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NPO救命おかやま ICLSコース・コンセンサス 第3版

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NPO救命おかやま

ICLSコース・コンセンサス

第3版

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ICLS コース・コンセンサス G2015

1

<おかやまICLS コース・コンセンサス -G2015 準拠-> 2016/5/5 版

NPO 救命おかやまのモットー

『明るく!楽しく!わかりやすく!』

⇒枝葉に走らず、幹をしっかりと身につけてもらうことを心がけてください。

<コースの流れ>

1日を通しての目標は、「突然の心停止に対する最初の10分のアプローチを学び、実践できること」

です。

<打ち合わせ&準備>

受付後、全体で打ち合わせをし、その後各ブースに分かれて打ち合わせと準備をします。ブース

長は、メンバーの役割分担を考えておいてください。

ブース器材のチェックは器材担当者が責任を持って行ってください。

デモ隊はこの時間にデモの練習をしてください。デモンストレーションはとても重要な役割を持って

います。リーダー役だけでなくチーム役も見られていることを念頭にハキハキとした演技を目指し

てください。

<オリエンテーション&デモンストレーション>

簡単なオリエンテーション(15 分間)の後、デモンストレーションを行い、その日の目標を示します(10 分間)。デモ隊は、受講者がよく見ることができるように立ち位置に気をつけてください。インストラクターの皆さんもデモンストレーションは一緒に見ましょう。

<時間割>

[午前 スキルセッション]

BLS、気道管理、モニター を各 50分〜60分で行います。

[午後 シナリオセッション]

突然の心停止を想定し、シナリオ形式で練習してください。「VF または pulseless VT」、「PEA または Asystole」それぞれの対応を学び、最後に「Mega Code」で総復習をしてください。各セッションは

50〜70 分ですので受講者ひとりずつにリーダー役ができるかどうか確認してください。

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< BLS >

目標:BLS の手順を知り、実践できる。

効果的な胸骨圧迫が実践できる。

AEDを正しく・安全に使うことができる。

ブースの器材:レサシアントルソ 3体、AED トレーナー 3台、ポケットマスク 3個

(子ブースでは、受講者 2人にレサシアントルソ 1体)

1. 流れ (55分の場合)

1) 自己紹介とデモンストレーション(7分間)

2) 胸骨圧迫の練習(5分間)

3) 人工呼吸の練習(フェイスシールドとポケットマスク)(5分間)

4) 胸骨圧迫と人工呼吸 30:2(5分間)

5) 反応の確認~CPRの一連の流れ(10分間)

6) AEDの使い方と CPRを組み合わせた練習(20分間)

7) まとめ(3分間)

2. 胸骨圧迫の指導ポイント

傷病者を仰臥位に寝かせて、救助者は傷病者の胸の横にひざまずきます。

胸骨の下半分(目安は「胸の真ん中」)に片手の付け根を置き、もう一方の手をその上に重

ねます。(肘はまっすぐ、圧迫が垂直になるように) 剣状突起を押さないように注意しま

す。

※ 胸骨圧迫の手はどちら側が下になっても構いません。

� 深さは、約5cm (6cm を超えない)沈む力で圧迫します。※ 圧迫の深さが 6cm 以上の場合には、肋骨骨折などの外傷の割合が増加したという報

告があります。しかし、実際は浅くなりすぎる傾向にあるため、しっかり圧迫してもらうよ

う指導しましょう。

速さは、100~120回/分のテンポで。

※ 圧迫のテンポが速すぎると圧迫の深さが減少するため、速くなりすぎないように注意し

ます。メトロノームや 100~120 回/分のテンポの音楽を流すなど工夫して指導しましょ

う。

強く・速く(Push hard, push fast)、絶え間なく圧迫し、圧迫のたびに胸壁を完全に元に戻す

(Full chest recoil)ように注意します。ただし、胸壁から手を離さないように注意します。

疲れると胸骨圧迫が不十分になるので、1~2 分ごとに交代します。交代にかかる時間は最小

限にします。

※ お互いに CPR の評価もしてみましょう(午後のシナリオに生きてきます)

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3. 人工呼吸の指導ポイント

口対口人工呼吸と口対マスク人工呼吸を体験してもらいます。 各コースにより選択可。

� 口対口人工呼吸 (フェイスシールド使用)

頭部後屈・あご先挙上法で気道確保を行い、気道確保したまま傷病者の鼻をつまみ、自分

の口で傷病者の口を覆い、1回の吹き込みは 1 秒で吹き込む。

吹き込む量は、傷病者の胸の上りが見える程度。

※ 口を大きく開けるのがポイントです。

口対マスク人工呼吸(ポケットマスク使用)

側方手技で行います。頭側の手の親指と人差し指をマスクに添って当て、マスクを密着させ、

他方の手の親指をマスクの下縁に当てます。残りの指は下顎縁に添って当て、下顎を挙上

させます。マスクをしっかりと密着させて、1秒かけて息を吹き込みます。

※ 胸が上がらない場合は、気道確保をやり直して、マスクをフィッティングし直して、もう 1

回だけ吹き込みます。

人工呼吸ができるようになったら、胸骨圧迫との組み合わせで 30:2の練習をしてみます。で

きるだけ、ポケットマスクを使用しましょう。

このとき、救助者の位置に気をつけます。胸骨圧迫をする位置にひざまずいて、やや足を開

くと、胸骨圧迫から人工呼吸に移るのに労力が少なくてすみます。

胸骨圧迫と人工呼吸(30:2)のサイクルで人工呼吸 2回は 10秒以内に行います。

※ 胸骨圧迫の中断はできるだけ短く!中断時間は 10 秒以内です。

脈は触れるが、呼吸がない場合・・・人工呼吸のみを行います。

6 秒に 1回(10回/分)吹き込みます

4. 反応の確認から始まる一連の流れ

反応の確認 ⇒ 軽く肩をたたいて大きな声で呼びかけて反応をみます。

反応がなければ

(院外)「119番通報と AED」

(院内)「緊急コールと除細動器(または AED)」

「コードブルー」、「スタットコール」、「ハリーコール」などは、人・救急カート・除細動器を

含んでいる概念なのでその一言でもよい。ただし、そうした約束ができていない病院で

は、「緊急コール、AED(または除細動器)」の 2つを口に出しましょう。

気道確保 ⇒ 頭部後屈あご先挙上

呼吸と脈の確認

片手で気道確保(頭部後屈)を維持し、もう片方の手で頸動脈を触れながら呼吸と脈を同時に確

認する。少し離れた位置から胸部と腹部を全体的に俯瞰的(俯瞰=ふかん→高い所から見下ろし眺めること)

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に観察する(10秒以内で)。

呼吸と脈がなければ → 「息なし、脈なし」

ただちに胸骨圧迫から開始

脈の触知は、10秒以内に明確でなければ脈なしと判断する。

死戦期呼吸(喘ぎ呼吸)の場合は呼吸なしと判断する。

**** 日本版のガイドラインからの抜粋 ****

「見て、聞いて、感じて」という一連の動作は、微弱な呼吸を見逃さないためや気道狭窄を判断す

るための観察方法であるが、心停止の判断に重要な死戦期呼吸を見逃がさないためには、むしろ

胸と腹部を全体的に見る方がよい。さらに自分の顔を傷病者の口元に近づけて狭い視野で観察

するよりは、少し離れて俯瞰的に観察する方が優れていると考えた。

熟練した救助者は、呼吸を観察しながら同時に頸動脈の拍動の有無を確認する。ただし脈拍の有

無に自信が持てないときは、呼吸の有無の確認に専念し、呼吸がないと判断した場合は、すみや

かに CPRを開始する。

→医療従事者であっても熟練していなければ、脈拍の触知を行う必要はない(要は脈拍の確認に

手間取って CPRの開始が遅れてはいけない、ということ)

CPR はいつまで続ける?

→ 明らかな体動や呼吸が見られた時

→ ALSチームに引き継ぐことができた時 です。

(AEDが届き、解析を始めた時には、アナウンスに従って一時中断)

5. AED の解説

2004年 7月 1日、一般市民も使用可となった。

(現在、岡山県では、公立・私立学校、公共施設、さらに駅やショッピングセンターなどにも

AEDが設置されています。)

2006年 8月、日本での小児用パッドが認可販売された。

解説後、BLS をしているところへ AED が届いたというシナリオで実際に AED を使う練習をして

もらってください。(必ず最初に電源を入れることと、準備の間は胸骨圧迫を続けること、安全

に電気ショックすることに注意。)

ショック後は、脈の確認をせず、即座に CPRのサイクルを再開します。

ショック後 2分経過すると、再解析に入ります。

AED でのショック適応がないとき

すぐに CPRを再開し、体動が出るまで脈は確認しない。

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進み具合をみて、必ず特殊な状況についての説明をしてください(テキスト 15ページ参照)。

1) 小児には小児用パッドを使用しますが、ない場合は成人用を代用します。また「小児用パッド」

は以前は 8 歳を目安としていたため、現場で混乱があり、日本版のガイドライン 2010 では、就学前(6 歳頃)までの乳児・小児にはこのパッドを用い、それ以上は成人用を使用、となりました。また、1 歳未満の乳児にも推奨すると記載されています。(小児用パッドは途中にコンデヱサーがあり、エネルギー量が 1/3~1/4 に減衰します。)

2) 体が濡れている場合

3) 貼り薬

4) ペースメーカーがある場合

5) 胸毛が濃い

6. まとめ

残り時間で全体の質問を受け、まとめをしてください。

重要な概念

▲ きちんとした BLSなくして ALS は成り立たない!

▲ 呼びかけても反応がないとき、CPR の前にまずは「緊急コールと AED(除細動器)」!

▲ 効果的な胸骨圧迫が重要(強く・速く、圧迫は 1回ごとに解除して)

▲ CPR は胸骨圧迫から開始

▲ 胸骨圧迫の中断は最小限に(10 秒以内)

▲ AEDを正しく、安全に使えるようになっておく!

