張 亜
中間試験
電気電子工学科学習支援室
2019.12.13(金)
時間:90分点数:40点範囲:12.6まで講義内容
図1
図1のような、単振り子を考える。おもりの質量をm、紐の長さをl、紐と鉛直線のなす角をθ(右向きを正とする)、重力加速度をg、空気の粘性抵抗係数をCとする。時刻t = 0とき、θ = 0、おもりは速さV0で右向きに動いていたとする。θは十分小さいとして(sin θ ≈θ)、m, l, θ, g,
C, V0, tのうち適切な記号を用いて以下の各問に答えよ。(1)おもりの運動方程式を答えよ。
(2) C=0時、時刻t(t > 0)のθを求めよ。
(3)この単振り子が臨界減衰となる時の粘性抵抗係数Cをm, l, gを用いて表せ。
小テスト
図1
(1)おもりの運動方程式を答えよ。
小テスト
mg
S
2
2
2
2
2
2
2
2
sin
,
sin
sin 0,sin
0
ma mg CV
d dV l a l
dt dt
d dml mg Cl
dt dt
d C d g
dt m dt l
d C d g
dt m dt l
ma F
図1
(2) C=0時、時刻t(t > 0)のθを求めよ。
小テスト
mg
S
2
2
0
00
0
0
cos sin
0, (0) 0,
0, ,
sin
d g
dt l
g gA t B t
l l
dt l V
dt
VgA lB V B
l gl
V gt
lgl
図1
(3)この単振り子が臨界減衰となる時の粘性抵抗係数Cをm, l, gを用いて表せ。
小テスト
mg
S
2
20
d c d g
dt m dt l
特徴方程式
臨界減衰となる時2
4 0, 4 2c g g g
c m mm l l l
2
2
1,2
0
( ) 4
2
c g
m l
c c g
m m l
減衰振動について練習
問題 図のように、なめらかな水平な床の上で一端を固定したばね定数kのばねに質量mのおもりを繋いだ。ばねを自然長からaだけ伸ばして初速度0で静かに手を離した。おもりの変位をx、空気粘性抵抗をCとする。ばねは自然長であるとき、x=0として、以下の各問に答えよ。
(1) 変位はxに比例した復元力は( )である。
速度vに比例した粘性抵抗力は( )である。
おもりの運動方程式は( )
m
X
k
O
a
減衰振動について練習
問題 図のように、なめらかな水平な床の上で一端を固定したばね定数kのばねに質量mのおもりを繋いだ。ばねを自然長からaだけ伸ばして初速度0で静かに手を離した。おもりの変位をx、空気粘性抵抗をCとする。ばねは自然長であるとき、x=0として、以下の各問に答えよ。
(1) 変位はxに比例した復元力は( -kx )である。
速度vに比例した粘性抵抗力は( -CV )である。
おもりの運動方程式は( )
m
X
k
O
a
dt
dxCkx
dt
xdm
2
2
減衰振動について練習
(1) 変位はxに比例した復元力は( -kx )である。
速度vに比例した粘性抵抗力は( -CV )である。
おもりの運動方程式は( )
この方程式は正方向とは関係がない
(a) 右方向は正方向、x=a (a>0)
ばねの力が左に(負)-ka
m
X
k
O
a
dt
dxCkx
dt
xdm
2
2
減衰振動について練習
(1) 変位はxに比例した復元力は( -kx )である。
速度vに比例した粘性抵抗力は( -CV )である。
おもりの運動方程式は( )
この方程式は正方向とは関係がない
(b) 左方向は正方向、x=a (a<0)
ばねの力が左に(正)-ka
m
X
k
O
a
dt
dxCkx
dt
xdm
2
2
減衰振動について練習
(1) 変位はxに比例した復元力は( -kx )である。
速度vに比例した粘性抵抗力は( -CV )である。
おもりの運動方程式は( )
粘性抵抗力も正方向とは関係がない
おもりが右向き
(a) 右向きは正方向、v>0
粘性抵抗力が左に(-)-CV
(b)左向きは正方向、 v<0
粘性抵抗力が左に(+)-CV
m
X
k
O
a
dt
dxCkx
dt
xdm
2
2
今週の宿題
電気電子工学科学習支援室
点数:5点教科書:永田一清著「新・基礎力学」(サイエンス社)p76 第4章演習問題 [8]、[9]、 [10]p93 第5章演習問題 [4]
