事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発...

29
事業継続計画(BCP)編 2019 年 9 月 30 日改訂版

Transcript of 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発...

Page 1: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

事業継続計画(BCP)編

2019 年 9 月 30 日改訂版

Page 2: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

目 次

はじめに

Ⅰ 方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・P 1

1.BCM・BCP の目的

2.BCM・BCPの基本方針

Ⅲ 災害への備え ・・・・・・・・・・・・・・・・・P 2

1.非常食・防災備蓄品・生活用品等一覧・

2.在庫管理と定期点検

3.災害支援用資材在庫

Ⅳ 災害発生時の対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・P 5

1. 組織図

2. 指揮命令系統

3. 権限委譲や代行者及び代行順位

4. 職員の参集体制

5. 災害時の役割分担と責任

6. 緊急時の対応

7. 災害発生時のフロー図( 平日 )

8. 職員の初期行動(アクションカード)

9. 日本看護協会からの情報提供ルート

Ⅳ 事業継続計画(BCP) ・・・・・・・・・・・・・・・・・P 13

1.被害想定

2.各段階的目標と業務の概要

3.災害時の段階別・優先業務の事業継続計画

(1) 準備段階 (2) 初動段階・発災当日

(3)応急的復旧活動(~72h) (4)仮復旧段階(~1週間)

(5)本復旧段階( ~1ヶ月) (6)平常時の段階(~3ヶ月)

(7)災害後の振り返り

4.熊本県災害時医療提供体制

Ⅴ 見直し・改善 ・・・・・・・・・・・・・・・・・P 25

1.点検・評価の時期

2.評価の視点

Page 3: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

1

BCP は、危機的事象の発⽣により、事業が中断または中断の可能性がある際に

発動される緊急時の対応計画である。平常時の取組としての事業継続マネジメント

(BCM)については資料編を参照のこと。

はじめに

看護協会が取り組む理由

2016年(平成 28年 4月)に未曽有の熊本地震を経験し、災害対応や業務・支援を災害の

時間経過と共に整理し振り返る機会となった。公益社団法人熊本県看護協会は指定地方公

共機関であり、熊本県地域防災計画( 一般災害対策編)において、「その業務の公共性又

は公益性に鑑み、自ら防災活動を実施するとともに、県及び市町村の防災活動に協力する

責務を有する。」とある。そこで、熊本県の災害特性を認識したうえで、緊急事態(大規模

災害等)においても、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を図るために、事業継続計

画(BCP)を含めた事業継続マネジメント(BCM)を策定し、災害看護支援要綱、災害看護

マニュアルと共に運用し、公益法人としての使命を果たすものである。

Ⅰ 方針

1.BCM・BCP の目的

本計画は、緊急事態(大規模災害等)においても、当協会事業ならびに指定地方公共

機関としての事業を継続し、県民の健康な生活の実現に寄与するという社会的責任を果

たすことを目的として策定したものである

2.BCM・BCP の基本方針

当協会は、以下の基本方針に基づき、緊急時における事業継続に向けた対応を行う。

1)全員参加の基、人命を最優先とする

事業継続の観点では人材は最も重要な要素・資源のひとつであり、全員が共通の方

針で取り組むことが重要であるため基本方針のトップにする。

2)資産を保護し、当協会事業の早期復旧を図る

3)可能な範囲で、地域貢献や共生を図る。

Page 4: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

2

Ⅲ 災害への備え

1.非常食・防災備蓄品・生活用品等一覧

表 1 非常食 その他

品 名 備 考

1 非常用飲料水

飲料水

飲料・傷の消毒・顔を拭く等

受水槽に 6,000 ℓ 貯蔵

2 アルファ米

3 缶詰

4 カップラーメン・カップスープ

5 缶入りパン

6 キャンディー

7 紙コップ

8 紙皿

9 割り箸

10 スプーン

11 サランラップ・アルミホイル

12 ペーパータオル

13 ごみ袋

14 鍋・ヤカン

15 炊飯器

16 卓上カセットコンロ

17 カセット用ボンベ

18 電子レンジ

Page 5: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

3

表2 防災備蓄品・生活用品

品 名 数 量 備 考

1 消火器 6 各階2台 初期消火

2 火災報知器 3 各階1台 初期消火

3 非常用ラジオ 1 情報収集に必須 電池とセットで

4 ヘルメット 1 役員室に常設

5 軍手 倒れた什器やガラスの片づけ等

6 マスク 粉塵対策、乾燥や感染症予防

7 タオル

8 毛布 3枚 基本は1枚/1人

9 寝袋 5

10 救急創傷処置セット・消毒薬 救急用品 外傷時の応急手当

11 アルコールティッシュ 飲料水の節約

12 ティッシュペーパー

13 トイレットペーパー 日頃の補充を増やせば対応可能

14 LEDライト 夜間の安全確保・カンテラ型

15 懐中電灯 LEDライトの予備

16 乾電池

17 ロープ(洗濯等多用途目的)

18 ガムテープ

19 ナイフ・はさみ

20 ブルー シート

22 使い捨てカイロ

23 車いす 1 搬送用

24

25

26

2.在庫管理と定期点検

毎年9月に、担当者が非常食・防災備蓄品・生活用品(表 1・表2)の在庫確認を行う。

期限切れの場合は補充する。(防災の日 9月 1日)