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AED トレーナー(FR2) 標準シナリオ

シナリオ 1

ショックが必要な調律を検出、細動を停止するのに 1

回のショックが必要

シナリオ 2ショックが必要な調律を検出、細動を停止するのに 4

回のショックが必要

シナリオ 3

パッドのトラブルシューティング、細動を停止するの

に 1回のショックが必要

シナリオ 4 ショックが必要な調律を検出、ショック不要な調律、

再度ショックが必要な調律、その後ショック不要な調

シナリオ 5

ショック不要な調律を検出

シナリオ 6ショックが必要な調律を検出、細動を停止するのに 2

回のショックが必要

シナリオ 7 「CPR 優先」が選択されていて、ショックが必要な調

律(late VF)を検出。トレーナーは CPRの実施をユー

ザーに指示。細動を停止するのに 1回のショックが必

シナリオ 8パッドのトラブルシューティング、細動を停止するの

に 2回のショックが必要

シナリオ 9

ショックが必要な調律を検出

シナリオ 10体動を検出。1 回のショックを推奨。細動を停止する

のに 1回のショックが必要。バッテリ容量が低下。

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< 気道確保 >

目標:マスク換気(片手法、両手法)が実践できる。

気管挿管の手順が理解できる。

ブースの標準器材:ハートシム 1 体、気道管理トレーナー 1 体、BVM 2 つ、挿管セット 2 セット、NPA 2

セット、OPA2 セット、ラリンゲアルマスク 2 本、ラリンゲアルチューブ 2 本、コンビ

チューブ 2 本、二次確認用器具(カプノグラフィ 2 つ、呼気 CO2 チェッカー 2つ、食道挿管

検知器 EDD 2つ)

(子ブースでは、受講者 3人にハートシムもしくは気道管理トレーナー1体)

1. 流れ (55 分の場合)

1) 自己紹介・導入(5分間)

2) 気道確保(10分間)

用手的気道確保(頭部後屈・あご先挙上法、下顎挙上法)

道具を使用した気道確保(鼻咽頭エアウェイ、口咽頭エアウェイ)

3) マスク換気(10分間)

BVM とリザーバーの説明

片手法、両手法(2人での換気)

4) 気管挿管(20分間)

適応と準備

挿管の方法(介助も含めて)

挿管の確認

実習(挿管と介助)

5) ラリンゲアルマスク・ラリンゲアルチューブ・コンビチューブの紹介(5分間)

6) 質問・まとめ(5分間)

2. 気道確保

頭部後屈・あご先挙上法、下顎挙上法について説明する。

鼻咽頭エアウェイと口咽頭エアウェイの挿入練習をする。

3.マスク換気

BVMの解説とリザーバーの必要性についての説明を 6人ま

とめて行ってから、2 つの子ブースに分かれてそれぞれの流

れで教えてください。

BVM の容量 約 1500ml:1 回の送気量は、この 1/3~1/5

程度

(目安は胸が軽く上がる程度)

リザーバーを膨らませるには、酸素流量は 10L/min以上必要である。

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マスクの保持法

片手法(E-C法)

マスクを顔に十分フィットさせる(もれ防止)。

両手法(E-C法と母指球法)

1人が気道確保に専念、別の1人が換気に専念。

二人による胸骨圧迫と換気の方法

胸骨圧迫者は胸骨圧迫のみに専念(クロスオーバーで換気しない)。

(有効な胸骨圧迫を行うため)

胸骨圧迫と換気は、30:2の同期で。

1回換気量:胸の上りが見える程度の量

換気は1秒かけて。過換気に注意!!

胸骨圧迫時の心拍出量は正常時の 1/3~1/4 程度に減少しているため、正常な状態に

比べ、換気量は少なくて済みます。また、過換気にすることで胸腔内圧が上がり、心臓

に戻る血液量が減り、循環血液量が減少し、救命率が低下します。

輪状軟骨圧迫(Sellick 法)

有効性が示されず、推奨されなくなった。

(質問があれば教えてあげてください)

4. 気管挿管

気管挿管では、全員に適応・準備などを解説し、子ブースに。

適応は? ⇒ 他の方法で気道確保ができない。

長時間の人工呼吸が必要。

準備するものは? ⇒ 喉頭鏡・気管チューブ(女性 7.0mm、男性 8.0mm)・スタイレット・10cc カフ

用注射器・バイトブロック・カプノグラフィ(なければ呼気CO2チェッカーまた

は EDD)・潤滑ゼリー・固定用テープ(または専用の固定器具)・吸引の準

備・枕など

主なポイント

★ BVM で換気ができている限り、急いで挿管する必要はない。

(「挿管により、誤嚥防止、胸骨圧迫の中断不要という大きな利点がありますよ。」という説明

は必要。ただし、マスク換気が確実に行われていれば、「必要、必須」という表現は避けたい

と思います。)

★ BVM で十分に酸素化した後、「30 秒以内で挿管操作完了」を念頭に可及的速やかに行う。

★ 枕の位置は重要。気道確保と勘違いして、「肩枕」にする受講者がいるので、気管挿管の時

は、頭を高くし、さらに sniffing positionにするとよい。

★ 挿管操作の間は、胸骨圧迫を中断しないよう努力(胸骨圧迫を中断するときはできるだけ

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10秒以内で)。

★ 挿管したらすぐにカフエアーを 10cc入れる。

★ 気管チューブ口角固定の目安:男性 23cm、女性 21cm

5. 挿管の確認

気管挿管実施者は「声門通過」と声に出そう(最初の重要な確認項目)

★胸骨圧迫を中断してください。

①胃にゴボゴボ音ありません(心窩部聴診)

②呼吸音に左右差ありません 胃にゴボゴボ音ありません(5 点聴診:左右前胸部、側胸部、心窩部)

③胸郭の動きに左右差ありません(②③同時に)

★胸骨圧迫を再開してください

④チューブ内曇り上下しています

⑤100%酸素につながり、リザーバー膨らんでいます

⑥カプノグラフィに接続しましょう。(なければ、CO2 チェッカーまたは EDD)

このあと

「チューブを固定してください」

「胸骨圧迫は 1分間に 100~120回、換気は 6秒に 1回(10回/分)の非同期で」

気管挿管の実際は医師にやってもらう。そのときに看護師に介助してもらい、介助の重要性を

伝えてください。

看護師・技師にも気管挿管の体験はしてもらい、けっこう難しい(=挿管後の確認が重要)を認

識してもらえば OKです。

午後のシナリオでは、挿管をするのは、挿管をする資格がある人のみであることを説明してくだ

さい。

※誰が気管挿管するのか?

ガイドラインには、「気管挿管を行うのは、適切なトレーニングと練習や実践の機会が十分にある

ものに限る(limited to providers with adequate training and opportunities to practice or

perform intubations)」とあります。

しかし、研修医や救命士さんを含め、どのレベルで十分かは実際には分かりません。気管挿管

は危険を伴う行為であることを認識したうえで、各々の蘇生現場での判断が要求されます。

※呼気 CO2 モニター(カプノグラフィ)について(テキスト 23 ページ参照)聴診、視診による身体所見と併せて、波形表示のある呼気 CO2 モニターを使用することは、心停止症例に対する気管挿管時の先端位置確認とその後の持続的なモニタリングの手段として

強く推奨されています(日本版のガイドラインからの抜粋)。

※チューブの位置確認と DOPE についてチューブ挿入直後、搬送中、患者を動かすたびごとに正しいチューブの位置を確認することが

強調されています。(テキスト 23ページ参照)

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また、DOPE-Displaced tube (チューブの逸脱)、Obstructed tube (チューブの閉塞)、

Pneumothorax(気胸)、Equipment failure(機器の故障)への注意も大切です。

せっかく正しく挿管されても、上記でトラブルが起これば、医療事故にもつながります。これらは、

インストラクターの基礎知識として整理しておいてください。

6. 他の気道確保器具の紹介

ラリンゲアルマスク・ラリンゲアルチューブ・コンビチューブの紹介

簡単に取り扱い方法を紹介(実際に使用できることが目的ではありません。)

適切な換気ができれば、(気管挿管と同様に)非同期で換気。

救急隊が使用時、適切に換気できていれば、あわてて気管挿管する必要なし。

8. まとめ

最後に全体での質問を受け、まとめをしてください。

重要な概念

▲ マスク換気が実践できるように

▲ 過換気にならないように。

▲ 気管挿管のポイントを理解しましょう。

7.輸液・薬剤投与に関しては19〜20ページ参照

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< モニター >

目標:心停止の時の 4つの波形を認識する。

VF/Pulseless VT を見つけて安全に電気ショックが実践できる。

ブースの標準器材:ハートシム 2 体、モニター付き除細動器 2 台

(子ブースでは、受講者 3人にハートシム 1体)

<総論>

心停止時の心電図波形を解説し、その後、電気ショックの練習を行います(→時間がある時、受講

者の状況によりオプション内容を追加)。

モニターブースはともすると、自分が知っていることをどんどんしゃべってしまい一方通行の座学に

なりがちです。どんどん受講者に答えさせながら、自分で気づかせる方向に持って行くのがインタ

ラクティブに教えるコツです。

解説は 6 人一緒に行い、電気ショックは 2 つに分かれて全員にやってもらってください。その際、安全に行うことを強調してください。

リーダー役、電気ショック係、気道管理もしくは胸骨圧迫係で回してください。

安全確認は、“1(自分)、2(換気係と酸素)、3(周囲)、そしてモニター”です。

時間的な余裕があれば、パッドでの電気ショックも行ってください。

<モニターの教え方>

①まずはモニターをつけてみましょう

《オペレーター》 初めは Sinus(脈あり、呼吸あり)にしておく。

●モニターの基本

まず、電源をつけてもらう。(パドルモードで立ち上がるのでそのままにしておく)

次の人にモニターの電極をつけてもらう。(⇒あきみ)

→「この波形はなんでしょう?」・・・・フラット??、ハートシムで脈を触れてもらう

→誘導の確認の大切さを強調する。

(誘導を切り替えなければ、VFなのにフラット思っていつまでも治療(除細動)できないこともあり得

る→医療事故にもつながります。)

パドルモードの意味を解説する。(ついでに、パドルの当てる位置=胸骨と心尖部、は心電図波形

では関係あるが、除細動の際にはどちらでもよいことを説明しておく)

ついでに感度スイッチも触ってもらう。

Ⅱ誘導、感度 1倍以上 を確認(CPRの時の基本とする)

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②ここからは、心肺停止の患者さんです

「反応がない」→「呼吸・循環なし」→「胸骨圧迫:換気=30:2」で継続中。

さあここで、モニター心電図を装着した場面です。どんな波形がでるでしょうか?

