長崎市の外来種リスト - Nagasaki ·...

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長崎市の外来種リスト 平成27年 2月 1 外来種リストの概要 1 2 外来種リストの選定 (1)外来種リストの選定と考え方 2 (2)外来種カテゴリー区分 2 (3)外来種リスト掲載種数一覧 3 3 各分類群リスト (1)植物 5 (2)両生類・爬虫類・哺乳類 15 (3)鳥類 16 (4)昆虫類 17 (5)水生生物 19 4 参考資料 (1)各分類群の主要な種の解説・写真 25 (2)隣県等で生息確認される特定外来生物 37

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長崎市の外来種リスト

平成27年 2月

目 次

1 外来種リストの概要 1

2 外来種リストの選定

(1)外来種リストの選定と考え方 2

(2)外来種カテゴリー区分 2

(3)外来種リスト掲載種数一覧 3

3 各分類群リスト

(1)植物 5

(2)両生類・爬虫類・哺乳類 15

(3)鳥類 16

(4)昆虫類 17

(5)水生生物 19

4 参考資料

(1)各分類群の主要な種の解説・写真 25

(2)隣県等で生息確認される特定外来生物 37

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1 外来種リストの概要

近年、人間活動の発展に伴い人と物の移動が活発化し、国外または国内の他の地域から、生

物が本来有する移動能力を超えて、人為によって意図的・非意図的に導入される生物が増加して

います。ある地域に人為的に導入されることにより、その自然分布域(その生物が本来有する能力

で移動できる範囲により定まる地域)を超えて存在することとなる生物は、一般的に外来生物と呼

ばれ、このような生物による生態系、人の生命・身体または農林水産業への被害の問題は、一般

的に外来生物の問題として認識されています。

国際的にも生物多様性条約第8条において、侵略的な外来生物への対応の必要性が位置付

けられ、予防的な観点に立って、侵入の防止、早期発見・早期対応、防除(影響緩和)を図ること

が重要とされています。また、生態系、人の生命・身体または農林水産業に係る被害を防止する

ことを目的として、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(平成16年

法律第78号)が制定されています。

長崎市においては、平成24年3月に「長崎市レッドデータブック」の改訂をおこない、開発等に

よる影響からの回避と豊かな自然環境を保全するため、市民・事業者の自然環境保全に対する

意識の高揚を図っていますが、一方で外来種問題が、地域固有の生物多様性に大きな脅威とな

っています。このようなことから、「長崎市の外来種リスト」を作成することにより、市内における外

来種の実態を把握するとともに、外来種の問題に対する市民の理解と意識の高揚を図り、外来

種の拡大抑制につなげるものです。

外来生物被害予防三原則

海外起源の侵略的外来種による被害を予防するために ・入れない ~悪影響を及ぼすかもしれない外来生物をむやみに日本に入れない~

・捨てない ~飼っている外来生物を野外に捨てない~

・拡げない ~野外にすでにいる外来生物は他地域に拡げない~

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2 外来種リストの選定

2-(1)外来種リストの選定と考え方

本外来種リストでは、「国外外来種」、「国内外来種」、「検討を要する外来種」の3つに区分して

選定しています。また、カテゴリー区分としては、A―1、A―2、A―3、B―1、B―2をリストに掲

載しています。

「国外外来種」

長崎開港以来、鎖国時代を通じて西洋に開かれた唯一の窓口であったことを踏まえ、おおむね

江戸時代以降に本市に導入されたと推定されるものを選定しています。

また、直接、国外から本市に導入されてなくても、国内の他の地域へ導入され、本市に生息域が

移動・拡大したものについても対象としています。

「国内外来種」

元々、国内に生息している種類(在来種)で、長崎市外から導入されたと推定されるものを選定し

ています。

「検討を要する外来種」

国外外来種および国内外来種のリストに入れるべきか、否かを含めて今後、検討を要するもの

を選定しています。

2-(2)外来種カテゴリー区分 (国外、国内)

視点①

長崎市に定着しているか

視点②

長崎市への影響 カテゴリー区分

定着している

影響が大きい A-1

影響がある A-2

影響が小さいか不明 A-3

定着しているかどうか不明 影響が懸念される B-1

不明 B-2

(※)・特 定―特定外来生物の略。人の生命や身体、生態系、農林水産業など、特に被害を与え

る恐れがある生物を外来生物法に基づき、環境省が指定しているもの。

(112種、2014年8月1日)

・要注意―要注意外来生物の略。日本にいる外来生物(約2,000種)のうち、外来生物法に基

づく輸入・販売・飼育などの規制の対象とはなっていないものの、生態系に悪影響

が懸念される生物のこと。 (148種、2009年2月)

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2-(3)外来種リスト掲載種数一覧

① (国外外来種)

② (国内外来種)

カテゴリー区分 A-1 A-2 A-3 B-1 B-2 種数

〔植物〕

シダ植物 2 1 3

種子植物(単子葉植物) 9 19 31 4 63

(双子葉植物 離弁花) 2 26 78 4 110

(双子葉植物 合弁花) 4 29 69 102

植物の計 15 76 179 8 278

両生類 1 1

爬虫類 2 2

哺乳類 2 1 3

鳥 類 1 3 4

昆虫類 11 21 3 35

〔水生生物〕

魚類 4 1 5

甲殻類 1 3 1 1 6

貝類 1 2 2 3 8

水生生物の計 6 3 5 4 1 19

総 計 25 90 210 7 10 342

カテゴリー区分 A-1 A-2 A-3 B-1 B-2 種数

〔植物〕

種子植物(裸子植物) 2 2

(単子葉植物) 2 2

(双子葉植物) 2 2

植物の計 6 6

両生類 0

爬虫類 0

哺乳類 0

鳥類 0

昆虫類 5 1 6

〔水生生物〕

魚類 4 4 1 9

甲殻類 1 1

貝類 1 1 1 1 4

水生生物の計 6 1 5 2 14

総 計 6 7 10 3 26

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③ (検討を要する外来種) (国外、国内含む)

