内製による業務自動化 - intra-mart · 2018. 10. 4. ·...

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Vol.46 内製による業務自動化 人とロボットが協働する時代にむけて

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Vol.46

真 の 企 業 競 争 力 を 実 現 す る

内製による業務自動化―人とロボットが協働する時代にむけて―

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プログラミング初体験

ロボットをうまく

動かせるかな?

ロボットでお菓子を

GETしよう!

はじめての名刺交換

三菱ケミカルシステム株式会社共通システム事業部共通システム1部小島 賢士 氏

日本生命保険相互会社企業保険契約部企保事務システム構造改革推進担当部長宮本 豊司 氏

2018年8月24日に、イントラマート社員のお子さまたちに職場や普段の仕事ぶりを見てもらうことで、家族の絆を深めながら社員のモチベーションを向上することを目的に始まった新企画「夏休み子ども会社見学会」を実施し、17名のお子さまに参加いただきました!自分で作成した画面からロボットを動かす簡易プログラミングや、社員との名刺交換など、様々な企画を体験してもらいました。こういった活動が、未来の技術者育成につながればと思っています。企画の皆さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

2018年8月24日に、イントラマート社員のお子さまたちに職場や普段の仕事ぶりを見てもらうことで、家族の絆を深めながら社員のモチベーションを向上することを目的に始まった新企画「夏休み子ども会社見学会」を実施し、17名のお子さまに参加いただきました!自分で作成した画面からロボットを動かす簡易プログラミングや、社員との名刺交換など、様々な企画を体験してもらいました。こういった活動が、未来の技術者育成につながればと思っています。企画の皆さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

イントラマート 夏休み子ども会社見学会を実施しました!イントラマート 夏休み子ども会社見学会を実施しました!

「Accel Conference 2018」を開催しました満員御礼!

2018年7月25日に、「デジタル変革期、企業が取り組むべきアクションとは? 業務プロセス改革~自動化へ」と題して、「Accel Conference 2018」を開催しました。

IT技術が飛躍的に進化を続ける近年、いかにスピード感を持って取り入れることができるかが競争力強化の鍵といえます。進化を続ける業務改善プラットフォームの「intra-mart」と、新テクノロジー(RPA/AI/OCR)の融合による業務プロセスの自動化の実現が、お客様のビジネスにどのような影響をもたらすのかを、先進的な事例と併せてご紹介いたしました。

今後も、お客様のデジタル革新の実現に向けて、有益となる最新情報を発信してまいります。

Special Talk人とロボットが協働する時代に向けて 04

User Topics丸投げの外製・やみくもな内製に隠れた“罠”を暴け 07

システム内製化を考える戦略的に内製化を進めるためには? 10

連載 イントラマートデジタルビジネス最前線!第2回 デジタルビジネスで実現する自動化 11

46

株式会社NTTデータ イントラマート

RPAが大変なブームです。このツールを活用した効果事例が、毎日のように発表されるようになってきました。またこのツールの出現によって、もう1つブームになりつつあるものがあります。「内製化」です。RPAは図らずも自分たちでIT武装できる幅を確実に広げてくれました。今こそこれを機会に「内製化」の実力を社内に蓄え、自社ビジネスのデジタル化にIT部門が積極的に関われる体制をつくっていくべきだと考えます。

そこで、今回のテーマは「内製化/業務自動化」です。RPAテクノロジーズの大角社長、そしてニコンシステムの小山本部長にご協力いただきました。このテーマは、10月11日(名古屋)、10月18日(大阪)、10月25日(東京)で開催予定の「Enterprise Web Solution 2018」にて、さらに多くの事例とともに深掘りしていきます。

ワクワクするような新しいデジタル技術が、どんどん出現してきました。ぜひ皆さんと積極的にチャレンジしていきたいと思っています。

2 3

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プログラミング初体験

ロボットをうまく

動かせるかな?

ロボットでお菓子を

GETしよう!

はじめての名刺交換

三菱ケミカルシステム株式会社共通システム事業部共通システム1部小島 賢士 氏

日本生命保険相互会社企業保険契約部企保事務システム構造改革推進担当部長宮本 豊司 氏

2018年8月24日に、イントラマート社員のお子さまたちに職場や普段の仕事ぶりを見てもらうことで、家族の絆を深めながら社員のモチベーションを向上することを目的に始まった新企画「夏休み子ども会社見学会」を実施し、17名のお子さまに参加いただきました!自分で作成した画面からロボットを動かす簡易プログラミングや、社員との名刺交換など、様々な企画を体験してもらいました。こういった活動が、未来の技術者育成につながればと思っています。企画の皆さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

2018年8月24日に、イントラマート社員のお子さまたちに職場や普段の仕事ぶりを見てもらうことで、家族の絆を深めながら社員のモチベーションを向上することを目的に始まった新企画「夏休み子ども会社見学会」を実施し、17名のお子さまに参加いただきました!自分で作成した画面からロボットを動かす簡易プログラミングや、社員との名刺交換など、様々な企画を体験してもらいました。こういった活動が、未来の技術者育成につながればと思っています。企画の皆さん、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!

イントラマート 夏休み子ども会社見学会を実施しました!イントラマート 夏休み子ども会社見学会を実施しました!

「Accel Conference 2018」を開催しました満員御礼!

2018年7月25日に、「デジタル変革期、企業が取り組むべきアクションとは? 業務プロセス改革~自動化へ」と題して、「Accel Conference 2018」を開催しました。

IT技術が飛躍的に進化を続ける近年、いかにスピード感を持って取り入れることができるかが競争力強化の鍵といえます。進化を続ける業務改善プラットフォームの「intra-mart」と、新テクノロジー(RPA/AI/OCR)の融合による業務プロセスの自動化の実現が、お客様のビジネスにどのような影響をもたらすのかを、先進的な事例と併せてご紹介いたしました。

今後も、お客様のデジタル革新の実現に向けて、有益となる最新情報を発信してまいります。

Special Talk人とロボットが協働する時代に向けて 04

User Topics丸投げの外製・やみくもな内製に隠れた“罠”を暴け 07

システム内製化を考える戦略的に内製化を進めるためには? 10

連載 イントラマートデジタルビジネス最前線!第2回 デジタルビジネスで実現する自動化 11

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株式会社NTTデータ イントラマート

RPAが大変なブームです。このツールを活用した効果事例が、毎日のように発表されるようになってきました。またこのツールの出現によって、もう1つブームになりつつあるものがあります。「内製化」です。RPAは図らずも自分たちでIT武装できる幅を確実に広げてくれました。今こそこれを機会に「内製化」の実力を社内に蓄え、自社ビジネスのデジタル化にIT部門が積極的に関われる体制をつくっていくべきだと考えます。

そこで、今回のテーマは「内製化/業務自動化」です。RPAテクノロジーズの大角社長、そしてニコンシステムの小山本部長にご協力いただきました。このテーマは、10月11日(名古屋)、10月18日(大阪)、10月25日(東京)で開催予定の「Enterprise Web Solution 2018」にて、さらに多くの事例とともに深掘りしていきます。

ワクワクするような新しいデジタル技術が、どんどん出現してきました。ぜひ皆さんと積極的にチャレンジしていきたいと思っています。

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Page 4: 内製による業務自動化 - intra-mart · 2018. 10. 4. · 自分で作成した画面からロボットを動かす簡易プログラミングや、社員との名刺交換など、

