や持ち込み企画のほかにも、障害児者とその家族とつながりたいという、企業や事業者との橋渡しをすることができて、プロジェクトの目的の達成につながることができました。今後も、当事者同士の交流にとどまらず地域や社会とつながる事業を展開していきます。

当センターの協力内容

・研究会運営・レポーター講座企画運営・現場調査同行・報告書作成サポート

障害者と家族の地域生活支援プロジェクト

Candy Lei キャンディレイ 障害児・者の保護者のための相談・集いの場

共同研究

交流会

〈プログラム〉

第1回 9月28日(木)「初めてのアロマ講座」講 師:東 恵美子氏

第2回 11月21日(火) 「お母さんのためのメイクレッスン」 講 師:ronilo 猪爪 麻衣さん 企画 細川 宏美氏

第3回 2月27日(火)「日産グローバルギャラリーで福祉車両の夢を語ろう!」企 画:株式会社 オーテックジャパン

第4回 3月17日(土)「親の会の育て方・活かし方」講 師:横浜市重心グループ連絡会 会長 下山 郁子氏

参加延数:23名

山本 宜子

プロジェクト担当

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親に介護が必要となったら、仕事を辞めて面倒をみるべき?介護の資金は捻出できる?家庭内が殺伐となってしまうのでは。いつかはやってくる“親の介護”に対する不安を、専門家が社会保障や介護保険制度などさまざまな視点から和らげてくれる介護準備講座を実施しました。

仕事帰りの方、認知症カフェを運営されている方、すでに配偶者や親の介護をされている方など、様々な立場の方が参加されました。介護保険制度を解説するだけではなく、住まいのこと、かかる費用、そして自分たちの暮らす国や市の制度の現状をお伝えしながら、体系的に自分仕様のプランニングイメージが作れるよう、常に受講者と向き合いながら講座の企画を考えています。

従業員の大半を占めるパートの方々が、親の介護のために離職をせずに働き続けられるよう、介護準備講座実施の依頼がありました。

介護保険サービスや施設、それにかかる費用など、具体的な事例を交えながらお伝えしました。

〈プログラム〉

第1回 1/26(金)「社会保障(年金・医療・福祉)の今を知る」第2回 2/10(土)「介護保険制度の活用法を知る」第3回 2/10(土)「介護とお金について知る」第4回 2/19(月)「働いている会社の介護支援制度を知る」座談会 3/2(金) 「介護にまつわるあれこれを語り合おう」

講 師:佐塚 玲子氏(NPO 法人 よこはま地域福祉研究センター センター長)新井 仁子氏(社会福祉士・主任介護支援専門員)

飯田 剛史氏(特定社会保険労務士)

社会教育・啓発プロジェクト

仕事を辞めないための介護準備講座

「親が 65 歳、自分が 40 歳になったら考えよう」

企業内研修

講 座

実施概要

会 場:神奈川県立かながわ労働プラザ受講延人数:108名

実施概要

日 時:3月12日(月) 15:15~17:30会 場:横浜市内電気器具メーカ―(株) 研修室対 象:パート従業員の方々 他受講延数:62名

とうきょうist。の発行

肢体不自由児と家族のためのおでかけマインド発信マガジン「とうきょう ist。」を「よこはま」「せんだい」に続き、第3号として発行しました。バリアフリーで楽しめるお店やスポットの紹介やお母さん、お父さんたちが、日々の暮らしで感じること、お出かけの工夫など、等身大のリアルを取材し一冊にまとめました。

B5版 36ページ カラー 価格:648円販売元:ジアース教育新社 発行日:2017年8月18日

委 託 先:全国肢体不自由児PTA連合会業務内容:ウェブサイトのコンテンツ作成と運営業務業務期間:2015年4月~2018年3月 facebook フォロワー833人

委託先:大和市社会福祉協議会 日 時:11月24日(金)13:30-16:00場 所:大和市 保健福祉センター4階講習室参加数:31名

大和地区社協 リーダー研修

地区社協の運営で、事業周知やボランティア募集などの広報活動は、新たな参加者や担い手の発掘、地域住民の理解につなげる大切な活動の一つです。各地区での広報物があふれるなか、心に留まる広報の創り方について、基本的なポイント(視点)とまちづくりの仕掛けを、他の自治体の例をもとにお伝えしました。その後、素材を選び、情報を組み立て、形(紙面)にするグループワークを行いました。