A4レポート用紙(複数枚の場合は左上をホチキス止め)に解答せよ。
解答後、巻末の演習問題解答を見て自己採点し、間違えた問題は赤字で正しい解答をレポート用紙に書き加えよ。
提出期限:11月29日(金)講義の時(前或は後)
7. 角運動量とその保存則
7.1 ベクトルのベクトル積
7.2 力のモーメント
7.3 角運動量
7.4 運動方程式の角運動量積分
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
7.2 力のモーメント
問題 体重90 kgのF君と体重50 kgのN君が年甲斐もなくシーソーで遊んでいる。シーソーの板は長さ6 m、質量60 kgの一様な材質で出来ている。以下の各場合についてシーソーがつり合うときのシーソーの支点とF君との距離を求めよ。(1) シーソーの支点は板の中央にあり、F君が中央に近づく場合
(2) 2人は板の両端に座り、シーソーの支点を中央からずらす場合
7.2 力のモーメント
問題 体重90 kgのF君と体重50 kgのN君が年甲斐もなくシーソーで遊んでいる。シーソーの板は長さ6 m、質量60 kgの一様な材質で出来ている。以下の各場合についてシーソーがつり合うときのシーソーの支点とF君との距離を求めよ。(1) シーソーの支点は板の中央にあり、F君が中央に近づく場合
d
35090 gdg )(3
5md
力のモーメントのつり合い
90g(N)50g(N)
3(m)
7.2 力のモーメント
問題 体重90 kgのF君と体重50 kgのN君が年甲斐もなくシーソーで遊んでいる。シーソーの板は長さ6 m、質量60 kgの一様な材質で出来ている。以下の各場合についてシーソーがつり合うときのシーソーの支点とF君との距離を求めよ。(2) 2人は板の両端に座り、シーソーの支点を中央からずらす場合
)3(60)6(5090 dgdgdg
d
)(5
12md
90g 60g 50g
6-d
3-d
力のモーメントのつり合い
7.2 力のモーメント
原点Oのまわりの力のモーメント(トルク)
定義: FrN
1 2 1 2
sin
0 0
( )
r F r F e
r F F r
r F
r F F r F r F
ベクトルの外積
Or
F
θ
sinr F e
7.2 力のモーメント
原点Oのまわりの力のモーメント(トルク)
定義: FrN
zyx FFF
zyx
kji
eFrFr
sin
ベクトルの外積
kji ,, :x, y, z方向の単位ベクトル
Or
F
θ
sinr F e
7.2 力のモーメント
sin
( ) ( ) ( )
x y z
y z x yz x
z y x z y x
x y z
F F F
y z x yz x
F F F FF F
yF zF zF xF xF yF
r F r F e
i j k
i j k
i j k
e
kji ,, :x, y, z方向の単位ベクトル
:rからFへ向かって右ねじが進む向きの単位ベクトル
Or
F
θ
sinr F
7.2 力のモーメント
原点Oのまわりの力のモーメント(トルク)
O
r
F
Or
F
O
F
r
FrN
θ
Fsinθ
物体を原点Oのまわりに回転させる能力を表す物理量
FrN
sinFrN
0N
7.3 角運動量
原点Oのまわりの角運動量(運動量のモーメント)
定義: vrprL m
O r
p
zyx ppp
zyx
kji
eprpr
sin
ベクトルの外積
θ
psinθ
e
kji ,, :x, y, z方向の単位ベクトル
:rからPへ向かって右ねじが進む向きの単位ベクトル
7.3 角運動量
問題 質量mの質点が以下の運動をしているとき、原点O
のまわりの角運動量を求めよ。(1) xy平面内で直線y= C(定数)に沿って、x軸方向に速度vで運動している。(2) yz平面内で原点Oを中心にx軸の正側から見て時計回りに半径Rの円周上を角速度ωで円運動している。(3) x軸に沿って原点Oから速度vで離れている。
TA
y
xO
C
v
r
z
O
yx
r v
R
y
xO
C
vr
7.3 角運動量
(1) xy平面内で直線y= C(定数)に沿って、x軸方向に速度vで運動している。