業務効率化だけではないRPA新規事業の創生も

中山:第4次産業革命で注目されるキーワードとなった「RPA」ですが、大角様からその本質をご説明いただけますか。

大角:Wikipediaでは、「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation, RPA)とは、認知技術(ルールエンジン・機械学習・人工知能など)を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取り組みである。人間の補完として業務を遂行できることから、仮想知的労働者(Digital Labor)とも言われている」と記載されています。 RPAは人と情報システムの間に存在し、人の作業を代行し、既存業務システムへの変更も不要、そして圧倒的な労働生産性を実現します。ロボットを細かく・うまく活用することで、従業員をルーティンワークから解放できるのです。 しかし、RPAを単なる効率化のツールととらえてはいけません。図2の「パターン4 イノベーション型」のように、デジタルレイバー(RPA)によって自社のビジネスを広げることもできるのです。

中山:具体的な例を教えてください。

大角:世界有数の一般消費財メーカーであるユニリーバでは毎日数千件の商品情報を巡回収集し、比較サイトにおいてロイヤリティの高い顧客を店舗へ誘導するための情報登録を自動で行っています。いわばロボットが直販営業をしています。 また、「見守りクラウドロボ」の実証実験も始まりました。これは顔認識カメラが特定人物を判断するとRPAを起動、携帯電話へ自動連絡したりエアコンのスイッチを入れたりします。まさにリアルとロボットの融合です。

業務全体を俯瞰したオーケストレーションの重要性

中山:RPAは、今後どのように進化するのでしょうか?

大角:RPAはスケールの時代に入ってきています。スケールとは、RPAによるロボット化が1業務を対象とするのでなく、全社規模でありとあらゆる業務を対象にしたロボット化が進む状況をいいます。スケールすると、稼働するロボット数も一気に広がり、また夜間も含めて常にロボットが動いて

いる状況になります。また既存システムや取引先との連携など、接続性を高める必要もあります。 そのためにも、スケール化には、RPAに新技術を連携させて高度化させる必要があるのです。つまり、デジタルレイバーと人をつないだり、デジタルレイバーとITをつないだりすることが求められますが、ここにBPMS(ビジネス・プロセス・マネジメント・システム)が登場します。 具体的に言うと、デジタルレイバーだけですべての業務の自動化を行おうとすると、RPAによる処理終了後にメールを発信したり、データベースに終了ステータスを入れて、それを別のRPAが取得し後続業務を動かしたりするなどの工夫が必要になります。これでは、個別最適のRPA同士をつぎはぎしていくことになります。 BPMSでは、これらの業務プロセスを俯瞰的に把握して全体最適を視野に入れながら、RPAを部分部分で稼働させることができます。つまり、業務プロセス全般のオーケストレーション(※1)を実現できるのです。  特にその中でも、Case Management(※2)はキーとなる技

術だと考えています。Case Managementでは、BPMで定義された定型的な業務プロセスや、RPAで定義された定型的な自動実行処理を、その場の状況にあわせて組み合わせながらコーディネイトできるため、非定型業務までを対象として柔軟性が大きく向上します。

パートナー契約を結ぶことによるシナジー効果

中山:このたび弊社とパートナー契約を締結いただきました。この狙いについて教えてください。

大角:これまで述べましたように、私たちはRPAのみをツールとして提供する会社ではありません。私たちのミッションは、デジタルレイバーのスケール力を普及して、仕事の進化が加速される時代を創っていくことだと思っています。それには、BPMを含めた様々なソリューションを包含して新たな価値創出をすることが必要です。イントラマート社とのパートナー協業にはそのことを期待しています。併せて、イントラマート社の持つパートナーネットワークも非常に魅力的です。私どもも、業務効率化に多くの知見を持つイントラマートパートナー各社と協業を広げることで、「デジタルレイバーのスケール力の普及」という目標に向けて加速できると確信しています。

中山:大角様、ありがとうございます。ぜひお互いの強みを掛け合わせて、「業務のデジタル化による革新」を共に実現していきましょう。

RPA導入のメリット図1

RPAの導入パターン図2

自然人ひたすら作業

KPI(例)・処理時間:8時間 ・品質:ミスの発生 ・コスト:10人 ・労働力:8時間×週5日 ・マネジメント:雇用維持管理

自然人

管理のみ

デジタルレイバー

ひたすら作業

KPI(例)・処理時間:30分 ・品質:ミスなし ・コスト:1人 ・労働力: 24時間×365日 ・マネジメント: 永遠に働く

BEFORE

RPAの考え方 ~様々なパターンで拡がっている~

RPAツール

人(ユーザ)

情報システムアプリケーション

ミドルウェア(DBなど)

基本ソフト(OS)

ハードウェア

アプリケーション

ミドルウェア(DBなど)

基本ソフト(OS)

ハードウェア

AFTER

Digital Labor

人(ユーザ)

情報システム

ルーティン代替型 ルーティンワークからの解放業務ケイパビリティの最大化(LT・品質・コストの最適化)

パターン1

バイトの代行

アイデア実行型 直接収益を拡大

直感・経験・仮説

パターン2

右腕社員の採用

クラス2型予測アルゴリズム連動非定型帳票処理

パターン3

博士の採用

イノベーション型 専門デジタルレイバービジネス業界シェアードサービス地方創生・人材ビジネス

パターン4

新規事業構築

事業創造

共 創

・AI(人工知能) ・マシンラーニング

株式会社NTTデータイントラマート代表取締役社長

中山 義人

RPAテクノロジーズ株式会社代表取締役社長

大角 暢之 氏

人とロボット が協働する時代に向けて今回は、新たにintra-martパートナーとして契約いただいた日本No.1 RPAカンパニーであるRPAテクノロジーズ代表取締役の大角暢之氏をお迎えし、RPAのトレンドとさらに今後どのように進化していくのかについて、弊社代表取締役 中山と熱く語っていただきました。大角様は「一般社団法人日本RPA協会」の代表理事でもあり、まさにRPA分野の第一人者です。

特別対談 Special Talk

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業務効率化だけではないRPA新規事業の創生も

中山:第4次産業革命で注目されるキーワードとなった「RPA」ですが、大角様からその本質をご説明いただけますか。

大角:Wikipediaでは、「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation, RPA)とは、認知技術(ルールエンジン・機械学習・人工知能など)を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取り組みである。人間の補完として業務を遂行できることから、仮想知的労働者(Digital Labor)とも言われている」と記載されています。 RPAは人と情報システムの間に存在し、人の作業を代行し、既存業務システムへの変更も不要、そして圧倒的な労働生産性を実現します。ロボットを細かく・うまく活用することで、従業員をルーティンワークから解放できるのです。 しかし、RPAを単なる効率化のツールととらえてはいけません。図2の「パターン4 イノベーション型」のように、デジタルレイバー(RPA)によって自社のビジネスを広げることもできるのです。

中山:具体的な例を教えてください。

大角:世界有数の一般消費財メーカーであるユニリーバでは毎日数千件の商品情報を巡回収集し、比較サイトにおいてロイヤリティの高い顧客を店舗へ誘導するための情報登録を自動で行っています。いわばロボットが直販営業をしています。 また、「見守りクラウドロボ」の実証実験も始まりました。これは顔認識カメラが特定人物を判断するとRPAを起動、携帯電話へ自動連絡したりエアコンのスイッチを入れたりします。まさにリアルとロボットの融合です。

業務全体を俯瞰したオーケストレーションの重要性

中山:RPAは、今後どのように進化するのでしょうか?

