平成26年度東竪町自治会第 - FC2

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平成26年度東竪町自治会第1回文化講座 坂部児童公園の樹木によるCO の固定量測定調査報告 平成26年 7月 26日(土) 東竪町自治会会議所/プログラム 総合司会 東竪町自治会文化委員会委員 津山 13:30 開会の挨拶 東竪町自治会長 山田 廣道 13:40 講演 基調報告 「東竪町における環境問題への取り組み」 東竪町自治会文化委員会副委員長 大橋 修一 13:45 講演 坂部児童公園の樹木によるCO の固定量測定調査報告 (CO の動態定点観測について) 東竪町自治会文化委員会環境部長 太田 15:00 特別報告 7/10-15 達富先生一行によるボルネオでの植林活動報告 15:30 車座討論『CO と環境問題」(質疑応答含) 座長 東竪町自治会文化委員会副委員長 達富 弘之 16:00 閉会の挨拶 東竪町自治会文化委員会委員長 渡邊

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平成26年度東竪町自治会第1回文化講座坂部児童公園の樹木によるCO2の固定量測定調査報告

平成26年 7月 26日(土) 東竪町自治会会議所/プログラム

総合司会 東竪町自治会文化委員会委員 津山 宏13:30 開会の挨拶

東竪町自治会長 山田 廣道

13:40 講演基調報告 「東竪町における環境問題への取り組み」

東竪町自治会文化委員会副委員長 大橋 修一

13:45 講演 坂部児童公園の樹木によるCO2の固定量測定調査報告(CO2の動態定点観測について)

東竪町自治会文化委員会環境部長 太田 広

15:00 特別報告 7/10-15 達富先生一行によるボルネオでの植林活動報告15:30 車座討論『CO2と環境問題」(質疑応答含)

座長 東竪町自治会文化委員会副委員長 達富 弘之16:00 閉会の挨拶

東竪町自治会文化委員会委員長 渡邊 昭

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この文化講座は京都府地域力再生プロジェクト

の助成を申請しています

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開会の挨拶

東竪町自治会長

山田 廣道

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基調報告

「東竪町における環境問題への取り組み」東竪町自治会文化委員会副委員長

大橋 修一

基 調 報 告

東竪町における環境問題への取り組み

人は古来より自然を愛し、自然の中で自然と共に暮らしてきました。その中で、自然のも

のを使い、食し、そして不要となったものや壊れたものは、また自然に戻す、戻るという真に

「循環型社会」を形成していました。

しかし、人はより便利さ、豊かさを求め、人類優先のエゴを満たすため、時には自然を犠

牲にしてまで色々な物をつくり、使ってきました。その結果、元に戻せないようなものまで創

り、使用して、地球の存在をも脅かす環境にしてきました。

人の存在や現在の生活環境を否定するものではありませんが、現世、後世にも人が生き

ていける地球環境を守り育てていくことが我々の使命と思います。

この美しい地球を守るため、また環境を取り戻すため、全世界において色々な取り組みが

なされていますが、この小さな町内の私たちでも何かできることはないだろうか。何かしなけ

ればならないことがあるのではないか。

このようなテーマを念頭に、精力的に議論を交わし、昨年度は、ごみ問題に取り組んでき

ました。また、地球温暖化の一因とされるCO2にも注目し、勉強や測定を行ってきたところで

す。

そして、先般、5月25日付けで、「坂部児童公園の樹木によるCO2の固定量測定調査」報

告書を配布させていただきました。限られたデータであり十分な解析は出来ていませんが、

これを契機として更なる調査の蓄積や環境に対する関心の突破口にしていただきたいと考

えているところでございます。本日は、この報告書を元に多角的な観点から大いに議論を交

わしていただきたいと存じます。

なお、今年度文化的な講座を持つ予定としている「地域における伝統文化」についても、

自然との共生をしてきた中から生まれてきた伝統行事などであり、自然の恵み、共存を後

世に伝えるものであると思うと、自然環境保全と相繋がるものがあります。本年度次回の講

座にも乞うご期待を願いたいと思います。

ささやかな活動ですが、こうした取り組みが大きく輪が広がっていくことを期待しまして、基

調報告とさせていただきます。

大橋 修一 東竪町自治会文化委員会副委員長

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坂部児童公園の樹木によるCO2の固定量測定調査報告

(CO2の動態定点観測報告)

東竪町自治会文化委員会環境部長

太田 広

東竪町独自のCO2固定量計算方式解説①木の地上部体積V[m3]は胸高1.2mの断面積S[m2]

*高さH[m]の1/2と推計。 ∴ V=SH/2[m3](参考 半径 r=L/2π ∴ S=π(L/2π)2=L2/4π)