カテゴリー区分 (国外) (国内) 種数

〔植物〕

種子植物(裸子植物)

(単子葉植物)

(双子葉植物)

植物の計

両生類

爬虫類

哺乳類 1 1

鳥類 4 4

昆虫類

〔水生生物〕

魚類 4 2 6

甲殻類 1 1

貝類 7 6 13

その他 9 9

水生生物の計 20 9 29

その他 12 12

総 計 37 9 46

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3 各分類群リスト

3-(1) 植物

シダ植物 (国外外来種)

A-2(影響がある)

小計 2種

A-3(影響が小さいか不明)

小計 1種

シダ植物(国外)の計 3種

種子植物 単子葉植物 (国外外来種)

A-1(影響が大きい)

小計 9種

A-2(影響がある)

科 名 和 名 備 考

アカウキクサ科 アゾラ・クリスタータ

イワヒバ科 イヌカタヒバ

科 名 和 名 備 考

イワヒバ科 コンテリクラマゴケ

科 名 和 名 備 考

トチカガミ科 オオカナダモ 要注意

イネ科 ホソムギ 要注意

オオクサキビ

シマスズメノヒエ

タチスズメノヒエ

ツユクサ科 トキワツユクサ(ノハカタカラクサ) 要注意

ミズアオイ科 ホテイアオイ 要注意

ユリ科 タカサゴユリ

アツバキミガヨラン

科 名 和 名 備 考

カンナ科 ダンドク

イネ科 メリケンカルカヤ 要注意

イヌムギ

ヤクナガイヌムギ

ジュズダマ

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小計 19種

A-3(影響が小さいか不明)

カモガヤ 要注意

シナダレススメガヤ 要注意

コスズメガヤ

ヒロハウシノケグサ

ネズミムギ 要注意

スズメノナギナタ

イネ科 アメリカスズメノヒエ

セイバンモロコシ

ヒメモロコシ

イヌシバ

ナガナタガヤ

カヤツリグサ科 シュロガヤツリ

アヤメ科 キショウブ 要注意

ヒメヒオオギズイセン

科 名 和 名 備 考

イネ科 クロコヌカグサ

ハナヌカススキ

カラスムギ

マカラスムギ

コバンソウ

ヒメコバンソウ

オニウシノケグサ 要注意

ネズホソムギ

ドクムギ

ニコゲヌカキビ

オオアワガエリ 要注意

ナガハグサ

オオスズメノカタビラ

フシネキンエノコロ

ムラサキナギナタガヤ

キシュウスズメノヒエ 要注意

カヤツリグサ科 メリケンガヤツリ

ツユクサ科 オオトキワツユクサ

ムラサキツユクサ

ヒメトキワツユクサ(ブライダルベール)

ムラサキゴテン

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小計 31種

B-2(不明)

小計 4種

単子葉植物(国外)の計 63種

種子植物 双子葉植物 離弁花(国外外来種)

A-1(影響が大きい)

小計 2種

A-2(影響がある)

ユリズイセン科 ユリズイセン

ユリ科 ニラ

ハナニラ

ヒガンバナ科 タマスダレ

サフランモドキ

アヤメ科 ニワゼキショウ

オオニワゼキショウ

アイイロニワゼキショウ

キバナニワゼキショウ

ガマ科 モウコガマ

科 名 和 名 備 考

イネ科 バケヌカボ

ハルガヤ

ヒゲナガスズメノチャヒキ

アレチチャヒキ

科 名 和 名 備 考

アブラナ科 オランダガラシ 要注意

カタバミ科 ムラサキカタバミ 要注意

科 名 和 名 備 考

イラクサ科 ナンバンカラムシ

タデ科 ツルソバ

ツルイタドリ

ツルドクダミ

アカザ科 アリタソウ

ヒユ科 ホソバノツルノゲイトウ

オシロイバナ科 オシロイバナ

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小計 26種

A-3(影響が小さいか不明)

スベリヒユ科 ハゼラン

ナデシコ科 オランダミミナグサ

マメ科 ゲンゲ

アレチヌスビトハギ

コメツブウマゴヤシ

ウマゴヤシ

コメツブメクサ

シロツメクサ

カラスノエンドウ

フウロウソウ科 アメリカフウロ

カタバミ科 オッタチカタバミ

トウダイグサ科 コニシキソウ

ナンキンハゼ

チュウゴクアカギ

ウルシ科 ハゼノキ

ミソハギ科 ナンゴクヒメミソハギ

アカバナ科 コマツヨイグサ 要注意

アリノトウグサ科 オオフサモ

ウコギ科 カミヤツデ

科 名 和 名 備 考

タデ科 シャクチリソバ

オオケダデ

ヒメスイバ

アレチギシギシ

ナガバギシギシ

ヒロハギシギシ(エゾノギシギシ) 要注意

アカザ科 アメリカアリタソウ

ホウキギ

ヒユ科 ツルノゲイトウ

ハイビユ

ホナガアオゲイトウ

ホソアオゲイトウ

アオゲイトウ

ホナガイヌビユ

ノゲイトウ

ヤマゴボウ ヨウシュヤマゴボウ

ザクロソウ科 クルマバザクロソウ

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スベリヒユ科 ヒメマツバボタン

ツルムラサキ科 アカザカズラ

ナデシコ科 ムギセンノウ

ヨツバハコベ

ムシトリナデシコ

シロバナマンテマ

イタリーマンテマ

オオツメクサ

ウシオハマツメクサ

キンポウゲ科 シュウメイギク

トゲミキツネノボタン

ケシ科 ユキミゲシ

ナガミヒナゲシ

アブラナ科 セイヨウカラシナ

セイヨウアブラナ

アコウグンバイ

カラクサナズナ

マメグンバイナズナ

ショカツサイ(ハナダイコン)

