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アジア・日本の成長と 金融インフラ ーグローバル化と情報技術革新を踏まえて 2017年6月12日 日本銀行決済機構局長 山 岡 浩 巳

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アジア・日本の成長と 金融インフラ

ーグローバル化と情報技術革新を踏まえて

2017年6月12日

日本銀行決済機構局長

山 岡 浩 巳

資料44

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1. アジアの成長持続に向けて

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19世紀後半~20世紀前半の停滞を取戻すアジア

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アジアは戦後ほぼ一貫して世界の成長センター

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確かに、アジアにはまだ発展機会は多い

https://commons.wikipedia.org/wiki/File:East_Asia_at_night_by_VIIRS.jpg 5

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しかし、大経済圏は中所得国⇒高所得国の段階

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先行き、少子高齢化・経済成熟化が急速に進行

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アジア諸国の高所得化と安定成長への移行

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一人当たり所得

成長率

成熟経済

成長経済

アジアの経済展望...

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一人当たり所得

成長率

成熟経済

成長経済

投資

与信 アジア

先進国

アジア

投資

与信

リターン

...および金融展望

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「スロー・トレード」

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何が求められているのか?

アジアの貯蓄をアジアで有効活用できる金融インフラ

・銀行の信用仲介を強化するとともに、資金仲介の選択肢を増やす

(現地通貨建て債券市場等)⇒アジアの金融市場安定化にも貢献

・東京はアジアの金融ハブとして、重要な役割を果たせるはず

(⇒東京金融市場の国際化)

クロスボーダー取引に対応できる金融インフラ

・アジアでのサプライチェーン構築、消費地としてのアジア

⇒クロスボーダー送金、アジア全域での一元的な資金管理

セーフティ・ネットの役割を果たせる金融インフラ

・日本経済の成熟化の中、日本の金融機関はアジアでの活動を拡大

⇒現地通貨での流動性調達に寄与する金融インフラなど

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アジアのインフラへの潜在的需要は大きい

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金融インフラ整備は、日本にとっても決定的に重要

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金融インフラ整備は、日本にとっても決定的に重要

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2. 金融インフラと日本銀行

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70年代

80年代

90年代

00年代

10年代

20年代

アジア・米欧の金融危機と国際規制の強化

金融の自由化・国際化、国債発行の増加

全銀システム稼動(1973)

国債振決制度整備(1980)

日銀ネット当預系稼動(1988)

日銀ネット国債系稼動(1990)

証券保管振替機構開業(1991) 国債DVP決済開始(1994)

国債ローリング決済へ(1996)

日銀ネットRTGS化(2001)

CLSの外為同時決済開始(2002)

日銀ネットに流動性節約機能導入(2008)

全銀システムのあり方に関する検討(2014)

ASEAN+3が域内決済システムの接続を提言(2014)

新日銀ネットの全面稼動(2015)

日銀ネットの稼動時間を21時までに延長(2016)

円の金融インフラの主な動き

効率性向上

(処理量の拡大) 安全性向上

(リスクの削減)

一段のグローバル化・IT化

証券清算機関の開業・DVP化 (2003~05)

円の金融インフラ整備の取り組み

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新しい日銀ネット

新日銀ネットは、①最新の情報処理技術を採用し、②変化に対して柔軟性が高く、

③アクセス利便性の高いシステム。

(a)担保利用効率の向上、(b)資金効率の向上、(c)国債決済の円滑化、等のメリット

新日銀ネットは、稼動時間の大幅な拡大が可能となるシステム基盤。

稼動時間拡大により、海外市場との決済時間帯との重なりが増え(アジアの日中時

間をほぼカバー)、クロスボーダーでの円資金・国債決済の迅速化が実現される。

日本銀行は引続き、日銀ネットの有効活用について、関係者と議論を深めていく。

新日銀ネットは、2015年10月13日に全面稼動を開始

2016年2月15日には稼動時間を拡大(~19時 → ~21時)

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企業のクロスボーダー送金と日銀ネット

事業法人A社

(海外)

事業法人B社

(日本)

金融機関X

(海外)

金融機関Xの口座

金融機関Yの口座

金融機関Y

(日本)