大角:RPAはスケールの時代に入ってきています。スケールとは、RPAによるロボット化が1業務を対象とするのでなく、全社規模でありとあらゆる業務を対象にしたロボット化が進む状況をいいます。スケールすると、稼働するロボット数も一気に広がり、また夜間も含めて常にロボットが動いて

いる状況になります。また既存システムや取引先との連携など、接続性を高める必要もあります。 そのためにも、スケール化には、RPAに新技術を連携させて高度化させる必要があるのです。つまり、デジタルレイバーと人をつないだり、デジタルレイバーとITをつないだりすることが求められますが、ここにBPMS(ビジネス・プロセス・マネジメント・システム)が登場します。 具体的に言うと、デジタルレイバーだけですべての業務の自動化を行おうとすると、RPAによる処理終了後にメールを発信したり、データベースに終了ステータスを入れて、それを別のRPAが取得し後続業務を動かしたりするなどの工夫が必要になります。これでは、個別最適のRPA同士をつぎはぎしていくことになります。 BPMSでは、これらの業務プロセスを俯瞰的に把握して全体最適を視野に入れながら、RPAを部分部分で稼働させることができます。つまり、業務プロセス全般のオーケストレーション(※1)を実現できるのです。  特にその中でも、Case Management(※2)はキーとなる技

術だと考えています。Case Managementでは、BPMで定義された定型的な業務プロセスや、RPAで定義された定型的な自動実行処理を、その場の状況にあわせて組み合わせながらコーディネイトできるため、非定型業務までを対象として柔軟性が大きく向上します。

パートナー契約を結ぶことによるシナジー効果

中山:このたび弊社とパートナー契約を締結いただきました。この狙いについて教えてください。

大角:これまで述べましたように、私たちはRPAのみをツールとして提供する会社ではありません。私たちのミッションは、デジタルレイバーのスケール力を普及して、仕事の進化が加速される時代を創っていくことだと思っています。それには、BPMを含めた様々なソリューションを包含して新たな価値創出をすることが必要です。イントラマート社とのパートナー協業にはそのことを期待しています。併せて、イントラマート社の持つパートナーネットワークも非常に魅力的です。私どもも、業務効率化に多くの知見を持つイントラマートパートナー各社と協業を広げることで、「デジタルレイバーのスケール力の普及」という目標に向けて加速できると確信しています。

中山:大角様、ありがとうございます。ぜひお互いの強みを掛け合わせて、「業務のデジタル化による革新」を共に実現していきましょう。

RPA導入のメリット図1

RPAの導入パターン図2

自然人ひたすら作業

KPI(例)・処理時間:8時間 ・品質:ミスの発生 ・コスト:10人 ・労働力:8時間×週5日 ・マネジメント:雇用維持管理

自然人

管理のみ

デジタルレイバー

ひたすら作業

KPI(例)・処理時間:30分 ・品質:ミスなし ・コスト:1人 ・労働力: 24時間×365日 ・マネジメント: 永遠に働く

BEFORE

RPAの考え方 ~様々なパターンで拡がっている~

RPAツール

人(ユーザ)

情報システムアプリケーション

ミドルウェア(DBなど)

基本ソフト(OS)

ハードウェア

アプリケーション

ミドルウェア(DBなど)

基本ソフト(OS)

ハードウェア

AFTER

Digital Labor

人(ユーザ)

情報システム

ルーティン代替型 ルーティンワークからの解放業務ケイパビリティの最大化(LT・品質・コストの最適化)

パターン1

バイトの代行

アイデア実行型 直接収益を拡大

直感・経験・仮説

パターン2

右腕社員の採用

クラス2型予測アルゴリズム連動非定型帳票処理

パターン3

博士の採用

イノベーション型 専門デジタルレイバービジネス業界シェアードサービス地方創生・人材ビジネス

パターン4

新規事業構築

事業創造

共 創

・AI(人工知能) ・マシンラーニング

株式会社NTTデータイントラマート代表取締役社長

中山 義人

RPAテクノロジーズ株式会社代表取締役社長

大角 暢之 氏

人とロボット が協働する時代に向けて今回は、新たにintra-martパートナーとして契約いただいた日本No.1 RPAカンパニーであるRPAテクノロジーズ代表取締役の大角暢之氏をお迎えし、RPAのトレンドとさらに今後どのように進化していくのかについて、弊社代表取締役 中山と熱く語っていただきました。大角様は「一般社団法人日本RPA協会」の代表理事でもあり、まさにRPA分野の第一人者です。

特別対談 Special Talk

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業務効率化だけではないRPA新規事業の創生も

中山:第4次産業革命で注目されるキーワードとなった「RPA」ですが、大角様からその本質をご説明いただけますか。

大角:Wikipediaでは、「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation, RPA)とは、認知技術(ルールエンジン・機械学習・人工知能など)を活用した、主にホワイトカラー業務の効率化・自動化の取り組みである。人間の補完として業務を遂行できることから、仮想知的労働者(Digital Labor)とも言われている」と記載されています。 RPAは人と情報システムの間に存在し、人の作業を代行し、既存業務システムへの変更も不要、そして圧倒的な労働生産性を実現します。ロボットを細かく・うまく活用することで、従業員をルーティンワークから解放できるのです。 しかし、RPAを単なる効率化のツールととらえてはいけません。図2の「パターン4 イノベーション型」のように、デジタルレイバー(RPA)によって自社のビジネスを広げることもできるのです。

中山:具体的な例を教えてください。

大角:世界有数の一般消費財メーカーであるユニリーバでは毎日数千件の商品情報を巡回収集し、比較サイトにおいてロイヤリティの高い顧客を店舗へ誘導するための情報登録を自動で行っています。いわばロボットが直販営業をしています。 また、「見守りクラウドロボ」の実証実験も始まりました。これは顔認識カメラが特定人物を判断するとRPAを起動、携帯電話へ自動連絡したりエアコンのスイッチを入れたりします。まさにリアルとロボットの融合です。

業務全体を俯瞰したオーケストレーションの重要性

中山:RPAは、今後どのように進化するのでしょうか?

大角:RPAはスケールの時代に入ってきています。スケールとは、RPAによるロボット化が1業務を対象とするのでなく、全社規模でありとあらゆる業務を対象にしたロボット化が進む状況をいいます。スケールすると、稼働するロボット数も一気に広がり、また夜間も含めて常にロボットが動いて

いる状況になります。また既存システムや取引先との連携など、接続性を高める必要もあります。 そのためにも、スケール化には、RPAに新技術を連携させて高度化させる必要があるのです。つまり、デジタルレイバーと人をつないだり、デジタルレイバーとITをつないだりすることが求められますが、ここにBPMS(ビジネス・プロセス・マネジメント・システム)が登場します。 具体的に言うと、デジタルレイバーだけですべての業務の自動化を行おうとすると、RPAによる処理終了後にメールを発信したり、データベースに終了ステータスを入れて、それを別のRPAが取得し後続業務を動かしたりするなどの工夫が必要になります。これでは、個別最適のRPA同士をつぎはぎしていくことになります。 BPMSでは、これらの業務プロセスを俯瞰的に把握して全体最適を視野に入れながら、RPAを部分部分で稼働させることができます。つまり、業務プロセス全般のオーケストレーション(※1)を実現できるのです。  特にその中でも、Case Management(※2)はキーとなる技

術だと考えています。Case Managementでは、BPMで定義された定型的な業務プロセスや、RPAで定義された定型的な自動実行処理を、その場の状況にあわせて組み合わせながらコーディネイトできるため、非定型業務までを対象として柔軟性が大きく向上します。

パートナー契約を結ぶことによるシナジー効果

中山:このたび弊社とパートナー契約を締結いただきました。この狙いについて教えてください。

大角:これまで述べましたように、私たちはRPAのみをツールとして提供する会社ではありません。私たちのミッションは、デジタルレイバーのスケール力を普及して、仕事の進化が加速される時代を創っていくことだと思っています。それには、BPMを含めた様々なソリューションを包含して新たな価値創出をすることが必要です。イントラマート社とのパートナー協業にはそのことを期待しています。併せて、イントラマート社の持つパートナーネットワークも非常に魅力的です。私どもも、業務効率化に多くの知見を持つイントラマートパートナー各社と協業を広げることで、「デジタルレイバーのスケール力の普及」という目標に向けて加速できると確信しています。

