Brainworx bx console...3 Dirk Ulrich からのご挨拶(Brainworx 創設者/CEO)...

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Transcript of Brainworx bx console...3 Dirk Ulrich からのご挨拶(Brainworx 創設者/CEO)...

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Brainworx bx_console

Brainworx bx_console プラグインは多くの人に切望されている Neve VXS コンソールを忠実に再

現したアナログエミュレーションプラグインです。本プラグインのエミュレーションに使用したコン

ソールは特筆すべきプロジェクトに携わったすばらしい歴史を持っています。カリフォルニアの

マリン・カウンティーにあるスカイウォーカー・ランチ時代には数々の映画用にオーケストラをレ

コーディングし、スウェーデンの元アバのメンバー所有のスタジオ時代には数々のヒット・レコー

ドをレコーディングし、そして現在では Brainworx スタジオの中心機材として数々の有名なプラ

グインの開発に使用されています。

VXS は、80 や VR シリーズといったビンテージ・コンソールと、88RS のようなモダンなモデルの

橋渡し的な存在のコンソールです。適応範囲の広い EQ やダイナミクス・セクションを搭載し、い

まだに英国的なクラシックなパンチとヴァイブを提供しています。

bx_console プラグインは、この素晴らしいミキサーの特徴と音色を捕らえています。

このクラシカルなコンソールの確実な再現だけでも十分に素晴らしいプラグインになりますが、

真に革新的な成果は、Brainworx の新しい”トレランス・モデリング・テクノロジー”を組み込んだ

事です。全てのアナログ部品は、容認できる個体差を表した製作公差を持っています。この公

差は、1%から、多くの電子部品の標準である 20%まで幅があります。この差は、確実にコンソ

ールのチャンネルによって聞こえ方の違いを生みます。

この偏差は、ミックスで多くのチャンネルを使用した場合、アナログ・コンソールのサウンドの所

以になっています。大きなミックス・セッションのステレオで使用するペアのチャンネル間にこの

公差がある場合(ステレオ信号、バス、サブ・グループ等)、小さな位相差やセンターの周波数

のズレや、センター・オフセットを生みます。

bx_console は、革新的な新しいトレランス・モデリング・テクノロジーを利用した Brainworx で初

めてのプラグインになります。これはアナログ・リアリズムの新しいスタンダードを規定する事に

なります。現在の他のアナログ・モデリング・システムは特定の黄金のユニットの模倣に注力し

ていますが、トレランス・モデリング・テクノロジー、または TMT は、アナログ回路の各パーツの

偏差を入念にモデリングするする事で、すばらしいアナログ機器にみられる自然なユニット間

のバリエーションを捕らえています。

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Dirk Ulrich からのご挨拶(Brainworx 創設者/CEO)

私は数年前、Dream Theater の James LaBrie をボーカルに迎え、初めて NEVE のコンソールを

使ってアルバムのレコーディングとプロデュースをしました。なんという経験だった事でしょう!