広報・制作プロジェクト

デザインのちからで「伝える」

広報・制作プロジェクトが生まれたのは、センター立ち上げ2年目でした。「独立1年目のアニュアルレポートを作りましょう」そう提案したものの、多岐にわたる事業の全体像もまだよく理解できぬまま、苦労して形にしたのを覚えています。そして今年で5冊目。事業のバラエティも広がり、積み重なった実績を載せられるようになってきた気がします。

まだまだ広報という大きな括りで戦略を立て、計画的に実行できていないと自覚していますが、一つの成果物が次への信頼関係を生み出すことに繋がると思っているので、限られた予算、時間を加味しつつも、ひとつひとつ真摯に向き合うことを大切にしていきます。

塚原 祥子プロジェクトリーダー

「しぴれん」ウェブサイトの運営

「肢体不自由児とその家族の未来(これから)の暮らしを考えよう」というコンセプトで2015年に全面リニューアルを手掛け、3年間の運営に関わりました。「全国大会のダイジェスト報告」「育てびと」「便利グッズ&サービス」「わたしのまちの学校」など、コンテンツ作りを軸に、facebookとも連動。延べ100に及ぶ記事を発信しました。

啓発・発信

「伝える」から「動かす」へ

作りたくなる広報紙

NPO法人よこはま地域福祉研究センター 塚原 祥子

2017.11.24 第 2 回地区社協リーダーセミナー

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① ミニシンポジウム形式研修実施エリアで実際に活動している

団体から活動の状況とやりがい等をプレゼンしていただきました。その後、受講者と対話ができるようミニシンポジウム形式に。終了後すぐに団体にボランティア登録する人が複数いらっしゃいました。

④ ワークショップ学んだことを地域で実際にどう活かすか、何から始めるか?について、居住エリアの状況を見直し、

受講者が主体的に考えるワークショップを取り入れています

③ アドバイザーの活用当センター制作のDVDに活動紹介登場

するメインキャストの方に、アドバイザーとしてご登場いただきました。先輩実践者として、活動の醍醐味を伝えるだけでなく受講者の現実的な悩みに応え、まずは一歩踏み出してみることを後押し。

② クイズ・チェックリストなどの活用高齢者の身体的・心理的理解やコ

ミュニケーション方法について、楽しくわかりやすく自分ごととして学ぶために、どなたでも参加しやすいクイズやチェックリストをオリジナルで作成し使用しています。

高齢者とは?

Q1□

大多数の高齢者は記憶力が落ち認知症になる

多様な研修スタイル

実施概要

実 施:11 月~ 3 月会 場:神奈川県内 8 か所協 力:城郷地域ケアプラザ、篠原地域ケアプラザ、

川崎市地域包括ケア推進室、相模原市県営大沢団地、三浦市社会福祉協議会、座間市社会福祉協議会、藤沢市地域包括ケア推進室、伊勢原市社会福祉協議会、中井町社会福祉協議会

対 象:生活支援サービスに関心のある方、担い手として意欲のある方など

受講延数:386 名

<基本プログラム>

講義①・高齢者福祉サービスの今、超高齢社会の今を知ろう・高齢者の理解、認知症の理解・担い手に必要な心得と手法 

講義②   ・生活支援サービスってどんな取り組み?

DVD視聴・神奈川県内の元気な生活支援サービスの活動紹介(休憩10分)

講義③&ワークショップ・「コミュニケーション」の必要性と方法・生活支援サービスに役立つ実践法の紹介・私たちのまちの生活支援サービスをつくろう!・ワーク結果の共有

県の事業として、今年度も企画運営業務を担当しました(3年目)。多くの県民に地域の福祉増進の必要性や担い手としての参画を呼び掛けていますが、同時に、調整段階から、自治体や福祉専門機関のキーパーソンとも連携・協働体制を構築し、1回の研修では実現しえない、市町民育成を、研修終了後、引き続き市町村自治体等で継続して行えるよう働きかけています。