中山:大角様、ありがとうございます。ぜひお互いの強みを掛け合わせて、「業務のデジタル化による革新」を共に実現していきましょう。

※1 オーケストレーション:複雑なコンピュータシステム/ミドルウェア/サービスの配備/設定/管理の自動化を指す用語。

※2 Case Management:従来のBPMは、定型の業務を正確に効率よく進めるために有用だが、実際の業務の中には、例外的な処理や特定の人物の知識(ナレッジ)に依存した判断が必要になる場合が多く発生する。CaseMnagementとは従来のBPMではカバーしきれなかった柔軟で対応性に富んだプロセスをサポートするための技術である。

BPMSの役割図3 Case Managementで非定型業務までを含めた自動化を実現図4

RPAテクノロジーズのミッションは、デジタルレイバーのスケール力を普及して、仕事の進化が加速される時代を創っていくことです

(大角暢之 氏)

RPA1 人 RPA2 人 RPA3

RPAと人、ITを連結するハイブリッドな基盤

終わったよ 次はロボ承認

お願いします

終了

起動

終了

起動

クレーム受付

CaseManagement

クレーム受付の例:クレームの内容に基づいて、その後の対応手順を、定型的な業務プロセス(BPM)や定型的な自動実行処理(RPA)を組み合わせながら柔軟にコーディネイトする。

BPM

RPA

株式会社NTTデータイントラマート RPAテクノロジーズ株式会社

特別対談 Special Talk

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―まず、ご自身について教えてください。小山:私はもともとニコン本体に在籍しており、ニコンの製品である電子回路の設計開発などを行っておりましたが、2011年よりニコンシステムに出向し、SAPのERP導入開発におけるマネジメント業務を経験し、2014年からはニコングループの情報システムにおける開発・運用を統括しながら、組織改革や開発・運用改善を中心に活動することになりました。

―内製化を実施された背景を教えてください。小山:私が配属される前までは、丸投げの外注や、やみくも

な内製でシステム開発を実施していても何となく業務は回っていたため、ニコンもニコンシステムもこれといった危機感がほぼないまま開発・運用を進めていました。しかしながら、ある大きなプロジェクトが暗礁に乗り上げたことをきっかけに、メンバー全員でなぜこの課題が発生したのかについて真正面から現状を直視し、厳しい分析を実施するよう促しました。 分析を進めていくと「ニコンシステムの役割を果たすこと」と「IT費用の適正さを検討すること」の2点についてできていないことが根本原因との結論に至りました。ニコンとベ

ンダーの間に立つニコンシステムは、つなぎ役としての立ち位置にとどまっており、プロジェクトが失敗したとしても、ベンダーや他人のせいにして同じ失敗を繰り返してしまう悪循環に陥っていました。 さらに、今まではベンダーから出てくる最安値の見積もり提案を選定しているのみにとどまっており、本当に外注すべき業務であるのか、内製で実施すべきである業務なのか、コストが最適なのかなどを十分に検討できていない状況でした。また、本番稼働を優先し、本稼働後の運用費が高止まりしていることも明らかになりました。

―内製化を進めていくにあたり、内製化をどう定義されたのか教えてください。小山:すべての開発や運用を自社でまかなうことが内製化と定義されることは多いですが、実際に自社内のリソースですべてをまかなうことは不可能です。そのためニコンシステムでは、内製化を「開発しているシステムや扱っているシステムのすべてを社員がすみずみまで把握し、品質やコスト・納期をコントロールすること」と定義し、社員がすべての開発内容と工数を把握できるように徹底しました。

―実際に実施した、内製化と業務改善への取り組みについて教えてください。小山:内製化を進めるべく、工数の分析から始めました。特に、運用業務の工数に着目して内訳を見てみたところ、社員もベンダーも実際の運用業務ではなく、管理や調整、会議などの間接業務に工数を必要以上に多く割いているというこ

とが発覚しました(図1)。さらにシステム別でも工数を分析したところ、業務システムの中には間接業務が異様に高いシステムがあることが分かりました。 次に、業務別に工数の分析を実施したところ、特定の数名の担当者が管理に多くの工数を使っていたり、特定システムの担当者だけが調整や会議に工数を使っていたりすることが分かりました。つまり、特定業務やシステムにおいて属人化している、元の担当者が退職などでいなくなりドキュメントなどもなかったため、分からないから会議を開く、ベンダーを呼ぶといった、本来であれば不要な工数がかかっていたのです。 これらの分析を基に間接工数の改善削減目標を定めた後は、実際の業務改善への取り組みを大きく2つのステージに分けて実施していきました。 ステージⅠでは、主に業務内容と労働者の生産性の最大化を軸に、①技術の価値定義、②アウトプットの最大化、③TCOの最大化、④属人化の定義と解消の4つを実施していきました。つまり、業務(技術レイヤー)ごとに値付けを実施し、各個人の技術スキルに適した業務を過不足なく割り当てることで、全体のアウトプット量を最大化するようにしました。その中で、内製する業務と外製する業務の基準を決め、業務を振り分ける作業も実施しました。さらに、「担当者が1人しかいない」「ドキュメントがない」「引き継ぎに3カ月以上要する」という3つの要素のうち2つ以上当てはまっていたら“属人化している業務”とし、これらの可視化と解消に努めました。属人化の解消方法は業務によって異なるため、パターン分けをしてパターンごとの対処法を作っていきました。これ

らの取り組みによって、ベンダーロックや退職リスクを削減していきました。 ステージⅡでは主にシステム連携の可視化を軸に約1年間(2015年~ 2016年上期)取り組みました。今まで業務システムは複雑に絡みあい可視化されていない状況だったため、障害が起きた際や新システムの要件定義を実施する際に、影響範囲を調査するのにも工数がかかる状況でした。この状況を打破するため、まずシステム相関図とそれに伴う業務フロー図を可視化するシステムを内製しました。これにより、システム連携、業務の流れ、システムのインタフェースのつながりをすべて可視化することが可能になりました(図2)。 システム連携が可視化されたことにより、障害の箇所、影響範囲、タイミングの特定が容易になったため、障害のリカバリーで30%以上の工数削減が図れました。また、システム開発の要件定義も最新のAsIs理解によってToBeのご提案も減り、結果的に約20%の工数削減を実現できました。

―この取り組みを実施した結果と効果を教えてください。小山:現状の工数を社員、ベンダー両方の観点から徹底的に分析・把握し、ステージⅠ、Ⅱにて業務およびシステムの分析と改善を実施したことで、約3年間(2014年上期~2017年上期)で全体の運用費用を約50%削減できました(図3)。会議や管理などの業務にかかっていた工数は、1年で39%から21%にまで削減でき、運用業務の本業に当てる時間を増加させられました。 さらにシステム連携と業務プロセスの相関を可視化したことで、課題~企画~開発~運用のすべてのフェーズの効率化を実現しました(図4)。

―今後の取り組みと方針を教えてください。

小山:今までは運用案件を中心に内製化の取り組みを行ってきましたが、これからは開発案件も含めてさらなる工数精査を実施していきます。具体的に実施し始めているのは、全作業案件の作業精査と、作業見積を分単位の作業工程で分解することです。適正な作業工程や作業工数からの乖離の指摘、繰り返される類似作業の洗い出しと作業改善TOOLの開発検討、障害に対する恒久策の検討など、まだまだ取り組む内容は多くあります。今後も内製化を浸透させながら継続的な業務改善を続けていきたいと思います。

―まずは自社の開発案件について徹底的に細かく分析し、一つひとつの開発案件を最適なメンバーに割り当てて進めていくことが、業務改善と内製化を成功させるポイントということが分かりました。小山様、貴重なお話をありがとうございました!