セイヨウダイコン

ベンケイソウ科 メキシコマンネングサ

ツルマンネングサ

ヨーロッパタイトゴメ

バラ科 オオヘビイチゴ

オキジムシロ

タチバナモドキ

セイヨウヤブイチゴ

マメ科 イタチハギ 要注意

ムラサキウマゴヤシ

シロバナシナガワハギ

コシナガワハギ

シナガワハギ

ハリエンジュ 要注意

ムラサキツメクサ(アカツメクサ)

フウロウソウ科 オランダフウロ

カタバミ科 ハナカタバミ

オオキバナカタバミ

フヨウカタバミ

トウダイグサ科 アブラギリ

オオアブラギリ

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小計 78種

B-2(不明)

小計 4種

離弁花(国外)の計 110種

種子植物 双子葉植物 合弁花(国外外来種)

A-1(影響が大きい)

ハイニシキソウ

オオニシキソウ

チャボタイゲキ

イリオモテニシキソウ

ブラジルコミカンソウ

アオイ科 フヨウ

ギンセンカ

ゼニアオイ

アメリカキンコジカ

オトギリソウ科 キンシバイ

スミレ科 ニオイスミレ

サンシキスミレ

シュウカイドウ科 シキザキベゴニア

ミソハギ科 ホソバヒメミソハギ

アカバナ科 メマツヨイグサ 要注意

オオマツヨイグサ

アレチマツヨイグサ

ユウゲショウ

ヒルザキツキミソウ

マツヨイグサ

セリ科 マツバゼリ

科 名 和 名 備 考

アブラナ科 ハルザキヤマガラシ 要注意

コシミノナズナ

ミヤガラシ

ハタザオガラシ

科 名 和 名 備 考

ヒルガオ科 イリオモテアサガオ

キク科 セイタカアワダチソウ 要注意

オオオナモミ 要注意

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小計 4種

A-2(影響がある)

小計 29種

A-3(影響が小さいか不明)

モクセイ科 トウネズミモチ 要注意

科 名 和 名 備 考

ガガイモ科 トウワタ

フウセントウワタ

ヒルガオ科 アメリカネナシカズラ 要注意

マルバアメリカアサガオ

クマツヅラ科 ヤナギハナガサ

シソ科 ヤブチョロギ

ゴマノハグサ科 マツバウンラン

オオカワヂシャ 特 定

タチイヌノフグリ

フラサバソウ

オオイヌノフグリ

キツネノマゴ科 ヤナギバスズムシソウ

アカネ科 メリケンムグラ

ウリ科 ハヤトウリ

キク科 オオブタクサ 要注意

オオホウキギク

ヒロハホウキギク

アメリカセンダングサ 要注意

コセンダングサ 要注意

コシロノセンダングサ

ヒメムカシヨモギ 要注意

オオアレチノギク 要注意

オオキンケイギク 特 定

ヒメジョオン 要注意

チチコグサモドキ

ウラジロチチコグサ

ナルトサワギク 特 定

メリケントキンソウ

セイヨウタンポポ 要注意

科 名 和 名 備 考

サクラソウ科 アカバナルリハコベ

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ルリハコベ

リンドウ科 ハナハマセンブリ

キョウチクトウ科 ツルニチニチソウ

ヒルガオ科 セイヨウヒルガオ 要注意

マルバルコウソウ

アメリカアサガオ

マメアサガオ

マルバアサガオ

イモネホシアサガオ

ホシアサガオ

ルコウソウ

ムラサキ科 ノハラムササキ

クマツヅラ科 ランタナ 要注意

アレチハナガサ

ヒメビジョザクラ

ダキバアレチハナガサ

シソ科 ヒメオドリコソウ

オランダハッカ

ナス科 ヨウシュチョウセンアサガオ 要注意

センナリホオズキ

アメリカイヌホオズキ

ワルナスビ 要注意

オオイヌホオズキ

イヌホオズキ

テリミノイヌホオズキ

タマサンゴ

ゴマノハグサ科 アメリカウンランモドキ

ツタバウンラン

アメリカアゼナ

セイヨウヒキヨモギ

オオマツバウンラン

キツネノマゴ科 イセハナビ

ノウゼンカズラ科 キササゲ

ノウゼンカズラ

オオバコ科 ヘラオオバコ 要注意

ツボミオオバコ

オミナエシ科 ノヂシャ

ウスベニカノコソウ

ハマウツボ科 ヤセウツボ 要注意

キキョウ科 キキョウソウ

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小計 69種

合弁花(国外)の計 102種

種子植物 裸子植物 (国内外来種)

A-3(影響が小さいか不明)

小計 2種

裸子植物(国内)の計 2種

キク科 セイヨウノコギリソウ

ブタクサ 要注意

カミツレモドキ

クソニンジン

ホウキギク

タチアワユキセンダングサ 要注意

アレチノギク

ケナシヒメムカシヨモギ

キバナコスモス

マメカミツレ

ベンバナボロギク

アメリカタカサブロウ

ダンドボロギク

ペラペラヨメナ

ハルジョオン 要注意

ヤナギバヒメジョオン

ヘラバヒメジョオン

ハキダメギク

タチチチコグサ

ウスベニチチコグサ

キクイモ 要注意

ブタナ 要注意

トゲチシャ

カミツレ

イガトキンソウ

オニノゲシ

アイノゲシ

アカミタンポポ 要注意

科 名 和 名 備 考

ヒノキ科 ヒノキ

スギ科 スギ

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種子植物 単子葉植物 (国内外来種)

A-3(影響が小さいか不明)

小計 2種

単子葉植物(国内)の計 2種

種子植物 双子葉植物 離弁花 (国内外来種)

A-3(影響が小さいか不明)

小計 2種

双子葉植物(国内)の計 2種

科 名 和 名 備 考

ヤシ科 シュロ

ユリ科 ハラン

科 名 和 名 備 考

メギ科 ナンテン

バラ科 カジイチゴ

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3-(2) 両生類、爬虫類、哺乳類

両生類 (国外外来種)

A-1(影響が大きい)

小計 1種

両生類(国外)の計 1種

爬虫類 (国外外来種)