(漠然と心停止の 4つの波形は?・・・と尋ねるのではなく、上記の状況設定でモニター心電図をつ

けたら、どんな波形の可能性があるか、を考えてもらってください。)

●心停止の 4つの波形

大原則 『 脈触れない=心停止 → ただちに心肺蘇生を! 』

その時の波形は 4種類ある。(VF/pulseless VT、PEA、Asystole)

(どんな波形か提示するだけで、ここでは詳しくしゃべらないこと。

VF ・・・形もリズムもメチャクチャ。

Pulseless VT ・・・幅広で形もリズムも規則正しい。

Asystole ・・・読み方は、『エイシストリー』

PEA ・・・何らかの波形は出ているが、脈が触れない。

⇒治療についての詳細は、午後のブースで。

1) VF

《オペレーター》 うめき声 ⇒ VF

一番大切。助かる可能性が高いので、一刻も早く除細動を。

1分以内に除細動できれば、生存退院率は 90%以上。逆に除細動が 1分遅れるごとに 7~10%

ずつ下がるという報告もある。

CPRがあれば、その減少率が 3~4%に下がるので CPRが重要。

2) pulseless VT

《オペレーター》 VT(HR 220 脈なし)(Type Cにすれば、きれいな VT 波形になる)

治療は VF と同じです。すなわち、ただちに除細動です。

(VTでは脈の触れる場合もありますが、この時は心肺停止ではなく、意識があることもあるの

で、薬物治療か、鎮静をかけてカルジオバージョンを行います。ここでは詳細を説明する必要

はありません。)

3) PEA

《オペレーター》 Sinus HR 140 の波形で電気収縮解離にチェックを入れておく。

状況説明:大きな胸部大動脈瘤があるが手術困難で経過を見ていた患者さん。突然背部痛

のあと倒れて、CPRを行いながら心電図モニターをつけたところ。

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脈が触れない=心停止 です。(たとえ洞調律でも心停止はありうる。心電図は電気的には信

号を送っているが、有効な心拍出にならず、脈が触れない。上記は胸部大動脈瘤破裂の

例。)

《オペレーター》 Idiov. HR 30 の波形で電気収縮解離にチェックを入れておく。(Idiov.とは

Idioventricular=心室固有調律のことで幅の広い QRSになります)

* PEAなんてみたことないという受講者がいれば、病院でモニター心電図をつけた状態で亡く

なる直前の患者さん、呼吸も止まり、脈もわからないけど、心電図の波形だけ残っている状

況を思い起こしてもらう。

* 除細動直後に、このように、一見波形が戻っても、脈が触れない場合あり。

(注:普通の VF除細動後に PEA と判断されるのは、たいていこのような wide QRS徐脈の

PEAあるいは Asysに近いような PEAです。除細動後にきれいな洞調律でかつ PEA という

のは珍しいので、午後のシナリオでは使用しないでください。)

『 Treat the patient, Not the Monitor! 』

4) Asystole

《オペレーター》 Asystole

「この波形は?」→“Asystole”

そう思ったら、まず胸骨圧迫(波形の確認に時間をかけない)

ここで、心静止と心停止の「用語」の違いを再確認しておく

胸骨圧迫を再開してから、「リード、感度(1 倍以上になっているか)、誘導(Ⅱ誘導になってい

るか)」を確認。10秒以上胸骨圧迫が中断しないように注意する。

*Fine VFを見つけるというよりも、本当に心静止かどうかを確認する作業です

(Fine VFを無理に見つけるよりも胸骨圧迫の方が重要)

重要な概念

▲ 除細動器でモニター使用するときは、誘導と感度の確認

▲ VF と pulseless VTには一刻も早く除細動

▲ PEA と Asystole には除細動は禁忌

(なぜか:除細動の意味=いったん Asystoleにすること)

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【電気ショックの練習】

全員にかけてもらう。リーダー役、電気ショック係、気道管理もしくは胸骨圧迫係を交代でまわす。

<主なポイント>

実際はジェルを塗るかジェルパッドを貼ること。

パドルの向きはどちらでも構わない。

しっかり押し当てて、親指でしっかりと放電ボタンを押す。

設定は単相性 360J。二相性 150~200J(その機種の推奨エネルギー量で)

(危ないので、実際には 2~5J くらいにしておく) 「充電します」の声で胸骨圧迫は中止して離れ、胸壁にパドルを押し当ててから充電を開

始する。

安全確認をしっかり。(1-自分、2-換気者、3-周囲)

除細動に成功して、一見波形が出ていても、十分な心拍出がでていない場合あり、電気

ショック後はただちに胸骨圧迫から CPR 再開パドルのスイッチでセルフ充電する。午後のシナリオでも、セルフ充電することで、胸壁に

当ててすぐに充電開始できる。

高濃度の酸素は引火防止のため離すこと。(したがって経鼻酸素では外す必要はないで

すが、心肺停止では高濃度酸素を使用しているので離すことになります)

2 回目以降は初回と同じかそれより高いエネルギー量で。

※充電のタイミング

できるだけ胸骨圧迫を中断しない努力は必要ですが、安全に電気ショックを行うことはさらに重

要です。パドルを充電してから胸壁に押し当てるよりも、「充電します」の声で胸骨圧迫を中止し

て離れ、胸壁にパドルを押し当ててから充電を開始する方法が安全面で勝るため、今回のコー

スではこの方法で指導してください。

※パッドを用いた電気ショック

AED のパッドのように、除細動器でも除細動パッドを貼りつけて、電気ショックが可能です。利

点として、パドルに比べての安全性、胸骨圧迫の中断時間の短縮、VF を繰り返す場合の利便性などが挙げられますが、パドルのときと同様に、十分な安全確認が必要です。またパドルの

端子と除細動器本体の端子をつなぐ必要があり、あらかじめ使用する機種について良く理解し

ておく必要があります。

パッドでの電気ショックが推奨されていますので、実際にやってもらってください。

パッドで電気ショックを行う場合は、充電中も胸骨圧迫を継続することができます。

電気ショックの練習

《オペレーター》 除細動の「有効」「無効」に注意してください。

電気収縮解離の「on」 「off」 もチェック!

電気ショック後 CPR 2 分間は、適当に「2 分たちました」と指示を出してください。

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1巡目

①「VF」 1回目で戻る(→洞調律で、2分の CPR中に体動もあり)

《オペレーター》 VF : 電気ショック → (sinus HR 70、脈あり)-2 分間のCPR 中に(・・・途中体動あり、明らかに脈も触れるので途中でやめてもよい)

②「pulseless VT」 1回目で戻る(→洞調律で、2分の CPR中に体動もあり)

《オペレーター》 pulseless VT(HR 220) : 電気ショック → (sinus HR 70、脈あり)-2 分間の CPR 中に(・・・途中体動あり、明らかに脈も触れるので途中でやめてもよい)

③「VF」 1回目で戻るが、しばらくは Idiov. HR30 で脈なし、2分後で HR70 脈あり

《オペレーター》 VF : 電気ショック → (Idiov. HR 30、電気収縮解離on=脈はすぐには触れない)-2

分間 CPR後に脈も触れる(HR 70 に、電気収縮解離を解除)

2巡目

④「VF」 1 回目で戻らず CPR 後 2 回目で戻る。

《オペレーター》 VF : 電気ショック → VF 持続-2 分間 CPR-電気ショック → (Idiov. HR 30、電気

収縮解離 on=脈はすぐには触れない)-2 分間 CPR 後に脈も触れる(HR 70 に、電気収縮解離を解除)

⑤「VF」 1 回目で戻らず CPR 後 2 回目で「Asys」に。『リード・カンド・ユードー』

《オペレーター》 VF : 電気ショック → VF 持続-2 分間 CPR-電気ショック→2 分間 CPR 後に確認(Asystole)

⑥「pulseless VT」 1回目で洞調律、体動あり。しばらくして再び「pulseless VT」、放電する前に自

然に洞調律に(内部放電)。

《オペレーター》 pulseless VT : 電気ショック → (sinus HR 70、脈あり)-2 分間の CPR 中に(・・・途中体動あり)→ちょっとして再び、pulseless VT→電気ショックする前に Sinus HR 70 へ⇒内部放電

<指導のポイント>

* 電気ショック後はただちに CPR(胸骨圧迫から)2 分間(①~⑥) (ここでは「2 分間」は適当なところで「2 分たちました」とインストが提示)

* 体動があれば CPR 中止でよい(①②) * VF が持続したあとの電気ショック→PEA,Asysで脈が触れないケースあり(③④⑤)

* ⑥は自然に戻るケースは少ないが、モニターを確認すること、内部放電の説明のために設定

(その旨を受講者に伝える)

* 内部放電が必要なとき、ただちにスイッチを「内部放電」にするか、「モニター」にすれば内部放

電されます。パドルを浮かせたり、戻す必要はありません。

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<オプション項目>

波形の読み方・5 項目

1. 速いか、遅いか?

2. 整か、不整か?

3. P波はあるか?

4. QRSの幅は狭いか、広いか?

5. P と QRSの関係はあるか?

→ 一人に後ろを向いてもらう。

残りの人に順番に 5つの質問に一つずつ答えてもらう。

最後に後ろに向いている人に 「さて、この波形はなんでしょう?」

看護師が医師に電話で伝えるときには、診断しなくていい。

この 5つを言えば、モニターを見ていない人も何の波形か分かるはず。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

不整脈は、安定(Stable)か?不安定(Unstable)か?がポイント!

⑦SVT

《オペレーター》 Junctional Rhythm・・・HR 160 (SVTの例として)

⑧頻脈 Stable → 各アルゴリズムへ(まずは薬で治療)

Unstable → 同期電気ショック(鎮静して、同期させて)

なぜ同期させるのか? ⇒ Shock on T → VF を避けるため。

a. BP 120/60 HR 140・ ・・Stable → Drug 

b. BP 70/40 HR 180・ ・・Unstable →同期電気ショック(鎮静して)

c. pulseless VT HR 220  →「治療は?」→“ただちに電気ショック!”

《オペレーター》 a. 脈あり VT・・・BP 120/60 HR 140

b. 脈あり VT・・・BP 70/40 HR 180(うめき声とともに)

c. 脈の触れない VT(pulseless VT)・・・HR 200(うめき声とともに)

⑨徐脈・・・Ⅱ°Mobitz2型 or Ⅲ°A-V block、または Unstableであれば

→ Drug(アトロピン)や TCPで急いで治療を!