県内8か所での実施となった今年、すべての会場の講師を佐塚と吉川が担当。「地域福祉の取り組みを活発にするには、身近な人へ寄り添い、お互い様の気持ちを持つことが重要であること」また、「取り組みを活性化するには、『対話』が重要であること」などについて、講義等で伝えていますが、研修全体においても講師がそれを実践し、受講者と向き合いました。

神奈川県委託

神奈川県生活支援サービス担い手養成

「支える福祉」から「支えあう福祉」へ

研修

生活支援サービスとは

草刈り子育てサロンカフェ 買い物支援ボタン付け 話し相手ゴミ出し家具の

移動・修理

実施協力者VOICE

座間市社会福祉協議会ボランティアセンター センター長小林 孝行さん

平成 28 年度からご一緒させて頂き、市民の方を中心に生活支援の担い手養成に関わってきました。29年度においては、担い手の養成にとどまらず、「活躍の場の提供」を意識して、座間市内で活躍されている生活支援サービスの事業所様と共同で開催しました。講座直後に何名もの方が申し込みや登録をしてくださり、やってよかったなと実感しています。講座に参加された方が活躍できる場づくりを今後も行っていけたらと思っております。

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〈プログラム〉

基礎編

第 1 回 「横浜市地域ケアプラザと地域包括支援センターの意義と役割」「包括支援センターの実践」

講師:横浜市健康福祉局 地域支援課 高齢健康福祉課 高齢在宅支援課ファシリテーター:NPO 法人よこはま地域福祉研究センター センター長 佐塚 玲子実践報告者:滝頭地域ケアプラザ 主任ケアマネ 佐久間 真珠さん

中野地域ケアプラザ 社会福祉士 熊谷 祐子さん港南地域ケアプラザ 保健師 東 麻紀さん

第 2 回 「権利擁護事業の理解と包括支援センターの役割」 「介護予防ケアマネジメント・介護予防」

講師:公益社団法人あい権利擁護支援ネット 川端 伸子氏東洋大学 ライフデザイン学部 生活支援学科 准教授 高野 龍昭氏

第 3 回 「総合相談の役割と実践法」「包括的・継続的ケアマネジメントと多職種・関係機関との連携」

講師:大磯町地域包括支援センター 統括管理者 木内 健太郎氏立教大学 コミュニティ福祉学部 福祉学科 教授 平野 方紹氏

応用編 「地域包括ケアシステム構築のために統合ケア (integrated care) を拓く」

第 1 回 「地域包括ケアシステムとソーシャルワーク」講師:実践ソーシャルワーク塾 塾長 菊池 健志氏

第 2 回 「人の尊厳~生きるプロセスと死ぬプロセスとの交互作用に関する包括的理解~」「包括ケアシステムの構築と福祉・医療の連携」

講師:ルーテル学院大学大学院 名誉教授 福山 和女氏東海大学健康科学部 教授 堀越 由紀子氏

第 3 回 「地域ケア会議をデザインする     ~協働に向けた対話を促進する“場”と“問い”づくりのコツ~」

講師:国立大学法人九州大学大学院 統合新領域学府 客員准教授日本ファシリテーション協会 フェロー 加留部 貴行氏

包括職員の多くが、度重なる制度改正や、地域情報の把握についていけず、目前の仕事に忙殺され、職員間の連携・協力が十分できない中で、その学びが深まりにくい現実も包括職員が抱える課題です。「社会的包摂」「インクルーシブ社会」「我がこと丸ごと

共生社会」など、今日的社会福祉の目的が、一層包括的なものとなる中で、福祉専門職が持つべき知識や情報はあまりに広範です。

職員たちには、知識・情報の獲得ばかりではなく、正に今求められるソーシャルワーカーであることを再認識し、福祉推進に向かって、自ら意識や行動が変革されることが必要です。年に一度の研修という限界はあるものの、職員への啓発が非常に重要であることの認識を持ち、自ら学ぶ姿勢と関心の高まりを促すようなプログラムを実現することが私たちの役割だと思っています。

実施概要

基礎編

開催日 : 第 1回 5/31・6/1、第 2 回 6/19・6/23第 3 回 7/25・8/3

対 象 : 横浜市地域包括支援センターに所属する職員(保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャー)で、概ね、経験年数1年未満の方で、平成 28 年度の横浜市地域包括支援センター職員研修基礎編 未受講の方