A-1(影響が大きい)

小計 2種

爬虫類(国外)の計 2種

哺乳類 (国外外来種)

A-3(影響が小さいか不明)

小計 2種

B-2(不明)

小計 1種

哺乳類(国外)の計 3種

検討を要する外来種リスト

哺乳類 (国外外来種)

小計 1種

哺乳類(国外)の計 1種

科 名 和 名 備 考

アカガエル科 ウシガエル 特 定

科 名 和 名 備 考

ヌマガメ科 ミシシッピアカミミガメ 要注意

クサガメ

科 名 和 名 備 考

アライグマ科 アライグマ 特 定

イタチ科 チョウセンイタチ

科 名 和 名 備 考

ウサギ科 アナウサギ

科 名 和 名 備 考

トガリネズミ科 ジャコウネズミ

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3-(3) 鳥類 (国外外来種)

A-1(影響が大きい)

小計 1種

A-3(影響が小さいか不明)

小計 3種

鳥類(国外)の計 4種

検討を要する外来種リスト

鳥類 (国外外来種)

小計 4種

鳥類(国外)の計 4種

科 名 和 名 備 考

ハト科 カワラバト(ドバト)

科 名 和 名 備 考

キジ科 コジュケイ

カモ科 コブハクチョウ

カラス科 カササギ

科 名 和 名 備 考

キジ科 コウライキジ

チメドリ科 ガビチョウ 特 定

ソウシチョウ 特 定

ヒヨドリ科 シロガシラ

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3-(4) 昆虫類 (国外外来種)

A-2(影響がある)

小計 11種

A-3(影響が小さいか不明)

小計 21種

科 名 和 名 備 考

シジミチョウ科 クロマダラソテツシジミ

オサゾウムシ科 ヤシオオオサゾウムシ

ゾウムシ科 アルファルファタコゾウムシ

ゴキブリ科 イエゴキブリ

クロゴキブリ

シロアリ科 イエシロアリ

グンバイムシ科 アワダチソウグンバイ

マツムシ科 アオマツムシ

マルカイガラムシ科 ヤノネカイガラムシ

ヤドリバエ科 オオミノガヤドリバエ

カ科 チカイエカ

科 名 和 名 備 考

イラガ科 ヒロヘリアオイラガ

ヒトリガ科 アメリカシロヒトリ

ハムシ科 ヨツモンカメノコハムシ

ゾウムシ科 イネミズゾウムシ

ヤサイゾウムシ

タマムシ科 モンキタマムシ

カミキリムシ科 ラミーカミキリ

チャゴマフカミキリ

ハラアカコブカミキリ

ゴキブリ科 ワモンゴキブリ

チャバネゴキブリ科 チャバネゴキブリ

マダラゴキブリ科 サツマゴキブリ

カメムシ科 キマダラカメムシ

サシガメ科 ヨコヅナサシガメ

アザミウマ科 ミナミキイロアザミウマ

ショウジョウバエ科 キイロショウジョウバエ

ミズアブ科 アメリカミズアブ

タマバチ科 クリタマバチ

チュウゴクオナガコバチ

ベッコウバチ科 ツマアカベッコウ

ミツバチ科 セイヨウミツバチ

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B-1(影響が懸念される)

小計 3種

昆虫類(国外)の計 35種

昆虫類 (国内外来種)

B-1(影響が懸念される)

小計 5種

B-2(不明)

小計 1種

昆虫類(国内)の計 6種

科 名 和 名 備 考

タテハチョウ科 タテハモドキ

スズメガ科 キョウチクトウスズメ

キリギリス科 タイワンクツワムシ

科 名 和 名 備 考

ホタル科 ゲンジボタル

コガネムシ科 カブトムシ

ヒラタクワガタ

ノコギリクワガタ

マツムシ科 スズムシ

科 名 和 名 備 考

クワガタムシ科 オオクワガタ

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3-(5) 水生生物(魚類、甲殻類、貝類)

魚類 (国外外来種)

A-1(影響が大きい)

小計 4種

A-2(影響がある)

小計 1種

魚類(国外)の計 5種

甲殻類 (国外外来種)

A-1(影響が大きい)

小計 1種

A-3(影響が小さいか不明)

小計 3種

B-1(影響が懸念される)

小計 1種

B-2(不明)

小計 1種

甲殻類(国外)の計 6種

科 名 和 名 備 考

コイ科 コイ

カダヤシ科 カダヤシ 特定

サンフィッシュ科 オオクチバス 特定

ブルーギル 特定

科 名 和 名 備 考

コイ科 タイリクバラタナゴ 要注意

科 名 和 名 備 考

アメリカザリガニ科 アメリカザリガニ 要注意

科 名 和 名 備 考

フジツボ科 タテジマフジツボ 要注意

ヨーロッパフジツボ

アメリカフジツボ

科 名 和 名 備 考

ヌマエビ科 カワリヌマエビ属

科 名 和 名 備 考

フジツボ科 アミメフジツボ

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20

貝類 (国外外来種)

A-1(影響が大きい)

小計 1種

A-2(影響がある)

小計 2種

A-3(影響が小さいか不明)

小計 2種

B-1(影響が懸念される)

小計 3種

貝類(国外)の計 8種

魚類 (国内外来種)

A-2(影響がある)

小計 4種

科 名 和 名 備 考

イガイ科 ミドリイガイ 要注意

科 名 和 名 備 考

リンゴガイ科 スクミリンゴガイ 要注意

イガイ科 ムラサキイガイ 要注意

科 名 和 名 備 考

サカマキガイ科 サカマキガイ

モノアラガイ科 ハブタエモノアラガイ

科 名 和 名 備 考

カリバガサガイ科 シマメノウフネガイ

オリイレヨウバイ科 カラムシロ 要注意

イガイ科 コウロエンカワヒバリガイ 要注意

科 名 和 名 備 考

コイ科 オイカワ

モツゴ

アユ科 アユ

ハゼ科 クロダハゼ類

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21

B-1(影響が懸念される)