Page 6: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

4

3.災害支援用資材在庫

表3 ※ 在庫管理と定期点検は災害看護対策委員会が行う。

区分 物品 定数 備考 収納場所

収納用品 キャリー 1 1F

収納用品 リュック 5

収納用品 ラウンド用バック 2

医療・衛生用品 電子体温計 7

医療・衛生用品 血圧計 6

医療・衛生用品 聴診器 8

医療・衛生用品 手指消毒薬

医療・衛生用品 マスク 4箱

医療・衛生用品 ディスポエプロン 1箱

医療・衛生用品 ディスポ手袋 4箱 S・M各2箱

医療・衛生用品 救急セット

医療・衛生用品 三角巾 2

医療・衛生用品 毛抜き 5

医療・衛生用品  包帯 4

医療・衛生用品  ガーゼ

医療・衛生用品  テープ

医療・衛生用品 ペンライト 3

文房具 活動記録用紙 10

文房具 バインダー 2

文房具 セロテープ 2

文房具 ガムテープ 2

文房具 はさみ 2

衣料品・その他 寝袋(東洋羽毛8) 8

衣料品・その他 防寒着 10

衣料品・その他 医療従事者ベスト 6 白反射ワッペン付

衣料品・その他 看護協会ベスト 20+24+6 黄20 +灰24

衣料品・その他 看護協会の帽子

衣料品・その他 名札ケース 4

衣料品・その他 ヘルメット 8

衣料品・その他 ヘッドライト 5

衣料品・その他 懐中電灯 2

衣料品・その他 ラジオ 3

衣料品・その他 看護協会の看板シート 1 保留

衣料品・その他 ビニール袋 4

事務用品 パソコン

Page 7: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

5

会会長

Ⅳ 災害発生時の対応

1.組織図

(災害支援要綱を参照)

2.指揮命令系統

災害対策本部長

看護協会長

情報班

副会長(常勤) 教育部職員

総務部職員

人材確保 派遣班

副会長(常勤)

教育部職員 総務部職員

救護活動支援 記録班

常務理事

教育部職員 ナースセンター職員

会計 物資調達班

事務長

総務部職員

ナースセンター職員

地区理事 各支部長

災害対策委員会

担当理事

常勤副会長 非常勤副会長

常務理事

教育部長

教育部係長 総務部係長

事務長

ナースセンター スタッフ

ナースセンター 業務部長

教育部スタッフ 事総務主任

総務部スタッフ

図 1

図 2

Page 8: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

6

3.権限委譲や代行者及び代行順位

災害における対策本部長は、看護協会長がこの任にあたるが、会長不在時や指揮を執れ

ない状況にある場合の職務権限の代行は、下記の順とする。

1. 常勤副会長

2. 非常勤副会長

3. 常務理事

※ 初動時は会長を指揮者として、常勤副会長・常務理事が協力して業務にあたること

とする。

4.職員の参集体制

※ 参集時は1泊を想定し、動きやすい服装と運動靴に、食料・水一日分を含めた個人

装備で出発することが望ましい。

5.災害時の役割分担と責任

表 4

責任者と担当者 役 割

災害対策本部長

(会長)

1) 災害の規模に応じた災害の対策本部を立ち上げ、災害支援活

動の指揮を執る

① 県対策本部、日本看護協会、被災支部、現地対策本部と連携

を図る

② 災害対策本部のメンバーを招集し各班の活動の責任者を

任命する

③各班の責任者と連携し、支援活動の指揮と各班の活動の支援

をする

④災害支援ナース派遣について決定を行う(レベル1~3)

2)災害の終息と共に、災害対策本部を解除する

3)マスコミ対応

(1) 参集基準

日中 震度6以上または、甚大な災害が発生し、要請があった場合に

参集する。

休館日

夜間

原則として参集しない。翌日勤務の場合は看護協会からの

連絡を受けて参集する。機会警備会社が対応する。

(2) 参集方法 交通状況や通勤経路等の安全の確認をして参集する。

(3) 参集できない場合 看護協会に状況を連絡し、可能になってから出勤する

Page 9: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

7

情報班

責任者

(副会長)

担当者

(教育部職員)

(総務部職員)

1)発災・終息までの経時的災害情報の収集をする

2)収集した情報の集約をする

3)情報を本部・各班へ伝達する

①県災害対策本部・日本看護協会との連携を図り情報を得る

②被災支部・支部長、現地対策本部からの情報を得る

(EMIS も利用)

③通信手段を確保する(衛星電話等)

④被災状況、被災地に必要な災害支援ナース数の把握、災害

支援に必要な物資を把握する

⑤「熊様式 6 」により被災内容を確認し情報を集約する

⑥迅速に進捗状況・情報を本部に報告する

⑦必要な情報を各班へ伝達すると共に各支部へ連絡をとる

⑧可能であれば、現地・現場を視察する

人材確保・派遣班

責任者

(副会長)

担当者

(教育部職員)

(総務部職員)

