e - F r o n t...2018/06/18  · e - F r o n t...

10
業種 ソフトウェア開発 用途 事務所 建築年月日 昭和4年 規模 99.68㎡ 運営開始時期 平成27年4月1日 改修費用 約380万円 27 - 使一部屋を会議室に使用。机、黒板を活 用し、勉強会等も開催される。 - 使- 地域の観光資源を掘り起こ し、商品開発等も手掛ける。 (左:石州和紙 右:濱記) 開所式の様子 e - F r o n t 掲示板やロッカー等の内装はそのままの状態で使用しており、昔懐かしい学校の面 影が残る。 鍵、空調機器を整備し、事務机、椅子、PC等を新設した。 After Before 自治体の声 : 地域に根差した活動や勉強会を活発に行われています。IT企業の業務は場所を 問わないため、山間部でも光回線が利用可能であれば事務所候補になると考えます。今後、企業 の廃校利用がさらに地域の活性化につながることを期待します。 31

Transcript of e - F r o n t...2018/06/18  · e - F r o n t...

業種 ソフトウェア開発

用途 事務所

建築年月日 昭和4年

規模 99.68㎡

運営開始時期 平成27年4月1日

改修費用 約380万円

廃校後公民館として利用していた

が、平成27年度より施設の一部を㈱

e-

Frontが事務所として利用

開始。事務所は元普通教室2部屋を

利用し、併設の公民館を利用する地

域住民や学生と「ふるさと教育」を

目的とした交流を図っており、浜田

市の観光を考える勉強会等も開催し

ている。

施設の概要

廃校活用までの経緯

廃校を活用していることでメ

ディアに多く取り上げられ、事務

所の写真を見せることで印象に残

り、企業名を覚えてもらえやすく

なる。

また、地域の人との距離が近

く、勉強会やイベント等に耳を傾

けてもらえるとともに、校庭を駐

車場として使用するため人を集め

やすい。

自然豊かな山間部にあるため、

通勤時間も短い。非常に静かなの

も利点。

廃校を活用する

メリット

一部屋を会議室に使用。机、黒板を活用し、勉強会等も開催される。

県主催のIT企業を対象とした島

根県視察ツアーに㈱e-

Front

が参加。その後、当時の同社の部長

が浜田市出身者ということもあり、

浜田市に支所として使用できる施設

を紹介してほしいとの相談があった

が、市の紹介物件に最適なものが無

く、㈱e-

Front側から光回線

エリア内である旧後野小学校を活用

する提案を受ける。当時の施設は地

元の公民館として利用中であり、地

域住民の理解が必要だったが、市主

催による地元の自治会へIT企業の

廃校利用について説明会を行い、理

解を得た。開所式には地域住民の方

も招いて開催した。運営開始後も定

期的に地域住民との勉強会を開いて

浜田市

島根県

地域の観光資源を掘り起こし、商品開発等も手掛ける。(左:石州和紙 右:濱記)

開所式の様子

㈱ e - F r o n t

掲示板やロッカー等の内装はそのままの状態で使用しており、昔懐かしい学校の面影が残る。 鍵、空調機器を整備し、事務机、椅子、PC等を新設した。

AfterAfter

Before

自治体の声 : 地域に根差した活動や勉強会を活発に行われています。IT企業の業務は場所を問わないため、山間部でも光回線が利用可能であれば事務所候補になると考えます。今後、企業