UserTopics 丸投げの外製・

やみくもな内製に   隠れた“罠”を暴け

丸投げの外製・やみくもな内製に

   隠れた“罠”を暴け近年、クラウドサービスやパッケージソフトの展開と発展により、多くの企業において外部へ委託していた業務を自社に戻し、自社内にてその業務のノウハウを得ながら専門家を育成する”内製化”を視野に入れている企業が急増しています。しかしながら、内製化を進めるべきか、進める場合何から取り組めばいいのかなど、課題や悩みを抱える企業様も多くいらっしゃるのではないでしょうか?これらの疑問に対して、内製化をしたことで、2年間で約50%の運用費用の削減に成功した、株式会社ニコンシステム エンタープライズソリューション事業本部 本部長の小山勝氏に、ニコンシステム内にて実施した、内製化を含む業務改善活動についてお話を伺いました。

運用業務における総工数からの分析図1

株式会社ニコンシステムエンタープライズソリューション事業本部本部長

小山 勝 氏

運用業務の内訳 (社員) 運用業務の内訳 (ベンダー)

■ 管理業務は10%以下であるべき■ 調整業務は0%に近づけるべき■ 会議は10%以下であるべき

■ 間接業務は15%以下であるべき■ 問い合わせ対応は70%以上で あるべき

管理17%

管理6%

調整3%

会議12%

問い合わせ対応(調査を含む)56%

業務改善1% その他業務

22%調整 8%

会議14%問い合わせ対応

(調査を含む)30%業務改善

1%

その他業務30%

7

Page 8: 内製による業務自動化 - intra-mart · 2018. 10. 4. · 自分で作成した画面からロボットを動かす簡易プログラミングや、社員との名刺交換など、

―まず、ご自身について教えてください。小山:私はもともとニコン本体に在籍しており、ニコンの製品である電子回路の設計開発などを行っておりましたが、2011年よりニコンシステムに出向し、SAPのERP導入開発におけるマネジメント業務を経験し、2014年からはニコングループの情報システムにおける開発・運用を統括しながら、組織改革や開発・運用改善を中心に活動することになりました。

―内製化を実施された背景を教えてください。小山:私が配属される前までは、丸投げの外注や、やみくも

な内製でシステム開発を実施していても何となく業務は回っていたため、ニコンもニコンシステムもこれといった危機感がほぼないまま開発・運用を進めていました。しかしながら、ある大きなプロジェクトが暗礁に乗り上げたことをきっかけに、メンバー全員でなぜこの課題が発生したのかについて真正面から現状を直視し、厳しい分析を実施するよう促しました。 分析を進めていくと「ニコンシステムの役割を果たすこと」と「IT費用の適正さを検討すること」の2点についてできていないことが根本原因との結論に至りました。ニコンとベ

ンダーの間に立つニコンシステムは、つなぎ役としての立ち位置にとどまっており、プロジェクトが失敗したとしても、ベンダーや他人のせいにして同じ失敗を繰り返してしまう悪循環に陥っていました。 さらに、今まではベンダーから出てくる最安値の見積もり提案を選定しているのみにとどまっており、本当に外注すべき業務であるのか、内製で実施すべきである業務なのか、コストが最適なのかなどを十分に検討できていない状況でした。また、本番稼働を優先し、本稼働後の運用費が高止まりしていることも明らかになりました。

―内製化を進めていくにあたり、内製化をどう定義されたのか教えてください。小山:すべての開発や運用を自社でまかなうことが内製化と定義されることは多いですが、実際に自社内のリソースですべてをまかなうことは不可能です。そのためニコンシステムでは、内製化を「開発しているシステムや扱っているシステムのすべてを社員がすみずみまで把握し、品質やコスト・納期をコントロールすること」と定義し、社員がすべての開発内容と工数を把握できるように徹底しました。

―実際に実施した、内製化と業務改善への取り組みについて教えてください。小山:内製化を進めるべく、工数の分析から始めました。特に、運用業務の工数に着目して内訳を見てみたところ、社員もベンダーも実際の運用業務ではなく、管理や調整、会議などの間接業務に工数を必要以上に多く割いているというこ

とが発覚しました(図1)。さらにシステム別でも工数を分析したところ、業務システムの中には間接業務が異様に高いシステムがあることが分かりました。 次に、業務別に工数の分析を実施したところ、特定の数名の担当者が管理に多くの工数を使っていたり、特定システムの担当者だけが調整や会議に工数を使っていたりすることが分かりました。つまり、特定業務やシステムにおいて属人化している、元の担当者が退職などでいなくなりドキュメントなどもなかったため、分からないから会議を開く、ベンダーを呼ぶといった、本来であれば不要な工数がかかっていたのです。 これらの分析を基に間接工数の改善削減目標を定めた後は、実際の業務改善への取り組みを大きく2つのステージに分けて実施していきました。 ステージⅠでは、主に業務内容と労働者の生産性の最大化を軸に、①技術の価値定義、②アウトプットの最大化、③TCOの最大化、④属人化の定義と解消の4つを実施していきました。つまり、業務(技術レイヤー)ごとに値付けを実施し、各個人の技術スキルに適した業務を過不足なく割り当てることで、全体のアウトプット量を最大化するようにしました。その中で、内製する業務と外製する業務の基準を決め、業務を振り分ける作業も実施しました。さらに、「担当者が1人しかいない」「ドキュメントがない」「引き継ぎに3カ月以上要する」という3つの要素のうち2つ以上当てはまっていたら“属人化している業務”とし、これらの可視化と解消に努めました。属人化の解消方法は業務によって異なるため、パターン分けをしてパターンごとの対処法を作っていきました。これ

らの取り組みによって、ベンダーロックや退職リスクを削減していきました。 ステージⅡでは主にシステム連携の可視化を軸に約1年間(2015年~ 2016年上期)取り組みました。今まで業務システムは複雑に絡みあい可視化されていない状況だったため、障害が起きた際や新システムの要件定義を実施する際に、影響範囲を調査するのにも工数がかかる状況でした。この状況を打破するため、まずシステム相関図とそれに伴う業務フロー図を可視化するシステムを内製しました。これにより、システム連携、業務の流れ、システムのインタフェースのつながりをすべて可視化することが可能になりました(図2)。 システム連携が可視化されたことにより、障害の箇所、影響範囲、タイミングの特定が容易になったため、障害のリカバリーで30%以上の工数削減が図れました。また、システム開発の要件定義も最新のAsIs理解によってToBeのご提案も減り、結果的に約20%の工数削減を実現できました。

―この取り組みを実施した結果と効果を教えてください。小山:現状の工数を社員、ベンダー両方の観点から徹底的に分析・把握し、ステージⅠ、Ⅱにて業務およびシステムの分析と改善を実施したことで、約3年間(2014年上期~2017年上期)で全体の運用費用を約50%削減できました(図3)。会議や管理などの業務にかかっていた工数は、1年で39%から21%にまで削減でき、運用業務の本業に当てる時間を増加させられました。 さらにシステム連携と業務プロセスの相関を可視化したことで、課題~企画~開発~運用のすべてのフェーズの効率化を実現しました(図4)。

―今後の取り組みと方針を教えてください。

小山:今までは運用案件を中心に内製化の取り組みを行ってきましたが、これからは開発案件も含めてさらなる工数精査を実施していきます。具体的に実施し始めているのは、全作業案件の作業精査と、作業見積を分単位の作業工程で分解することです。適正な作業工程や作業工数からの乖離の指摘、繰り返される類似作業の洗い出しと作業改善TOOLの開発検討、障害に対する恒久策の検討など、まだまだ取り組む内容は多くあります。今後も内製化を浸透させながら継続的な業務改善を続けていきたいと思います。

―まずは自社の開発案件について徹底的に細かく分析し、一つひとつの開発案件を最適なメンバーに割り当てて進めていくことが、業務改善と内製化を成功させるポイントということが分かりました。小山様、貴重なお話をありがとうございました!