②樹種によらず比重≒1として体積を生木の重さM[t]に換算。∴ M≒1*V[t]

③木の乾燥重量 Mdry[t]はMの1/3(*1 2/3が水分と推測)と考える。∴ Mdry=1/3*M[t]

④CO2地上部固定量 Magb[t]はMdry[t]の1.83倍(木の炭素量Cは乾燥重量の1/2と推測,CO2/Cの重量比

=44/12/2=3.67/2=1.83)∴ Magb[t]=Mdry[t]*1.83

⑤CO2地下部固定量 MbgbはMdryの0.25倍と推計。∴ Mbgb=Magb*0.25[t]

⑥全CO2固定量 Mliveは地上+地下部の和からMlive=Magb+Mbgb[t]で求められる。

*1 含水率を2/1=200[%]と見ている。100~150[%]と見るのが一般的。含水率を大きく見積もったため乾燥重量が小さく出る。CO2固定量が少なく算出されたことになる。非常に厳しい答えが出ている。CO2固定量に誤差があったとしてもこれ以下の数値にはならないと確信する。この部分が東竪町独自のCO2固定量計算方式。

H[m]

L[m]

S[m2]

V[m3]≒M[t]

胸高1.2[m]

測定データ一覧

1 イチョウ1 105.3 11.63 L:104,103,109 / H:11.92,11.35 0.51 0.31 0.08 0.39

2 イチョウ2 135.6 15.80 L:137,135,135 /H:15.65,16.8,15.2 1.16 0.71 0.18 0.88

3 イチョウ3 92.7 12.60 L:96,94,88 /H12.45,12.95,12.5 0.43 0.26 0.07 0.33

4 イチョウ4 107.3 12.58 L104,108,110 /H:11.5,13.05,13.2 0.58 0.35 0.09 0.44

5 イチョウ5 88.6 11.21 L:90.4,88,87.4 /H:11.35,11.14,11.14 0.35 0.21 0.05 0.27

6 桜1 109.5 8.30 L:112,107 /H:9.25,7.4 0.40 0.24 0.06 0.30

7 桜2 120.0 9.98 L103,128,129 /H:10.2,9.85,9.9 0.57 0.35 0.09 0.44

8 桜3 109.3 10.10 L114,106,108 /H:10.2,10 0.48 0.29 0.07 0.37

9 桜4 140.5 7.38 L145,136 /H:7.85,6.9 0.58 0.35 0.09 0.44

10 桜5 105.0 10.10 L:107,103 /H:10,10.2 0.44 0.27 0.07 0.34

11 桜6 120.7 9.10 L:118,122,122 /H:9.2,9.05 0.53 0.32 0.08 0.40

12 桜7 120.6 11.00 L:114,121,127 /H:11.7,10.7,10.7 0.64 0.39 0.10 0.49

13 桜8 74.7 3.20 L:77,75,72 /H:3.2m直接測定 0.07 0.04 0.01 0.05

桜9-1細い 93.6 11.80 L:101,88,92,/H:11.65,12 0.41 0.25 0.06 0.31

桜9-2太い 142.0 11.00 L:138,141,147 /H:11.15,10.85 0.88 0.54 0.13 0.67

桜10-1細い 118.0 11.70 L:118 /H:10.2,13.15高さは1本と考える 0.65 0.40 0.10 0.49

桜10-2太い 143.0 11.70 L:143 /H:10.2,13.15/根本L 218 0.95 0.58 0.15 0.73

16 桜11 146.6 9.90 L:149,145,146 /H:10,9.85 0.85 0.52 0.13 0.65

17 ケヤキ1 211.6 16.90 L:213,210,212 /H:16.7,17.1 3.01 1.84 0.46 2.30

18 柿1 115.3 13.78 L:119,114,113 / H:13.54,13.9,13.9 0.73 0.44 0.11 0.56

19 藤1 40.0 2.68 L:40,37,43 /H:2.68 0.02 0.01 0.00 0.01

20 藤2 45.0 2.68 L:47,48,40 /H:2.68 0.02 0.01 0.00 0.02

21 桜12 165.3 10.64 L:172,164,160 /H:12.15,13.24,6.54 1.16 0.71 0.18 0.88

15.41 9.40 2.35 11.75 合計

東竪町 坂部児童公園CO2固定量の測定/H26.5.25測定 参加者全員で1チーム編成               記録、入力、計算 太田広

No. 木の名称

木の1.2m胸高樹周L[cm]

木の高さH[m]

測定値L:-20,±0,+20[cm] / H[m]