小計 4種

B-2(不明)

小計 1種

魚類(国内)の計 9種

甲殻類 (国内外来種)

A-2(影響がある)

小計 1種

甲殻類(国内)の計 1種

貝類 (国内外来種)

A-2(影響がある)

小計 1種

A-3(影響が小さいか不明)

小計 1種

科 名 和 名 備 考

コイ科 フナ属(キンギョ含む)

ドジョウ科 ドジョウ

ナマズ科 ナマズ

メダカ科 メダカ属

科 名 和 名 備 考

コイ科 ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)

科 名 和 名 備 考

テナガエビ科 スジエビ

科 名 和 名 備 考

タニシ科 ヒメタニシ

科 名 和 名 備 考

カワザンショウガイ科 ウスイロオカチグサ

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22

B-1(影響が懸念される)

小計 1種

B-2(不明)

小計 1種

貝類(国内)の計 4種

検討を要する外来種リスト

魚類 (国外外来種)

小計 4種

貝類 (国外外来種)

小計 7種

科 名 和 名 備 考

フネガイ科 サルボウ

科 名 和 名 備 考

フトコロガイ科 マルテンスマツムシ

科 名 和 名 備 考

スズキ科 タイリクスズキ 要注意

コイ科 ソウギョ 要注意

サケ科 ニジマス 要注意

カダヤシ科 グッピー 要注意

科 名 和 名 備 考

イタボガキ科 ニュージーランドガキ(オハグロ

ガキモドキ)

ウグイスガイ科 アコヤガイ

モノアラガイ科 モノアラガイ属

コシダカヒメモノアラガイ

ヒラマキガイ科 インドヒラマキガイ

マルスダレガイ科 シナハマグリ 要注意

シジミ科 タイワンシジミ種群 要注意

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その他 (国外外来種)

小計 9種

水生生物(国外)の計 20種

魚類 (国内外来種)

小計 2種

甲殻類 (国内外来種)

小計 1種

貝類 (国内外来種)

小計 6種

水生生物(国内)の計 9種

科 名 和 名 備 考

ハナガサクラゲ科 マミズクラゲ

ペクチナテラ科 オオマリコケムシ

サンカクアタマウズムシ科 アメリカナミウズムシ

ゴカイ科 スナイソゴカイ

イソゴカイ

アオゴカイ

イソメ科 イワムシ

カンザシゴカイ科 カサネカンザシ 要注意

ホヤ綱モルグラ科 マンハッタンボヤ

科 名 和 名 備 考

ウナギ科 オオウナギ

コイ科 ヤリタナゴ

科 名 和 名 備 考

ヌマエビ科 ヤマトヌマエビ

科 名 和 名 備 考

アマオブネガイ科 イシマキガイ

カワニナ科 カワニナ

イシガイ科 マツカサガイ

ヌマガイ

オナジマイマイ科 ツシマケマイマイ

カワコザラ科 カワコザラ

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その他 (国外外来種)

小計 12種

その他(国外)の計 12種

科 名 和 名 備 考

オカダンゴムシ科 オカダンゴムシ

ワラジムシ科 ホソワラジムシ

ワラジムシ

コウラナメクジ科 チャコウラナメクジ

ナメクジ科 ナメクジ

オナジマイマイ科 ウスカワマイマイ

オナジマイマイ

オカクチキレガイ科 オカチョウジガイ

ホソオカチョウジガイ

キセルガイ科 チュウシコギセル

アフェレンクス科 マツノザイセンチュウ

ヘテロデラ科 ジャガイモシストセンチュウ

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4 参考資料

4-(1)各分類群の主要な種の解説・写真

① 「植 物」

オオカナダモ Egeria densa Planch.(トチカガミ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布;川原大池、その他の池や川

摘要

富栄養から貧栄養の水中まで生育でき繁殖力が強い。水中に

一面に広がり、在来の水草を駆逐してしまう。水草として導入

されたものが捨てられて野生化したものと考えられ、ビオトー

プの中にも多く見られる。駆除することは大変難しい。

オオキンケイギク Coreopsis lanceolata L. (キク科)

長崎市カテゴリー; A-2

分布;市内各地の道路沿いや公園など

摘要

北アメリカ原産の多年草で、道路法面の緑化や観賞用に導入

されたが、道端や人家付近に野生化している。花期は、5~7

月頃で黄色の舌状花の先は4-5裂する。特定外来生物に指定さ

れており、栽培が禁止されているが、美しい花が咲くことから、

現在でも各地で栽培されている。

写真

アツバキミガヨラン Yucca gloriosa L.(ユリ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布;脇岬町、野母町、高浜町、その他の海浜

摘要

観賞用に導入されたもので、捨てられたものが野生化してい

る。繁殖は旺盛ではないが、乾燥に強く、一度野生化すると枯

れることはなく、切ってもすぐに再生する。葉は硬く、先端は

トゲ状となるために処分に困る。海岸植物の生育する立地を奪

ってしまう。

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トウネズミモチ Ligustrum lucidum Aiton(モクセイ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布;琴海村松町、その他

摘要

公園木や庭木として導入されたものであるが、果実は鳥によ

って散布されるために、居住地周辺の山林に定着している。ネ

ズミモチよりも種子生産量が多く、自然林にも生育できるため、

本来の自然生育するネズミモチと区別できなくなる恐れがあ

る。

ナルトサワギク(コウベギク) Sencecio madagascariensis Poir.(キク科)

長崎市カテゴリー; A-2

分布;各地の道端、造成地など

摘要

最近になって急に多くなった外来植物で、特に造成地にいち

早く侵入し、黄色の花を咲かせる。ほぼ一年中花を咲かせ、冠

毛をもつ種子を生産するので広がりやすい。海岸にも侵入して

いる所がある。

ホテイアオイ Eichhornia crassipes (Mart.) Solms (ミズアオイ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布;溜池