丸投げの外製・やみくもな内製に隠れた“罠”を暴けUser Topics

システム連携可視化の効果図4

システム連携可視化イメージ図2

各ステージの効果図3

システム相関図 システム間I/F図業務フロー図

記載のシステム・業務名称は架空名です。

2014上 2014下 2015上 2015下 2016上 2016下 2017上

■ その他■ 業務改善■ 問合せ対応■ 会議■ 調整■ 管理0

20

40

60

80

100

ステージⅠ ステージⅡ ステージⅢ

35%削減35%削減費用推移 40%超削減

費用推移 50%削減

システム連携の可視化と併せて、業務プロセスとの相関を把握すれば、システムの企画、開発、運用のすべてのフェーズの効率化に有効である。

ビジネス部門

業務の改善ポイントが 明確 になります

企画部門

IT戦略の検討と導入判断が 最適 かつスピーディ になります

開発部門

設計品質が 向上 し、開発作業量が 減少 します属人化解除 に向けた活動可能になります 

運用部門

障害対応、メンテナンス作業が スピーディ になります属人化解除 に向けた活動可能になります

ヘルプデスク

開発者へのエスカレーションの頻度が 減少 し、 CSが 向上 します

課題フェーズ

企画フェーズ

開発フェーズ

運用フェーズ

12

55

87

17 13.8 9 8 7 6 6

86

1 1 1

86

1 1 1

1411

9 8 7 7 6

3030.3

28 30 34 32 30

12

4 4 5 5

30

23

14 138

7

100

90

7470

5955

4955

8 9

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―まず、ご自身について教えてください。小山:私はもともとニコン本体に在籍しており、ニコンの製品である電子回路の設計開発などを行っておりましたが、2011年よりニコンシステムに出向し、SAPのERP導入開発におけるマネジメント業務を経験し、2014年からはニコングループの情報システムにおける開発・運用を統括しながら、組織改革や開発・運用改善を中心に活動することになりました。

―内製化を実施された背景を教えてください。小山:私が配属される前までは、丸投げの外注や、やみくも

な内製でシステム開発を実施していても何となく業務は回っていたため、ニコンもニコンシステムもこれといった危機感がほぼないまま開発・運用を進めていました。しかしながら、ある大きなプロジェクトが暗礁に乗り上げたことをきっかけに、メンバー全員でなぜこの課題が発生したのかについて真正面から現状を直視し、厳しい分析を実施するよう促しました。 分析を進めていくと「ニコンシステムの役割を果たすこと」と「IT費用の適正さを検討すること」の2点についてできていないことが根本原因との結論に至りました。ニコンとベ

ンダーの間に立つニコンシステムは、つなぎ役としての立ち位置にとどまっており、プロジェクトが失敗したとしても、ベンダーや他人のせいにして同じ失敗を繰り返してしまう悪循環に陥っていました。 さらに、今まではベンダーから出てくる最安値の見積もり提案を選定しているのみにとどまっており、本当に外注すべき業務であるのか、内製で実施すべきである業務なのか、コストが最適なのかなどを十分に検討できていない状況でした。また、本番稼働を優先し、本稼働後の運用費が高止まりしていることも明らかになりました。

―内製化を進めていくにあたり、内製化をどう定義されたのか教えてください。小山:すべての開発や運用を自社でまかなうことが内製化と定義されることは多いですが、実際に自社内のリソースですべてをまかなうことは不可能です。そのためニコンシステムでは、内製化を「開発しているシステムや扱っているシステムのすべてを社員がすみずみまで把握し、品質やコスト・納期をコントロールすること」と定義し、社員がすべての開発内容と工数を把握できるように徹底しました。

―実際に実施した、内製化と業務改善への取り組みについて教えてください。小山:内製化を進めるべく、工数の分析から始めました。特に、運用業務の工数に着目して内訳を見てみたところ、社員もベンダーも実際の運用業務ではなく、管理や調整、会議などの間接業務に工数を必要以上に多く割いているというこ

とが発覚しました(図1)。さらにシステム別でも工数を分析したところ、業務システムの中には間接業務が異様に高いシステムがあることが分かりました。 次に、業務別に工数の分析を実施したところ、特定の数名の担当者が管理に多くの工数を使っていたり、特定システムの担当者だけが調整や会議に工数を使っていたりすることが分かりました。つまり、特定業務やシステムにおいて属人化している、元の担当者が退職などでいなくなりドキュメントなどもなかったため、分からないから会議を開く、ベンダーを呼ぶといった、本来であれば不要な工数がかかっていたのです。 これらの分析を基に間接工数の改善削減目標を定めた後は、実際の業務改善への取り組みを大きく2つのステージに分けて実施していきました。 ステージⅠでは、主に業務内容と労働者の生産性の最大化を軸に、①技術の価値定義、②アウトプットの最大化、③TCOの最大化、④属人化の定義と解消の4つを実施していきました。つまり、業務(技術レイヤー)ごとに値付けを実施し、各個人の技術スキルに適した業務を過不足なく割り当てることで、全体のアウトプット量を最大化するようにしました。その中で、内製する業務と外製する業務の基準を決め、業務を振り分ける作業も実施しました。さらに、「担当者が1人しかいない」「ドキュメントがない」「引き継ぎに3カ月以上要する」という3つの要素のうち2つ以上当てはまっていたら“属人化している業務”とし、これらの可視化と解消に努めました。属人化の解消方法は業務によって異なるため、パターン分けをしてパターンごとの対処法を作っていきました。これ

らの取り組みによって、ベンダーロックや退職リスクを削減していきました。 ステージⅡでは主にシステム連携の可視化を軸に約1年間(2015年~ 2016年上期)取り組みました。今まで業務システムは複雑に絡みあい可視化されていない状況だったため、障害が起きた際や新システムの要件定義を実施する際に、影響範囲を調査するのにも工数がかかる状況でした。この状況を打破するため、まずシステム相関図とそれに伴う業務フロー図を可視化するシステムを内製しました。これにより、システム連携、業務の流れ、システムのインタフェースのつながりをすべて可視化することが可能になりました(図2)。 システム連携が可視化されたことにより、障害の箇所、影響範囲、タイミングの特定が容易になったため、障害のリカバリーで30%以上の工数削減が図れました。また、システム開発の要件定義も最新のAsIs理解によってToBeのご提案も減り、結果的に約20%の工数削減を実現できました。

―この取り組みを実施した結果と効果を教えてください。小山:現状の工数を社員、ベンダー両方の観点から徹底的に分析・把握し、ステージⅠ、Ⅱにて業務およびシステムの分析と改善を実施したことで、約3年間(2014年上期~2017年上期)で全体の運用費用を約50%削減できました(図3)。会議や管理などの業務にかかっていた工数は、1年で39%から21%にまで削減でき、運用業務の本業に当てる時間を増加させられました。 さらにシステム連携と業務プロセスの相関を可視化したことで、課題~企画~開発~運用のすべてのフェーズの効率化を実現しました(図4)。

―今後の取り組みと方針を教えてください。

小山:今までは運用案件を中心に内製化の取り組みを行ってきましたが、これからは開発案件も含めてさらなる工数精査を実施していきます。具体的に実施し始めているのは、全作業案件の作業精査と、作業見積を分単位の作業工程で分解することです。適正な作業工程や作業工数からの乖離の指摘、繰り返される類似作業の洗い出しと作業改善TOOLの開発検討、障害に対する恒久策の検討など、まだまだ取り組む内容は多くあります。今後も内製化を浸透させながら継続的な業務改善を続けていきたいと思います。

―まずは自社の開発案件について徹底的に細かく分析し、一つひとつの開発案件を最適なメンバーに割り当てて進めていくことが、業務改善と内製化を成功させるポイントということが分かりました。小山様、貴重なお話をありがとうございました!