これこそが私が長年、知らずに、あこがれていたサウンドだったのです。一台買わずにいられ

ませんでした。

数年後スウェーデンの美しいスタジオで Neve VXS 72 を見つけました。そして、これが元スカイ

ウォーカーのオーケストラ・ステージで使われていたコンソールだったのです。この卓はなかな

かの評判を持っていました。

構想としては、この卓を購入し我々のスタジオに設置して音楽制作に使用し、重要な試聴スタ

ジオの中心機器にし(プラグインのテストや、モデリングにおいてはハードウェア vs ソフトウェ

アの比較をする場所です)、そして、この卓の全てのニュアンスを捕らえてモデリングしよう、と

いう物でした。

現存するチャンネル・ストリップのプラグインでいつも足りないのは多様さでした。アナログ・コン

ソールは単に 72 本のまったく同じチャンネルを持っている訳ではありまんせん。実際はコンソ

ールのチャンネル間の違いはかなり大きい物です。この卓と数年過ごした結果、私は自信を持

ってそのサウンドを知っていると言えます。

この経験が私に、「箱の中でのミックス(DAW 内でのミックス)」に何が足りないのかを気が付か

せてくれました。Brainworx や尊敬すべき他の多くの会社は、EQ やコンプレッサーを単体でか

なり上手に模倣する方法を見つけました。しかしチャンネル・ストリップとなると、少し歪みを足

したり魔法の接着剤を使ったりなど、まだ十分とは言えません。技術的に不完全なアナログ・ミ

ックスを創るには、コンプレッサーの挙動、EQの周波数、ノイズ・フロアなどの小さいながらも聞

こえる違いと同時に、左右のチャンネルの違いを再現するステレオ・プラグインが必要です。最

終的にはこれらの小さなニュアンスが積み重なって、このプラグインが提供する大きな違いに

なるのです。

我々はコンソールのチャンネルを、多様さを含みモデリングするに当たり、さらに一歩踏み込む

事にしました。伝統的なNeve VXS が持っていない特徴を追加しました。コンプレッサーのドライ

/ウェット・コントロールや動作をコントロールする可変内部スレッショルドなどです。これにより

VXS や 88R のコンプ・サウンドと共に、さらに多くのバリエーションを提供します。

さらに HP/LP フィルターのレンジを改良し、EQ とダイナミック・セクションの順番を入れ替え可

能にしました(多くの SSL コンソールで出来るように)。さらにチャンネルごとに可変のノイズ・コ

ントロールを追加し、現実的なノイズ・フロアか、デジタル的に完璧なスーパークリーンなサウン

ドかを選択可能にしました。

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ご自分でお試し下さい。強烈な EQ を加えて(本物のドラムキットのスネア・ドラムや、ロック・ギ

ターやボーカルなどに)、同じセッティングで様々なチャンネル間を聞き比べてみてください

(1-72)。ひとつひとつのチャンネルによっていかに音色が違うか、驚かれると思います。違い

が聞こえるためには、もちろん周波数帯によって数 dB のブーストや、コンプレッサーで数 dB の

ゲイン・リダクションが要求されます。フラットなチャンネルではお互いに聞こえる音色の違いは

ありませんから。

私は 70 チャンネルのオーディオを使ってテスト・ミックスをしてみました。プラグイン内で 70 通り

の違うチャンネルを使ってミックスをした物と、同じチャンネル・ナンバーを 70 チャンネル使った

物とを比較しました。違いは微妙な物ではなく、とても明らかな物でした。

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bx_console のブロック・ダイヤグラム

Analog Tool in a Digital World

デジタル世界のアナログ・ツール

bx_console は Brainworx スタジオに設置してある Neve の卓の正確なエミュレーションですが、

より便利になるように我々はプラグインに少々変更を加えました。

入力フィルター・レンジ

bx_console の入力フィルターはオリジナルの機器より広くなっています。ローパス・フィルターの

レンジは 3 で割れるようになっており、その結果下限はオリジナルの 18kHz ではなく、6kHz にな

っています。ハイパス・フィルターのレンジは 3 倍に切り替えられるようになっており、945Hz 以

下をフィルターする事ができます。

ダイナミクスの動作

Brainworx のコンプレッサーのプラグインの多くはインターフェースにミックス・ノブが追加されて

います。これは強力なダイナミック・プロセッサーを使う場合に常に歓迎すべき機能だからです。

bx_console も例外ではありません。リミッター/コンプレッサー・セクションにパラレル・コンプレ

ッションを加える事になります。それとは別に、入力音に対するコンプレッサーの反応に強烈な

フレキシブルさを与えるために、10Hz から 2kHz のレンジのハイパス・フィルターを加えました。

最後にセカンダリー・リリースのパラメーターを設定できるようにしました。

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セカンダリー・リリースは更なる一定時間、コンプレッサーがアッテネーションをリリースする時