1)災害支援ナースの人材確保と要請・派遣の調整を行う

①情報班から得た情報を元に、災害支援ナースの派遣内容を

明確にする

・派遣場所 ・災害支援ナースの必要人数 ・活動期間

②災害支援ナース登録者の所属施設へ(施設長・看護部長)を

通して災害派遣協力を依頼する

③災害支援ナースの派遣リストを作成する

④災害支援ナース派遣に伴う諸手続きを行う

・傷害保険 ・交通手段の確認とサポート等

救護活動支援

記録班

責任者

(常務理事)

担当者

(教育部職員)

(ナースセンター 職員)

1) 情報班から得た情報を元に派遣者へのオリエンテーションを

実施し、派遣用物品調達をする

①現地の情報、活動内容、範囲、携帯品、装備について説明す

②携帯品・装備の中で看護協会の常備品は貸し出す

2)被災状況や、災害支援に関する記録を残す

①災害発生地の被災状況

②災害支援ナースの派遣期間・活動内容

③事故発生の有無、対応など確認し傷害保険に関する事項

(記録・整理)

会計・物資調達班

責任者

(事務長)

1)災害看護支援活動に伴う収支の管理を行う

災害支援のための財源確保のために義援金・支援金・救援物資

の受付窓口を設置する

2)必要な物資の調達と提供

災害支援活動に必要な物品を調達し、現地に届ける手配を行う

Page 10: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

8

担当者

(総務部職員)

(ナースセンター 職員)

3)事後処理

①傷害保険に関する事(手続き・支払い等)

②活動に伴う収支決算を行い、本部に報告する

③義援金委員会を開催する

地区理事(会)

1)県協会からの被害情報を把握する

2)支部長と連携し支部の被災情報を共有する

3)協会長の指示に基づき行動する

支部長(会)

1)県協会からの被害情報を把握する

2)支部内の連絡網を活用して、被害情報を「熊様式 6」に則り、

報告を受ける

3)発災 3日以内に、受けた被害情報を「熊様式6」に集約し、

県協会と地区理事へ情報提供する

委員(会) 災害の規模や被害状況に鑑み、委員会の開催や活動については

協会長が指示する

6.緊急時の対応

表 5

職員・入館者の安否確認

① 館内にいる職員及び館外出務中の職員の安否確認をする

② 入館者(受講生・来訪者)の安否確認をする

③ 夜間・休館日は緊急連絡網で安否確認をする

被害状況の確認 ① 建物・設備の被害状況(安全に業務が継続できるか)

② ライフライン(電気・ガス・上下水道・通信)

発災直後の応急救護 ① 傷病者を把握し、必要な応急処置を行う

② 重傷者の場合は、救急車を呼ぶ

救護活動 ① 館内で被害に遭い、救出を必要としている職員や来訪者

がいる場合は、職員や来訪者で救出活動を行う

消火活動

① 火災の場合は、火元を確認し大声で他の職員及び来訪者)

に知らせる

② 119番通報をする

③ 初期消火をする(消火器・バケツ)

④ 地震の場合は、火元確認する(2階調理室)

帰宅困難者対策など

① 被害により交通機関等が停止し、職員及び来訪者が帰宅

できない場合は、予め決めてある会館 2階の研修室を

宿泊所とする

② 食料や寝具などの非常用物品を準備する

Page 11: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

9

7.災害発生時のフロー図 (平時)

図 3

Page 12: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

10

8. 職員の初期行動(アクションカード)

「アクションカード」とは、緊急時に必要な行動を時系列に示し、判断を導く事前の指

示書であり、混乱を防いで行動のもれをなくすものである。「災害時の対応フロー図」を基

準に、職員全員の初期行動をアクションカードに示すと共に、職員間で相互に補完できる

ようにグループ編成とした。

表 6

Page 13: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

11

9.日本看護協会からの情報提供ルート

1)災害発生後の被災地県における被害状況や災害支援ナースの派遣状況は、

下記のルートで連絡がある。

災害支援ナース派遣の対応区分

2)熊本県が被災県の場合、各支部から熊本県看護協会への情報提供を行う。

※ わかる範囲で規定の書式(熊様式6)で、3日以内に提供する

(熊様式6:熊本県看護協会ホームページ ⇒ コンテンツ(災害看護)⇒ 関連資料⇒

活動に関する様式統合版(6~C)・・・次ページ参照(表 13)

※ 支部長は、支部の被害情報を収集するために連絡系統図を日頃から確立しておく

各支部長

被害情報 情報提供

提供依頼 (熊様式6)

各施設代表

( 連絡網活用 )

日本看護協会 熊本県

看護協会 各支部長

災害支援 ナースの

所属する管理者

各地区理事

災害支援ナース

レベル1 • 被災県看護協会単独

レベル2 • 近隣県看護協会(熊本の場合九州各県から)

レベル3 • 全国の都道府県看護協会から)

Page 14: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

12

表 7

熊様式 6

災害状況連絡票(支部 → 熊本県看護協会)

熊本県看護協会       行 FAX:096-369-3204

報 告 日 時 西暦        年    月    日       時現在

発 信 者  支部名:

 氏 名:   所属 :

 T E L :   FAX :