丸投げの外製・やみくもな内製に隠れた“罠”を暴けUser Topics

システム連携可視化の効果図4

システム連携可視化イメージ図2

各ステージの効果図3

システム相関図 システム間I/F図業務フロー図

記載のシステム・業務名称は架空名です。

2014上 2014下 2015上 2015下 2016上 2016下 2017上

■ その他■ 業務改善■ 問合せ対応■ 会議■ 調整■ 管理0

20

40

60

80

100

ステージⅠ ステージⅡ ステージⅢ

35%削減35%削減費用推移 40%超削減

費用推移 50%削減

システム連携の可視化と併せて、業務プロセスとの相関を把握すれば、システムの企画、開発、運用のすべてのフェーズの効率化に有効である。

ビジネス部門

業務の改善ポイントが 明確 になります

企画部門

IT戦略の検討と導入判断が 最適 かつスピーディ になります

開発部門

設計品質が 向上 し、開発作業量が 減少 します属人化解除 に向けた活動可能になります 

運用部門

障害対応、メンテナンス作業が スピーディ になります属人化解除 に向けた活動可能になります

ヘルプデスク

開発者へのエスカレーションの頻度が 減少 し、 CSが 向上 します

課題フェーズ

企画フェーズ

開発フェーズ

運用フェーズ

12

55

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17 13.8 9 8 7 6 6

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5955

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内製化の背景と進め方長期的な検討が大切

 デジタルビジネスの時代、業務効率化・生産性向上・売上拡大などビジネス課題の解決にITは必要不可欠な存在となり、IT技術の進化はより一層勢いが増してきています。並行してお客様のニーズも複雑化する中で、いかにして新しい技術を自社のビジネスにスピーディに適応させるかが、企業の成長につながるポイントであり、内製化シフトの理由の一つともいえます。 内製化のメリットは、新技術へのスピーディな対応のほか、コスト削減、ノウハウの蓄積、スタッフの育成などが挙げられます。業務内容の棚卸しから計画~構築~改善までのプロセスを全て自社で行うため、社内のコミュニケーションも活発化し、技術ノウハウも蓄積でき、さらにノウハウの流出も防ぐことができます。しかし、業務をこなせる技術者の確保がまず必要となり、育成期間もかかります。アウトソーシングコストの削減を目的にしてしまうと、人材育成への投資

によって逆にコストがかかってしまうケースもあります。業務のどの部分を内製化するのか業務全体を把握し、内製化率と費用対効果、内製と外製のバランスを見ながら、長期的に検討を進めることが大切です。

企業競争力の源泉は業務全般のオートメーション化

 イントラマート社は、「企業それぞれの個性、良い部分をITで伸ばす」という思想の下、製品開発を行っています。パッケージの標準機能に業務を合わせるのではなく、お客様にとって最適な業務システムを構築できるよう多種多様な部品群(機能)を取りそろえています。これら部品群の組み合わせにより、コーディングレスのシステム開発が可能になります。さらに、ブラウザ上でドラッグ&ドロップの操作のみでWeb画面フォームを作成したり、その画面フォームをBPM/ワークフロープロセスに即座に連携させたりと、ユーザビリティにも優れています。 イントラマート製品は、このような製品体系によって、ア

ジャイルによる短期開発やお客様自身の内製化のサポートを実現しています。 以前は間接業務での活用が主流でしたが、近年では業績に直結する直接業務での活用が進み、この領域をデジタル化・自動化することが、競争力強化にもつながると考えています。内製化についても同じことがいえると思います。 イントラマート製品は、業務プロセスのデジタル化、業務全般のオペレーションの自動化を強みとしており、BPM/ワークフローをベースに様々なIT技術(RPA、AI、IoT、OCR…)と連携するデジタルトランスフォーメーション基盤を提供しています。一般的にIT技術は業務の部分的な自動化に活用され、特にRPAは比較的手軽に導入できますが、イントラマート社ではパフォーマンスの最大化を考慮し、プロセス全体を一元管理する基盤(BPM)との組み合わせによる導入を推奨しています。 このようにイントラマート社は、業務の自動化と生産性に

こだわり、企業における内製化、スピーディな業務システム構築をサポートする機能が充実しています。さらに、特定業務の課題を解決するサービスやソリューションメニューも今後拡充していく予定です。お客様の企業価値を引き出し、デジタル革新を支援する製品サービスを引き続き展開していきますので、今後もご期待ください。

戦略的に内製化を進めるためには?

システム内製化を考える

前頁のUser Topicsでご紹介したニコンシステム様のように、内製化に舵を切る企業は業界を問わず増加していますが、内製の定義や対象業務、外製とのバランスの最適化は企業ごとに異なります。内製化のメリット/デメリットを見極めながら、自社に合った方法で進めていくことが大切です。改めて内製化の背景を振り返りながら、イントラマート社の開発思想についても触れていきたいと思います。

テスト.xlsx入力.txt

入力用Excel入力用テキスト

2016/12/122016/12/12

ロジックフロー定義画面

BPMとRPAの活用例①図1

ご紹介した機能を活用した事例はイントラマートホームページに多数掲載しております。https://www.intra-mart.jp/case-study/

BPMとRPAの活用例②図2 外部サービス連携図3

デバッグ機能や設計書出力も可能

タスク一覧表示

BPMは、業務の可視化→業務遂行→分析→プロセス再構築を繰り返しながら業務改善を継続的に行っていきます。プロセスにRPAを組み込み自動化を行うことで、処理時間を大幅に短縮できます。また分析結果もビジュアルに表示させることでボトルネックが一目で分かります。

クラウド上で外部公開されているAPIや独自APIをつなぎ合わせ、ノンコーディングで業務ロジックを視覚的に作成することができる上、アプリケーションや各種外部サービス(Office365など)との連携も可能です(IM-LogicDesigner)。

ロボットを呼び出すWeb画面、処理フローはGUIツール(IM-FormaDesigner、IM-LogicDesigner)で手軽に作成可能です。

SEECHECKSEECHECKDO

PLAN ACTIONACTION

ロボット化のPDCAサイクルを管理

連携

コーディングレスでロボット呼び出し可能!

入力内容やファイルを連携

CSV xls

CSV Excel テキスト

添付ファイルIM-LogicDesigner

IM-FormaDesigner マッピング設定画面タスクの入力値や返却値をドラッグ&ドロップで設定

REST経由で呼び出し連携

 デジタルビジネス事業推進室では、多様化する顧客接点に対し、intra-mart製品や新技術を組み合わせて業務の自動化を実現する研究をしてきました。 例えば、SNSからの問い合わせに対し、AIで即座に応答しつつ、RPAで自動的に注文照会を行うような仕組みです(イメージ①)。もちろん、入り口はSNSだけでなく、メールや音声、画像と様々なチャネルを対象に取り組みを進めてきました。 もう1つ例を挙げると、小売店の在庫画像や棚の重量をリアル

タイムに分析し、在庫が少なくなるとAIが発注業務プロセスを起動、不足するのが汎用品であれば発注までRPAが自動実行する仕組みを作ったりしました(イメージ②)。 デジタルビジネス推進室は、今後も皆様の業務改革のベースとなる研究開発を行っていきます。デジタルビジネス事業推進室へのご相談やご質問事項がありましたら、「[email protected]」よりお問い合わせください。

イメージ① 注文照会業務の自動化 イメージ② 発注業務の自動化

連載 イントラマートデジタルビジネス最前線!