《オペレーター》Ⅲ°A-V block・・・HR 30(ペーシング閾値 80)

⇒時間があれば TCPの説明

TCP(経皮ペーシング) : Transcutaneous Pacing

<適応>

① 血行動態的に不安定な徐脈(血圧低下、意識レベルの低下、胸痛、肺水腫など)

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② 徐脈によると思われる不安定な臨床症状

③ 急性心筋梗塞の合併症として

症状のある徐脈、モービッツⅡ型の 2度房室ブロック

3度房室ブロック、新たな脚ブロックの出現、もしくは 2枝ブロックの出現

④症状のある心室性補充収縮を伴った徐脈

⑤薬物療法や同期電気ショックで治療困難な頻拍発作に対するオーバードライブペーシング

<使い方>

①パッドをその図に書いてある通りに胸に貼る(パッドと本体の接続も)

②スイッチを入れる

③デマンドペーシングで 60/分にセット。ペーシングができてから病態にあったペーシングレート

に調節する(60~70/分程度が多い)

④出力を下から上げていってペーシング閾値を見つけ、そこから 2mA 上乗せして安全限界

safety margin とする。

注意 深刻な低体温症には禁忌

Asystoleには推奨されない

意識のある傷病者には鎮静剤の投与が必要

ペーシング中は胸部の筋肉が収縮するために頸動脈を触れにくいかもしれないので、他部位

の動脈でチェックできるかどうかを確かめること

スタンバイペーシング:急性心筋梗塞では、落ち着いているように見えても徐脈が出現したり高

度房室ブロックが突然出現することが多いので、急変に備えて TCPパッ

ドを胸に貼っておくこと

不安定な傷病者に対してアトロピン投与しようとしても投与できないことや無効の可能性がある

ため、TCPは不安定な傷病者に対して遅滞なく施行されるべきである。

TCPは思ったよりも簡単ですので、ぜひいつでも使えるように自分の施設の除細動器をチェッ

クしておいてください。(なお、TCP用のパッドを使って、必要があればそのまま除細動もできま

す。)

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< シナリオステーションの共通事項 >

シナリオステーションの進め方

① まずブースに入ってきた受講者の背景・レベルを知る

チューターから情報を得る。

② 目標を提示する(5分)

必要があれば簡単な説明(講義時間はできるだけ短く)

③ シナリオシミュレーション(60分)

シナリオを用いてシミュレーションを行います。1人1回はリーダー役ができるように時間管理をきちん

としてください。

シナリオの設定は、受講生の職種、職場環境により、リアルな設定に変更して使用してください。例え

ば、使うシナリオが救急外来の設定なのに、受講生が病棟看護師だった場合は、入院中の患者さん

が病棟で急変した設定に変更したり、今までの経験談を聞き出し、それに近いような設定にしたりと

工夫してください。

④ 質問・まとめ(5分)

原則として、終わり 5分をきったら、新しいシナリオには入らない

《インストラクターの役割分担》

プレンゼンター・・・シナリオの設定と進行と FBの進行とまとめ

オペレーター・・・PC(ハートシム)の操作

チェッカー・・・チェックリストを用いて、リーダーのチェック(+チームの CPR も)

また記録係に記録をしてもらい、インストラクターがそのアシストをしてあげてください。受講者が

全体を冷静に見ることができますのでアドバイスもスムーズです。

《受講者の役割分担》

リーダー・・・チームの指揮

胸骨圧迫・・・CPRをしっかり実践、疲れたら交代してもらう

気道管理・・・CPRをしっかり実践

モニター係・・・モニター心電図装着、設定、除細動

薬剤投与係・・・静脈路確保、点滴、注射

記録係・・・蘇生処置を記録し、さらにストップウォッチを持って、CPR「2 分間」、アドレナリン投与

「3~5 分毎」の時間計測も行う。リーダーが終わった後、次のシナリオで記録係を行

えば、全体を冷静にみることができます。記録は所定の記録用紙に記入してもいいで

すが、ホワイトボードに書き込んで、これを見ながら全体で振り返り(フィードバック)を

行えば、効果的になります。

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《フィードバック(FB)の仕方》

フィードバックは必ず全員の前で行う。人のフィードバックを聞くことで勉強になることや気づく

ことがたくさんあるはずです。

①プレゼンターが本人に感想を聞く。シナリオのポイントは何であったかを一言説明した後、

②チェッカーからのフィードバック

★の箇所を中心に。(おかやまコースは「桃」印です。)

ポジティブ FB 1つ、コンストラクティブ FB 1つ。(しゃべりすぎないこと)

具体的にフィードバックする。「流れはよかったです。」は×

細かいところはチェックリストに書き込んで個人的に。

③プレゼンターが足りないところをフォローする。または、ポイントをまとめたり、次へ繋がるよう

な助言を行う。

《補足事項》

1.シナリオを提示していますが、必ずこのシナリオどおりにしないといけないというものではあり

ません。オリジナルのシナリオがある場合は、それを使っていただいても構いません。受講

生のレベルや背景に合わせてシナリオを工夫してください。

2.BLS:絶え間ない胸骨圧迫と換気(30:2)をきちんとやってもらってください。

胸骨圧迫の中断時間を最小限に(10秒以内)。疲労を考えて、胸骨圧迫者は 1~2分毎に交

代してください。

ハートシムや SimPad は直接息を吹き込むことができません。換気をする場合は、必ず BVM

を使用してください。BVMがすぐに手に入らないときは胸骨圧迫だけの CPRをしてもらってく

ださい。

また、チェッカーはチームの BLSについても FB してください。

3.電気ショック:原則としてリーダー以外の人が施行。セルフ充電し、安全確認も施行者が行

ってください。

4.挿管:BVM での換気が難しいときには挿管してもらってください。挿管の確認はリーダーがし

ます。受講者が難しい場合はインストが挿管してください。

5.輸液:「肘正中皮静脈から、太い針(18G)で、生食(細胞外液)で。」

「薬剤を静注後、生食 20mlで後押し、上肢を 10~20秒挙上。」

→ラインが取れなければ、骨髄内投与を考慮する。

6.心拍再開後の集中治療:オプションとします。受講者のレベルによって解説するか検討くださ

い。研修医コースでは必須とします。

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< VF / Pulseless VT >

目標:リーダーの役割を理解する。

VF/pulseless VT の蘇生手順を理解する。

安全に電気ショックを施行する。

チーム蘇生を理解する。

①デモンストレーション(各ブースで)シナリオは病棟での急変。VF、モニターをつけて電気ショック 1 回、その直後に CPR を再開するところまで。午後の流れを決めるので各自しっかり行ってください。

②VF/pulseless VT ブースの目標・約束事を説明

[約束事の確認]

BLSは本気で→午後のシナリオを通して胸骨圧迫の中断がないよう心掛ける

リーダーは一歩下がって全体を見る。THE VOICE!で指示。

チームでスムーズに蘇生できるように工夫しましょう。

③シナリオシミュレーション

役割分担は、①リーダー②胸骨圧迫③換気④電気ショック(モニター)⑤点滴⑥記録

リーダー役を全員に回せるように工夫してください。

早期除細動の重要性を強調する(除細動が 1 分遅れるごとに救命率が 7~10%ずつ低下す

る!)

《輸液と薬剤投与の話》

シナリオで Secondary に入る前に解説をしてください。

「肘正中皮静脈から、生食で静脈路確保」

「アドレナリン 1mg を 3~5 分ごとに静注してください。」「静注後、生食 20ml で後押しし、上肢を 10~20 秒間挙上してください。」

→静脈ラインが取れなければ、骨髄内投与(脛骨粗面穿刺)。

ガイドラインで推奨され、静脈または骨髄から速やかにルートを確保する。

→以前は、気管内投与の有効性も記載されていましたが、現在は、記載自体がなくなりまし

た。

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▲▲▲▲ミニコラム▲▲▲▲▲

アドレナリン投与のタイミングに関して、G2015では初期波形がショック適応リズムの心停止にお

いては、アドレナリン投与時期に関する推奨や提案をするほどの十分なエビデンスを、特に電気

ショックとの関係においては見い出すことができなかった、と記載されています。実際には1回の電

気ショックで元に戻らない「難治性VF」の場合に薬剤投与を検討します。従って、コース

では2回目の電気ショックの後に薬剤投与を行うように指導しています。

アドレナリン-電気ショックでも戻らない場合には、抗不整脈剤投与を行います。抗不整脈

剤=アミオダロン、リドカインなどです。日本でも VF 時のアミオダロン 300 ㎎の静注が

保険で認められました(2013/5)。

▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲

《心拍再開後の集中治療》 テキスト 38~39ページ参照

1. 12誘導 ECG・心エコー

2. 吸入酸素濃度と換気量の適正化

3. 循環管理

4. 体温管理療法(低体温療法等)

5. 再灌流療法

6. てんかん発作への対応

7. 原因の検索と治療

8. その他の治療

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< VF / pulseless VT のシナリオ ① >

状況設定 外来待合室を通りかかったとき、60代の男性が胸を押さえて目の前で倒れた。

背景(聞かれたら答える):糖尿病・高血圧で通院中

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VF

待機調律:Sinus(QRS:C、心拍数:80/分、血圧:

120/80mmHg)

除細動:有効 処置:挿管

目の前で倒れる

「苦悶」をクリック

緊急コール・救急カート・除細動器

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1 回目 Sinus

(ST上昇)

自動で

実行調律:Sinus(QRS:C、心拍数:80/分、血圧:

120/80mmHg)

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集 (電気収縮解離のチェックがはずれているか確認)

(2分間の CPRの途中で)体動出現 「呼吸音」をクリック

「苦悶」をクリック

※ 迅速で安全に電気ショックをかける急性心筋梗塞からの VF。

※ 目の前でVFになった場合、ほとんどが 1 回の電気ショックで戻ります。

【この症例のポイント】

● まずは、リーダーの役割を理解しましょう。

チームメンバーが来たら、役割を振る(すばやく胸骨圧迫を交代!!)

ハッキリ声だし、しっかり指示を!

● 絶え間ない胸骨圧迫と換気

● 迅速で安全に電気ショックを行う

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< VF / pulseless VTのシナリオ (SimPad 版) ① >

状況設定 外来待合室を通りかかったとき、60代の男性が胸を押さえて目の前で倒れた。

背景(聞かれたら答える):糖尿病・高血圧で通院中

シナリオ 心電図 オペレーター

目の前で倒れる

「うめき声」をクリック

すぐに「VF」を実行

緊急コール・救急カート・除細動器

「ROSC(AMI)」の除細動を有効にする

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1 回目

Sinus

(ST上昇)

1分かけて自動的に「ST上昇の sinus」に変化する

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

(2分間の CPRの途中で)体動出現 「胸郭挙上」をオンにする

「うめき声」をクリック

※ 迅速で安全に電気ショックを行う急性心筋梗塞からの VF。

※ 目の前でVFになった場合、ほとんどが 1 回のショックで戻ります。

【この症例のポイント】

● まずは、リーダーの役割を理解しましょう。

チームメンバーが来たら、役割を振る(すばやく胸骨圧迫を交代!!)

ハッキリ声だし、しっかり指示を!