☆災害が発生しましたので、下記により概況を連絡します

災害の種類 1.地震   2.火山噴火   3.事故    4.水害   5.その他(            )

被 災 地 名

被災発生時間 西暦       年     月      日(    )      時     分

被 災 状 況

1.建物の被害 なし あり  (                       )

2.通信手段の有無 なし あり  (                       )

3.死傷者の発生 なし あり 死亡者(   )名、 負傷者(   )名

4.ライフラインの障害 なし あり (交通 ・ 水道 ・ ガス ・ 電気)

支 援 要 請

1.会員施設から なし あり  (                       )

2.地域から なし あり  (                       )

3.物資の輸送 不要 要  (                       )

4.災害支援ナース派遣 不要 要  (                       )

その他連絡事項

受理日時

受理者

受理方法

   年  月  日  時

FAX・TEL・メール・その他

熊本県看護協

会処理欄

Page 15: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

13

Ⅴ 事業継続計画(BCP)

1.被害想定・・・本計画における緊急時の被害状況を、以下の通り想定する。

熊本市東区が、大規模地震(震度6弱以上)、その他大災害で想定される影響

図 4

インフラへの影響

ライフライン 情報通信

● 停電が発生し、水道が止まる。

● その後、電気、水道の順番に復旧する。

● 発生直後は電話やインターネットが

つながらない。

● その後、順次復旧する。

道路 バス

● 一部の道路が交通規制となる。

● その他の道路で、渋滞が発生する。

● バスは不通となる。

● その後、被害の少ない地域から順次

再開する。

看護協会への影響

人 情報

● 設備・什器類の移動・転倒・落下や耐

震性の低い建物倒壊で、職員や研修受

講者・訪問者が負傷す

● 在宅の職員や家族の

負傷

● 交通機関の停止等で一

部の職員が出勤できなくなる。

● パソコン等の機器類が破損する。

● 重要な書類、データ(施設・会員

情報、事業管理、会計管理等)が

復旧できなくなる。

物 金

● 建物が大破・倒壊・浸水する。

● 固定していない設備・什器類が移動・

転倒する。

● 備品類が落下・

破損する。

● 協会の運転資金(職員の給与)と

建物・設備等の復旧のための資金が

必要となる。

● 研修が実施できな

いことで、事業収益

が減少する。

参考資料 6.地震の心得 10ヶ条 7.地震の震度による人と建物への影響

Page 16: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

14

2.各段階的目標と業務の概要

通常業務内容と地震に特化した業務に分け、看護協会として優先的に継続または早期復

旧を必要とする重要業務を選び、当該業務をいつまでに復旧させるかの目標復旧時間等を

検討し、それを実現するために必要な経営資源を特定した。(簡易版を P26に掲載)

表 8

各段階 目標 業務内容

常 1.準備段階

・平常から災害時の備えが

できる

・会館の耐震対策、施設設備の保全管理、

組織体制、役割機能の明確化、災害訓練

の実施

2初動段階

(発災当日)

・発災時は速やかに職員

・来訪者の安全が確保でき

・対策本部の設置

・来訪者、職員の安否情報、被災情報の

確認

・館内のけが人の救出、救護、救急搬出

・建物、設備、インフラ関連・通信手段

確認

3.応急的復旧

活動

(72時間)

・災害時の応急的な復旧

活動ができる

・災害支援ナースの県内

派遣要請に対応できる。

・インフラ関連、危険個所、補修箇所の

確認

・二次災害防止(個人情報の盗難防止)

・県内各地の被災情報収集

・災害支援ナースの県内派遣要請(レベ

ル1)があれば支援要請に基づき対応

・日本看護協会と県外からの派遣が必要

か判断(レベル2.3)

4.仮復旧段階

(~1週間)

・日本看護協会と災害支援

ナースの派遣に関する

調整に対応できる

・災害時の仮復旧活動の実

施と業務再開に向けて

準備を開始できる

・日本看護協会に応援要請する場合

レベル 2.3)は情報提供、報告、相談

・業務再開に向け準備開始

・職員の生活再建に対応

5.本復旧活動

(~1ヶ月)

・災害の収束に向けての

準備及び業務再開に向け

て本格的に活動できる

・災害支援ナース活動の

収束に向けて準備できる

・派遣終了日を検討

・災害支援ナース活動の収束に向け準備

・県内派遣者の活動状況の情報収集

・業務再開に向け本格的に活動

・業務再開日程について会員に広報

6.平常の業務 ・復旧活動終了を宣言し、 ・復旧活動終了宣言

Page 17: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

15

3.災害時の段階別・優先業務の事業継続計画

(1)準備段階

NO 対策項目 活動内容 指示 確認

1 災害対策本部の組織・運営

(役割・機能の明確化)

① 災害発生時、速やかに行動するため

職員の役割分担を決める

*アクションカードの作成

② 災害対策本部の組織体制と

役割・機能を決める

③ 職員の参集基準を決める

④ 職員の安否確認方法を決める

2

救助・救急活動 ① 防災用具・救急資材・医薬品の確保

② 避難誘導・避難場所の確保

防災訓練・防災教育 ① 定期防災訓練・防災教育

② 訓練や研修時を利用した広報活動

3 情報収集・情報発信・共有 ① 緊急連絡網・ホームページを活用

した情報発信

4 災害支援ナース派遣・調整

事項

① 災害支援ナース派遣要綱の確認

② 日本看護協会との派遣調整訓練

③ 災害支援ナースの増員・養成・育成

5 災害支援ナース活動の支援

(受援含む)