デジタルビジネスで実現する自動化第2回

SNS AI

IM-BPM

RPA カメラ画像 AI

重量センサー IM-BPM

RPA

SNS

SNS 重量計

購買サイトカメラSNS 業務PC

注文照会業務の自動化 発注業務の自動化

自動応答

自動注文照会 自動

注文

注文の通知

画像解析

10 11

Page 11: 内製による業務自動化 - intra-mart · 2018. 10. 4. · 自分で作成した画面からロボットを動かす簡易プログラミングや、社員との名刺交換など、

内製化の背景と進め方長期的な検討が大切

 デジタルビジネスの時代、業務効率化・生産性向上・売上拡大などビジネス課題の解決にITは必要不可欠な存在となり、IT技術の進化はより一層勢いが増してきています。並行してお客様のニーズも複雑化する中で、いかにして新しい技術を自社のビジネスにスピーディに適応させるかが、企業の成長につながるポイントであり、内製化シフトの理由の一つともいえます。 内製化のメリットは、新技術へのスピーディな対応のほか、コスト削減、ノウハウの蓄積、スタッフの育成などが挙げられます。業務内容の棚卸しから計画~構築~改善までのプロセスを全て自社で行うため、社内のコミュニケーションも活発化し、技術ノウハウも蓄積でき、さらにノウハウの流出も防ぐことができます。しかし、業務をこなせる技術者の確保がまず必要となり、育成期間もかかります。アウトソーシングコストの削減を目的にしてしまうと、人材育成への投資

によって逆にコストがかかってしまうケースもあります。業務のどの部分を内製化するのか業務全体を把握し、内製化率と費用対効果、内製と外製のバランスを見ながら、長期的に検討を進めることが大切です。

企業競争力の源泉は業務全般のオートメーション化

 イントラマート社は、「企業それぞれの個性、良い部分をITで伸ばす」という思想の下、製品開発を行っています。パッケージの標準機能に業務を合わせるのではなく、お客様にとって最適な業務システムを構築できるよう多種多様な部品群(機能)を取りそろえています。これら部品群の組み合わせにより、コーディングレスのシステム開発が可能になります。さらに、ブラウザ上でドラッグ&ドロップの操作のみでWeb画面フォームを作成したり、その画面フォームをBPM/ワークフロープロセスに即座に連携させたりと、ユーザビリティにも優れています。 イントラマート製品は、このような製品体系によって、ア

ジャイルによる短期開発やお客様自身の内製化のサポートを実現しています。 以前は間接業務での活用が主流でしたが、近年では業績に直結する直接業務での活用が進み、この領域をデジタル化・自動化することが、競争力強化にもつながると考えています。内製化についても同じことがいえると思います。 イントラマート製品は、業務プロセスのデジタル化、業務全般のオペレーションの自動化を強みとしており、BPM/ワークフローをベースに様々なIT技術(RPA、AI、IoT、OCR…)と連携するデジタルトランスフォーメーション基盤を提供しています。一般的にIT技術は業務の部分的な自動化に活用され、特にRPAは比較的手軽に導入できますが、イントラマート社ではパフォーマンスの最大化を考慮し、プロセス全体を一元管理する基盤(BPM)との組み合わせによる導入を推奨しています。 このようにイントラマート社は、業務の自動化と生産性に

こだわり、企業における内製化、スピーディな業務システム構築をサポートする機能が充実しています。さらに、特定業務の課題を解決するサービスやソリューションメニューも今後拡充していく予定です。お客様の企業価値を引き出し、デジタル革新を支援する製品サービスを引き続き展開していきますので、今後もご期待ください。

戦略的に内製化を進めるためには?

システム内製化を考える

前頁のUser Topicsでご紹介したニコンシステム様のように、内製化に舵を切る企業は業界を問わず増加していますが、内製の定義や対象業務、外製とのバランスの最適化は企業ごとに異なります。内製化のメリット/デメリットを見極めながら、自社に合った方法で進めていくことが大切です。改めて内製化の背景を振り返りながら、イントラマート社の開発思想についても触れていきたいと思います。

テスト.xlsx入力.txt

入力用Excel入力用テキスト

2016/12/122016/12/12

ロジックフロー定義画面

BPMとRPAの活用例①図1

ご紹介した機能を活用した事例はイントラマートホームページに多数掲載しております。https://www.intra-mart.jp/case-study/

BPMとRPAの活用例②図2 外部サービス連携図3

デバッグ機能や設計書出力も可能

タスク一覧表示

BPMは、業務の可視化→業務遂行→分析→プロセス再構築を繰り返しながら業務改善を継続的に行っていきます。プロセスにRPAを組み込み自動化を行うことで、処理時間を大幅に短縮できます。また分析結果もビジュアルに表示させることでボトルネックが一目で分かります。

クラウド上で外部公開されているAPIや独自APIをつなぎ合わせ、ノンコーディングで業務ロジックを視覚的に作成することができる上、アプリケーションや各種外部サービス(Office365など)との連携も可能です(IM-LogicDesigner)。

ロボットを呼び出すWeb画面、処理フローはGUIツール(IM-FormaDesigner、IM-LogicDesigner)で手軽に作成可能です。

SEECHECKSEECHECKDO

PLAN ACTIONACTION

ロボット化のPDCAサイクルを管理

連携

コーディングレスでロボット呼び出し可能!

入力内容やファイルを連携

CSV xls

CSV Excel テキスト

添付ファイルIM-LogicDesigner

IM-FormaDesigner マッピング設定画面タスクの入力値や返却値をドラッグ&ドロップで設定

REST経由で呼び出し連携

 デジタルビジネス事業推進室では、多様化する顧客接点に対し、intra-mart製品や新技術を組み合わせて業務の自動化を実現する研究をしてきました。 例えば、SNSからの問い合わせに対し、AIで即座に応答しつつ、RPAで自動的に注文照会を行うような仕組みです(イメージ①)。もちろん、入り口はSNSだけでなく、メールや音声、画像と様々なチャネルを対象に取り組みを進めてきました。 もう1つ例を挙げると、小売店の在庫画像や棚の重量をリアル

タイムに分析し、在庫が少なくなるとAIが発注業務プロセスを起動、不足するのが汎用品であれば発注までRPAが自動実行する仕組みを作ったりしました(イメージ②)。 デジタルビジネス推進室は、今後も皆様の業務改革のベースとなる研究開発を行っていきます。デジタルビジネス事業推進室へのご相談やご質問事項がありましたら、「[email protected]」よりお問い合わせください。

イメージ① 注文照会業務の自動化 イメージ② 発注業務の自動化

連載 イントラマートデジタルビジネス最前線!

デジタルビジネスで実現する自動化第2回

SNS AI

IM-BPM

RPA カメラ画像 AI

重量センサー IM-BPM

RPA

SNS

SNS 重量計

購買サイトカメラSNS 業務PC

注文照会業務の自動化 発注業務の自動化

自動応答

自動注文照会 自動

注文

注文の通知

画像解析

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「IMPress」2018年9月発行第46号 第1版 年4回発行株式会社 NTTデータ イントラマート 社外報本誌に記載されている社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。

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