受講延数:248 名参加実数:88 名

応用編

開催日 : 第 1回 10/20、第 2 回 10/30、第 3 回 11/20対 象 : 基礎編既受講者または経験 12 か月以上の横浜市内

地域包括支援センター職員受講延数:114 名参加実数:73 名包括職員対象・基礎編

B日程

会 場 ウィリング横浜内 研修室 (詳細は裏面をご覧ください)

受講料 無 料定 員 各回 60 名

5 月 23 日 (火) 必着締 切

必要事項をご記入の上、下記メールアドレスまでお申込みください。(裏面参照)

受講決定者にはプレワークシートをご提出いただく予定です。詳細は受講決定時にご案内します。

申込方法

研修事務局 NPO 法人よこはま地域福祉研究センター (担当:塚原・佐塚) TEL:045-228-9117本研修は、横浜市の委託により、特定非営利活動法人よこはま地域福祉研究センターが実施します。

全 3 回 ※A・Bどちらかの日程を選択してください。 いずれも 9 時 30 分~ 17 時

A日程

(京急・市営地下鉄線上大岡駅直結 徒歩 3 分)

京急百貨店

介護保険制度をはじめとする社会保障改革により、地域ケアプラザにも体制の変更など、 新たな対応が求められています。 そのような中、 初任者として配置された皆さんが、 地域包括支援センター職員として不可欠な知識を身につけるための研修 「基礎編」 (全3 回) を実施します。本プログラムでは、 地域ケアプラザ ・ 地域包括支

援センターの機能と役割の理解、 業務に必要な視点の獲得と実践力の向上を図ります。

昨年度包括職員研修基礎編 プレワーク回答より(複数回答 n=258)

その他総合相談・支援

権利擁護

地域ケア会議

包括的継続的ケアマネジメント支援

介護予防ケアマネジメント

26%

18%18%

16%

16%

Q 日常業務での課題はなんですか?

 横浜市地域包括支援センター職員研修〈基礎編〉

横浜市地域包括支援センターに所属する職員(保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャー)で、概ね、経験年数1年未満の方で、平成28年度の横浜市地域包括支援センター職員基礎研修を未受講の方

対象

H29年度

[email protected]

包括職員対象・応用編

実践ソーシャルワーク塾

塾 長

菊池 健志 氏ルーテル学院大学大学院

名誉教授

福山 和女 氏

東海大学健康科学部

教 授

堀越 由紀子 氏

九州大学統合新領域学府 

客員准教授 

加留部 貴行 氏

1日目2日目午前

2日目午後

3日目

地域包括ケアシステム

構築のために

統合ケアを拓くIntegrated care

複数の慢性疾患を抱える高齢者の増加、高齢者を支える社会保障費の増大等、医療 ・介護のパラダイムシフトが起こるなかで、どのように関連職種の連携教育や関連職種連携による実践を行うのか。ケアの現場の理解を深め対応力を養う。

九州大学法学部卒業。学生時代からまちづくり活動に携わる。NPO・ボランティア支援推進専門員

と九州大学、大学改革プロジェクトを経て、ファシリテーション導入を通じた教育プログ

ラム開発や学内外プロジェクトを担当。今年4月の生活困窮者自立支援法施行に向

け、厚生労働省主催の自立相談支援事業従事者養成研修講師を担当。著書

に『チーム ・ ビルディング-人と人を「つなぐ」技法』、『教育研

修ファシリテーター』(いずれも共著・日本経済新聞出版

社)など。

上智大学社会学科社会福祉学専攻卒業、ルーテル学院大学総合人間学研究科博士前期課程修了。専門分野は、社会福祉実践方法(ソーシャルワーク)、保健医療福祉(医療ソーシャルワーク)。現在の研究課題は、医療ソーシャルワークの歴史、ソーシャルワークのスーパービジョン、難病等における治療と職業の両立支援。