0,,)( 0 Cvtxt r
0,0,)()( mvtmt vp
y
xO
C
v
r
位置ベクトル
運動量ベクトル
角運動量ベクトル
Cmvttt ,0,0)()()( prL
直線運動していても角運動量はゼロとは限らない
TA
7.3 角運動量
(2) yz平面内で原点Oを中心にx軸の正側から見て時計回りに半径Rの円周上を角速度ωで円運動している。
)sin(),cos(,0)( 00 tRtRtr
)cos(),sin(,0
)()(
00
tmRtmR
tmt vp
位置ベクトル
運動量ベクトル
角運動量ベクトル
0,0,)()()( 2mRttt prL
z
O
yx
r v
R
座標軸の取り方に注意
TA
7.3 角運動量
(3) x軸に沿って原点Oから速度vで離れている。
0,0,)( 0 vtxt r
0,0,)()( mvtmt vp
y
xO
C
vr
位置ベクトル
運動量ベクトル
角運動量ベクトル
0,0,0)()()( ttt prL
rベクトルとpベクトルが平行なので角運動量はゼロ
TA
7.4 運動方程式の角運動量積分
運動方程式: Fp
Fv
Fr
dt
d
dt
dm
dt
dm ,,
2
2
NFrp
r dt
d
両辺に位置ベクトルrを掛けてベクトル積をつくると、
力のモーメント
prL ここで、角運動量 の時間微分を考える
dt
d
dt
d
dt
d
dt
d prp
rpr
L
7.4 運動方程式の角運動量積分
Npr
prL
dt
d
dt
d
dt
d
右辺第1項: 0vvpvpr
mdt
d
従って、 が成り立つ。d
dt
LN 回転の運動方程式
角運動量の時間変化の割合は力のモーメントに等しい
に似ている。Fp
dt
d
2 dm ml
dt
m C
L r p r v e
N r g r v
7.4 運動方程式の角運動量積分
振り子の運動方程式が角運動量で考えればどうなるか
の向きと の向きは反平行r p
r p
mgmr g
e: rからPへ向かって右ねじが進む向きの単位ベクトル
図1
2
2
22 2
2
2
2
( sin )
( sin )
sin
dm ml
dt
dm C mgl cl
dt
d d dml mgl cl
dt dt dt
d g c d
dt l m dt
L r p r v e
N r g r v e
LN e e
7.4 運動方程式の角運動量積分
振り子の運動方程式が角運動量で考えればどうなっているか
d
dt
LN と は等価である。F
p
dt
dは一致する
7.4 運動方程式の角運動量積分
問題 長さaの質量の無視できる細い棒の一端を原点Oに固定し、もう一方のはしに質量mのおもりを取り付け、XY
平面内を自由に回転できるようにした。原点Oのまわりの力のモーメントN = (0, 0, N)をおもりに5秒間与えたときのおもりの(線)速度vを求めよ。ただし、はじめおもりは静止していたとする。
NL
dt
dprL
7.4 運動方程式の角運動量積分
問題 長さaの質量の無視できる細い棒の一端を原点Oに固定し、もう一方の端に質量mのおもりを取り付け、XY平面内を自由に回転できるようにした。原点Oのまわりの力のモーメントN = (0, 0, N)をおもりに5秒間与えたときのおもりの(線)速度vを求めよ。ただし、はじめおもりは静止していたとする。
N
r F
Z
O
N = r×F
a
7.4 運動方程式の角運動量積分
問題 長さaの質量の無視できる細い棒の一端を原点Oに固定し、もう一方の端に質量mのおもりを取り付け、XY平面内を自由に回転できるようにした。原点Oのまわりの力のモーメントN = (0, 0, N)をおもりに5秒間与えたときのおもりの(線)速度vを求めよ。ただし、はじめおもりは静止していたとする。
N
r F
Z
O
N = r×F
NL
dt
d
Ndt
dL
dt
dL
dt
dL zyx ,0
Nmva 5Lma
Nv
5
00 L より、5秒後の角運動量は
NLLL zyx 5,0
a
回転の運動方程式
7.4 角運動量保存則
0L
dt
d
角運動量保存則
d
dt
LN回転の運動方程式
力のモーメントは0の場合、 、角運動量Lは時間に依らず一定である。