日本銀行「日銀ネット」

③直ちに振替

②振替指示 ④振替連絡

①送金依頼 ⑤着金通知

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日銀ネットの夜間利用例(1)

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日銀ネットの夜間利用例(2)

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企業へのアンケート調査 (本年2~3月に実施、回答企業数170社)

夕方・夜間の 円建てクロスボーダー 送金への 潜在的ニーズの有無

業種別内訳

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日銀ネット稼動時間拡大のロードマップ

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「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」

■ 「日銀ネットの有効活用に向けた協議会」は、稼働時間の拡大を含めた日銀ネッ

トの有効活用について、関係者と議論を行う場。

― 現在、26の金融機関と9の業界団体で構成。事務局は日本銀行決済機構局。

■ この協議会の下に3つのワーキンググループを設置し、フェーズⅠ(21時までの

稼動時間拡大、16年2月に実施済み)の取引活性化、フェーズⅡ(さらなる稼働時

間拡大)に向けた課題や対応などについて、検討・議論を行っている。

― 協議会に関する情報は、日本銀行ウェブサイトに、以下の通り掲載。

【全般】 http://www.boj.or.jp/paym/bojnet/net_forum/index.htm

【議事概要】 http://www.boj.or.jp/bojnet/newbojnet/kyougikai/htm

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「グローバル・アクセス」と将来像

A行欧州現法

欧州

A行本店 ステータスの端末

A銀行本店の決済に関し、例えば、ロンドン時間にロンドン現法で:

・ロンドン市場の取引マージンとして欧州清算機関に日本国債を即時で差入れ

・円建て顧客送金

日銀ネット

A行本店 ステータスの端末

A行本店

日本

A行NY支店

A行本店 ステータスの端末

A銀行本店の決済に関し、例えば、NY時間にNY支店で:

・NY市場のドル/日本国債のクロスカレンシーレポで相手方に日本国債を即時で差入れ

米国

A行本店口座

JPY JPY JPY JGBs JGBs JGBs

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各国金融機関の国際与信

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邦銀の海外向け貸出

3メガ行の地域別海外貸出残高 邦銀の地域別国際与信シェア

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外貨(ドル資金)の調達環境

ドル資金(1年物)調達プレミアム 本邦勢の円投額

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邦銀のアジア向け与信

邦銀の通貨別アジア向け与信 大手行の通貨別貸出残高と預貸率

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中銀間スワップ(日銀と豪準銀の事例)

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クロスボーダー担保

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00

日本

アジア

銀行A 銀行B

日銀ネット当預系

日本円

銀行A 銀行B

日銀ネット国債系

日本国債

銀行A 銀行B アジア通貨

銀行A 銀行B

証券決済システム

アジア債券

ケース1 ケース2

中銀RTGSシステム

銀行A 銀行B

日銀ネット当預系

日本円 銀行A 銀行B

日銀ネット国債系 日本国債

クロスボーダーDVP

国内DVP

クロスボーダーDVPリンク

アジア通貨

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DVP 中銀マネー(RTGS) DVP

DVP

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ASEAN+3のCSD-RTGSリンク構築に向けた ロードマップ

構築フェーズ1

2015-2016

構築フェーズ2

2017-2018

構築フェーズ3

2019-2020

統合フェーズ

2020-

標準的なメッセージ

フロー・項目の決定

基本的な

ユーザー要件

の特定

CSD-RTGSリンク

の開発

具体的なユーザー

要件およびシス

テム設計の決定、

コーディング、

テストの実施

CSD-RTGSリンク

の実現

CSD-RTGS リンク

の稼動開始

統合的な接続方式

の実現

中央ハブの設置、

各国のCSD、

RTGSシステムと

中央ハブとの接続

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証券決済の短縮化

米 国 英 国 フランス ドイツ 日本

株式等

現 状 T+3 T+2 T+2 T+2 T+3

短縮化

の動き

2017年第 3四

半期を目標に

T+2化を実施予

定。

2014 年 10 月 に 短 縮 化

(T+2)を実施。 -

2019年中の

なるべく早い

時期を目標に

T+2化を実施

予定。

国債注1

現状 T+1 T+1 T+2 T+2 T+2

短縮化

の動き - -

2014 年 10

月 に T+2 化

を実施。

2018年度5月

1日よりT+1化

を実施予定。

(注1)アウトライト取引

(出所)日本証券業協会、European Central Securities Depositories Association, Industry Steering Committee