のレートに影響を与えます。セカンド・リリースは、ユーザーによって設定されたスレッショルド

を元とする、2番目の低いスレッショルドに作動します。これにより、ダイナミック・レンジの減衰

を保つために、より静かな信号のリリースを遅くします。静寂の後にコンプレッサーが再度トリ

ガーされ、回路が音量を再度圧縮し出した時に、このセカンド・リリースが不必要なポンピング

(コンプが深くかかった状態)を減らします。

この外見的にはわずかな修正は元のコンソールではめずらしい事ではありません。しかしなが

ら動作の幅は別です。 VXS のモデリングのオリジナルでは、リリースする信号を設定されたス

レッショルドの 40dB 下で検知します。 Brainworx のプラグインではこのレンジを 10dB と 60dB

の間にセット可能になっています。音のダイナミック・レンジを減衰させるにあたり、正確な作動

に基づき判断を下す時に よりフレキシブルに対応できます。

EQ のポジション

オリジナルの VXS は EQ をダイナミクス・セクションの後ろにつなぐか、サイドチェーン内につな

ぐか選べます。サイドチェーン内では、EQ はコンプレッサーの影響を受けないコンテンツを的

確にフィルターする事ができます。 Brainworx プラグインではダイナミクス・セクションの前につ

なぐ事も可能で、これによりコンプレッサーの動作は大きく変わります。コンプレッサー内でドラ

イ信号とウェット信号をミックスできる事を考慮すると、これは非常にパワフルなツールになりま

す。

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bx_console フィルターセクション

もっとも高価なコンソールのみが専用の HP と LP フィルターを各チャンネルに持っています。

是非使って下さい。地鳴りやノイズを削除するために、デフォルトで全てのチャンネルのウルト

ラ・ローエンドとメガ・ハイエンドをカットする事をお勧めします。

低周波数は多くのエネルギーを吸収す事をご存知ですか?あまりに低周波で聞こえなかった

り、スピーカーが再生できなかったとしても?クリーンで、しかもラウドでパワフルなミックスに仕

上げるためにも、これらのオーディオ信号に潜んでいる無駄な音を排除するのは大変重要で

す。

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例えば、あなたのミックス中のボーカル、ギター、ピアノ、ストリングス等、40 チャンネルで 40Hz

–80Hz 以下をカットしたとします。これによりミックスが弱々しいサウンドになる事はありません。

しかし、間違いなく多くの地鳴りを減らす事になっています。

ミックス全部を HP と LP フィルターのみで行う事も可能です。他の EQ は必要ありません。特に

ニュートラルで加工されていないサウンドが必要な場合は(クラシック音楽、ジャズ等)。

歪んだギターは LP フィルターを 8kHz か 10kHz でかけるといかして聞こえます。

ボーカルはクローズ・マイキングから高周波を減らすとよく聞こえるようになります。

(つやを加えるために後から再度高周波を EQ で加えるとしても。)

もし、より大きく深いベース・ドラムが欲しい場合、 EQ で大量の低域をブーストするよりも、

3kHz 以上をカットしてみて下さい。そして EQ で低域を少し足してみて下さい。

HPF Pull:

ハイパス・フィルターをアクティベートします。隣にある LED をクリックするか、ポットそのものを

ダブルクリックして下さい。

HPF 周波数:

連続して、 31.5 Hz から 315 Hz(94.5 Hz から 945 Hz x3 が押された場合)

ハイパス・フィルターがアクティブになる周波数を設定します。

HPF x3:

ハイパス・フィルターの周波数設定値を 3 倍にします。

LPF Pul

ローパス・フィルターをアクティベートします。隣にある LED をクリックするか、ポットそのものを

ダブルクリックして下さい。

LPF 周波数

連続して、 18.0 kHz から 7.5 kHz(6.0 kHz から 2.5 kHz /3 が押された場合)

ローパス・フィルターがアクティブになる周波数を設定します。

LPF /3

ローパス・フィルターの周波数設定値を 3 分の 1 にします。

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bx_console ダイナミック・セクション

ノイズゲート

このコンソール・エミュレーションは、意図的に使用しない選択をしない限り、V-GAIN を通して

自然なサウンドのノイズを加えています。

殆どのチャンネルでノイズ・フロアが–5dB に設定されていると、複雑なミックスで一番よい結果

を得られます。これは可聴です。大きな構成のコンソールでもそうであるように、これらのチャン

ネルで高域をブーストする EQ が使われた場合、特に助けになります。

現実世界でこれを回避する唯一の方法はコンソールのノイズゲートを使う事です。全てのチャ

ンネルに装備されているのはこのためです。

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ロック・ドラムにはどちらにしてもノイズゲートを使うでしょう。エフェクト・サウンドのためにも。

その他のチャンネルでは、無音部分でチャンネルを静かにさせておくためにダイナミクスを

EXPANDER モードに設定しておく事をお勧めします。

KEY(ゲート):