● 絶え間ない胸骨圧迫と換気

● 迅速で安全に電気ショックを行う

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< VF / pulseless VT のシナリオ ② >

状況設定 50 歳の男性が動悸を主訴に、救急外来を受診。診察のため、ベッドに横になっているときにうめき

声をあげて意識を失った。

背景(聞かれたら答える):高血圧・狭心症

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VT(QRS:C、心拍数:180/分、電気収縮解

離チェック)

待機調律:Idiov.(心拍数:30/分)

除細動:有効 処置:挿管

うめき声をあげて意識消失

「苦悶」をクリック

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VT

電気ショック 1 回目

Idiov. 自動で

実行調律:Idiov.(心拍数:30/分、電気収縮解離チェッ

ク)

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

待機調律:Sinus(QRS:C、心拍数:80/分、血圧:

120/80mmHg)

状況をみて「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

バイタルチェックの後、ICUへ

Sinus

(ST上昇)

「呼吸音」をクリック

「苦悶」をクリック

※ 心原性疾患からの pulseless VT。※ 目の前でVT になった場合、ほとんどが 1 回のショックで戻ります。

【この症例のポイント】

● リーダーの役割を理解しましょう。

チームメンバーが来たら、役割を振る(すばやく胸骨圧迫を交代!!) ハッキリ声だし、しっかり指示を!

● 絶え間ない胸骨圧迫と換気

● 迅速で安全に電気ショックを行う

● Pulseless VT の確認には、パルスチェックを!!

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< VF / pulseless VT のシナリオ (SimPad 版) ② >

状況設定 50 歳の男性が動悸を主訴に、救急外来を受診。診察のため、ベッドに横になっているときにうめき

声をあげて意識を失った。

背景(聞かれたら答える):高血圧・狭心症

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

うめき声をあげて意識消失

「うめき声」をクリック

すぐに「pulseless VT」を実行

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

「ROSC(AMI)」の除細動を有効にする

CPR開始し、モニター装着

VT

電気ショック 1 回目

1分かけて自動的に「ST上昇の sinus」に変化する

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

(2分間の CPR後)リズムチェック

バイタルチェックの後、ICUへ

Sinus

(ST上昇)

「胸郭挙上」をオンにする

「うめき声」をクリック

※ 心原性疾患からの pulseless VT。※ 目の前でVT になった場合、ほとんどが 1 回のショックで戻ります。

【この症例のポイント】

● リーダーの役割を理解しましょう。

チームメンバーが来たら、役割を振る(すばやく胸骨圧迫を交代!!) ハッキリ声だし、しっかり指示を!

● 絶え間ない胸骨圧迫と換気

● 迅速で安全に電気ショックを行う

Pulseless VT の確認には、パルスチェックを!!

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< VF / pulseless VT のシナリオ ③ >

状況設定 イオン倉敷でショッピングをしていたところ、目の前で 60歳の男性が胸をおさえて倒れた。

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VF

待機調律:Sinus(QRS:A、心拍数:80/分、血圧:

120/80mmHg)

除細動:有効 処置:挿管

目の前で倒れる

「苦悶」をクリック

119番通報、AED

「あえぎ呼吸」

CPR開始し、AED装着

VF

AEDでショック!!!

Sinus 「実行(交換)」をクリック

実行調律:Sinus(QRS:A、心拍数:80/分、血圧:

120/80mmHg)

CPR再開

状況をみて

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

救急隊到着し、搬送

Sinus 「呼吸音」をクリック

「苦悶」をクリック

【この症例のポイント】

● AEDの基本的な操作ができる

● ショック後すぐに CPRを再開し、2分毎にリズムチェックを行う。

★シナリオ④に入る前に、CPR2分の間にすること、薬剤投与や挿管のタイミングなどを解説★

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< VF / pulseless VT のシナリオ (SimPad 版) ③ >

状況設定 イオン倉敷でショッピングをしていたところ、目の前で 60歳の男性が胸をおさえて倒れた。

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

目の前で倒れる

「うめき声」をクリック

すぐに「VF」を実行

119番通報、AED

「あえぎ呼吸」

CPR開始し、AED装着

VF

AEDでショック!!!

「ROSC(sinus)」を実行

CPR再開

1分かけて自動的に「Sinus」に変化する

(2分間の CPR後)リズムチェック

救急隊到着し、搬送

Sinus 「胸郭挙上」をオンにする

「うめき声」をクリック

【この症例のポイント】

● AEDの基本的な操作ができる

● ショック後すぐに CPRを再開し、2分毎にリズムチェックを行う。

★シナリオ④に入る前に、CPR2分の間にすること、薬剤投与や挿管のタイミングなどを解説★

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< VF / pulseless VT のシナリオ ④ >

状況設定 病棟回診中、302号室の○○さんの反応がありません。

背景(聞かれたら答える): 50歳の男性、狭心症で入院中

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VF

待機調律:Idiov.(心拍数:30/分)

除細動:無効 処置:挿管

呼びかけに反応なし

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1 回目

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

次の除細動までの間に「除細動:有効」にしておく

2分間の CPR後、リズムチェック

VF

電気ショック 2 回目

自動で

実行調律:Idiov.(心拍数:30/分,電気収縮解離チェッ

ク)

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

待機調律:Sinus(QRS:C、心拍数:80/分、血圧:

120/80mmHg)

状況をみて「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

【この症例のポイント】

● Secondary ABCDの理解

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする

原因検索

時間があればサマライズを

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29

< VF / pulseless VT のシナリオ (SimPad 版) ④ >

状況設定 病棟回診中、302号室の○○さんの反応がありません。

背景(聞かれたら答える): 50歳の男性、狭心症で入院中

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

呼びかけに反応なし

「VF」を実行

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック1 回目↓

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

「ROSC(AMI)」の除細動を有効にする

2分間の CPR後、リズムチェック

VF

電気ショック 2 回目

1分かけて自動的に「ST上昇の sinus」に変化する

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

【この症例のポイント】

● Secondary ABCDの理解

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする

原因検索

時間があればサマライズを

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30

< VF / pulseless VT のシナリオ ⑤ >

状況設定 52歳男性。主訴は胸痛。救急車で搬送されてきたが、病院到着直前に反応がなくなった。

背景(聞かれたら答える):狭心症の既往あり

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VF

待機調律:Idiov.(心拍数:30/分)

除細動:無効 処置:挿管

反応なし

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1 回目

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

次の除細動までの間に「除細動有効」にしておく

2分間の CPR後、リズムチェック

VF

電気ショック 2 回目

自動で

実行調律:Idiov.(心拍数:30/分,電気収縮解離チェッ

ク)

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

待機調律:Sinus(QRS:C、心拍数:80/分、血圧:

120/80mmHg)

状況をみて「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

【この症例のポイント】

● 救急隊から引き継ぐとき、状況把握、反応の確認から開始する

● Secondary ABCDの理解

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

● 心拍再開後の集中治療(テキスト 38ページ)

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31

< VF / pulseless VT のシナリオ (SimPad 版) ⑤ >

状況設定 52歳男性。主訴は胸痛。救急車で搬送されてきたが、病院到着直前に反応がなくなった。

背景(聞かれたら答える):狭心症の既往あり

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

反応なし

「VF」を実行

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1 回目

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

「ROSC(AMI)」の除細動を有効にする

2分間の CPR後、リズムチェック

VF

電気ショック 2 回目

1分かけて自動的に「ST上昇の sinus」に変化する

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

【この症例のポイント】

● 救急隊から引き継ぐとき、状況把握、反応の確認から開始する

● Secondary ABCDの理解

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

● 心拍再開後の集中治療(テキスト 38ページ)

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32

< VF / pulseless VT のシナリオ ⑥ >

状況設定 70歳男性。気分が悪いとナースコールあり。病室へかけつけたところ、反応なし。

背景(聞かれたら答える):胸痛発作続くため心臓カテーテル検査目的で入院

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VT(QRS:C、心拍数:180/分、電気収縮解

離チェック)

待機調律:Idiov.(心拍数:30/分)

除細動:無効 処置:挿管

反応なし

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VT

電気ショック 1 回目

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

次の除細動までの間に「除細動有効」にしておく

2分間の CPR後、リズムチェック

VT

電気ショック 2 回目

自動で

実行調律:Idiov.(心拍数:30/分,電気収縮解離チェッ

ク)

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

待機調律:Sinus(QRS:C、心拍数:80/分、血圧:

120/80mmHg)

状況をみて「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

【この症例のポイント】

● SecondaryABCDの理解

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

● 心拍再開後の集中治療

Page 34: ICLSコース・コンセンサスnpo-ok.umin.jp/staff/souko/qokayama_files/consensus_3rd.pdf · は以前は 8 歳を目安としていたため、現場で混乱があり、日本版のガイドライン2010

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33

< VF / pulseless VT のシナリオ (SimPad 版) ⑥ >

状況設定 70歳男性。気分が悪いとナースコールあり。病室へかけつけたところ、反応なし。

背景(聞かれたら答える):胸痛発作続くため心臓カテーテル検査目的で入院

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

反応なし

「Pulseless VT」を実行

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VT

電気ショック 1 回目

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

「ROSC(AMI)」の除細動を有効にする

2分間の CPR後、リズムチェック

VT

電気ショック 2 回目

1分かけて自動的に「ST上昇の sinus」に変化する

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

【この症例のポイント】

● SecondaryABCDの理解

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

● 心拍再開後の集中治療

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< VF / pulseless VT のシナリオ ⑦ >

状況設定 動悸を主訴に来院した 42 歳の男性。「胸がドキドキするんです。息苦しい。先生なんとかしてくださ

い。」と訴えている。

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VT(QRS:C、心拍数:140/分、血圧:

90/40mmHg)

待機調律:Sinus(QRS:C、心拍数:80/分、血圧:

90/40mmHg)

除細動:有効 処置:挿管

SPO2 88%にて酸素投与し、モニター装

着、静脈路確保(OMI)、バイタル測定

VT

うめき声をあげて、突然意識消失

電気収縮解離チェック、心拍数を 180/分に上げる

「苦悶」をクリック

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR 開始し、準備でき次第ショック 1 回目

自動で

実行調律:Sinus(QRS:C、心拍数:80/分、血圧:

90/40mmHg)

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

バイタルチェックの後、ICUへ

Sinus

(ST上昇)