の廃校利用がさらに地域の活性化につながることを期待します。

おり地元に密着した事業展開にも

取り組んでいる。

31

菅公アパレル㈱伯太工場として、

学生の体操服を製造。伯太工場は

四十二名の従業員すべてが地元の

方。縫製・仕分け・検品作業を

「常に顧客満足を目指し、日々品

質向上に努める」を合言葉に取組

んでいる。

施設の概要

廃校活用までの経緯

学校施設を再利用することによ

り、初期投資の軽減などのメリッ

トがある。また、この地区は過疎

地域であるため就労の場が少な

かったが、廃校を活用することで、

地域住民の雇用の創出と交流人口

の増加につながっている。

地元小学校の社会科の工場見学、

中学校の職業体験など受け入れて

いる。

廃校を活用する

メリット

全国の小・中・高校の体操服を6000種、年間28万枚製造

十年畑小学校は明治七年に創立

され、昭和四十六年に小竹小学校

と統合し、赤屋小学校になった。

翌昭和四十七年に新校舎が竣工し、

同校舎は廃校となった。

廃校以前から、地域住民の就労

の場を確保するために町が企業誘

致を計画し、廃校後二か月で「尾

崎縫製」(平成二十五年八月に現

在の社名に商号変更)を誘致した。

安来市

島根県

校舎1階の壁を取り除き工場として活用。ミシン80台が並ぶ

体育館にはフロワー、ミシン20台が並ぶ

校舎2階は壁を残し、各教室を食堂、更衣室、救護室として活用

業種 縫製加工業

用途 工場

建築年月日 昭和4年4月3日

規模 1,264㎡

運営開始時期 昭和47年5月10日体育館も工場として活用

菅公アパレル㈱伯太工場

自治体の声 : 菅公アパレル㈱伯太工場は、廃校直後の昭和47年から操業され、施設の有効利用のみならず、積極的に雇用の確保をされており、雇用機会の乏しい過疎地における貴重な雇用の