国土交通省から発表されているデータから、自家用乗用車で1人を1km運ぶのに排出される平均値

CO2の量は170[g・CO2/1人・km]と考えると、

固定量の総計が11,750kgから走行可能距離は L=11,750/0.17=69,118[km]。地球の1周が4万kmなので1.7周。地球の周りを約1周半走行できる量が固定されている。

メ  モ

推計体積V

[m3]

CO2

地上部固定量M agb

[t]

CO2

地下部固定量M bgb

[t]

CO2

固定量の総計M live

[t]

14

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藤は蔓性植物である。藤棚の高さを算出根拠にした。全体に大きな影響を与えることはないと考える。

測定時のメモ

坂部公園特殊測定点記録メモ

番号16の桜11

1.0mH

1.1mH

0.8mH

1.

2m

番号8の桜3

枝分

1.

3m1.2mH

1.1mH

1.0mH

周測定点

番号15の桜102本の木と考える

太い木細い木

218

118

143

10-1 10-2

1.

25

1.

2m

1.0mH

1.2mH

番号10の桜5

番号14の桜92本の木と考える

1.2mH

太い木 細い木

太い木と同

1.4mH

9-19-2

1.0mH

0.

95

0.

5m

番号21の桜12

お土居の丘

公園側

道路に面しているので切り取られ

ている

番号9の桜4

1.2mH

1.0mH

番号11の桜6

1.3mH

1.2mH

1.0mH

1.

4m

2.68

8.5m

3.8m

番号19-20の藤棚

キノコ(シェルター )

滑り台シーソー ブランコ

坂部翁の碑

WC

石の山

鉄棒

砂場

藤棚

スプリング遊具

お土居

自転車置き場

NS

EW

約32m

約52m

約5m

階段

階段スロープ

ベンチ

ベンチ

ベンチ

蓮華川

階段屑箱

スロープ

飲用水栓

飲用水栓

旧ログハウス

柿ケヤキ

桜桜

桜桜

イチヨウ

イチヨウ

イチヨウ

イチヨウ

イチヨウ

ツツジ

ツツジ

3 4

5

6

7

8

9

10

11

1

1 1

2

21

2 34

5

桜 1

桜12

坂部児童公園外観図

L[m]

S[m2]

V[m3]≒M[t]

胸高1.2[m]

H[m]

東竪町独自のCO2固定量の計算方式1.木の地上部体積V[m3]は胸高1.2mの断面積S[m2]*高さH[m]  の1/2と推計。 ∴ V=SH/2[m3]  (参考 半径 r=L/2π ∴ S=π(L/2π)^2)2.樹種によらず比重≒1として体積を生木の重さM[t]に換算。  ∴ M≒1*V[t]3.木の乾燥重量 Mdry[t]はMの1/3(2/3が水分と推測)と考える。  ∴ Mdry=1/3*M[t]4.CO2地上部固定量 Magb[t]はMdry[t]の1.83倍  (木の炭素量Cは乾燥重量の1/2と推測,CO2/Cの重量比   =44/12/2=3.67/2=1.83)  ∴ Magb[t]=Mdry[t]*1.835.CO2地下部固定量 MbgbはMdryの0.25倍と推計。  ∴ Mbgb=Magb*0.25[t] 6.全CO2固定量 Mliveは地上+地下部の和から  Mlive=Magb+Mbgb[t]で求められる。

各木に対するCO2固定量の割合分析

桜の木12本56%

イチョウの木5

本20%

ケヤキの木19%

柿の木5%

藤の木2本0%

CO2固定量累計[t]

桜の木12本

イチョウの木5本

ケヤキの木

柿の木

藤の木2本ケヤキの木は公園内で一番大きい。

ケヤキの木1本が公園内のイチョウの木5本に匹敵する。

ケヤキの木3本が桜の木12本に匹敵する。

柿と藤は全体からすれば5%位に相当。

大木が大きな固定量を持つことが分かる。

木の名称 CO2固定量累計[t] 割合[%]

桜の木12本 6.56 55.8イチョウの木5本 2.31 19.6ケヤキの木 2.30 19.6柿の木 0.56 4.8藤の木2本 0.03 0.3合計 11.76 100.0

11.76[t]とは普通車で地球を約1.5周したときに排出されるCO2量に匹敵

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各木1本に対するCO2固定量の割合分析

ケヤキの木は公園内で一番大きい。ケヤキの木1本がCO2固定量の63%を占めている。桜の木とイチョウの木はほぼ同値で14%位、柿の木が8%を占めている。ケヤキの木がいかに大きいかが分かる。

木の名称

1本平均の

CO2固定量

[t/本]

割合[%]