同志社大学卒。同大学院文学研究科社会福祉学専攻修士課程修

了、カリフォルニア州立大学大学院公衆衛生学修士課程修了(MPH)、ア

メリカカトリック大学大学院社会福祉学専攻博士課程修了(DSW)、公衆衛生学修士、社会福祉学博士。専門分野は、医療福祉、スーパービジョン、コンサルテーショ

ン、家族療法。研究テーマは、保健・福祉・医療におけるソーシャルワークの包括的理論構築

と専門家養成方法の開発。

神奈川県福祉職として障碍児支援施設を皮切りに、生活保護、高齢、障害、児童等のソーシャルワーク実践に従事。リーマンショック後から東日本大震災の復興期にかけて生活保護行政の統括、子どもの貧困対策プロジェクトをチームリーダーとして牽引。業務の傍ら、各種研修講師等を通じて実践力のある専門職育成にも尽力。現在、領域を超えたソーシャルワーカーの実践研究集団、実践ソーシャルワーク塾塾長。

1日目

3日目

地域包括ケアシステムとソーシャルワーク

午前 今、死と向き合う社会福祉

午後 包括ケアシステムの構築と福祉・医療の連携

午前 包括支援センターが行う

協働を促進させる「地域ケア会議」

午後 ケア会議の進め方とファシリテーションスキル

(金)10/20

(月)11/20

9:30-17:00ウィリング横浜122

2日目(月)10/30

9:30-17:00ウィリング横浜123

9:30-17:00ウィリング横浜123

平成29年度

横浜市地域包括支援センター職員研修 応用編

横浜市委託

地域包括支援センター職員研修業務研修

24 25

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福祉サービス第三者事業は、当センターを立ち上げた時から、法人事業の柱の一つとして実施してきました。この事業は、資格を持つ調査員(評価者)の方と事務局が一体となって、約半年を費やして実施します。横浜市の保育所の受審が義務付けされたことや、東京都の評価も始めたこともあり、依頼いただく件数が多くなりました。なるべく多くのご依頼をお引き受けできるよう、一層の効率化と質の維持に今後とも努めていきたいと思っています。

<実 績>平成29年度は、横浜市内認可保育所14、川崎市認可保

育所1、相模原市認可保育所1、横浜市障害児施設1、社会的養護関係施設1、東京都認可保育所1、東京都認証保育所2、東京都高齢者認知症グループホーム5、東京都高齢者看護小規模多機能型施設1 合計27施設の評価を実施しました。(下記グラフ参照)

引き続き横浜市内の保育所が多い状況となっていますが、平成29年度は、東京都で新たに高齢分野の評価が実施ができたことが大きな成果だったと考えています。

福祉サービス第三者評価の全国の受審数は、平成17年度~平成28年度で39,858件、うち東京都での実施が26,873件となっています(数字は第三者評価受審の状況 平成30年1月、全国社会福祉協議会資料より)。また、平成28年度の受審数は全国で4,414件、うち東京都が2,970

件となっています。東京都の受審数が圧倒的に多いのは、東京都が受審を義務付けしたり受審費用の助成を実施していることが大きな動機付けとなっています。今後国が第三者評価の推進を期待するのであれば、各分野での定期的な受審を義務付けしたり、助成するなどの対策が必要です。

本来、第三者評価は自分たちの日常の支援を振り返る、職員全員が参加する大掛かりな内部研修と考え、積極的に受審していただくことが望ましいと考えています。福祉施策、制度の変更などから年々「施設に求められるもの」は変化し、利用者のあり様や家族が施設に求めるものも、従来とはかなり異なってきています。ヒアリング調査などでも、職員の皆さまが悩まれている印象を受けることが多々あります。

評価機関として、利用者本位のサービスを提供するために日々奔走する職員の皆さまの、支援、援助の内容を誠実に受け止めながら、公平公正な視点で、できていること・工夫改善が望まれることを報告書に表していくこと、一方、中間支援組織として施設評価に携わらせていただきながら感じる、社会の変化の中にある「施設への期待」などをお伝えすることができればと考えています。