場の創出につながっている。

従業員のみなさんは全員地元から採用

32

業種 ローカルベンチャー育成事業など

用途 オフィス・作業所など

建築年月日 昭和29年4月

規模 2,225㎡

運営開始時期 平成22年4月1日

旧影石小学校の校舎を使用して、

西粟倉村をはじめとする農山漁村の

地域経済循環を促進し、人口動態を

改善することを目的とし、ローカル

ベンチャー育成事業、建築・不動産

事業、メディア運営事業、獣肉加工

流通事業を行っている。

また、農林水産業みらい基金の採

択を受け、内水面養殖事業(ウナギ、

ナマズ等の養殖事業)を立ち上げ、

農林水産業の総合的な6次産業化に

向けて研究開発を行っている。

施設の概要

廃校活用までの経緯

廃校ならではのたくさんの教室

を用途ごとに分けて使用できる。

例えば、エーゼロ㈱が支援して

いるベンチャーのうち、障害者就

労支援事業を行っているNPO法

人じゅーくは工作室を使用して森

の学校の商品の製造や検品をおこ

なう作業場としている。

体育館ではその大きさを活かし、

エーゼロ㈱の養殖事業が行われて

おり、水槽等を設置し、ウナギや

ナマズ等の養殖をおこなっている。

廃校を活用する

メリット

教室はオフィス、会議室や商談スペースにもなっています。

西粟倉村

岡山県

エ ー ゼ ロ ㈱㈱西粟倉・森の学校

彫刻刀や紙やすりが

あれば誰でもスプー

ンや箸がつくれる西粟

倉村産の間伐材商品。

村の成人式でも思い出作

りに使用。

体育館では西粟倉村の豊かできれいな水を利用したウナギやナマズの養殖事業を実施。

自治体の声 : 地域資源活用の拠点、起業家さんたちのチャレンジの拠点、村と住民と移住者をつなぐ場として旧影石小学校が人の集まる場となっています。

㈱西粟倉・森の学校は、移住者の

受け入れ強化に取り組むため、村が

一部を出資し、「移住・起業支援事

業」を行う企業として設立された会

社である。西粟倉村では当時旧影石

小学校の跡地利用に苦慮していたが、

この「移住・起業支援事業」の拠点

となる施設が必要となった同社と廃

校施設の利活用を検討していた村の

思惑が一致し、村から指定管理者と

して指定された。

さらに、「百年の森林事業」にて

村と連携し、林業の6次産業化の拠

点となった。

また平成27年度からは「移住・起

業支援企業」をエーゼロ㈱に引き継

ぎ、ローカルベンチャースクールを

スタートさせるなど、森林関連に限

定せず、さまざまな挑戦に対する支

援を行っている。

活用が決まってからも地域資源を

活用した定住促進を行い、地域の活

性化を行う姿勢が地元住民に理解

され、中山間地域の多くの自治体、

さまざまな業種の起業に注目され

ている。

33

業種 パン製造業

用途 社内研修

建築年月日 昭和49年6月17日

規模 9,746㎡

運営開始時期 平成25年8月1日

改修費用 約65百万円

お客様の生活の質の向上に貢献する

人材を育成する社内研修の場「アンデ

ルセン芸北パン生活文化研修所」とし

て活用。粉からパンを作る製パン設備

と20名前後が宿泊できる施設を備え、

宿泊を伴う社員の各種研修を行ってい

る。なお、敷地内に廃校記念碑を設置、

体育館やグランドは地元の行事・活動

にも使っている。

施設の概要

廃校活用までの経緯

建物を再利用することで初期投

資費用を抑えられるメリットもあ

るが、他の施設と合わせて地元と

の交流を図りながら共生すること

を目指している。

廃校を活用する

メリット

芸北100年農場で育てた小麦 は製パン研修にも使われる。

㈱アンデルセンは平成16年から社員

が土づくりから食卓提案までを学びパ

ンを大切にする心を育むことを目的と

した研修施設である「アンデルセン芸

北100年農場」を北広島町でスター

トさせ、近隣の小中学校への給食用の

パンの提供や児童の製パン実習の実施

など、地元住民の皆さまと交流を深め

てきた。製パン研修については旧八幡

郵便局の建物を改装し製パン実習所と

して利用していたが老朽化が著しく、

新たな施設を検討していたところ、芸

北100年農場からほど近い八幡小学

校が平成25年春をもって廃校となる話

があり、活用の申し入れを行い、「ア

ンデルセン芸北パン生活文化研修所」

をスタートした。

北広島町

広島県

研修生の卒業式を旧体育館で行う。北広島町長にも出席頂いている。

校長室や教室を改装し、製パンルームや

寝室だけでなくミニキッチンを併設した

ダイニングルームや浴室もそろう。

デザインは工業デザナーの水戸岡鋭治氏による。

㈱アンデルセン・パン生活文化研究所

製パンに必要な機材が揃っており生地作りから焼成まですべての工程を学ぶ。

AfterAfter

Before

自治体の声 : 学校統合後の跡地活用は、地域活性化の大切な条件である。アンデルセン芸北パン生活文化研修所は、企業の研修施設であるが、旧体育館や運動場は地域に

開放され、企業と地域の良好な関係が継続している。町内の跡地活用での好事例である。34

児童生徒数減少により近隣の旧蒲

野中学校校舎に移転し、廃校舎と

なっていた旧三蒲小学校を周防大島

町がリジョー㈱に無償貸与。運送会

社を手がける広島県のリジョー㈱が、

大分県のパートナーサプライビジネ

ス協同組合のパプリカ栽培のノウハ

ウを利用して計画された。

戦時中に生まれ、戦後の食糧難・

配給品ではとても暮らせない生活を

経験したリジョー㈱会長は、いつか

農業に携わり、次世代の暮らしを

守っていこうという強い思いから今

回の栽培計画に踏み切った。

業種 栽培・試験、研究・研修

用途 栽培場 研究室

建築年月日 昭和51年3月

規模 約1870㎡ (栽培プラント)約 555㎡ (事務スペース等)

運営開始時期 平成27年9月1日

改修等費用 約4千万円

校庭に新設した軒高5メートルの

農業用ビニールハウスを利用し「パ

プリカ」等を栽培。隣接の校舎内に

選別室・研究施設等を備え、栽培の

みならず、栽培農家育成の研修施設

として利用していく計画である。ま

たパプリカを加工して、地元の特産

品開発も手懸け、地域活性化に取り

組んでいる。

施設の概要

廃校活用までの経緯

廃校を活用するメリット

今は「選別室」となっている「旧普通教室」

周防大島町

山口県

成長したパプリカ(平成28年3月撮影)

リジョー㈱

ハウスに並んだパプリカの苗

廃校を活用しているというだけでメディ

アに取り上げてもらえ、当該学校を卒業し

た地元の方々をパート作業員として雇用し

話題となっている。

細かく区切られた教室を利用することで、

大きな改修をすることなく選別室、研究室

等用途別に利用が可能であった。

収穫をお手伝いしてくれた三蒲小学校のみんな

自治体の声 : 本町における、廃校利用の第1号モデルである。解体ではなく既存校舎等を再利用しての「企業提案」を検討し、地元雇用の創出と地産地消・地域の活性化が期待できる事業であ