「呼吸」をクリック

「苦悶」をクリック

【この症例のポイント】

● 意識のある患者さんへの対応は、O-M-I(酸素・モニター・点滴)が基本

● 迅速で安全に除細動をかける

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35

< VF / pulseless VT のシナリオ (SimPad 版) ⑦ >

状況設定 動悸を主訴に来院した 42 歳の男性。「胸がドキドキするんです。息苦しい。先生なんとかしてくださ

い。」と訴えている。

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

SPO2 88%にて酸素投与し、モニター装

着、静脈路確保(OMI)、バイタル測定

VT 「VT」を実行

うめき声をあげて、突然意識消失

「うめき声」をクリック

すぐに「Pulseless VT」を実行

緊急コール、救急カート、除細動器

「ROSC(AMI)」の除細動を有効にする

CPR 開始し、準備でき次第ショック 1 回目

1分かけて自動的に「ST上昇の sinus」に変化する

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

(2分間の CPR後)リズムチェック

バイタルチェックの後、ICUへ

Sinus

(ST上昇)

「胸郭挙上」をオンにする

「うめき声」をクリック

【この症例のポイント】

● 意識のある患者さんへの対応は、O-M-I(酸素・モニター・点滴)が基本

● 迅速で安全に除細動をかける

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36

< PEA / Asystole >

目標:PEA/Asystoleの蘇生手順を理解する

原因検索へのアプローチ

①PEA/Asystoleブースの目標や要点を説明

②シナリオシミュレーション

役割分担は、①リーダー②胸骨圧迫③換気④モニター⑤点滴⑥記録

リーダー役を全員に回せるように工夫してください。

シナリオ終了後、原因検索へのアプローチを受講生の職種や理解度を考慮して、フィードバックし

てください。(時間オーバーしないように)

Asystole の際は、胸骨圧迫を再開してから、「リード、感度(1 倍以上になっているか)、誘導(Ⅱ誘

導になっているか)」を確認。10秒以上胸骨圧迫が中断しないように注意してください。

受講者にとってストレスのかかる時間帯!!

特に「診断は?」、「治療方針は?」といわれても、日頃やりなれていないので、講習会での緊張も

加わって苦手意識を植え付けることになりかねません。

カルテやシナリオ設定の状況、採血結果などから考えますが、診断や治療方針をたてることが主

目的ではないので、特に受講者が医師以外の場合、チームメンバーでいっしょに考えたり、インス

トが誘導するなどしてあげてください。誘導しすぎると、リーダー役がすぐに他のチームメンバーに

聞いてしまい、考えなくなってしまうのも注意が必要です。

PEA/Asysyoleの場合のアドレナリンの投与タイミング

G2015では、初期ECG 波形がショック非適応リズムの心停止において、アドレナリンを投与する場合は、心停止後可能な限り速やかに投与する、と提案されています(弱い推奨、低いエビデンス)。従って、コースでは準備ができ次第、投与することを指導します。

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< PEA / Asystole のシナリオ ① >

状況設定 74歳 男性。発熱、呼吸困難で救急外来を受診。待合室で意識消失した。

背景(聞かれたら答える):COPDにて通院中

◎呼吸不全からの急変(PEA)。低酸素血症に対し、効果的な CPRが行えれば、心拍再開する可能性が高い。

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:Sinus (QRS:A、心拍数:40/分、電気収縮

解離チェック)

待機調律:Sinus(QRS:A、心拍数:80/分、血圧:

120/80mmHg)

処置:挿管

反応なし

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

2分間の CPR後、リズムチェック

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、必要なら挿管、2 回目のアドレナ

リン(3~5分後)

状況をみて「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus 「呼吸」をクリック

【この症例のポイント】

● PEAの診断:必ずパルスチェックをする

● Secondary ABCDの理解

● 絶えず効果的な CPRができているか?

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< PEA / Asystole のシナリオ (SimPad 版) ① >

状況設定 74歳 男性。発熱、呼吸困難で救急外来を受診。待合室で意識消失した。

背景(聞かれたら答える):COPDにて通院中

◎呼吸不全からの急変(PEA)。低酸素血症に対し、効果的な CPRが行えれば、心拍再開する可能性が高い。

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

反応なし

「PEA 40」を実行

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

2分間の CPR後、リズムチェック

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、必要なら挿管、2 回目のアドレナ

リン(3~5分後)

「ROSC(sinus)」を実行

1分かけて自動的に「sinus」に変化する

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus 「胸郭挙上」をオンにする

【この症例のポイント】

● PEAの診断:必ずパルスチェックをする

● Secondary ABCDの理解

● 絶えず効果的な CPRができているか?

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< PEA / Asystole のシナリオ ② >

状況設定 病棟の廊下を歩いていると、60歳の男性がトイレの前で倒れていた。

背景(聞かれたら答える):心筋梗塞でバイアスピリン内服中。トイレに大量のタール便あり

◎消化管出血からの急変(PEA)。循環血液量減少に対してすばやく対応することで救命できる。

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:Sinus (QRS:A、心拍数:120/分、電気収

縮解離チェック)

待機調律:Sinus(QRS:A、心拍数:70/分、血圧:

120/80mmHg)

処置:挿管

反応なし

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

2分間の CPR後、リズムチェック

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、大量輸液、輸血準備、必要な

ら挿管、2回目のアドレナリン(3~5分後)

原因検索し、大量輸液や輸血ができたら、「実行(交

換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus 「呼吸」をクリック

【この症例のポイント】

● PEAの診断:必ずパルスチェックをする

● Secondary ABCDの理解

● 原因検索について(カラダ・カルテ・カゾク)

● 循環血液量減少と低酸素血症はPEAの原因として最も一般的であり、容易に治療可能である。

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40

< PEA / Asystoleのシナリオ (SimPad 版) ② >

状況設定 病棟の廊下を歩いていると、60歳の男性がトイレの前で倒れていた。

背景(聞かれたら答える):心筋梗塞でバイアスピリン内服中。トイレに大量のタール便あり

◎消化管出血からの急変(PEA)。循環血液量減少に対してすばやく対応することで救命できる。

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

反応なし

「PEA 120」を実行

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

2分間の CPR後、リズムチェック

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、大量輸液、輸血準備、必要な

ら挿管、2回目のアドレナリン(3~5分後)

「ROSC(sinus)」を実行

1分かけて自動的に「sinus」に変化する

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus 「胸郭挙上」をオンにする

【この症例のポイント】

● PEAの診断:必ずパルスチェックをする

● Secondary ABCDの理解

● 原因検索について(カラダ・カルテ・カゾク)

● 循環血液量減少と低酸素血症はPEAの原因として最も一般的であり、容易に治療可能である。

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< PEA / Asystole のシナリオ ③ >

状況設定 心肺停止状態の患者さん(82歳、男性)がCPRをされながら運び込まれてきた。家族はまだ不在の

ため詳細不明。

背景(聞かれたら答える):末期癌で BSCの患者

◎DNARの意思表示のある末期癌患者が運ばれてきた時の対応

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:Asystole

処置:挿管

反応なし

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

↓ (リード・感度・誘導の確認)

Asystole

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

カルテにてDNAR確認 (末期癌。DNARと

いうことで、ご本人・ご家族・主治医の合

意、署名あり)

到着したご家族に状況説明し再確認

CPR中止、死亡確認 Asystole

【この症例のポイント】

● Asystole? と思ったら、リード、感度、誘導

● DNAR:Asystoleは「死の波形」と言われている。DNARの宣言や死体現象の出現など、蘇生行為を中止する

ものはないかを確認する。

● DNARの意思表示がはっきりしない間は、CPRを開始し、その間に原因検索を行う。

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42

< PEA / Asystole のシナリオ (SimPad 版) ③ >

状況設定 心肺停止状態の患者さん(82歳、男性)がCPRをされながら運び込まれてきた。家族はまだ不在の

ため詳細不明。

背景(聞かれたら答える):末期癌で BSCの患者

◎DNARの意思表示のある末期癌患者が運ばれてきた時の対応

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

反応なし

「Asystole」を実行

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

↓ (リード・感度・誘導の確認)

Asystole

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

カルテにてDNAR確認 (末期癌。DNARと

いうことで、ご本人・ご家族・主治医の合

意、署名あり)

到着したご家族に状況説明し再確認

CPR中止、死亡確認 Asystole

【この症例のポイント】

● Asystole? と思ったら、リード、感度、誘導

● DNAR:Asystoleは「死の波形」と言われている。DNARの宣言や死体現象の出現など、蘇生行為を中止する

ものはないかを確認する。

● DNARの意思表示がはっきりしない間は、CPRを開始し、その間に原因検索を行う。

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< PEA / Asystole のシナリオ ④ >

状況設定 ICU で挿管中の患者さんの人工呼吸器のアラームが鳴り始め、SpO2低下し、血圧も低下してきたと

コールあり。

◎挿管患者の急変(PEA)

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:Sinus(QRS:D、心拍数:30/分、電気収縮

解離チェック)

待機調律:Sinus(QRS:A、心拍数:70/分、血圧:

70/40mmHg)

左右気道閉塞

鎮静中で反応の確認は困難

緊急コール、救急カート、除細動器(ICUな

のですぐそこにある)、脈触れず

Sinus

(脈なし)

ただちに CPR開始、アドレナリン投与、

人工呼吸器アラーム続くので BVM 換気に変

↓ 情報収集、リズムチェック 2分毎

気道トラブルに気づく

CPR 継続しつつトラブルの解決(気管チュ

ーブ抜いてマスク換気、可能であれば再

挿管)

問題解決できたら「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

気道閉塞解除

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

【この症例のポイント】

● 挿管中は呼吸の評価を継続する。(テキスト 23ページ)

Displaced tube:チューブの逸脱

Obstructed tube:チューブの閉塞

Pneumothorax:気胸

Equipment failure:機器の故障

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44

< PEA / Asystole のシナリオ (SimPad 版) ④ >

状況設定 ICU で挿管中の患者さんの人工呼吸器のアラームが鳴り始め、SpO2低下し、血圧も低下してきたと

コールあり。

◎挿管患者の急変(PEA)

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

鎮静中で反応の確認は困難

「PEA 40」を実行

左右気道閉塞にして「実行」をクリック

緊急コール、救急カート、除細動器(ICUな

のですぐそこにある)、脈触れず

Sinus

(脈なし)

ただちに CPR開始、アドレナリン投与、

人工呼吸器アラーム続くので BVM 換気に変

↓ 情報収集、リズムチェック 2分毎

気道トラブルに気づく

CPR 継続しつつトラブルの解決(気管チュ

ーブ抜いてマスク換気、可能であれば再

挿管)

「ROSC(sinus)」を実行

左右気道閉塞を解除して「実行」をクリック

1分かけて自動的に「sinus」に変化する

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

【この症例のポイント】

● 挿管中は呼吸の評価を継続する。(テキスト 23ページ)