・活動しやすいように、携帯用災害看護

マニュアルの充実を図る

6 インフラ点検・整備 ・電気・ガス・水道・回線等の定期点検

7 協会内の5S 活動と整備

(建物、施設、設備等の確認)

① 日頃からの5S 活動推進

② 建物・施設・設備の安全固定と整備

8 非常持出品・防災備品の確保 ① 非常持出品 防災備品の特定

② 定期点検 見直し 年 2 回

9 物資等の調達・受取・供給 ・災害用物資の在庫管理と定期点検

10 財務・総務 ① 重要書類の耐火金庫保管

② データーの管理・バックアップ

11 記録(点検や問題点 活動) ・点検時の問題や対策・対応を記録

平常時の業務に戻ること

ができる。

・災害時の活動を振り返り

課題を整理する

・順次平時の業務に復帰

・災害支援ナースの活動を記録整理し、

県、日本看護協会に報告

・災害に関連した記録物の整理

・災害時の活動を振り返り課題を整理

Page 18: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

16

12 生活再建支援 ① 会員・職員の福利厚生の整備

② 職員の生活再建の基準を決めておく

13 廃棄物処理 ・瓦礫仮置き場の候補地を検討しておく

14 地域貢献活動 ・近隣の施設や団体との協力体制を構築

15 付帯事業(ナース ST・訪問 ST) ・本協会の事業継続計画に準じ整備する

(2)初動段階 発災当日

NO 対策項目 活動内容 指示 確認

1 災害対策本部の組織・運営

(役割・機能の明確化)

① アクションカードに従い役割実践

② 参集後、迅速な災対本部の立ち上げ

*大規模地震(震度6弱以上)その他、

大災害により、本部長が発令した時

*設置場所 1F B 会議室

③ 担当者は各役割に応じて行動する

④ 各班の報告を受け重要事項の決定、

指示(BCP の発動)

⑤ 職員の帰宅については安全確認後に

帰宅指示

2

救助・救急活動

(防災訓練・防災教育)

① 防災用具で安全に避難場所へ誘導

*東町小学校(指定避難所兼指定緊急避難所)

*県立第二高校(指定緊急避難所)

② 館内のけが人を救出・救護する

③ 救急資材・医薬品の確保

④ 館内に居た人々(来訪者や職員等)

被害状況を確認し、災対本部へ報告

3 情報収集・情報発信・共有

① 県・日本看護協会との連絡・情報共

② 被災状況の情報収集(現地視察考慮)

③ 交通機関、道路、周辺の被災情報収

④ 来訪者、全職員の安否確認、被災情

報の確認(休暇や帰宅者も)

4 災害支援ナース派遣・調整

事項

① 日本看護協会との派遣協議・調整

② 県の医療政策課看護班へ連絡し派遣

協議

③ 災害支援ナース所属施設へ派遣準備

要請

Page 19: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

17

5 災害支援ナース活動の支援

(受援含む)

① レベル1の派遣準備(携行物品等)

② オリエンテーション・送迎

6 インフラ点検・整備 ・電気・ガス・水道・回線等の緊急点検

7

協会内の5S 活動と整備

整理・整頓・清掃・清潔・躾

(建物、施設、設備等の確認)

① 施設内外、設備の緊急点検

② 活動部屋(本部等)の確保と整備

③ 施設内外片づけとトイレ用水の確保

④ 二次災害防止(落下物・火災防止等)

8 非常持出品・防災備品の確保 ① 非常持出品の確認と搬出準備

② 防災用品の確認と搬出準備

9 物資等の調達・受取・供給

10 財務・総務

① 重要書類・データー管理の確認

搬送準備

② データーの管理・バックアップ

11 記録(点検や問題点 活動) ・災害情報関連の記録(仮題や対応)

12 生活再建支援

13 廃棄物処理 ・必要時、ガレキ仮置き場を使用

14 地域貢献活動 ・近隣が被災した場合は救護活動や可能

な援助を行う

15 付帯事業(ナース ST・訪問 ST) ・設備点検後は協会長の指示に従う

(3)応急的復旧活動(~72h)

NO 対策項目 活動内容 指示 確認

1 災害対策本部の組織・運営

(役割・機能の明確化)

① 災害対策会議でタイムリーに課題を

検討し、対応を行う

② レベル2への移行を検討

③ 応急的な復旧活動

2 救助・救急活動

3 情報収集・情報発信・共有

① 県と連携し被災地情報を共有

② 各支部長より支部被災情報収集

(熊様式6)

③ ホームページを活用し被災情報発信

④ 通信手段が確保できたら各会員施設

に連絡し、安否や被災状況を確認

4 災害支援ナース派遣・調整

事項

① 日本看護協会とレベル2移行を検討

② 県・日本看護協会と災害支援ナース

の派遣調整

Page 20: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

18

5 災害支援ナース活動の支援

(受援含む)