る。

AfterAfter

Before

35

校舎の教室をそのまま改造して利用。事務所・物流保管室・企画開発ルーム・テレビ会議室等を設置した。

業種 情報通信

用途 サテライトオフィス

建築年月日 平成7年3月

規模 1352㎡

運営開始時期 平成28年度

改修等費用 29,336千円

平成26年3月に廃校となった、鉄

筋コンクリート造り2階建の旧和田

小学校の校舎を改装して、ICT関

連企業である㈱ビジコムが、ケーブ

ルテレビの光ケーブル網を活用し、

本社機能の一部を分散したサテライ

ト・オフィスとして事業所を開設。

施設の概要

廃校活用までの経緯

これまで地域の拠点施設であっ

た旧和田小学校を㈱ビジコムの周

防大島サテライト・オフィスとし

て活用するにあたり、給食配ぜん

室を物流保管室へと改修すること

が容易であったことや、各教室が

直線の廊下で連絡しており、企業

の事務室、企画開発室、テレビ会

議室などの導線連携が良く大幅な

改修を加える必要が無かったこと

がメリットとして挙げられます。

余剰教室を地域に交流ルームとし

て開放することにより、新たな交

流拠点としての活用も期待されて

います。

廃校を活用する

メリット

今は「事務室」となっている「旧職員室」

中山間地域の島嶼部に属する周防

大島町は、水に乏しく、幹線交通網

から隔絶された条件不利地域で、第

二次産業の誘致は進んでいませんで

した。まち・ひと・しごと創生法の

施行にともない策定した、周防大島

町まち・ひと・しごと創生総合戦略

において、安定した雇用を創出する

取り組みの中で、ケーブルテレビの

光インフラを活用した、ICT関連

企業を廃校施設に誘致する取り組み

を行っていました。

その結果、東京に本社を置く㈱ビ

ジコムが、商品在庫管理POSシス

テムを扱う周防大島サテライトオ

フィスを設置することとなりました。

周防大島町

山口県

㈱ビジコム

理科室を改装した休憩ルーム

1階

2階

自治体の声 : 本町における、廃校利用の第2号モデルである。サテライトオフィスとしての誘致は山口県第1号である。地元学校を卒業した生徒の雇用が期待できる事業である。

36

業種 デザイン業、飲食

用途 多目的

建築年月日 昭和42年12月

規模 516.00㎡

運営開始時期 平成26年7月

改修費用 約650万円

平成26年にコミュニティスペース

「ハレとケ珈琲」が始まり、平成28

年春からは宿泊施設「ハレとケデザ

インホステル」がスタート。三好市

の素晴らしい自然に溶け込むことを

目指した活用法で、訪れる人々を癒

し、非日常の時間を提供することを

心掛けた場づくりを行っている。

施設の概要

廃校活用までの経緯

普段は入れない場所に入れる、

という好奇心や、どのような改装

を遂げたのかといった興味をそそ

る「廃校」というキーワードは、

それだけで価値があると実感して

いる。

また、ただの箱ではなく、そこ

にはたくさんの関係者の思いが詰

まっており、わざわざ足を運んで

くださる方々それぞれに、歴史や

思い出の存在を感じる。それらを

巻き取り、アウトプットしなおす

ことも廃校活用の醍醐味である。

廃校を活用する

メリット最初にてがけたのはコミュニ

ティとなるカフェ。「誰でも入れる廃校」を作りたかった。

平成25年の秋、三好市のプロジェ

クトとして広く廃校の利活用のアイ

ディアを県内外を問わず民間に募集

しているという情報を得た現㈱ハレ

とケデザイン舎代表が、その面白い

試みに興味を持ち、視察したことが

移住のきっかけとなった。当初、サ

テライトオフィスとして子会社の設

立を検討したものの「学校を使って

行う事業」を計画するにつれ当時の

親会社との事業内容の違いから、独

立し起業。これまでとは違い、飲食

を主軸とする業務形態を整えていっ

た。契

約後すぐに地元の森林組合に間

伐材を使用した改装工事を依頼し、

1か月後には子どもが楽しめるイベ

ントを開催、今なお催しは続く。

三好市

徳島県

活用1年後に作り、あたたかくなった春先から本格始動した宿泊施設。

(写真)