Displaced tube:チューブの逸脱

Obstructed tube:チューブの閉塞

Pneumothorax:気胸

Equipment failure:機器の故障

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45

< PEA / Asystole のシナリオ ⑤ >

状況設定 救急外来に心肺停止状態の 73歳の男性が運ばれてきた。救急隊が CPRをしている。

背景(聞かれたら答える):糖尿病、慢性腎不全あり、週 3 回透析を行っている。コンプライアンス

不良で、昨日果物をたくさん食べた。

◎高 K血症からの急変(Asystole)

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:Asystole

処置:挿管

反応なし

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

↓ (リード・感度・誘導の確認)

Asystole

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

2分間の CPR後、リズムチェック

Asystole

CPR 継続、高 K 血症の治療(カルチコー

ル、メイロン、GIなど)、必要なら挿管、2回

目のアドレナリン(3~5分後)

30分蘇生努力するも心拍再開せず

蘇生中止の判断、家族への説明

Asystole

【この症例のポイント】

● Asystole? と思ったら、リード、感度、誘導

● 蘇生中止の判断 KCLSテキスト P31

心肺蘇生開始 15~20分前後で蘇生中止を検討し始めます。

例外:溺水、低体温、薬物中毒

● 高 K血症の治療 KCLSテキスト P37

カルチコール、メイロン、GI療法

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46

< PEA / Asystole のシナリオ (SimPad 版) ⑤ >

状況設定 救急外来に心肺停止状態の 73歳の男性が運ばれてきた。救急隊が CPRをしている。

背景(聞かれたら答える):糖尿病、慢性腎不全あり、週 3 回透析を行っている。コンプライアンス

不良で、昨日果物をたくさん食べた。

◎高 K血症からの急変(Asystole)

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

反応なし

「Asystole」を実行

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

↓ (リード・感度・誘導の確認)

Asystole

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

2分間の CPR後、リズムチェック

Asystole

CPR 継続、高 K 血症の治療(カルチコー

ル、メイロン、GIなど)、必要なら挿管、2回

目のアドレナリン(3~5分後)

30分蘇生努力するも心拍再開せず

蘇生中止の判断、家族への説明

Asystole

【この症例のポイント】

● Asystole? と思ったら、リード、感度、誘導

● 蘇生中止の判断 KCLSテキスト P31

心肺蘇生開始 15~20分前後で蘇生中止を検討し始めます。

例外:溺水、低体温、薬物中毒

● 高 K血症の治療 KCLSテキスト P37

カルチコール、メイロン、GI療法

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47

< PEA / Asystole のシナリオ ⑥ >

状況設定 外来待合室で、イスに座っていた 70歳の男性がうめき声をあげて目の前で倒れた。

背景(聞かれたら答える):糖尿病、高血圧、高脂血症で通院中。最近、胸を痛がることが時々あっ

た。今朝より胸部不快感あり、受診にきたところであった。

◎心筋梗塞からの急変(PEA)

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:Sinus(QRS:C、心拍数:40/分、電気収縮

解離チェック)

待機調律:Sinus(QRS:C、心拍数:70/分、血圧:

70/40mmHg)

処置:挿管

反応なし

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

2分間の CPR後、リズムチェック

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、必要なら挿管、2 回目のアドレナ

リン(3~5分後)

原因検索ができたら、「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

「呼吸」をクリック

【この症例のポイント】

● SecondaryABCDの理解

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする

原因検索(カラダ・カルテ・カゾク)

時間があればサマライズを

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48

< PEA / Asystole のシナリオ (SimPad 版) ⑥ >

状況設定 外来待合室で、イスに座っていた 70歳の男性がうめき声をあげて目の前で倒れた。

背景(聞かれたら答える):糖尿病、高血圧、高脂血症で通院中。最近、胸を痛がることが時々あっ

た。今朝より胸部不快感あり、受診にきたところであった。

◎心筋梗塞からの急変(PEA)

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

反応なし

「PEA 40」を実行

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備、情報収集(聞かれたら答える)

2分間の CPR後、リズムチェック

Sinus

(脈なし)

CPR 継続、必要なら挿管、2 回目のアドレナ

リン(3~5分後)

原因検索ができたら、「ROSC(AMI)」を実行

1分かけて自動的に「ST上昇の sinus」に変化する

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

「胸郭挙上」をオンにする

【この症例のポイント】

● SecondaryABCDの理解

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする

原因検索(カラダ・カルテ・カゾク)

時間があればサマライズを

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49

< Mega Code > 目標:心停止時の初期対応ができる

VF/Pulseless VT で早期の電気ショックができる

チーム蘇生

リーダー役を全員に回せるように工夫してください。

今回のコースでこれだけは身に着けてほしい内容は、

●救急の経験の少ない医療者の方

→「初期対応ができ~VFで早期の電気ショックできること」と「チームの一員として動けること」

●急変患者さんにあたる可能性の高い医療者の方

→上記に加え、VF/VT のアルゴリズム、PEA/Asys のアルゴリズムを理解して行動できること

(CPR の 2分間に行う処置もできること)

●急変にあたることの多い医師

→上記に加え、チームメンバーに適切な指示を出せること。

診断・治療も必要ですが、これは現場でのトレーニングも必要

各受講生の「獲得目標」を再確認し、それに沿ったシナリオを提供して、しめくくりにしてあげてくだ

さい。

シナリオは 6 症例提示しています。設定のみかえて、同じシナリオを 2 回でもかまいません。

最終的には「チームとして蘇生」することが重要です。困ったらチーム内で助け合ってシナリオ進め

てください。(一定リーダーの練習は必要ですが、そのあたりはバランスよくやってください。)

また蘇生後の対応も何例かは入れてください。

(呼吸/SpO2、血圧、12 誘導心電図、意識状態(~体温管理考慮))

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50

< MEGA Code のシナリオ ① > (基本)

状況設定 60 代の男性が、胸をおさえて苦しみながら、家族に連れられて救急外来を受診した。ベッドに横に

なって診察しようとしたときに、急に意識がなくなった。

背景(聞かれたら答える):心筋梗塞の既往あり

◎急性心筋梗塞。目の前で VT発症→1回の除細動で戻る可能性大。ぜひ、救命したいケース。

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VT(QRS:C、心拍数:220/分、電気収縮解

離チェック)

待機調律:Idiov.(心拍数:30/分)

除細動:有効

処置:挿管

意識消失

「苦悶」をクリック

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VT

電気ショック 1回目

Idiov. 自動で

実行調律:Idiov.(心拍数:30/分、電気収縮解離チェッ

ク)

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

待機調律:Sinus(QRS:C、心拍数:60/分、血圧:

120/80mmHg)

状況をみて「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

「呼吸音」をクリック

「苦悶」をクリック

【この症例のポイント】

● 迅速で安全に電気ショックをかける

● Pulseless VT の確認には、パルスチェックを!!

● 2 分間の CPR の間にリーダーがすること絶えず効果的な CPR ができているかチェックする

原因検索

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51

< MEGA Code のシナリオ (SimPad 版) ① > (基本)

状況設定 60 代の男性が、胸をおさえて苦しみながら、家族に連れられて救急外来を受診した。ベッドに横に

なって診察しようとしたときに、急に意識がなくなった。

背景(聞かれたら答える):心筋梗塞の既往あり

◎急性心筋梗塞。目の前で VT発症→1回の除細動で戻る可能性大。ぜひ、救命したいケース。

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

意識消失

「うめき声」をクリック

すぐに「Pulseless VT」を実行

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

「ROSC(AMI)」の除細動を有効にする

CPR開始し、モニター装着

VT

電気ショック 1 回目

1分かけて自動的に「ST上昇の sinus」に変化する

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

「胸郭挙上」をオンにする

「うめき声」をクリック

【この症例のポイント】

● 迅速で安全に電気ショックをかける

● Pulseless VT の確認には、パルスチェックを!!

● 2 分間の CPR の間にリーダーがすること絶えず効果的な CPR ができているかチェックする

原因検索

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52

< MEGA Code のシナリオ ② > (基本)

状況設定 305号室の 50代の男性。回診で部屋を訪室した時に、意識がないのを発見した。

背景(聞かれたら答える):狭心症で入院中

◎急性心筋梗塞からの VF(発見までに少し時間がたっている)

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VF

待機調律:Idiov.(心拍数:30/分)

除細動:無効

処置:挿管

呼びかけに反応なし

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1回目↓

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

次の除細動までの間に「除細動:有効」にしておく

2分間の CPR後、リズムチェック

VF

電気ショック 2 回目

Idiov. 自動で

実行調律:Idiov.(心拍数:30/分、電気収縮解離チェ

ック)

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

待機調律:Sinus(QRS:C、心拍数:60/分、血圧:

120/80mmHg)

状況をみて「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

【この症例のポイント】

● 迅速で安全に電気ショックをかける

● SecondaryABCD の理解(薬剤投与のタイミングなど)● 2 分間の CPR の間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPR ができているかチェックする 原因検索

Page 54: ICLSコース・コンセンサスnpo-ok.umin.jp/staff/souko/qokayama_files/consensus_3rd.pdf · は以前は 8 歳を目安としていたため、現場で混乱があり、日本版のガイドライン2010

ICLS コース・コンセンサス G2015

53

< MEGA Code のシナリオ (SimPad 版) ② > (基本)

状況設定 305号室の 50代の男性。回診で部屋を訪室した時に、意識がないのを発見した。

背景(聞かれたら答える):狭心症で入院中

◎急性心筋梗塞からの VF(発見までに少し時間がたっている)

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

呼びかけに反応なし

「VF」を実行

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1回目

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

「ROSC(AMI)」の除細動を有効にする

2分間の CPR後、リズムチェック

VF

電気ショック 2 回目

1分かけて自動的に「ST上昇の sinus」に変化する

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(ST上昇)

【この症例のポイント】

● 迅速で安全に電気ショックをかける

● SecondaryABCD の理解(薬剤投与のタイミングなど)● 2 分間の CPR の間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPR ができているかチェックする 原因検索

Page 55: ICLSコース・コンセンサスnpo-ok.umin.jp/staff/souko/qokayama_files/consensus_3rd.pdf · は以前は 8 歳を目安としていたため、現場で混乱があり、日本版のガイドライン2010

ICLS コース・コンセンサス G2015

54

< MEGA Code のシナリオ ③ > (基本)

状況設定 歓送迎会に行こうと思い、病院のロビーの椅子に座って同僚と 2人でタクシーを待っていた。すぐ横

に座っていた 70代くらいの男性が胸を押さえながら、うめき声とともに意識消失し、倒れた。

◎心原性疾患からの VF。AED を使うパターン

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VF

待機調律:Sinus (QRS:A、心拍数 80/分、血圧

120/80mmHg)

除細動:有効

処置:挿管

AEDを「シナリオ 6」に設定しておく

目の前で倒れる

「苦悶」をクリック

緊急コール、AED

「あえぎ呼吸」 CPR開始し、AED装着

VF

AEDでショック!!!