入力信号によってゲートがトリガーされるか(KEY オフ)、外部からのサイドチェーン信号でトリ

ガーされるか(KEY オン)を切り替えます。

INV(ゲート):

ノーマル・ゲート・モード(オフ)とインバース・モード(オン)を切り替えます。インバース・モード

ではゲートによって減衰した信号の一部が聞こえます。

HYST(ゲート):

ゲートが閉じるスレッショルドとの相対的な差により、ゲートが開くスレッショルドを設定します。

ゲートがスタッター(開いたり閉じたりを繰り返す)を起こすのを防ぐのに効果的です。ノブを反

時計方向にいっぱいまで回すとエクスパンダー・モードに切り替わります。

THR(ゲート):

ゲートがアクティブになるスレッショルドを設定します。

Pull (-30):スレッショルドのレンジを -30 dB にシフトします。これにより、 -5dB から+35dB まで

可変になります。

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リミッター/コンプレッサー

VXS コンソールのコンプレッサーは最高な物の一つであり、また非常に広範囲な用途に使用で

きます。正しくセットアップされれば人工的な味付けになりません。

すでに素晴らしいのですが、コンソールのコンプレッサーが、簡単にパラレル・コンプレッション

が出来たら(並列用のチャンネルを作ったりせずに)、そしてサイドチェーン・フィルターがあった

ら、といつも思っていました。

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L/C:

コンプレッサー/リミッターのサイドチェーンをオン/オフします。

(L/C リンク):

全てのチャンネルのリミッター/コンプレッサー・セクションを、ワン・アクション(マルチチャンネ

ル・オペレーション)でリンクします。

サポートされているトラックによりますが、ステレオ・チャンネルが 2 つの場合、5.1 チャンネルが

6 つの場合、または 7.1 チャンネルが 8 つの場合などがあります。

GAIN (リミッター/コンプレッサー):

ポスト・コンプレッション(コンプレッサーの後)のゲインをブーストします。

THR (リミッター/コンプレッサー):

コンプレッサーが信号を圧縮し出すスレッショルドを設定します。

Pull (-20):スレッショルドのレンジを -20dB シフトし、 0dB から -30dB の間で可変になるよう

にします。

Mix (リミッター/コンプレッサー):

リミッター/コンプレッサーの出力信号にサイドチェーン入力の信号をミックスする事で、パラレ

ル・コンプレッションを可能にします。信号をオーバーコンプレッションし、ウェット信号を 70〜

80%に下げる事で、軽いコンプレッションとはまったく違うサウンドを得る事ができます。

オリジナルの信号と波形は加工しないまま、必要に応じて、レベルを馴らしてラウドネスの平均

値を増幅します。MIX は、元のコンソールには搭載されておらず、プラグインのみに追加された

機能のひとつです。

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リミッター/コンプレッサー

我々がプラグインと回路で実験をした結果、追加した最も明確な改良点が以下です。

コンプレッサーの 2 番目のスレッショルド値が(通常は内臓で変更できません)ユニットの音色と

動作を決定している事が分かりました。よって我々はこのパラメーターを変更可能にしました。

さあ、これであなたは本当に驚くほど使用範囲の広いマシンを持った事になります。パンチの

ある音色からパンピングまで、聞こえない程度のレベル補正から破壊的なドラム・キットまで、

このコンプレッサーが全てカバーします。本物のコンソールでこれが出来たら、と思っていま

す。

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RATIO (L/C):

与えられたスレッショルド以下の音量の信号をコンプレッションするレシオ値を設定します。時

計方向いっぱいに回すとリミッター・モードに切り替わります。

Pull (FAST):デフォルトのアタック・タイムは 1ms です。ノブが引き出された場合、アタック・タイ

ムは 0.1ms になります。

REL( リミッター/コンプレッサー):

コンプレッションから信号が復帰するリリース・タイムを設定します。時計方向いっぱいに回すと

オート・モードに切り替わります。

REL2( リミッター/コンプレッサー):