摘要

観賞用に導入された水草であるが、各地の溜池や水路などに

繁殖し、水面を覆いつくすため、在来の水草を駆逐する恐れが

ある。冬期には枯れるが、大繁殖した後に枯れることによって、

腐敗し水が汚染されるのも問題である。

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27

オオオナモミ Xanthium orientale L.(キク科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布;市内各地

摘要

空き地や郊外の路傍、溜池の周囲などに生育する。茎は丈夫

で、果実にトゲがあるために、大きくなると駆除に困る。発芽

率がよく、種子で容易に繁殖するために、池やダム湖の周囲に

は一面に広がっているところがある。

オオブタクサ(ブタクサモドキ) Ambrosia trifida L. (キク科)

長崎市カテゴリー; A-2

分布;市内各地

摘要

河床や道端などに生育する大型の一年草で、大きなものは2

mを越える。島原半島に多く、長崎市でも最近になってよく見

かけるようになった。大型の草本であり、在来の植物を駆逐す

る恐れがある。

イリオモテアサガオ(ノアサガオ) Ipomoea indica (Burum.) Merr. (ヒルガオ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布;市内各地

摘要

ノアサガオの園芸種とする説と別種(オオバアメリカアサガ

オ)とする説がある。観賞用に導入されたもので、種子はでき

ないが、つるを捨てるとそこから発根し広がる。競争に強いの

で、自然の群落にも侵入して生き残る。一度はびこると、駆除

するのは難しい。

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② 「両生類」 「爬虫類」 「哺乳類」

「両生類」

「爬虫類」

ミシシッピアカミミガメ Trachemys scripta elegans(Wied,1839)(ヌマガメ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布;中島川、浦上川などの各河川、ダム湖・池など

摘要

北米原産で輸出用として大量に養殖されており、幼体は「ミ

ドリガメ」の商品名で販売されている。日本では1970年代頃か

ら放逐された個体が目立ち始めた。野外には、ニホンイシガメ

やクサガメが同所的に分布しており、それらのカメを駆逐して

いる。特に、市街地の河川や溜池に多く、ほとんどが本種だけ

になっている。

ウシガエル Rana catesbeiana Shaw, 1802 (アカガエル科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布;市内各地のダム湖、池、河川など

摘要

北米から食用として人為的に持ち込まれた。戦後しばらくは

アメリカ等に輸出されていたが、残留農薬の関係で輸出は中止

され、野外に放逐された個体が全国的に広がった。大きな鳴き

声が騒音公害を起こすほか、手当たり次第に何でも捕食するた

め生態系に及ぼす被害が大きい。

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「哺乳類」

アライグマ

Procyon lotor (Linnaeus,1758)(アライグマ科)

長崎市カテゴリー; A-3

分布;長崎市北部

摘要

北米原産でタヌキとよく似た形態であり、動物園では人気者

の動物である。ペットとして飼育されていた個体が野外に放逐

され、県内では増加の一途をたどっている。県北を中心に農業

の被害が増加しているが、生態系への影響も懸念されている。

長崎県では1998年から県北を中心として捕獲されており、その

捕獲個体数は年々増加している。

チョウセンイタチ

Mustela sibirica (Pallas,1773)(イタチ科)

長崎市カテゴリー; A-3

分布;長崎市内全域

摘要

全身焦げ茶色から明るい茶色で陸上の小動物や水中の魚などを

捕食し、残飯等に集まる。対馬だけが自然分布となっているが、

現地では減少傾向にある。長崎県内各地に分布を拡げ、在来種で

あるイタチを駆逐している。なお、長崎県内における両者の分布

状況は不明であるとともに識別も難しく、一見しただけでは分か

りにくい。

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30

③ 「鳥類」

③ 「鳥 類」

カワラバト Columba livia Gmelin,1789 (ハト科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布; 市内全域

摘要

本来ヨーロッパ、中央アジア、北アフリカなどの乾燥地帯に

生息する鳥であったが、人に馴れやすいため家禽化され、食用

や伝令用として利用されたほか、愛玩用の品種も多数作られた。

日本にいつ渡来したかは定かではないが、全国的に分布してお

り、都市公園や農耕地での集団行動や糞公害など様々な問題を

抱えている。

コジュケイ Bambusicola thoracica thoracica Temminck,1815 (キジ科)

長崎市カテゴリー; A-3

分布; 神浦ダム、西彼林道、川原大池公園、黒崎永田湿地自然公園、宮崎町、矢上普賢岳

摘要

長崎市内では、市街地に隣接する農地、公園、湿地、山林で

広く分布しているが、近年では、極めて確認する機会が少なく

なっている。狩猟圧や、繁殖生態が地上で行われるため野猫な

どの外敵よって繁殖が出来なくなっていると考えられる。

同様な環境で繁殖するキュウシュウキジと比較して見ると2005

年から2012年までの8年間の記録では、キジの平均年間観察記録

が36日に対してコジュケイは8日弱であり年々減少傾向にある。

コブハクチョウ Cygnus olor (Gmelin 1789)(カモ科)

長崎市カテゴリー; A-3

分布; 長崎市神浦漁港、西海市雪浦河口

摘要

原産地はヨーロッパで、日本には飼い鳥として、ヨーロッパ

から移入したものが公園や動物園などで飼育された。しかし、

飼育個体の一部が野生化し、各地に定着している。長崎市に隣

接する西海市雪浦では、毎年ペアで繁殖が確認されている。

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コウライキジ Phasianus colchicus karpowi Buturlin,1904 (キジ科)

長崎市カテゴリー;

分布; 長崎市内では記録なし

摘要

日本鳥学会鳥類目録第7版2012によると、長崎県本土域では留

鳥とされているが、県南部での記録は定かでない。対馬では普通

種として記録があるが、本土域で増殖するキュウシュウキジと容

易に交雑するとされ、ニホンキジの純粋種が失われる問題があ

る。

カササギ Pica pica sericea Gould,1845 (カラス科)