(写真)

㈱ハレ とケデザイ ン舎

気持ちの良い中庭には、真っ先にウッドデッキを敷いた。

親子でソーセージ作り体験など定期イベントも開催。

できる限り教室の間取りを変更せず内装などを新たにすると共に、使われていた黒板や備品などを活用することで、小学校の雰囲気を残すことにより子どものころを思い出させる空間がつくられている。

保健室

資料室

音楽室

普通教室 普通教室

ランチルーム 多目的教室 図書室. 理科室.

AfterAfter

Before

自治体の声 : 旧出合小学校区は、人口減少・少子化が急激に進むなか高齢化が60%を超えるなど地域を担う若者の減少により地域コミュニティが衰退している。こうした中、㈱ハレとケデザイン舎

による廃校の活用提案により、これまでのシンボル的存在であった小学校に明かりが灯り、人々の交流

が生まれ地域活力の源となっている。 37

業種 教育・研究業

用途 研究・研修施設

建築年月日 昭和60年3月20日

規模 4,400㎡

運営開始時期 平成19年10月2日

改修費用 約8,000万円

医薬品や機能性食品への応用が

期待される「希少糖」の生産・研

究の活動拠点として整備。「希少

糖」研究で世界をリードする香川

大学農学部が立地する町ならでは

の活用をしている。「希少糖」の

研究開発のほか、地域の自然を生

かした児童・生徒のバイオ体験学

習、国際的な学会を開催し、人材

育成にも取り組んでいる。

施設の概要

廃校活用までの経緯

既存の施設の改修で対応する

ことにより、企業がコストをあま

りをかけずに迅速かつ円滑に事業

を開始することができる。

また、教室の区切りが多いとい

う学校建物の特徴を生かし、生産

部門のほか、研修・宿泊施設など

多様な用途に応じた部屋に改修す

ることが可能である。

廃校を活用する

メリット併設されていた旧幼稚園は「ズイナ研究室」として整

備し、地域の高齢者が実験着を着て「希少糖の木」ズイナの組織培養に取り組んでいる。

「希少糖」の研究開発を行う大

学発のベンチャー企業である合同

会社希少糖生産技術研究所(当

時)が、研究施設の立地条件とし

て、静かで自然豊かな環境を探し

ており、町に廃校の施設利用を打

診。企業の取り組む内容が、賑わ

いと地域ブランド製品の創出につ

ながる可能性を内蔵しており、過

疎化が進む地区の活性化が十分に

期待できるとして町も申し出を快

諾。地域の人たちが長年親しんだ

学校の姿をできる限り残す形で、

改修工事を行い、誘致した。

三木町

香川県

定期的に高校生による希少糖を用いた課題研究を競い合う「希少糖甲子園」を開催。

理科室を実験室、家庭科教室を分析室、特別活動教室を研修室にするなど、廃校前の教室の特性を生かして改修し、使用をしている。

㈱ 希 少 糖 生 産技 術 研 究 所

学校の面影を残しながらもたくさんの実験設備や配管・配線が縦横に走っている。

特別活動教室

家庭科教室

理科室

準備室

普通教室

普通教室

余裕教室

児童会室

研修室

分析室

実験室

実験室文献・

資料室

セミナー室

講義室

AfterAfter

Before

自治体の声 : 同施設は、三木町を希少糖に関する学術研究の世界への発信基地にするだけでなく、過疎化の進む地域活性化の起爆剤として貢献されています。

38

業種 食品加工

用途 工場

建築年月日 昭和31年10月

規模 木造平屋502㎡

運営開始時期 昭和61年10月

廃校となった仕七川中学校

の特別教室棟を、そうめん工

場として活用している。自然

豊かで水・空気ともに澄んだ

久万高原町の環境は、主に小

麦粉と水のシンプルな素材か

ら作る素麺に、見事に調和し

ており、さらに、土の壁、木

の床など昔ながらの建築方法

で作られた校舎が、素麺の製

造に適した環境となっている。

施設の概要

廃校活用までの経緯