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3. 情報技術革新と金融インフラ

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“FinTech”の新要素

ブロックチェーン・分散型台帳(Distributed Ledger)

・「ビットコイン」とともに、新たに登場

・インターネット環境の中で、皆が同じ帳簿を共有

AI(人工知能)、ビッグデータ分析

・一人一人に向けた金融サービスの提供(例:お年寄りの詐欺防止)

・その他、マネロン対策やコスト削減など、幅広い応用の可能性

スマートフォン

・金融インフラが未発達の途上国・新興国を含め、世界中で急速に普及

・「一人一台」のツールであるスマホが、金融の新たなアクセス手段に

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FinTechの時代的背景

サトシ・ナカモト論文 (2008年)とビットコイン

・「ブロックチェーン」や「分散型台帳技術」の登場

AI(Deep Learning)も急速に発達

・医療や顧客分析、気象予測など幅広い応用と、金融との相互作用

iPhone登場(2007年)

・スマホが、店舗やATMに代わる金融サービスへの新たな接点に

リーマンショック(2008年)と世界金融危機

・米欧の公的資本注入(⇒挑戦者を歓迎)、世界的な金融規制強化

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情報技術革新とアジア

アジアは、情報技術革新の恩恵を得やすい立場。

相対的に高いITリテラシー

急速に普及したスマホ・インターネット

多い人口、大きな金融サービスの伸びしろ

⇒日本の課題(経済成熟化・人口減少による市場の伸びしろ

の制約、「グローバル・スタンダード」の不足(ガラパゴス)

などは、アジアとの連携を通じて乗り越えられる部分も。

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(注)カード決済金額は、クレジットカード、デビットカード、電子マネーによる決済金額の合計。

0

2

4

6

8

10

12

電子マネー

デビットカード

クレジットカード

2.8

(枚/人)

7.7

(注)1. 一枚のカードで複数の機能が利用可能な場合、重複して計上されているほか、国・地域によっては入手出来ていない一部カードの計数が欠損している。

2. 2015年計数が存在しない場合、2014年計数を使用。3. デビットカードには、ディレイドデビットカードを含む。

一人当たりカード保有枚数

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(注)カード決済金額は、クレジットカード、デビットカード、電子マネーによる決済金額の合計。

(注)1. 一枚のカードで複数の機能が利用可能な場合、重複して計上されているほか、国・地域によっては入手出来ていない一部カードの計数が欠損している。

2. 2015年計数が存在しない場合、2014年計数を使用。3. デビットカードには、ディレイドデビットカードを含む。

カード決済金額の対GDP比率

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

2011 2012 2013 2014 2015

中国ドイツ日本韓国ロシアサウジアラビア南アフリカスウェーデンスイス英国米国

(%)

(資料)国際決済銀行 40

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FinTechは、既にアジアにかなりの影響

金融包摂(Financial Inclusion)

・従来金融インフラ(銀行店舗、ATMなど)が未発達だった国々(中国、インド等)