長崎市カテゴリー; A-3

分布; つつじヶ丘、神浦ダム付近

摘要

この鳥は、朝鮮半島からヨーロッパ全域、さらには北アメリカ

大陸西部にまで生息している。佐賀県から分布を広げて来たもの

と思われ、佐賀平野では、黒いカラスに比べてひと回り小ぶりで、

胸と腹、羽の部分が白く、「カチカチ」という鳴声から、佐賀で

はカチガラスとも呼ばれ、親しまれている。長崎市内では、東長

崎地区において、つがい(ペア)が稀に見られるが、その他の地

域では迷行した個体が1例見られただけである。諌早干拓地でも、

近年はほとんど観察されていない。

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④ 「昆虫類」

タテハモドキ

Junonia almana (Linnaeus,1758)(タテハチョウ科)

長崎市カテゴリー; B-1

分布;市内一円

摘要

成虫は前翅長30mm前後で、黄褐色に目玉模様が特徴的なチョ

ウである。従来、東洋区の熱帯から南西諸島、九州南部まで広

く分布していたが、2001年には、諫早市唐比湿地に定着した。

近年、長崎市や長与町の休耕田などでも見られるようになった

ことから、迷蝶ではなく外来種とした。

クロマダラソテツシジミ Chilades pandava (Horsfield, 1829) (シジミチョウ科)

長崎市カテゴリー; A-2

分布; 市内一円

摘要

成虫は前翅長15mm前後で、幼虫はソテツの若葉を食害する。

南アジアから東南アジアに分布し、国内では南西諸島で発生し

ていたが、1992年に沖縄本島で発見された。長崎県内では2007

年に確認され、毎年発生している。冬季は雌花や雄花の隙間に

潜りさなぎで越冬している。近年、九州各地、四国、本州でも

発見が相次いでいる。

ヨツモンカメノコハムシ Laccoptera(Laccopteroidea) nepalensis Boheman, 1855

(ハムシ科)

長崎市カテゴリー; A-3

分布; 市内一円

摘要

成虫は8mm前後で楕円形をしており、幼虫はサツマイモ、ノ

アサガオ、ヒルガオなどを食害する。東南アジアから南アジア

に分布し、国内では南西諸島で発生していたが、長崎県内では1

999年に確認され、毎年発生している。近年、九州各地でも発見

されている。

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ヤシオオオサゾウムシ Rhynchophorus ferrugineus (Olivier, 1790)

(オサゾウムシ科)

長崎市カテゴリー; A-2

分布;市内一円

摘要

成虫は体長 30mm程度で東南アジア、台湾、海南島に分布して

いたが、1975年に沖縄本島で発見され、本土では宮崎県で 1997

に発見された。長崎県内においては、2002年に進入が確認され、

2005 年までの 4 年間だけで、現在の長崎市の範囲だけでも 44

か所 75 本のカナリーヤシ(フェニックスヤシ)が幼虫に食害さ

れて枯れた。現在、長崎県内では発生は見られていないものの、

九州や西日本で発生が確認されており注意が必要である。

クロゴキブリ Periplaneta fuliginosa Serville, 1839 (ゴキブリ科)

長崎市カテゴリー; A-2

分布; 市内一円

摘要

中国南部が原産地と考えられ体長は30mm前後で、体色はつや

のある黒褐色である。野外でも時折見られるが、主に室内で生

活している。北海道から九州、奄美大島に分布している。

セイヨウミツバチ Apis mellifera Linnaeus, 1758 (ミツバチ科)

長崎市カテゴリー; A-3

分布; 市内一円

摘要

ヨーロッパ、中近東、アフリカに分布し、国内には明治初期に

移入された。現在では全国に分布し、養蜂用に飼育されている。

働き蜂は体長 13㎜程度で、体は茶褐色で腹部に縞模様がある。

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⑤ 水生生物 「魚類」 「甲殻類」 「貝類」

「魚 類」

コイ Cyprinus carpio (Linnaeus, 1758) (コイ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布; 市内の各河川

摘要

年代は不明だが、国内ではコイの放流が各地で行われ,明治

以降になるとユーラシア大陸などからのコイも各地に放流さ

れている。長崎市内でも各地の河川に放流されているが、造成

されたダムや溜池以外の河川などでは、勾配が大きいなど本種

の生息に適した環境が少ないため、本種の稚魚はほとんど確認

されていない。また、長崎市に限ると自然分布も疑わしく、長

期間にわたる、摂食により河川内に生息する小型の水生動物へ

の影響、河床堆積物の撹拌による改変や水質への影響、他の在

来魚類との競合などその影響は大きいと考えられる。 参考文献等:国立環境研究所

HP<http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/>

カダヤシ Gambusia affinis (Baird and Girard, 1853)(カダヤシ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布; 新牧野町、宿町

摘要

北アメリカ原産の種で国内には1916年に、和名が示すように

蚊の幼虫・さなぎの駆除の目的で持ち込まれている。一見する

とメダカに似ていることから、メダカと勘違いして捕獲・飼

育・放流等が行われている事が多い。長崎市内では、まだあま

り広がっていないが、隣の諫早市や時津町では平野部各所で見

つかっている。長崎市内の出津川では、上流部にあるダムで見

つかっており、今後、下流域に広がる可能性がある。また、生

息環境が似ているミナミメダカへの影響が懸念されている。

写真

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35

「甲殻類」

オオクチバス Micropterus salmoides Lacépède,1802(サンフィッシュ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布; 鹿尾ダム、神浦ダム、宮﨑ダム、川原大池など

摘要

北アメリア原産で国内には1925年に持ち込まれ、長崎県内に

は2年後の1927年に島原半島に持ち込まれた。その後、長崎市

内の川原大池などに放され、現在では市内各所のダム等に生息

している。魚類や甲殻類を主に捕食する大食漢で、在来の魚類

やエビ・カニ類に対して影響が大きい。法律により移動、飼育

等が禁止されている。

ブル-ギル Lepomis macrochirus Rafinesque,1819(サンフィッシュ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布; 鹿尾ダム、神浦ダム、川原大池、中島川など