① オリエンテーション・携行品の準備

② 派遣前のブリーフィング(事前情報)

③ 必要時送迎

6 インフラ点検・整備

① 電気・ガス・水道・回線等の確認後

修理箇所の措置を行う

② 上記は、安全点検後に使用

7 協会内の5S 活動と整備

(建物、施設、設備等の確認)

① 建物・施設・設備の安全点検と整備

② 関連業者による点検・整備

8 非常持出品・防災備品の確保

9 物資等の調達・受取・供給

① 支援物資の搬入と受取、確認と保管

② 関連業者の被災状況を確認し、物資

調達と供給を確認する

10 財務・総務

① 重要書類やデーターの管理を行い

個人情報の盗難防止に努める

② 取引先の被害状況を把握する

③ 事業再開に必要な措置を講ずる

④ 予定研修等の中止や変更のお知らせ

11 記録(点検や問題点・活動) ・点検時の問題や対策・対応、活動を記

12 生活再建支援 ・勤務中の職員の食事や休憩室の確保

13 廃棄物処理

14 地域貢献活動 ・施設の被害が少ない時は一時的な支援

場所として提供する(トイレ・自販機)

15 付帯事業(ナース ST・訪問 ST) ・事業中止の場合、関連機関へお知らせ

(4)仮復旧段階 ~1週間

NO 対策項目 活動内容 指示 確認

1 災害対策本部の組織・運営

(役割・機能の明確化)

① 災害対策会議でタイムリーに課題を

検討し、対応を行う

② レベル2・3への移行を検討

③ 仮復旧活動

④ 関係機関との協議や調整

2 救助・救急活動

防災訓練・防災教育

3 情報収集・情報発信・共有 ① 朝礼・終礼を活用した情報共有

② 適宜、被災情報の更新(協会 HP)

Page 21: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

19

4 災害支援ナース派遣・調整

事項

① 県・日本看護協会との派遣調整

② 関係機関との派遣調整

③ 災害支援ナース所属施設と派遣調整

5 災害支援ナース活動の支援

(受援含む)

① 派遣や受援に関する対応

(オリエンテーション・携行品準備・送迎)

② 必要時、現地訪問と支援

③ 送迎の見直しや送迎方法の検討

6 インフラ点検・整備 ・情報システムやインフラ不具合箇所の

確認と業者による復旧

7 協会内の5S 活動と整備

(建物、施設、設備等の確認)

① 施設内外の片づけ・整備

② 必要時片づけボランティアの受入れ

③ 職員や協会用務者の駐車場の確保・

④ 施設損壊の場合は代替拠点での事業

継続能力や可能性、時間見積を確認

8 非常持出品・防災備品の確保

9 物資等の調達・受取・供給 ・支援物資災害用物資の在庫管理と点検

10 財務・総務

① 義援金・支援金用の口座開設

② 寄付金の受付と配分

③ 取引先と今後の納品について調整

③ 復旧資金の見積と確保

④ 職員の給与支払い

11 記録(点検や問題点・活動)

12 生活再建支援

① BCPの方針や進捗状況を説明

② 職員の食事や日用品の確保

③ 職員の家族が死傷した場合の配慮

④ 職員の住宅被災者には仮住宅の配慮

13 廃棄物処理 ・瓦礫仮置き場に災害用廃棄物を種類別

に廃棄する

14 地域貢献活動 ・近隣の施設や団体との協力体制を構築

15 付帯事業(ナース ST・訪問 ST) ・関係機関と業務の一部再開の検討や

準備

(5)本復旧段階 ~1ヶ月

NO 対策項目 活動内容 指示 確認

1 災害対策本部の組織・運営

(役割・機能の明確化)

① 業務復旧の優先度を検討し伝達

② 業務環境の回復・再構築

(建物修復 設備 情報システム等)

Page 22: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

20

③ 稼働の確認後、復旧活動終了宣言

④ 平常業務の再開に向けて準備・調整

⑤ 重要業務に関係する機関と連絡調整

⑥ 対外的な発信情報の集約・判断

2 救助・救急活動

防災訓練・防災教育

3 情報収集・情報発信・共有

① 協会の事業継続の状況を情報発信

(日看協 会員施設 関係機関 取引先)

② 災害支援ナースの活動を協会 HPに

掲載

4 災害支援ナース派遣・調整

事項

① 県・日看協・施設との派遣調整

② 災害支援ナースの派遣シフト調整

③ 各支部より看護師不足の情報収集

5 災害支援ナース活動の支援

(受援含む)

① 派遣より帰還後の報告会で心配事や

問題点を共有し、解決を図る

② 災害支援ナースの慰労

6 インフラ点検・整備 ・インフラ復旧を確認後に、業務再開の

準備

7 協会内の5S 活動と整備

(建物、施設、設備等の確認)

・建物・施設・設備・機器・備品等の修

理を確認後、業務再開に向けて準備

8 非常持出品・防災備品の確保

9 物資等の調達・受取・供給

・必要な物資が整い、物流環境が回復し

ていることを確認し、業務再開に向け

て準備

10 財務・総務 ・必要時、臨時予算の確保

11 記録(点検や問題点・活動)