でも、携帯電話やスマホ、インターネットを通じた各種の金融サービスが急速に

普及(中国のWeChatPayは9億人近いユーザー)。

― レガシーインフラがないことが、プラスに働くケースも。

産業・ビジネスの新たな結合と発展

・ Alibaba(AliPay), TenCent (WeChatPay)など巨大企業も金融分野に参入。

アジアの人口・購買力と金融とを結び付け、新たな成長の核に。

FinTech投資資金の流入

・米国などのFinTech投資に成熟感もみられる中、今やアジアがFinTechの

主要な投資ターゲット(⇒アジアの成長可能性への高い関心を反映)。

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インフラ面での新たな課題 インフラを巡る国際競争の激化

・ 人民元取引のインフラ、イスラム金融のインフラ、等

資産形成を支えるインフラ

・ 「貯蓄⇒投資」を支えるインフラ、Fiduciary Duty、ロボアドバイザー

オープン・イノベーションや異業種連携を支えるインフラ

・ オープンAPI、IoT、

インフラの分散化、軽量化、機動化、合理化

・ クラウド、ブロックチェーン、分散台帳技術(DLT)、AI、スマホの活用等

情報・データ(ビッグデータ)を活用できるインフラ

・ 金融EDI、プライバシー確保とデータ活用の両立、サイバー攻撃対応

規模の利益、スケーラビリティを確保できるインフラ

・ グローバルスタンダードの意識、アジアとのネットワーク43

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東大・日銀共催コンファレンス 「フィンテックと貨幣の将来像」(2016年11月18日)より

ビットコインのような仮想通

貨が使われることを巡る論

点は、理論的には、外貨が

使われることを巡る論点に

類似(例:インフレ国の

dollarization問題)。

かつて、日本国内で外貨建取引を行うコストは相当に高かったが、最近では情報技

術革新や外国人観光客の増加、国際的企業の増加、クレジットカードの利用増など

の下、日本国内で外貨建取引を行うコストもかなり低下してきているように思われる。

― したがって、円の使い勝手向上に努めなければ外貨に負けていく可能性も、相応に考えなければならなくなってきている。

― 中央銀行の側でも、中銀マネーの使い勝手を高めていく努力が求められている。①中銀決済システムへのブロックチェーンの応用、②中銀による証券決済DVP等への一段のサポート、③中銀デジタル通貨も、このような問題意識から理解できる。、

(http://www.boj.or.jp/announcements/release_2016/data/rel161201a8.pdf)

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金融インフラの分類と変遷

(出典)柳川範之、山岡浩巳「ブロックチェーン・分散型台帳技術の法と経済学」

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アジア・日本の成長を支えるインフラ

円を用いながらグローバルに活動する企業をサポート!

国境を越えたeconomies of scaleを実現!

インフラで様々な活動を繋ぐ! (⇒新たなeconomies of scope)

海外から日本に訪れる人々の利便に貢献!

新しい情報技術のメリットを活かしていく!

インフラへの「信頼」は、しっかり確保していく!

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日本銀行中曽副総裁「中央銀行決済システムの将来」(2017年4月21日)より抜粋

昨今の経済のグローバル化や情報技術革新の中、中央銀行は、「時間」と「空間」の両方の次元で、中央銀行マネーによるファイナリティのある決済を、経済社会にどこまで踏み込んで提供していくべきかという、チャレンジングな政策課題に直面しています。

経済のグローバル化に伴い国境を越えた経済活動が一段と増加する中、複数国で活動する企業が流動性管理を一元的に行おうとする具体的な動きなどがみられています。これらは、夜間も含めた新たな海外送金のニーズなどに結び付くものと考えられます。

金融機関もクロスボーダーでの活動を積極化する中、とりわけ邦銀にとって、外貨流動性の調達はますます重要な課題となっています。さらに、近年の世界金融危機の経験は、金融のグローバル化の下では流動性危機も国境を越えて伝播し得ることを示しました。

リテール決済の面でも、深夜や週末の経済活動が増加する中、「24/7即時送金」と呼ばれる、いつでも即時の送金ができるインフラの構築が

各国で進められています。これに伴って民間銀行などの間に深夜や週末に溜まる未決済残高については、担保や与信限度額の設定などで対処することも考えられますが、中央銀行が「時間」の面でさらに踏み込んだ対応をし、週末や夜間もファイナリティある決済を提供していくという選択肢も考えられます。

最近では、「中央銀行が自ら、銀行券を代替するデジタル通貨を発行してはどうか」といった議論も出ています。

中央銀行デジタル通貨の議論は、「銀行券」だけではなく、「中央銀行決済システム」のあり方にも関わるものです。すなわち、中央銀行によるデジタル通貨の発行は、中央銀行決済システムへのアクセスを時間・空間の両面で大幅に拡大し、銀行券を機能的に完全に代替するような極端なケースでは、中銀口座を全ての人に1年365日、1日24時間提供するのと似た効果を持つことにもなるからです。海外では、このような中央銀行デジタル通貨について、検討や調査研究を始める中央銀行も現れています。