第三者評価を通じて「できること」「できないこと」はありますが、施設職員の皆さまとともに「地域福祉」の向上を目指していきたいと考えています。

指定管理第三者評価

福祉サービス第三者評価

横浜市内施設の指定管理者の皆様の努力によって実現されているサービスを、客観的指標により点検評価します。過去 5 年間、地域ケアプラザ評価を中心に実績を積んできました。2018 年度も評価機関として「誠実さ、公正さ」と「専門性、客観性」を持ち、時代に即した施設運営とサービスの質の向上につながるよう、本事業に取り組んでいきます。職員の皆様の日常業務の実際に寄り添い、対話を重ね、受審による「気づき」を多く生み出し、継続的な業務改善に活かしていただけるよう努めます。

<平成 29 年度 実績>美しが丘地域ケアプラザ(青葉区)

横浜市第三者評価マークのひょうた君

第三者評価事業【横浜市認可保育所・14 件】打越保育園横浜中華保育園パレット保育園センター南パレット保育園綱島しらとり台保育園・しらとり台保育園つつじが丘しらとり台保育園さつきが丘・しらとり台保育園青葉台第二しらとり台保育園さくらの郷みらい保育園總持寺保育園屏風ゆめの森保育園りんどう保育園戸塚みどり保育園横浜市港南台第二保育園スターチャイルド≪中山ナーサリー≫

【横浜市障害児入所施設・1 件】横浜訓盲院

【川崎市認可保育所・1 件】新町しほかぜ保育園

【相模原市認可保育所・1 件】げんきっず保育園

【東京都認証保育所・1 件】ヒューマンアカデミー西調布保育園

【東京都認可保育所・2 件】ヒューマンアカデミー上石原保育園ヒューマンアカデミー調布玉川保育園

【東京都 認知症対応型共同生活介護・5 件】花物語まちだ花物語まちだナーシング花物語とどろき花物語せたがや南花物語せたがや西

【東京都 看護小規模多機能型居宅介護・1 件】花織まちだ

【社会的養護関係施設・1 件】心泉学園

平成29年度実績 受審施設(順不同)

評価受審保育園VOICE 横浜市緑区認可保育園

今回の 2 回目の第三者評価の受審を通して、ちょうど新保育指針での保育を職員で勉強している時期に重なったこともあり、本園の保育はどのようにしていきたいのか、どうすることなのかを、具体的な言葉にして皆で考えていく絶好の機会になりました。保護者アンケートを通しても、保護者から見えている保育園の姿やニーズを読み取ることができ、今後の取り組みの課題が見えました。平成 21年4 月に開所してから9 年。その間に定員が 40 人から120人にまで増え、規模の小さい時にはやれたことが難しくなったり、逆に、受け入れ枠が増えたことで色々な状況の子どもたちを受け入ることができるようになったりと、大きな変化の中で進んできた現在の保育園の姿を客観的に見ることができました。

また、全員が自己評価をしたことで、それぞれの保育の取り組み方や考え方を各自が見つめ直し、新保育指針のもとで何を目指していきたいのかを明確にするきっかけになりました。

評価機関の方々には、小さなことでも大切にしていることや保育者たちの気持ちを丁寧に拾い上げて下さったことで、保育者たちの安心や自信につながったところが多々ありました。日々、“これでよかったのだろうか?もっとよいやり方・言い方があったのでは?”と、悩みながら、考えながら保育に向き合っている中で、応援していただいたように思います。ありがとうございました。

保育園として、法人としては、来年度は10 年目を迎えることになります。次は、保護者・地域との連携にさらに力を入れて地域に開かれた保育園を目指していくことと、職員の専門性の向上と後継者の育成に力を入れていくことで、今まで大切にしてきた、『色々な人がいる場所、どんな人もいていい場所』であり続けていきたいと思います。

横浜市内川崎市内その他神奈川県東京都(H28年度~)

H25  H26  H27  H28  H29

12 10 15 20 15

11

1

12

94

3

自治体別推移 (件)

保育園障害児関係施設障害者グループホーム高齢者施設社会的養護施設

分野別推移 (件)

H25  H26  H27  H28  H29

11 14 23 198

1

1

1

1

6

3

32

1

評価

対象分野

高齢・障害保護分野

障害者グループホーム

社会的養護関係施設分野

児童分野(保育)