ケヤキの木 2.30 63.5桜の木 0.55 15.2イチョウの木 0.46 12.7柿の木 0.28 7.7藤の木 0.03 0.8合計 3.62 100.0

ケヤキの木

63%

桜の木15%

イチョウの木13%

柿の木

8%藤の木

1%

1本平均の

CO2固定量

[t/本]

ケヤキの木 桜の木 イチョウの木 柿の木 藤の木

標準偏差の説明

木の樹周、高さが正規分布に従うときPの発生確率は

P(m-σ≦x≦m+σ) =0.6826

P(m-2σ≦x≦m+2σ)=0.9544

P(m-3σ≦x≦m+3σ)=0.9974

σが大きいほどブロード

σが小さいほどシャープになる

mm+σm-σ

68.26%

95.44%

99.74%

m+2σm-2σm+3σm-3σ

正規分布曲線

測定データの分析/複数本ある木の平均値と標準偏差の計算

イチョウの木 桜の木

木の1.2m

胸高樹周[cm]

1 イチョウ1 105.3 11.6

2 イチョウ2 135.6 15.8

3 イチョウ3 92.7 12.6

4 イチョウ4 107.3 12.6

5 イチョウ5 88.6 11.2

個数  n

平均値 m 105.9 12.8

標準偏差 σ 16.5 1.6

No 木の名称木の高さ

[m]

分析

5

木の1.2m高 木の高さ

胸高樹周[cm] [m]

6 桜1 109.5 8.3

7 桜2 120.0 9.9

8 桜3 109.3 10.1

9 桜4 140.5 7.3

10 桜5 105.0 10.1

11 桜6 120.7 9.1

12 桜7 120.6 11.0

13 桜8 74.7 3.2

14 桜9-1 93.6 11.8

14 桜9-2 142.0 11.0

15 桜10-1 118.0 11.7

15 桜10-2 143.0 11.7

16 桜11 146.6 9.9

21 桜12 165.3 10.6

個数  n

平均値 m 122.1 9.7

標準偏差 σ 22.9 2.2

No 木の名称

分析

14

イチョウと桜の木の標準偏差の比較

統計値 イチョウの木 桜の木 樹周、高さ分析

5 14

平均値x[cm] 105.9 122.1 イチョウは細く、桜は太い

標準偏差σ[cm] 16.5 22.9イチョウは太さのバラツキが少なく、桜は大きい

樹周測定

誤差率εl [%]

木の イチョウは高く、桜は低い

イチョウの木の方が約3m高い。実際真っ直ぐ高く伸びている感じ。イチョウは変な生え方はしていない。

高さ桜は枝分かれがあったり、各方向へ伸びている

標準偏差σ[m] 1.6 2.2

イチョウはバラツキが少なく真っ直ぐ伸びていて、まとまっている感じ。桜はかなりバラツキがあり、自由奔方に伸びている感じ。

木の高さ測定

誤差率 εh [%]7.8 10.3

10%程度の誤差率で測定は出来てい

る。

個数

樹周

0.9 0.81%程度の誤差率で測定は出来てい

る。

平均値x[m] 12.8 9.7

イチョウと桜の木の標準偏差の比較

56.4105.9

122.489.4138.972.9

155.4

イチョウの木の樹周分布 l[cm]

N=5

12.814.411.2

16.09.617.68.0

イチョウの木の高さ分布 h[m]

N=5

53.4122.1

145.099.2167.976.3

190.8

桜の木の樹周分布 l[cm]

N=14

9.711.97.5

14.15.316.33.1

桜の木の高さ分布 h[m]

N=14

m+σ

m+2σ

m+3σ

m+σ

m+2σ

m+3σ

m+σ

m+2σ

m+3σ

m+σ

m+2σ

m+3σ

m-σ

m-2σ

m-3σ

m-σ

m-2σ

m-3σ

m-3σ

m-2σ

m-σ

m-σ

m-2σ

m-3σ

CO2濃度の動態調査

岡山県岡山市*3カ所 井原市、倉敷市 の計5カ所

宮崎県宮崎郡沖縄県浦添市

東京都中央区 北海道北見市

京都府亀岡市     南丹市     計2カ所

広島県広島市

CO2SOSのHPトップページ

気象庁は全国に3カ所の測定ポイントがある。

岩手県綾里、東京都南鳥島、沖縄県与那国島の3カ所。

CO2SOSのHPより全国12カ所のCO2濃度,温度、湿度が公開されている。

CO2SOSから「京都丹波の環境を考える会」の名称を頂いた。

対象が気体であることから、周囲の環境の影響(人間の接近、野焼き、自動車や耕耘機の排気ガス等)を受けることが多く分析は難しい。

気象庁の3カ所の測定ポイント

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