さらに、世界的なフィンテックの潮流の中、米国のPayPalや中国のWeChatPayなど、ノンバンク企業が決済分野で大きなプレゼンスを占める

ケースも増加しています。このように、決済サービスを提供するプレーヤーにも変化が生じている中、自らの決済システムへのアクセスをいかなる主体に認めていくべきか、改めて検討に着手する海外中央銀行もみられています。

日本銀行は、1980年代の日銀ネットの構築、その後の即時グロス決済の導入や流動性節約機能の導入など、自らが提供する決済インフラの高度化に努めてきており、2015年には新しい日銀ネットの全面稼動を開始させました。現在、経済のグローバル化や情報技術革新の潮流

の中で、決済インフラも大きな環境変化に直面している訳ですが、日銀ネットは、このような新たな時代にも十分に対応可能なインフラであると自負しています。

フィンテック企業など新しい決済のプレーヤーが登場し、また、決済に伴うビッグデータが新たな付加価値の源泉として注目される中、この問題は、従来の「中央銀行マネーと商業銀行マネー」に、さらにフィンテック企業など新しいプレーヤーが提供する、「情報伝達機能」を伴う支払決済手段も加わり、一段と複雑化しています。

中央銀行の決済インフラは、経済の根幹を支えるものであるだけに、セキュリティの確保には細心の注意が必要です。

日本銀行はこれまでも、時間・空間の両面から、自らの決済インフラの望ましい提供のあり方について検討を重ねたうえで、具体的な対応を採ってきています。まず「時間」の面では、昨年2月に日銀ネットの稼動時間を夜9時まで延長しており、今後とも望ましい稼動時間のあり方について検討を続ける考えです。また「空間」の面では、本日、日銀ネットへの海外端末からのアクセス、すなわち「グローバル・アクセス」を認めていく方針を対外公表しております。

日本銀行は今後とも、経済社会の変化に応じて、その時々で最善の機能を提供できるよう自らの決済インフラを進化させていく努力を続けていく所存です。 47

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日本銀行FinTechセンター設立

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欧州中央銀行(ECB)との共同調査

分散型元帳技術に関する欧州中央銀行との共同調査について 2016年12月7日

日本銀行決済機構局

欧州中央銀行市場インフラ決済総局と日本銀行決済機構局は、金融市場インフラへの分散型元帳

技術の応用可能性を調査するための共同プロジェクトを立ち上げることについて合意した。このプロ

ジェクトの主な研究成果は来年を目途に公表する予定である。

ECBメルシュ理事講演(2016年12月6日)より(本行との共同調査関連)

―“Distributed Ledger Technology: role and relevance of the ECB” (12/6)

•ECBは、現時点では、自ら運営しているインフラにDLTを応用する考えはない。

•しかしながらECBは、DLT等の技術が十分に証明され民間での応用が進んだ段階においては、これらの技術を取り入れ

ていくことにオープンであり、このような考え方に立って、DLTの動向をフォローし評価していく。このような評価活

動の中では、とりわけ、ECBの運営する中銀決済システムであるTARGET2・T2Sと同等かそれ以上のサービスをDLTで提供

することが可能かどうかが論点。この評価を行っていく上で、ECBは、具体的な課題(例:DLTのスマートコントラクト

を通じた流動性節約機能が実現可能か否か)に注目していく。

•このような取り組みを進めるため、ECBは国際的な協力も行う。ECBは、日本銀行との共同リサーチプロジェクトに着

手し、金融市場インフラへのDLTの応用可能性について研究を進めることに合意した。このプロジェクトの主要な研究

成果は来年公表される予定である。

•このプロジェクトは、新しい技術が今日のグローバルな金融エコシステムをどのように変えるのかに関する理解を促

し、また、中銀がそうした事態に十分に備えることを可能とするであろう。ECBは日本銀行と協力し、よりグローバル

な文脈で、DLTが将来的に中銀サービスに応用できる余地があるかどうか、さらに追求していく。49

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