12 生活再建支援

① 被災した職員の生活再建を支援

② 会員の福利厚生に基づき、お見舞の

手配

③ 災害義援金について検討し、看護

協会としての方針を決定

13 廃棄物処理 ・ガレキ仮置き場の廃棄物処理について

災害対策本部と交渉

14 地域貢献活動 ・近隣の災害復興活動に、できるだけ

参加する

15 付帯事業(ナース ST・訪問 ST) ・連携機関と業務の一部再開の検討や

準備

Page 23: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

21

(6)平常時の段階(~3ヶ月)

NO 対策項目 活動内容 指示 確認

1 災害対策本部の組織・運営

(役割・機能の明確化)

① 災害対策本部の設置終了

② 復旧活動の終了宣言

③ 派遣災害支援ナース対象のアンケー

ト調査

④ 看護管理者向けの総括研修実施

2 救助・救急活動

防災訓練・防災教育

・防災訓練・防災教育の評価を行い、課

題を整理して対策を講じる

3 情報収集・情報発信・共有 ・職員・会員の安否や被災状況に関する

情報の整理

4 災害支援ナース派遣・調整

事項

・災害支援ナースの派遣要請の過程と

活動内容に関する情報の整理

5 災害支援ナース活動の支援 ・災害支援ナースの活動内容の情報整理

6 インフラ点検・整備 ・インフラ関連の故障個所、修理状況等

の情報の整理

7 協会内の5S 活動と整備

(建物、施設、設備等の確認)

・建物・施設・設備・機器・備品等の修

理状況等、情報の整理

8 非常持出品・防災備品の確保 ・非常持出品・防災備品の使用に関する

記録の整理と評価

9 物資等の調達・受取・供給 ・物資調達・供給に関する情報の整理

10 財務・総務

・災害見舞金の請求について、会員・会

員施設に周知

・災害時保険対応

・必要時、臨時予算の確保

11 記録(点検や問題点・活動) ・各種の記録類を情報の整理や評価に活

かす

12 生活再建支援 ・会員の福利厚生および職員の生活支援

に関する情報整理

13 廃棄物処理 ・廃棄物処理について情報の整理と評価

14 地域貢献活動 ・地域貢献に関する情報の整理

15 付帯事業(ナース ST・訪問 ST) ・業務中止や一部再開に関する情報の

整理と評価

Page 24: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

22

(7)災害後の振り返り

災害後の多様な課題に対してどのように取り組んでいるのかを示すことは、様々な団体

の有用な資料になると考える。災害後の活動を多くの人々と共有し、災害教育にも役立た

せるためにその経過を記載する。

表 9

発災後 内 容

1 ヵ月

・災害支援活動中は、災害支援ナースのデブリーフィング

・各施設の看護職の離職状況調査

・看護職の心のケア

3 ヶ月

・災害支援ナースの振返り

・看護管理者の振返り

・義援金に係る分配検討委員会

・看護職の心のケア

・各施設の看護職の離職状況調査

6 ヶ月

・各職能委員会での振返り

・看護職の心のケア

・各施設の看護職の離職状況調査

・看護職の確保定着対策

1 年

・災害報告書作成

・看護職の心のケア

・各施設の看護職の離職状況調査

・看護職の確保定着対策

2 年~10 年

・看護職の心のケア

・看護職の確保定着対策

・各施設の看護職の離職状況調査

Page 25: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

23

4.熊本県災害医療提供体制

図 5 熊本県災害時医療救護マニュアル第二版(平成 31年 3月)より

Page 26: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

24

地震等の大規模な自然災害や事故等により、多数の傷病者が発生した場合は、災害時の

医療救護活動を迅速かつ円滑に行うため、県は『保健医療調整本部』を設置する。2016年

熊本地震の経験を活かし、標準的な活動マニュアルを策定し、2019年 3月に見直された。

災害発生直後の急性期から亜急性期(地域の医療機関の診療機能が復旧し、引き継ぐこと

ができる状態)までの間、医療チーム等によって実施される医療救護活動の指針となるも

のである。熊本県災害医療提供体制において、熊本県看護協会は図 13に示すように連携し、

情報提供を行う。

熊本保健医療調整本部の設置

1)県災害対策本部が設置された場合、又は健康福祉部長が必要と認める場合は県災害

対策本部健康福祉対策部に健康福祉部医監を長とする熊本県保健医療調整本部を設置

する。

2)県災害対策本部の設置基準

① 県内で震度 6弱以上の地震が発生した場合(自動設置)

② 県内に特別警報(地震動に関する特別警報を除く)が発表された場合(自動設置)

③ 災害が発生し、又は災害の発生が予想され、その規模及び範囲からして本部を設置

し、応急対策を必要とするとき。

④ 前記のほか、激甚災害で、特に応急対策を実施する必要があるとき。

熊本県災害時医療救護マニュアル第二版 平成 31年 3月より

Page 27: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

25

Ⅵ 見直し・改善

BCM・BCPの有効性の低下を防ぎ、BCP を含む BCMの内容や実施状況等について点検・

評価を行うことが、事業継続能力の維持・改善につながる。

BCM 事務局は、BCMの重要性を職員・会員に共通の認識として持たせ、当協会の「風土」

や「文化」として定着させ、さらには関係団体との連携を図って、事業継続能力の維持

向上を不断の努力として行っていくことが重要である。

1.点検・評価の時期・評価者

1)定期点検:新年度の事業計画を立案する時期 (年1回)