リミッター/コンプレッサーのスレッショルドより下の、リリース・カーブがリニア(線形)から指数

関数的に切り替わるセカンド・スレッショルドを設定します。我々のハードウェア・コンソールで

は、この値は 20 dB に設定されています。この値を変えるとリリースの動作がまったく変わり、

当然ながら音色も変わります。調節可能な REL2 は、元のコンソールには搭載されておらず、

プラグインのみに追加された機能のひとつです。

HPF( リミッター/コンプレッサー):

左端の位置でオフになります。リミッター/コンプレッサーのサイドチェーンの入力段でハイパ

ス・フィルターを使用可能にします。例えば、サイドチェーンの信号の低域を減らす事で、コンプ

レッサーがバス内のキック・ドラムではより反応しなくなるように設定できます。リミッター/コン

プレッサー・セクションの HPF は、元のコンソールには搭載されておらず、プラグインのみに追

加された機能のひとつです。

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bx_console EQ セクション

まず第一に、これはあなたが探せる中で最も良い音のする EQ です。全てを簡単に拡張してく

れます。シェルフ・バンドは特別なキャラクターを持っており、特にロー・シェルフは、低域をブー

ストしミッド・ローをカットしたい物で素晴らしいサウンドが得られます。

EQ とダイナミックス・セクションの順番を入れ替える事ができるのは、SSL のコンソールが提供

する機能の一つです。なぜこれが重要なのでしょうか?

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一般的には、まずダイナミクスを適応しその後に EQをかけるのが普通です。これは EQの設定

を変更した事で生じるレベルの変化(簡単に変わってしまいます)に応じて、ダイナミクスのスレ

ッショルドを設定し直す必要が無いからです。

しかし、SSL コンソールが多くのポップやロックのミックスで勝者となったトリックのひとつに、先

に EQ をし、EQ 済みの信号をコンプレスする選択肢がある事があげられます。

ドラムやボーカルの低域を大いにブーストすると、コンプレッサーの動作はまったく違う物にな

ります。そして特定の音楽のスタイルにおいては、これがラジオでヒットしていて、あなたも知っ

ているサウンドなのです。

安心してください。今や、素晴らしい音のするチャンネルで両方の良い所を使えるのです。

PRE DYN (EQ):

デフォルトのポスト・ダイナミクス構成ではなく、EQ モジュールをダイナミクス・セクションの前に

配置します(オリジナルのコンソールには搭載されていない機能です)。これにより、IN SC ボタ

ンはオフになります。これは、EQ をサイドチェーン内とダイナミクス・セクション前の両方に配置

する事はできないからです。

IN SC (EQ):

EQ モジュールをダイナミクスのサイドチェーン内に配置します。これにより、PRE DYN ボタンは

オフになります。これは、EQ をサイドチェーン内とダイナミクス・セクション前の両方に配置する

事はできないからです。

EQ ハイ・フリークエンシー:

EQ のハイ・バンドの周波数を設定します。

EQ ハイ・ゲイン:

設定されたハイ・バンドの周波数の、レベルの増減を調節します。

HI-Q (ハイ):

ハイ・バンドの Q 値を、 Q = 2.0(On) または Q = 0.707 (Off ) に切り替えます。

Shelf (EQ ハイ):

ハイ・バンドで、ピーク・フィルターとシェルフ・フィルターを切り替えます。

EQ ハイ・ミッド・フリークエンシー:

EQ のハイ・ミッド・バンドの周波数を設定します。

EQ ハイ・ミッド・ゲイン:

設定されたハイ・ミッド・バンドの周波数の、レベルの増減を調節します。

EQ ハイ・ミッド Q:

ハイ・ミッド・バンドの Q 値を設定します。

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bx_console EQ セクション

一般的に、私のコンソール達のように、この EQ は小 dB のブーストでのみ良い音がするように

限定されているわけではありません。実際は大きな規模のコンソールでのミックスにおいても、

多くの場合チャンネル EQ はヘビーに使われます(時には虐待のように…)。

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特定のスタイルの音楽では特にそうです。

明白な音色の加工がなかったら、ロック・ミュージックは違う物になっていたでしょう。数字を見

ずに、あなたの耳を信じましょう。もしロー・ミッドを 8 から 10dB ブーストして、聞こえた音が気に

入ったのなら、それでいいんです。この EQ は音色を痩せさせずにブーストするという選択肢を

与えてくれます。

著名なプロデューサーやエンジニアは大きな構成のミックスのプレーバック中にチャンネルをソ

ロにする事はありませんが、背景との音色を聞きながら EQ する事はあります。

このチャンネル・ストリップのプラグインでは、ワイルドな処理をしたままにしておく、という選択

が可能です。決して全てヘビーに EQ をした方がよい、というわけではありませんが、あなたの

ギター・トラックやドラム・トラックが要求するなら、大きなコンソールでやるのと同じ事が、今や

「箱の中(DAW 内)」で可能になったのです。

EQ ロー・ミッド・フリークエンシー:

EQ のロー・ミッド・バンドの周波数を設定します。

EQ ロー・ミッド・ゲイン:

設定されたロー・ミッド・バンドの周波数の、レベルの増減を調節します。

EQ ロー・ミッド Q:

ロー・ミッド・バンドの Q 値を設定します。

EQ ロー・フリークエンシー:

EQ のロー・バンドの周波数を設定します。

EQ ロー・ゲイン:

設定されたロー・バンドの周波数の、レベルの増減を調節します。

HI-Q (EQ ロー):

ロー・バンドの Q 値を、 Q = 2.0(On) または Q = 0.707 (Off ) に切り替えます。

Shelf (EQ ロー):

ロー・バンドで、ピーク・フィルターとシェルフ・フィルターを切り替えます。

EQ:

EQ セクションをオン/オフします。

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bx_console アウトプット・セクション

アウトプット・セクションは物事がマニアックになる所でもあり、また真にグレートな箇所でもあり

ます。全てのチャンネルでプラグインが提供する自然な公差とは別に(ノイズ、センターの周波

数、レベル、ステレオ・バランス)、それぞれのチャンネルをどの程度ノイジーにしたいか、スー

パー・クリーンからスーパー・ノイジーまで、決める事ができます。

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ノイズを是非使ってみてください。搭載されているエクスパンダーを使って形作り、コントロール

してください(ダイナミクス・セクションのティップも参照してください)。もしウルトラ・クリーンにし

ておきたいチャンネルがある場合は(シンセやピアノ、またはエフェクト・バス等)、ここで汚れを

取り除く事もできます。

IN GAIN:

bx_console に入力される信号のレベルをコントロールします。

V GAIN (Virtual Gain):

左端でオフになります。人工的に作られたノイズをチャンネル・ストリップに加える事で本物のコ

ンソールにできる限り近づけます。ノイズの音質は我々のコンソールの元々のノイズにインス

パイヤーされ、リスニング・テストの開発中に微調整された物です。そうです、我々はそれくらい

クレージーなのです。

コンソール・チャンネル 左:

72 の違ったチャンネルを切り替えます。ステレオの場合、隣接した 2 チャンネルの数字を表示

します。モノの場合、そのチャンネルが表示されます。それぞれのチャンネルが独自の違うキャ

ラクターを持っています。これは該当するコンポーネントの製造会社の、容認できる製作公差

の仕様に基づいて、抵抗やコンデンサーの公差を計算する事で実現しました。チャンネル 1 は、

我々のコンソールでリファレンスにしたチャンネルの計測値と同じになっています。

コンソール・チャンネル 右:

72 の違ったチャンネルを切り替えます。ステレオの場合、隣接した 2 チャンネルの数字を表示

します。モノの場合、そのチャンネルが表示されます。それぞれのチャンネルが独自の違うキャ

ラクターを持っています。これは該当するコンポーネントの製造会社の、容認できる製作公差

の仕様に基づいて、抵抗やコンデンサーの公差を計算する事で実現しました。チャンネル 1 は、

我々のコンソールでリファレンスにしたチャンネルの計測値と同じになっています。

メーター・タイプ:

メーターの表示を、インプットとアウトプットに切り替えます。

ダイナミック・メーター

GE:ゲート/エクスパンダーのゲイン・リダクション量を表示します。

LC:リミッター/コンプレッサーのゲイン・リダクション量を表示します。

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bx_console アウトプット・セクション

ここでは異なるチャンネルに目を通して、それぞれの明確なニュアンスを比較する事ができま

す(そして、そうするべきです)。EQ、エクスパンダーそしてコンプレッサーをかけてどのチャンネ

ル・ナンバーの音が好きか、ディテールまで聞いてみてください。

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複雑なミックスでは必ずいろいろなチャンネルを使ってください。異なるノイズやセンター周波数