廃校の活用は、企業にとっては建物の建築費等を

削減できるとともに、地域にとっては減少した地域

活力の復活の元になると考えられる。

また、美川手延べ素麺

においては、木造校舎の

土壁・木材などによる調

湿効果が、食品の加工場

にメリットをもたらすこ

ととなった。

廃校を活用するメリット

付加価値のある素麺開発に

成功していた㈲新栄食品が、

水がきれいで寒い場所という

そうめん作りに最適な環境で

ある仕七川中学校の廃校を知

り、久万高原町(旧美川村)

に対し事業提案を行った。地

元の活性化と校舎の活用、働

き場となることから、住民か

らも同意を得られた。そして、

昭和61年10月に旧仕七川中学

校校舎一棟を賃貸。㈲新栄食

品がそうめん作りに特化した

㈲美川手のべ素麺を設立し活

用に至った。

久万高原町

愛媛県

㈲ 美 川 手 の べ 素 麺

旧理科室、旧家庭科室はそれぞれはし分け室、乾燥室として活用しており、区切られた空間を工程ごとに区分できている。

AfterAfter

Before

自治体の声 : 廃校となっても学校は、地域にとって思い入れのある建物であり、その建物が活用されることは、校舎に新たな命が吹き込まれたと感じる。また、地域雇用の場となるとともに、地域発

展の活力の一つとなっており、大変うれしく思う。39

業種 -

用途 賃貸事務所

建築年月日 平成4年3月31日

規模 1,268㎡

運営開始時期 平成26年度

改修費用 約2,800万円

一階部分を地域住民の交流の場と

して、二階部分については移住政

策・企業誘致の観点からシェアオ

フィスとして活用している。二階の

四室を独立オフィス、もう一室を会

議等で共同利用できるホールとして

利用している。また、高速の光回線

も整備しており、平成29年2月現在

4社が入居している。

施設の概要

廃校活用までの経緯

学校であったことから非常に静

かな環境の中に施設があり、コン

パクトな部屋で窓も大きく、基本

的に明るい部屋の造りになってい

るため、事務所としての活用は効

果的。改修は町が行っているため

初期投資が抑えられ、廃校利用の

観点から町からの賃料の減免等、

一定の支援が受けられる。学校は

そもそも地域の中心的存在であっ

たため、地域に密着する事業を展

開する際に学校施設を拠点とする

ことで、地域の協力が得られやす

い。

廃校を活用する

メリット

棚田に囲まれ、自然豊かな相川地区。地域特産の相川棚田米、土佐あかうしは絶品です。

相川小学校は、小学校の統合にと

もない平成21年3月末に廃校となり、

その後の施設の活用方法を地域住民

とともに検討。一階は一部改修し地

域住民の集いの場、緊急時の避難所

として活用。二階部分については、

高知県への移住等を促進する「高知

家プロジェクト」の一環として、豊

かな自然環境の中、光インターネッ

ト回線を完備して快適に仕事ができ

る「シェアオフィス」を設置。起

業・創業者を誘致する取組を県が推

進する中で、既に町内全域で光ファ

イバーが整備済みであったことから、

旧小学校の空き校舎の利活用、移住

土佐町

高知県

約55㎡の事務所が1室、約40㎡の事務所が3室、共同利用できる約70㎡のホールが1室あります。

(写真)

二階部分のみシェアオフィスとして活用。改修は照明および内装改修工事、トイレの洋式化、光ファイバ接続工事を実施し、間取り自体は既存の部屋をそのまま利用。

シェアオフィス相川

都会のシェアオフィスと違って、ゆったりとした区画で仕事に取り組めます。

自治体の声 : 町内に廃校になり十分活用できていない施設がまだ数件ある。施設の場所により同様の活用ができるとは限らないが、土佐町内における先進的事例として今後の状況を見ながら、他の

廃校施設の利活用を再度検討していく。

促進、雇用対策等を目的に平成26年

7月「シェアオフィス相川」を開設。

40