摘要

1960年にアメリカから持ち込まれ、各地へ放流された。長崎

県内では、県本土や壱岐各所に広がっており、長崎市内におい

てもダム・溜池やその下流側の河川などに生息している。主に

小動物を捕食するが、個体によっては水草などを食べるものも

いる。法律により移動、飼育等が禁止されている。

アメリカザリガニ Procambarus clarkii (Girard, 1852)(アメリカザリガニ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布; 永田町、八郎川水系

摘要

北アメリカ原産で国内には、1927年にウシガエルの餌として

持ち込まれた。止水域を好むザリガニの仲間の内では、長崎県

内に生息するのは本種のみである。長崎市内各所で販売され、

一部の地域では大量に生息している。トンボ類などの水生昆虫

類を捕食したり、水草を傷めるなど生態系への影響が問題とな

っている。

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「貝 類」

ミドリイガイ Perna viridis (Linnaeus, 1758) (イガイ科)

長崎市カテゴリー; A-1

分布; 長崎湾

摘要

二枚貝の一種で、いわゆるムール貝の仲間である。イガイの

仲間は通常黒っぽいが、本種は緑色を呈することが特徴であ

る。国内では1960年代に持ち込まれ、長崎県内では手持ちの標

本から、1997年に諫早湾、2008年に長崎港で見つかっている。

長崎湾では、防波堤護岸の側面や浮き桟橋の壁面などによく付

着しており、沿岸の生物にとって生息場所の競合など生態系に

影響を及ぼしているものと思われる。

スクミリンゴガイ Pomacea canaliculata Lamarck, 1819 (リンゴガイ科)

長崎市カテゴリー; A-2

分布; 八郎川水系、三重地区

摘要

南アメリカ原産で1981年に国内及び長崎県内に持ち込まれ、

一般的に「ジャンボタニシ」と呼ばれる巻貝である。外見では、

区別が困難なラプラタリンゴガイも国内に持ち込まれており、

市内で確認されている種がどちらであるかよく分かっていな

い。市内では、まだ局所的であるが、今後、水田地帯を中心に

広がる可能性がある。田植え間もないイネを食害することがあ

る反面、除草手段として利用することもある。

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37

4-(2) 隣県等で生息確認される特定外来生物

長崎市には、定着及び発見事例はないが、今後、県内への拡大および市内への侵入が危惧される

特定外来生物。

① 「クモ類」

写真提供;環境省 自然環境局 野生生物課 外来生物対策室

セアカゴケグモ Latrodectus hasseltii Thorell,1870(ヒメグモ科)

特定外来生物

分布; 日本では大阪府、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、京

都府、兵庫県、奈良県、和歌山県、福岡県など

摘要

オーストラリア原産で日本では1995年に大阪府で初めて発見

された。体長は、雄が約3mm、雌が7~10mmで体は暗褐色また

は黒色で雌の腹部背面に目立った赤色の縦条、腹部の腹面中央に

はゴケグモ特有の砂時計型の赤色または橙色の縦斑紋がある。

(雄には、赤い斑紋はなく、毒を持つのは雌のみ。)

生息場所としては、排水溝の側面やふたの裏、花壇のまわりの

ブロックのくぼみや穴、プランターと壁のすき間、墓石の花立て

と線香立ての間、クーラー室外機の裏など日当たりが良く、暖か

い場所を好む。

強い毒を持っているが、攻撃性のないおとなしいクモでクモの

巣があれば棒切れなどで払って、素手で捕まえたり、さわったり

しないようにする。

ハイイロゴケグモ Latrodectus geometricus Koch,1841(ヒメグモ科)

特定外来生物

分布; 日本では東京都、愛知県、神奈川県、大阪府、山口県、

福岡県、鹿児島県、沖縄県など

摘要

亜熱帯地方原産で日本では1995年に神奈川県横浜市で初めて

発見された。体長は、雄が4~5mm、雌が7~10mmで体は暗褐

色または黒色で雌の腹部背面に目立った赤色の縦条、腹部の腹面

中央にはゴケグモ特有の砂時計型の赤色または橙色の縦斑紋が

ある。(雄には、赤い斑紋はなく、毒を持つのは雌のみ。)

生息場所としては、排水溝の側面やふたの裏、花壇のまわりの

ブロックのくぼみや穴、プランターと壁のすき間、墓石の花立て

と線香立ての間、クーラー室外機の裏など日当たりが良く、暖か

い場所を好む。

強い毒を持っているが、攻撃性のないおとなしいクモでクモの

巣があれば棒切れなどで払って、素手で捕まえたり、さわったり

しないようにする。なお、平成26年8月に大村市において、本種

の雌が確認された。

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② 「昆虫類」

ツマアカスズメバチ Vespa velutina Lepeletier,1836(スズメバチ科)

分布; 長崎県対馬市

摘要

インド・東南アジア・中国にかけての地域を原産地とする。日

本では、2013年に初めて、長崎県対馬市で移入が確認されたが、

移入経路は不明である。成虫の体長は、女王バチが約30mm、働

きバチが約20mmで体色は全体に黒色で腹部の先端は赤褐色で

ある。主に田園地域に生息し、最初は茂みや低木の中や地中に営

巣し、コロニーが大きくなると、他のスズメバチ類と異なり樹上

の比較的高い場所に巣を移すのが特徴である。主にミツバチ

などの昆虫を捕食する。

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長崎市自然環境調査委員名簿

委員名 担当分野 役職・所属

中 西 弘 樹 植物・植生 長崎大学名誉教授

長崎県生物学会会長

松 尾 公 則 両生類・爬虫類・哺乳類 青雲高等学校非常勤講師

長崎女子短期大学非常勤講師

菅 野 聖 二 鳥類 長崎県野鳥の会会長

田 中 清 昆虫類

諫早商業高等学校教諭

元長崎県高等学校理科教育研

究会生物部会長

深 川 元太郎 水生生物

公益社団法人 長崎県食品衛生協会 食品環境検査センター 水質検査課係長