依って、 角運動量Lは時間に依らず一定
7.4 角運動量保存則
0L
dt
d
力のモーメント
角運動量保存則
Fが中心力のとき:r
rfr
F )(
r方向の単位ベクトル
スカラー量
0r
rFrN r
rf )(
Fとrが常に平行または反平行
7.4 角運動量保存則
問題 ポテンシャルエネルギーV(x, y, z)が次のように与えられた時、位置座標(x, y, z)にある質量mの質点に働く力F
および原点Oのまわりの力のモーメントNを求め、角運動量保存則が成り立つか否か調べよ。(1) V(x, y, z) = -kxy ただしkは定数(2) V(x, y, z) = -C/r ただしrは原点Oと(x, y, z)との距離、C
は定数
, ,V V V
Vx y z
F
7.4 角運動量保存則
問題 ポテンシャルエネルギーV(x, y, z)が次のように与えられた時、位置座標(x, y, z)にある質量mの質点に働く力Fおよび原点Oのまわりの力のモーメントNを求め、角運動量保存則が成り立つか否か調べよ。(1) V(x, y, z) = -kxyただしk≠0は定数
0,,,, kxkyz
V
y
V
x
VV
F
22,,
0
kykxkzykzx
kxky
zyx
kji
FrN
0N より、角運動量は保存しない。
N
L
dt
d
7.4 角運動量保存則
問題 ポテンシャルエネルギーV(x, y, z)が次のように与えられた時、位置座標(x, y, z)にある質量mの質点に働く力Fおよび原点Oのまわりの力のモーメントNを求め、角運動量保存則が成り立つか否か調べよ。(2) V(x, y, z) = -C/rただしrは原点と(x, y, z)との距離、C≠0は定数
zyxr
C
z
V
y
V
x
VV ,,,,
3
F
0FrN
角運動量は保存する。
rとFが平行(中心力)ならば、角運動量は保存する。
このような力を中心力という。
万有引力は中心力である。
そして保存力である。
ポテンシャルエネルギーは
F a r r
3
MmF G r
r
MmU G
r
2
2 3
d r MmF m G r
dt r
7.4 角運動量保存則
次回:惑星の運動 ケプラーの法則
原点Oを振り子の支点に取る。
sin , cos ,0 r l l
θ
mg
l
X
Y
O
cos , sin ,0
d dp ml ml
dt dt
20,0,
L r p
dml
dt
7.4角運動量とその保存則
振り子が振動している時の原点Oに回る角運動量
・角運動量はz成分のみである。・振り子は往復振動するから、
は時間変化する。
だから振り子の角運動量は保存しない。
20,0,
L r p
dml
dt
d
dt
θ
mg
l
X
Y
O
7.4角運動量とその保存則
重力のモーメント
だから振り子の力のモーメントは
角運動量の時間変化は
両者は確かに一致する。
0,0, sin N r F mgl
0, ,0 F mg
θ
mg
l
X
Y
O
sin , cos ,0 r l l
2
2
20,0, 0,0, sin
d L dml mgl
dt dt
7.4角運動量とその保存則
振り子を振る力は鉛直下方向き。支点から質点までの位置ベクトルとは一致しない。よって振り子にとって重力は中心力ではない。力のモーメントが発生し、角運動量は変化する。
20,0,
dL r p ml
dt
θ
mg
l
X
Y
O
0,0, sin N r F mgl
7.4角運動量とその保存則
から振り子を振り出すとしよう。
初期角度は
さらにm=1, g=9.8, l=1としよう。
2
lH
03
3.13 2cos 1d
dt
~ 3.13
g
l
20,0, 0,0,3.13 2cos 1
dL ml
dt
0,0, 9.8sin N r F
θ
mg
l
X
Y
O
7.4角運動量とその保存則
m=1, g=9.8, l=103
θ
mg
l
X
Y
O
N
L
7.4角運動量とその保存則
m=1, g=9.8, l=103
θ
mg
l
X
Y
O
N
L
θ
7.4角運動量とその保存則
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