がミックスを、1 チャンネルだけでは成し得ない自然で良い方向に広げてくれます。

まずミックスを、40 の全て異なるチャンネル・ナンバーで行ってください。そして全てのステレオ・

ペアで”Analog”モードを使ってみてください。次に、全てのチャンネルを同じチャンネル・ナンバ

ーにし、全てのステレオ・ペアを”Digital”モードにしてみてください。

躍動的な”Analog”ミックスに比べると、いかに退屈で平坦なサウンドがすることか、信じられま

すか?

Mute:

bx_console のアウトプット信号をミュートします。

位相:

bx_console によって加工された信号の位相を反転します。

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bx_console ツールバー

プラグイン・セッティング・ツールバー

Bypass

bx_console をバイパスします。

UNDO/REDO (Arrows)

32 ステップまで操作をアンドゥーできます。

Settings A / B / C / D

パラメーターのセッティングのバンクを選べます。複雑なチャンネル・セッティングを行う場合に、

コピーした設定をそれぞれ A / B / C / D にペーストし、少し変える事で曲の違うパートで利用

する事などができます。これらのセッティングは DAW によってオートメーション可能で、曲のパ

ートごとに A から B に切り替える事などができます。

COPY / PASTE / RESET

セッティングのバンク間でのコピーやペースト、また選択したバンクをリセットする時に使用しま

す。

ABOUT

プラグインの開発に関わる情報を表示します。

Solo M

プラグインによって加工された信号の、Mid 信号のみをソロにします(ステレオ信号でのみ使用

可能です)。

Solo S

プラグインによって加工された信号の、Side 信号のみをソロにします(ステレオ信号でのみ使

用可能です)。

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終わりに…

過去数年間で我々Brainworx では様々な EQ、コンプレッサーやその他のクールなハードウェア

をモデリングしてきました。その都度チーム・アップした様々なメーカーから用意されたリファレ

ンス用の一台を使ってモデリングしました。リファレンスに使った元のハードウェア機器を、完全

に我々のデジタル・コピーで置き換えてしまいました。時にはオリジナルの機器を全ての設定

において「位相キャンセル」させてしまいました。

しかし、多くのユーザーが我々に直接、またはウェブ・フォーラムを通じて、彼らの特定のハー

ドウェア機器が、彼らが試したプラグインで「位相キャンセル」出来ない、モデリングに何か間違

いがあるんじゃないか、と問いかけてきます。bx_console と TMT(トレランス・モデリング・テクノ

ロジー)の紹介で、現実になったユニット個々の違いがいかに素晴らしいかが、初めて公に明

白になったのです。実際にチャンネル間を聞き比べるだけで簡単にその違いを耳にする事が

できます。

そしてコンソールのチャンネル内で起こっている事は、もちろんハードウェア EQ やコンプレッサ

ーなどの違うユニットでも起こっているわけです。我々はまったく同じプラグインのユニットやチ

ャンネルがサミングされて出来たミックスは、アナログ・ミックスに比べて立体的では無いと思っ

ています。そしてまた、いくつもの修正された周波数のピークの合算は、特定のレンジでピーク

が多くなり過ぎてしまいます。最終的には小さな位相差やレベル差が、ミックスをよりワイドに、

深く、そしてより生きいきとさせてくれるのです。

TMT が本領を発揮するのはここです。もしあなたが bx_console のサウンドが気に入ったなら、

使いたいだけ多くのトラックでお使いください。そして必ず違うチャンネル・ナンバーを選んで、

自然なアナログの多様性とヴァイブを取り入れてください。

そして、もしあなたがチャンネル・ストリップ・プラグインのサウンドが気に入り、しかし全てのトラ

ックに同じチャンネルを使用して、アナログ的ではないサウンドにしたい場合、もちろんこれも

簡単に実現できます。

あなたからの結果やフィードバックを聞くのが待ち遠しいです。「箱の中」でのアナログ・ミックス

を、そして音楽を楽しんでください!

Dirk Ulrich

CEO Brainworx”