CPR再開ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

2分間の CPR後、リズムチェック

VF

電気ショック(もしくは、AED でショック) ↓

自動で

実行調律:Sinus (QRS:A、心拍数 80/分、血圧

120/80mmHg)

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

状況をみて

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus 「呼吸音」をクリック

【この症例のポイント】

● AEDの基本的な操作ができる

● ショック後すぐに CPRを再開し、2分毎にリズムチェックを行う。

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする 原因検索

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ICLS コース・コンセンサス G2015

55

< MEGA Code のシナリオ (SimPad 版) ③ > (基本)

状況設定 歓送迎会に行こうと思い、病院のロビーの椅子に座って同僚と 2人でタクシーを待っていた。すぐ横

に座っていた 70代くらいの男性が胸を押さえながら、うめき声とともに意識消失し、倒れた。

◎心原性疾患からの VF。AED を使うパターン

シナリオ 心電図 オペレーター

AEDを「シナリオ 6」に設定しておく

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

目の前で倒れる

「うめき声」をクリック

すぐに「VF」を実行

緊急コール、AED

「あえぎ呼吸」 CPR開始し、AED装着

VF

AEDでショック!!!

CPR再開ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

「ROSC(sinus)」の除細動を有効にする

2分間の CPR後、リズムチェック

VF

電気ショック(もしくは、AED でショック) ↓

1分かけて自動的に「sinus」に変化する

(AED でショックする場合は、「ROSC(sinus)」を実行

する)

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

↓ 抗不整脈薬準備

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus 「胸郭挙上」をオンにする

【この症例のポイント】

● AEDの基本的な操作ができる

● ショック後すぐに CPRを再開し、2分毎にリズムチェックを行う。

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする 原因検索

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56

< MEGA Code のシナリオ ④ > (基本~やや難)

状況設定 210号室を訪室したところ、88歳の女性の反応がない。

背景(聞かれたら答える):心臓弁膜症に加えて肺気腫もあったが、ADLは自立していた。

◎心臓弁膜症(さらにいえば高齢者の大動脈弁狭窄症)からの突然の VF。肺気腫もあり、非常に厳しい状況

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VF

待機調律:Asystole

除細動:有効

処置:挿管

呼びかけに反応なし

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1 回目

自動で

実行調律:Asystole

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

待機調律:Idiov.(心拍数:60/分、血圧:90/60mmHg)

2分間の CPR後、リズムチェック

↓ (リード・感度・誘導の確認)

Asystole

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

状況をみて「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Idiov.

【この症例のポイント】

● 波形が変わったときに、波形を宣言する。

● Asystole? と思ったら、リード、感度、誘導

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする 原因検索

★受講者のレベルによっては、ルートが取れないときの対応を取り入れる。(ガイドラインでは骨髄内投与が先で

すが、日本での現状を考慮し、気管内投与でも可。もちろん、受講者が骨髄内投与を選択すれば、それで OK

です。)

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57

< MEGA Code のシナリオ (SimPad 版) ④ > (基本~やや難)

状況設定 210号室を訪室したところ、88歳の女性の反応がない。

背景(聞かれたら答える):心臓弁膜症に加えて肺気腫もあったが、ADLは自立していた。

◎心臓弁膜症(さらにいえば高齢者の大動脈弁狭窄症)からの突然の VF。肺気腫もあり、非常に厳しい状況

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

呼びかけに反応なし

「VF」を実行

緊急コール、救急カート、除細動器

「Asystole」の除細動を有効にする

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1 回目

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

2分間の CPR後、リズムチェック

↓ (リード・感度・誘導の確認)

Asystole

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

「ROSC(brady)」を実行

1分かけて自動的に「sinus(brady)」に変化する

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

(徐脈)

【この症例のポイント】

● 波形が変わったときに、波形を宣言する。

● Asystole? と思ったら、リード、感度、誘導

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする 原因検索

★受講者のレベルによっては、ルートが取れないときの対応を取り入れる。(ガイドラインでは骨髄内投与が先で

すが、日本での現状を考慮し、気管内投与でも可。もちろん、受講者が骨髄内投与を選択すれば、それで OK

です。)

Page 59: ICLSコース・コンセンサスnpo-ok.umin.jp/staff/souko/qokayama_files/consensus_3rd.pdf · は以前は 8 歳を目安としていたため、現場で混乱があり、日本版のガイドライン2010

ICLS コース・コンセンサス G2015

58

< MEGA Code のシナリオ ⑤ > (やや難)

状況設定 80 代男性が自宅で呼吸苦を訴え、救急車で搬送。救急外来到着直前に反応がなくなり、心肺蘇生

をされながら、到着。

背景(聞かれたら答える):COPDの既往がある

◎COPDからの緊張性気胸

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:Idiov. (心拍数:30/分、電気収縮解離チェ

ック)

待機調律:Sinus(QRS:A、心拍数:100/分、血圧:

90/60mmHg)

左気道閉塞

反応なし

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

Idiov.

(脈なし)

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備

↓ 情報収集

2分間の CPR後、リズムチェック

Idiov.

(脈なし)

CPR 継続、挿管、2 回目のアドレナリン(3~5

分後)

↓ 胸腔穿刺

原因検索ができたら、「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus 「呼吸」をクリック

【この症例のポイント】

● 救急隊から引き継ぐとき、状況把握、反応の確認から開始する

● PEAの診断:必ずパルスチェックをする

● Secondary ABCDの理解 原因検索(カラダ・カルテ・カゾク)

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ICLS コース・コンセンサス G2015

59

< MEGA Code のシナリオ (SimPad 版) ⑤ > (やや難)

状況設定 80 代男性が自宅で呼吸苦を訴え、救急車で搬送。救急外来到着直前に反応がなくなり、心肺蘇生

をされながら、到着。

背景(聞かれたら答える):COPDの既往がある

◎COPDからの緊張性気胸

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

反応なし

「PEA 40」を実行

緊急コール(救急外来なので周りの人をす

ぐ呼ぶ)、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

sinus

(脈なし)

片肺にはできないのでインストラクターが口で表現す

CPR 継続、ルート確保、アドレナリン投与、挿

管準備

↓ 情報収集

2分間の CPR後、リズムチェック

sinus

(脈なし)

CPR 継続、挿管、2 回目のアドレナリン(3~5

分後)

↓ 胸腔穿刺

「ROSC(sinus)」を実行

1分かけて自動的に「sinus」に変化する

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus 「胸郭挙上」をオンにする

【この症例のポイント】

● 救急隊から引き継ぐとき、状況把握、反応の確認から開始する

● PEAの診断:必ずパルスチェックをする

● Secondary ABCDの理解 原因検索(カラダ・カルテ・カゾク)

Page 61: ICLSコース・コンセンサスnpo-ok.umin.jp/staff/souko/qokayama_files/consensus_3rd.pdf · は以前は 8 歳を目安としていたため、現場で混乱があり、日本版のガイドライン2010

ICLS コース・コンセンサス G2015

60

<MEGA Code のシナリオ ⑥ > (やや難)

状況設定 407号室の 70代男性がベッドサイドで倒れていた。呼びかけるが、反応はない。

背景(聞かれたら答える):大腿頸部骨折の術後。昨日から歩行練習を開始したところ。心電図、心

エコーでは右心負荷の所見あり。

◎整形外科術後に発症した肺塞栓症

シナリオ 心電図 オペレーター

《初期設定》

実行調律:VF

待機調律:Idiov.(心拍数:30/分)

除細動:有効

処置:挿管

呼びかけに反応なし

緊急コール、救急カート、除細動器

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1 回目

自動で

実行調律:Idiov.(心拍数:30/分、電気収縮解離チェ

ック)

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

待機調律:Sinus (QRS:A、心拍数:70/分、血圧:

70/40mmHg)

2分間の CPR後、リズムチェック

Idiov.

(脈なし)

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

状況をみて「実行(交換)」をクリック

電気収縮解離のチェックをはずす

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

【この症例のポイント】

● 波形が変わったときに、波形を宣言する。

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする

原因検索

Page 62: ICLSコース・コンセンサスnpo-ok.umin.jp/staff/souko/qokayama_files/consensus_3rd.pdf · は以前は 8 歳を目安としていたため、現場で混乱があり、日本版のガイドライン2010

ICLS コース・コンセンサス G2015

61

<MEGA Code のシナリオ (SimPad 版) ⑥ > (やや難)

状況設定 407号室の 70代男性がベッドサイドで倒れていた。呼びかけるが、反応はない。

背景(聞かれたら答える):大腿頸部骨折の術後。昨日から歩行練習を開始したところ。心電図、心

エコーでは右心負荷の所見あり。

◎整形外科術後に発症した肺塞栓症

シナリオ 心電図 オペレーター

「セッション終了」⇒「新規セッションを開始する」⇒

「KCLS」⇒「OK」⇒「スタート」

呼びかけに反応なし

「VF」を実行

緊急コール、救急カート、除細動器

「PEA 40」の除細動を有効にする

CPR開始し、モニター装着

VF

電気ショック 1 回目

CPR再開、ルート確保、薬剤・挿管準備

↓ 情報収集

2分間の CPR後、リズムチェック

Sinus

(脈なし)

CPR再開、アドレナリン投与、気管挿管

「ROSC(sinus)」を実行

1分かけて自動的に「sinus」に変化する

(2分間の CPR後)リズムチェック

心拍再開後の集中治療

Sinus

【この症例のポイント】

● 波形が変わったときに、波形を宣言する。

● 2分間の CPRの間にリーダーがすること

絶えず効果的な CPRができているかチェックする

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Page 63: ICLSコース・コンセンサスnpo-ok.umin.jp/staff/souko/qokayama_files/consensus_3rd.pdf · は以前は 8 歳を目安としていたため、現場で混乱があり、日本版のガイドライン2010

このコンセンサスは、2016年5月5日、NPO救命おかやまでICLSに関わるスタッフ(氏家、津島、氏平、角南、木下、清輔、加藤、平田、西岡)により決定された。(氏家、津島なお、このコンセンサスは、倉敷中央病院でICLSインストラクターとしてアクティブに活動するスタッフにより作成されたコンセンサスを基本とした。彼らの努力に心より感謝したい。

NPO救命おかやま