26

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会計報告

受託事業の内訳の推移

経費支出内訳の推移

横浜市委託

横浜市里親研修の実施にかかる事業一人ても多くのこどもが家庭的な環境の中て地域て健やかに成長てきるように

研修

保護を必要とするこどもの数は上昇の一途をたどり、平成28年度の全国児童相談所児童虐待相談対応件数が12万件を超えました。社会的養護の対象児童は、4万5千人(平成29年)にのぼります。こどもたちが心身ともに健やかに養育されるよう、より家庭に近い環境での養育の推進を図る必要が課題とされながらも、社会的養護を必要とする児童の9割が施設に入所している現状がありました。平成28年の児童福祉法の改正において、国・地方公共団体(都道府県・市町村)の責務として家庭と同様の環境における養育の推進等が明記されました。これを受けて、里親等委託率は平成18年3月末の9.5%から、平成29年3月末には18.3%に上昇しました。なお、横浜市の里親等委託率は平成28年度11.4%(厚生労働省発表数字)となっています。里親制度がマスコミ報道などにより周知され、関心が高まっています。しかし、社会全体の里親制度の認知、実際にこどもたちが生活していく上での様々な課題に対しての里親家庭への支援体制など、継続して社会全体で育んでいくことが重要と考え、当センターでも自分たちの役割を検討していきたいと思います。

<実 績>「横浜市里親研修実施要綱に基づいた研修」の実

施、研修実施後の効果測定、研修にかかる資料の準備など担当しました。また、今年度は横浜市南区の子育て拠点「はぐはぐの樹」に協力を依頼し、研修当日の保育を担当していただきました。

里親制度は、何らかの事情により家庭での養育が困難又は受けられなくなったこどもたちに、温かい愛情と正しい理解を持った家庭環境の下での養育を提供する制度です。

当センターでは、これまで横浜市の委託事業をして、里親養成研修の実施にかかる業務を行ってきました。社会的養護の必要なこどもたちは年々増えてきています。子育ての難しい社会環境は指摘されていますが、一人でも多くのこどもがより家庭的な環境の中で、大きな安心と安らぎを得ながら、多くの人との関りをもって地域で健やかに成長できるよう、こどもを育んでくれる里親さんが、一人でも多く誕生することを願い、事業を実施しています。

実施概要

基礎研修   全 6 回(座学 1日+施設見学 1日)新規認定研修 全 3 回(座学 2 日)更新研修   全 2 回(座学 1日)現任研修  全 5 回(座学 1日× 3 回 手技 1日× 2 回)啓発研修   全 1回(講演 パネルディスカッション)

H28年度 H29年度H26年度H25年度 H27年度

45.4% 40.8%60.2%

52.4%

54.5%53.0%

46.8%36.7%31.5%37.0%

13.5%8.0%

2.0%2.8% 5.6%

2.3%6.5% 0.4%

0.4%0.5%

H28年度 H29年度H26年度 H27年度

60.9% 51.8%55.0% 62.1%

21.6% 16.9%25.0% 14.9%

31.3%20.0% 23.0%17.5%

NPO法人 よこはま地域福祉研究センター〈実績〉講師・講演依頼

【講 師】神奈川県立保健福祉大学実践教育センター 多職種連携推進課程神奈川県地域福祉担当職員研修 初任者編・現任者編全国地域定着支援センター協議会 研修会鉄道弘済会 社会福祉セミナー介護総合福祉フェステイバル小田原市社会福祉協議会 地域福祉コーデイネーター養成研修横浜市青少年相談センター横浜市保土ヶ谷区地福計画支援チーム研修港北区城郷小学校・小机小学校社会教育参加型システム研究所「共育塾」横浜市戸塚区・金沢区社会福祉協議会 地域コーデイネーター連絡会

横浜市中野地域ケアプラザ ケア会議大和市社会福祉協議会 子ども・子育て研修会大和市地区社会福祉協議会リーダー研修横須賀・三浦ブロック老人クラブ連合会

【役 員】神奈川県社会福祉審議会(佐塚)神奈川県地域福祉支援計画・推進等委員会(佐塚)神奈川県社会福祉協議会事業外部評価委員会(佐塚)大和市社会福祉協議会地域福祉活動計画推進委員会(佐塚)社会福祉法人こうよう会評議員選任・解任委員(吉川)

横浜市 里親委託率の現状

受託収益

事業収益

助成金

会費・寄付

その他

謝金

人件費

その他

H26年度H25年度H24年度

里親委託児童数

(人) (%)