2)見直し:協会の事業や内部・外部環境に大きな変化があった場合(大災害等)

3)BCPを発動した後

*評価者:BCMの責任者(会長)と・BCMの事務局メンバー(副会長、常務理事、

事務長、災害看護担当理事)が見直し、理事会の承認をもって改定とする。

2.評価の視点

* BCM・BCPの基本方針、目的等が適切なものであるか

* 被害想定の拡大・拡充の必要性

* 重要業務が目標復旧時間や目標復旧レベルを本当に達成できるか

* 教育・訓練・点検等が予定通り実施されているか、目標を達成しているか

* 重要書類やデーター管理のバックアップを確認

* 事業継続マネジメント(BCM)の点検・評価(人事異動や関連業者の変更等によ

る修正)が、行われているか。

※ 上記の評価結果を理事会における資料とする。

Page 28: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

26

災害時の事業継続計画(BCP) 初

動段

階応

急的

復旧

活動

仮復

旧段

階本

復旧

段階

平常

時の

段階

発災

当日

( 

~72

h)

(~

1週

間)

( 

~1

ヶ月

)(

 ~

3ヶ月

対策

項目

目 標平

常か

ら災

害時

の備

えが

でき

る速

やか

に職

員と

来訪

者の

安全

が確

保で

きる

応急

的な

復旧

活動

がで

き、

災害

支援

ナー

スの

県内

派遣

要請

に対

応で

きる

・日

本看

護協

会と

災害

支援

ナー

ス派

遣の

調整

がで

きる

。・

復旧

活動

を実

施し

、業

務再

開に

向け

た準

備を

開始

でき

・災

害の

収束

に向

けて

準備

し、

業務

再開

に向

け本

格的

な活

動が

でき

る。

・災

害支

援ナ

ース

活動

の収

束に

向け

て準

備で

きる

・復

旧活

動終

了を

宣言

し、

平常

業務

に戻

るこ

とが

でき

る。

・活

動を

振り

返り

課題

を整

理す

る。

災害

対策

本部

災害

対策

本部

立ち

上げ

BCP発

動応

急的

な復

旧活

動レ

ベル

2・

3へ

の移

行を

検討

し関

係機

関と

の協

議や

調整

平常

業務

の再

開に

向け

て優

先度

を検

討し

準備

・調

整復

旧活

動終

了宣

言と

実態

調査

災害

情報

館内

在留

者の

避難

誘導

・救

助 被災

情報

とラ

イフ

ライ

ンの

確認

県や

各支

部長

と被

災情

報の

共有

と発

信協

会HP

で被

災情

報の

公開

事業

継続

の情

報を

発信

被災

状況

に関

する

情報

整理

救助

・救

急活

動避

難誘

導と

救助

活動

被害

状況

確認

訓練

と教

育の

評価

、課

題の

整理

災害

支援

ナー

スレ

ベル

1の

派遣

準備

派遣

前協

議と

調整

レベ

ル2

・3

は日

本看

護協

会と

の派

遣調

整派

遣シ

フト

調整

支部

の情

報収

集(

Ns不

足)

活動

内容

の情

報整

イン

フラ

施設

設備

・通

信イ

ンフ

ラの

緊急

点検

安全

点検

と緊

急措

置イ

ンフ

ラ不

具合

の復

旧復

旧確

認後

、業

務再

開の

準備

故障

、修

理情

報の

整理

非常

持出

品防

災備

品確

認と

搬出

準備

在庫

管理

と点

検物

流環

境の

回復

確認

と業

務再

開の

準備

非常

持出

品・

防災

備品

の使

用に

関す

る記

録の

整理

と評

支援

物資

等物

資調

達と

受取

、供

給確

認物

資調

達・

供給

に関

する

情報

の整

財務

・総

務重

要書

類・

デー

ター

の搬

送準

備デ

ータ

ー管

理と

個人

情報

の盗

難防

止義

援金

・支

援金

の口

座開

設復

旧資

金の

見積

もり

と確

保必

要時

、臨

時予

算の

確保

災害

時保

険対

応と

臨時

予算

の確

定期

点検

と見

直し

在庫

管理

と定

期点

デー

ター

管理

・バ

ック

アッ

準備

段階

時期

組織

体制

と役

割・

機能

を決

める

ホー

ムペ

ージ

で情

報発

災害

用備

品と

支援

物品

の確

保防

災訓

練と

防災

教育

災害

支援

ナー

スの

養成

・育

イン

フラ

保守

・管

Page 29: 事業継続計画(BCP)編...1 BCP は、危機的象の発 により、業が中断または中断の可能性がある際に 発動される緊急時の対応計画である。

27

作成日 :2019年 3 月 31日

改訂日 :2019年 9 月 30日

作成者 :熊本県看護協会 BCM事務局

責任者 看護協会長

常勤副会長

常務理事

事務長

災害看護担当理事