里親委託率

88

86

84

82

80

78

76

74

72

13

12.5

12

11.5

11

10.5

28 29

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団体概要

豊田 宗裕

佐塚 玲子

理 事

副理事長

理事長

京都女子大学家政学部 生活福祉学科 教授

社会福祉士

模女子大学・相模女子大学短期大学部 人間社会学部社会マネジメント学科 准教授

九州大学大学院 統合新領域学府 客員准教授

社会福祉士

太田 貞司

理 事

理 事

理 事

理 事

松﨑 吉之助

武田 千香恵

加留部 貴行

吉川 典子

税理士監 事 吉田 三枝子

聖徳大学・聖徳大学短期大学部心理・福祉学部 社会福祉学科 教授横浜国際福祉専門学校 顧問

神奈川県社会福祉審議会委員神奈川県立福祉保健大学 実践教育センター 講師YMCA学院専門学校 講師

役 員 職 員

佐塚 玲子 (センター長)

武田 千香恵

吉川 典子

塚原 祥子

柿沼 陽子

安代 亮子

穐鹿 順子

神田 実穂

山本 宣子

藤本 千寿

ボランティアスタッフ

勝田 泰輔  山戸 一弥

設立年月日 : 平成24年10月1日

よこはま地域福祉研究センターは、調査研究活動を柱に、地域福祉推進、社会貢献につながる実践を目指しています。開かれた研究組織として、地域社会の諸問題を解決し、その発展を目指そうとする市民・福祉事業に関する実務者・研究者等とコミュニケーションを図り、知識・情報等を融合させた取り組みを行います。そのために、私どもの考えにご賛同いただける方、ともに考え、活動してくださる方を募集しています。

〈会員のみなさまにお願いしたいこと〉

1.総会へのご出席前年度の annualreport をお送りします。事業内

容等ご覧いただきながら、総会当日は新年度事業開始にあたり、皆さんと新しい発想が生まれるような企画にご参加いただきたいと思います。

2.勉強会への参加事業の中で、プロジェクトごとに皆さんのお力

をお借りしながら、勉強会を開催しますので、ご参加をお願いします。また、最低年 1 回、全員参加の勉強会を開催しますので、ご参加をお願いします。

〈年会費〉研究会員:  個人  5000 円

法人・団体 10,000 円 賛助会員:   一口 10,000 円

会員募集

〈会員について〉

当センターの会員は、次の2種類とし、研究会員としています。会員の皆さんは、総会での議決権があります。

■ 研究会員この法人の目的に賛同し、入会した

個人及び団体

■ 賛助会員

この法人の目的に賛同し、事業を援助す

るために入会した個人及び団体の方。

福祉事業現任研究員市民研究員

学識研究員

活動計算書 平成27年度~平成29年度

115,000

0

822,654

17,975,476

10,953,924

321

29,867,375

115.4%

30,483,380

418,613

30,901,993

-1,034,618

19,800

0

-1,054,418

79,000

-1,133,418

480,525

-652,893

100,000

2,000,000

854,000

17,139,942

17,654,080

24

37,748,046

126.4%

35,209,957

293,123

35,503,080

2,244,966

0

0

2,244,966

74,500

2,170,466

-652,893

1,517,573

95,000

0

1,700,000

10,714,294

13,763,579

36

26,272,909

69.6%

25,018,739

406,517

25,425,256

847,653

0

0

847,653

74,500

73,153

1,517,573

2,290,726

平成 27 年度 平成 28 年度 平成 29 年度

経常収益

1. 受取会費

2. 受取寄付金

3. 受取助成金

4. 受託収益

5. 事業収益

6. その他収益

経常収益計

前年比

経常費用

1. 事業費

2. 管理費

経常費用計

当期経常増減額

過年度損益修正損

過年度損益修正益

税引前当期純利益額

法人税支払額

当期正味財産増減額

前期繰越正味財産額

次期繰越正味財産額

30 31

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Tel 045-228-9117 Fax 045-228-9118URL http://yresearch-center.jp/

Annual Report2017- 2018(2017.4.1 ~ 2018.3.31)

NPO法人 よこはま地域福祉研究センター